退職代行は弁護士がオススメな6つの理由と強い弁護士の選び方

退職代行は弁護士がオススメな6つの理由と強い弁護士の選び方
弁護士 若林翔
2024年06月27日更新

「会社がブラックで今すぐ辞めたい・・・」

「でも辞めると言ったら何を言われるかわからない・・・」

「辞めると言ってからの出勤のことを考えると憂鬱になる・・・」

ブラック企業が多い中、このように考えている人は少なくありません。

トラブルなく辞めることができれば良いですが、うまくいくことばかりではなく、我慢を続けていると心も体も壊れてしまいます。

そういったとき、退職代行を使うのが有用ですが、退職代行には弁護士を使う方法と、弁護士でない退職代行業者を使う2つの方法があります。

もっとも、退職代行を使うには、圧倒的に弁護士がおすすめです。

その理由は、トラブルなく最短でやめることができる、違法な退職代行業者を避けることができる、その後の交渉ができる、など。

今回は、退職代行に弁護士を使うべき理由と、退職代行に強い弁護士の選び方、職業別の退職代行についても解説していきます。

退職代行を弁護士に頼むべき理由6選

退職代行を弁護士に頼むべき理由6選

トラブルなく最短でやめることができる

退職代行を利用する際には、法律の専門家である弁護士に依頼することによって、トラブルなく迅速に会社を辞めることができます。

ブラック企業の中には、退職を受け入れないと言ってきたり、退職に条件をつけてきたり、損害賠償請求をすると言ってきたりする会社があります。

また、退職代行業者の中には、違法行為を行っている業者もあるため、そのような業者には対応しないと言ってくる会社も存在します。

しかし、法律の専門家である弁護士から内容証明を送れば、そのようなことを言ってくる可能性はほとんどありません。

弁護士に退職代行を依頼すれば、退職に失敗する、退職に際してトラブルが発生する可能性を下げることができます。

違法な退職代行業者だとスムーズに退職できない可能性がある

退職代行業者は、示談交渉など、法律事務を行うことはできません。弁護士でない者が法律事務を代理する行為は、違法な行為であり、弁護士法72条により禁止されています。

弁護士法72条 (非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

退職代行業者が代行できるのは、あくまで本人の退職の意思を会社に伝えることに留まります。会社からのアクションがあり、これに対して何らかの交渉を行ってしまうと、違法な行為に該当してしまいます。

例えば、退職代行業者が退職や有休消化の意思を伝え、会社がその申し出に応じない姿勢を示した場合、それに対して法的根拠をもって反論することも、交渉に当たり、違法になります。

違法行為に該当すると、上記のように、そのような違法な業者には対応しないと言われる可能性、退職代行の行為自体が無効と判断される可能性があります。特に、有給消化の申し出に対しては、会社も反論してくる可能性は高くなるでしょう。

退職代行を弁護士に依頼すれば、法的根拠をもって反論することも当然可能であり、退職ができなくなるリスクはありません。

会社から損害賠償請求されたときの対応ができる

ブラック企業の中には、退職代行を利用した場合、損害賠償請求をしてくる会社もあります。

しかし、労働者が会社に対し、損害賠償責任を負わなければならないケースは多くありません。

退職代行を弁護士に依頼すれば、そもそも不当な要求が来る可能性が低くなり、また、不当な要求をブロックしたり、交渉に応じて一挙に解決することができます。

退職条件について交渉ができる

会社が退職を受け入れないと言ってきたり、条件をつけてきたりしてきても、弁護士であれば、そのまま退職条件についての交渉をすることができます。上記で述べた通り、退職代行業者では、交渉をすることはできません。

「引き継ぎを行うまで退職は認めない」等、会社が退職に際して条件をつけてきたような場合には、結局弁護士に依頼することになってしまい、余計な手間や費用がかかってしまいます。

また、退職する際には、会社から、離職票、雇用保険被保険者証、源泉徴収票、年金手帳(基礎年金番号通知書)を受け取ることになりますが、弁護士に退職代行を依頼すれば、これらの書類を請求することだけでなく、退職日の調整、有給休暇取得等の交渉をすることもできます。

