「残業代請求をしたいけど、自分だけでは不安だ」
「残業代請求の相談をしたいけど、どこに相談すればよいかわからない」
「残業代請求の相談先の特徴を知りたい」
会社から残業代が支払われていないことがわかっても、どのように対処すればよいかわからず、自分だけで問題を抱えてしまう方も少なくありません。
しかし、残業代請求の問題は、自分一人で抱えていても解決することはできませんので、早めに適切な相談機関で相談をすることが大切です。未払い残業代の問題を相談できるところとしては、主に以下の6つがあります。
・総合労働相談コーナー|厚生労働省
・労働条件相談ほっとライン|厚生労働省
・労働相談ホットライン|全国労働組合総連合会
・労働組合
・労働基準監督署
・弁護士
それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットがありますので状況に応じて適切な相談機関を選択する必要があります。
本記事では、
・残業代請求の悩みを相談できる6つの窓口の特徴
・残業代請求の相談を弁護士にすべき4つの理由
・残業代請求の相談から解決までの流れ
についてわかりやすく解説します。
残業代請求を代理人として対応できるのは弁護士だけですので、自分で対応が難しいという場合には、弁護士に相談するのがおすすめです。
目次
残業代請求の悩みを相談できる6つの窓口
残業代請求の悩みを相談できる主な窓口としては、以下の6つが挙げられます。
総合労働相談コーナー|厚生労働省
総合労働相談コーナーとは、厚生労働省が設置する労働問題の相談窓口で、各都道府県の労働基準監督署・労働局内に設けられています。
相談方法は、電話または面談で、未払い残業代の問題をはじめとしてさまざまな労働問題の相談に応じてくれます。相談料は、無料ですので残業代の問題に関する一般的なアドバイスをもらいたいという場合には有効な相談窓口といえるでしょう。
ただし、総合労働相談コーナーでは、労働問題に関するアドバイスをしてもらうことはできますが、残業代請求のサポートまでは行っていませんので、労働者が個人で対応しなければなりません。
労働条件相談ほっとライン|厚生労働省
労働条件相談ほっとラインとは、厚生労働省が設置する労働問題の電話相談窓口で、誰でも無料で相談することができます。
専門知識を有する相談員が法令や裁判例を踏まえた相談対応や関係機関の紹介を行ってくれます。全国どこからでも利用でき、匿名での相談も可能ですので、いきなり面談相談をするのはハードルが高いと感じる方にはおすすめです。
労働相談ホットライン|全国労働組合総連合会
労働相談ホットラインとは、全国労働組合連合会(全労連)が設置する労働問題の相談窓口です。相談方法は、電話またはメールで、労働者であれば誰でも無料で相談することができます。
労働組合
労働組合とは、労働者が主体となって組織する団体であり、労働条件の維持・改善、地位の向上を目的として会社と交渉を行うことができます。労働者が個別に会社と交渉をしても改善が難しい労働条件についても、労働組合による団体交渉により実現できる可能性があります。
ただし、小規模な会社では労働組合が存在しなかったり、労働組合があっても形骸化しており、相談窓口として機能していないこともありますので注意が必要です。
労働基準監督署
労働基準監督署とは、企業が労働基準法などの労働関係法令を遵守しているかどうかを監督する機関です。労働基準監督署では、未払い残業代などの労働問題について、電話・メール・面談での相談を受け付けています。
面談相談の結果、労働基準法違反の疑いがある事案については、事業所への立ち入り調査などを行い、違反行為の有無を確認します。その結果、労働基準法違反が認められた場合、指導や是正勧告により違法状態の改善を命じてくれます。
ただし、労働基準監督署による指導・是正勧告には強制力がありませんので、会社が任意に従わなければ効果は期待できません。
弁護士
弁護士は、労働問題をはじめとしたあらゆる法律問題に対応できる専門家です。
未払い残業代の問題であれば、問題解決に向けた法的アドバイスから労働者の代理人として会社との交渉、労働審判、訴訟などに対応することができます。残業代の悩みを相談できる相談窓口のうち、労働者の代理人として対応できるのは弁護士だけですので、自分で対応するのが難しいという場合には、弁護士への相談がおすすめです。
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残業代請求の相談を弁護士にすべき4つの理由
残業代請求の問題を相談できる窓口にはさまざまなところがありますが、以下のような理由から弁護士に相談をするのがおすすめです。
残業代請求の悩みについて法的なアドバイスをしてもらえる
労働者側の残業代請求に対して会社側はさまざまな理由をつけて残業代の支払いを拒んできます。会社側が残業代の支払いを拒否する正当な理由があるかどうかは、法的観点から検討する必要があります。
弁護士は、法律の専門家ですので、会社側の主張に法的根拠があるかどうかを的確に判断することができます。会社側は、もっともらしい理由をつけて労働者を説得してきますので、少しでも疑問に感じるときはすぐに弁護士に相談してください。
残業代計算を行ってくれる
会社に対して残業代請求をする際には、未払い残業代の計算をしなければなりません。残業代計算は、労働時間制や給与体系によって計算方法が異なるなど、非常に複雑な計算方法になっていますので、正確に残業代を計算するためには専門家である弁護士のサポートが必要になります。
弁護士は、労働者の代わりに残業代を計算してくれますので、残業代計算の手間を省けるとともに、迅速かつ正確な残業代計算が可能です。
証拠収集のサポートをしてもらえる
残業代請求を成功させるには、証拠が重要になります。証拠の有無によって、残業代請求の勝ち負けが左右されるといっても過言ではありませんので、あらかじめ十分な証拠を確保しておかなければなりません。
しかし、どのような証拠が必要になるかは、事案によって異なりますので、労働者個人では判断が難しいといえます。弁護士であれば、残業代請求に必要となる証拠を熟知していますので、適切な証拠を取捨選択できるとともに、労働者に代わって証拠収集のサポートをしてもらうことができます。
代理人として交渉や法的手続きをやってもらえる
弁護士以外の相談窓口では、残業代請求の問題を解決するためのアドバイスをしてくれますが、実際に会社と交渉をするのは労働者個人です。相談窓口が労働者の代わりに会社と交渉をしてくれることはありませんので、労働者にとっては大きな負担となります。
しかし、弁護士であれば、労働者の代理人として対応