退職金の請求ができる

本来であれば退職金が支払われるはずであった場合、弁護士に依頼すれば、退職金の請求をすることができます。

また、その前提として、相談者のケースが、退職金をもらえるケースであるか否かの判断ができます。

退職金の請求ができるかは、まず就業規則に、退職金についての規定があるか否かのチェックから入りますが、退職代行業者の場合、そのようなチェックはせず、機械的に退職の意思を伝えるだけになります。

したがって、本来退職金が支払われるケースであったのに、退職代行業者に依頼してしまい、もらえるはずの退職金がもらえなくなることがあります

未払い残業代の請求や損害賠償請求ができる

未払い残業代やパワハラ・セクハラによる慰謝料の請求ができるような場合、退職代行と合わせて、その交渉をすることができます。

また、その前提として、相談者のケースが、そのような請求ができる場合であるか否かを判断することができます。

退職代行業者を使いたいと思われるような会社では、残業代が正確に支払われていなかったり、パワハラ・セクハラが横行していることも少なくありません

退職代行業者の場合、機械的に退職の意思を伝えるだけになりますので、本来得られたはずの金銭が得られなくなってしまう可能性があります。

退職代行の弁護士費用

退職代行の弁護士費用

弁護士費用は5万から10万円

弁護士に退職代行を頼むと、弁護士でない退職代行業者に頼むときと比べて、費用が高くなる傾向にあります。

退職代行の費用の相場

しかし、上記で述べた通り、退職代行業者を使って退職に失敗した場合、余分な手間や費用がかかってしまうため、はじめから弁護士に依頼した方が安く済む場合もあります。

残業代請求等の副次的な請求について

残業代請求や退職金、未払賃金請求、慰謝料請求など、退職代行以外の交渉・訴訟をまとめて依頼した場合には、それらについての費用は別途かかります。

例えば、交渉を弁護士に依頼すると、多くの事務所で20万~30万円程の費用がかかります

もっとも、相談自体は無料で行っている場合が多いので、弁護士に相談をし、金銭の請求ができるか否かの判断をするべきであるといえます。

退職代行を依頼する弁護士の選び方

退職代行を依頼する弁護士の選び方

労働分野に強い弁護士である必要がある

退職代行は労働分野であり、労働分野に力を入れている事務所の弁護士がおすすめです。

また、退職代行に加えて、残業代請求、慰謝料請求などを行うには、労働分野を数多く取り扱っている事務所でないと、対応することができません。

労働分野に力を入れているかは、法律事務所のホームページにおいて、コラムや解決実績があるかを見て判断することができます。

弊所では、退職代行のみならず、残業代請求、不当解雇に対する慰謝料請求など、労働分野を多数取り扱っています。

退職代行の経験や実績がある必要がある

退職代行は全ての法律事務所がやっているわけではありません。

退職代行の実績のある弁護士に依頼する必要があります。

特に、ナイトワークなどの場合には、業界の慣習、特徴をわかっている必要があるため、その業界に詳しい法律事務所に依頼することがおすすめです。

弊所では、退職代行に限らず、ナイトワーク関連のご相談を多くいただいており、多数の解決実績があります。

相談しやすい弁護士である必要がある

弁護士との相性は、実際会ってみないとわからないことも多く、実際に会ってみて、信頼できると感じた弁護士に依頼する必要があります。

初回相談料無料の事務所にご相談いただき、実際に話してみて、相談しやすい弁護士にご依頼するのがおすすめです。

特殊な職業の退職代行

公務員やナイトワークのかたの退職代行

公務員の場合の退職代行

公務員であっても、退職代行を禁止する規定はなく、退職代行を利用することができます。

そして、公務員が退職代行を使う際には、特に弁護士に依頼するのがおすすめです。

なぜならば、公務員は、民法の他、国家公務員法、地方公務員法、その他規則による特別な制限を受けるからです。

よく、退職代行サービスでは、「2週間で退職できる」と謳っていますが、これは民法627条に基づくもので、公務員には該当しません。

また、公務員は、絶対に「バックれ」てはいけません。

公務員が「バックれ」をすると、懲戒をされてしまう可能性が高く、減給などの不利益や、本来もらえるはずであった退職金がもらえなくなったりなどの不利益があります。

具体的には、以下のような規定があります。

ア 正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。

イ 正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠いた職員は、停職又は減給とする。

ウ 正当な理由なく21日以上の間勤務を欠いた職員は、免職又は停職とする。

引用:人事院懲戒処分の指針について

弁護士に頼むだけで、これらの懲戒を回避しながら、退職することができます。

ナイトワークの場合の退職代行

風俗やキャバクラなどの水商売、ナイトワークの場合にも、特に弁護士による退職代行がおすすめです。

なぜならば、ナイトワークの場合、辞めると言ってもなかなか辞めさせてもらえなかったり、トラブルになるケースが多いからです。

具体的な退職時の水商売・風俗(夜職)のトラブルとしては、

  • 風紀違反や爆弾の罰金を完済するまで辞めさせない
  • お金を借りていて辞められない
  • 辞めたら水商売で働いていたことを家族や次の職場にバラすと脅された
  • トラブルを解決せず辞めたら家や職場に押しかけられた
  • 未払分の給料を払わないと言われた

などがあります。

また、ナイトワークの場合、雇用契約ではなく業務委託契約である場合がほとんどであるため、正確には退職代行ではなく、業務委託契約の解消の交渉になります。

したがって、民間の代行業者では対応できないことが多く、民間で夜職の退職代行を行っている場合、違法である可能性が非常に高いです。

風俗・水商売などのナイトワークの退職代行については、以下の記事もご参照下さい。

リンク:水商売・風俗(夜職・ナイトワーク)退職代行のススメ!

リンク:【風俗退職代行】風俗店を辞めたいのに辞められなかったキャストが弁護士に依頼した結果!

 

弊所の退職代行の成功事例

グラディアトル法律事務所の退職代行の成功事例

【当事者の情報】

ご依頼者は20代の女性

【事例の概要】

ご依頼者はデリヘル店に勤務しており、LINEで退職したいことを告げましたが、「会って話そう」「今やめたら違約金払ってもらうよ」などと、なかなかやめさせてもらえない状況でした。また、ホームページ上の在籍も消してもらえない状況でした。

また、デリヘル店の宣伝のために、性行為の動画を撮影していたため、その削除もしたく、弊所にご依頼いただきました。

【解決までの道のり】

ご依頼者とデリヘル店のスタッフはほとんど顔を合わせたことがなく、LINEでやり取りをしていたため、デリヘル店及び、スタッフの方の住所がわからない状態でした。そこで、弁護士会照会により担当者の氏名、住所を特定することになりました。

特定後、弁護士からご依頼者がデリヘル店を退職する旨の内容証明、及び、撮影した宣伝用の動画の削除を請求する内容証明を送付しました。

【結果】

ご依頼者はデリヘル店を退職することができ、ホームページからも在籍を削除してもらうことができました。また、宣伝用の動画の削除にも応じてもらうことができました。

【解決のポイント詳細】

デリヘル店を退店する場合に限らず、会社を退職するときに、「会って話そう」などと引き留めにあったり、何の根拠もなく、「違約金を払ってもらうよ」などと言われることはめずらしくありません。

しかし、そのような要求は不当なことが多く、弁護士から内容証明を送付すれば止まるケースがほとんどです。

また、今回のケースでは、デリヘル店の宣伝用の性行為の動画を撮影されてしまっていました。動画の削除については、必ずしも応じてもらえるとは限りませんが、弁護士が間に介入することによって、動画の削除などの請求に応じてもらえる確率は高まります。

なお、現在では、AV新法の適用により、出演契約の解除、動画の差止、削除請求ができる可能性があります。

まとめ

退職代行を使いたいと思うような会社では、パワハラが常態化している、会社が残業代をきちんと支払われていない等の事情があることが多いです。

また、業界によっては、「違約金を払え」や、「損害賠償請求する」など、何の根拠もなく脅してくることもしばしばあります。

そして、退職代行のみを検討している場合でも、弁護士への無料相談で、金銭の請求を求めるべきであることが判明する場合もあります。

弊所では、通常の退職代行のみならず、解決事例のような、やや特殊な退職代行も扱っており、多数の解決実績があります。

退職代行を検討している場合、ぜひ弊所弁護士へお気軽にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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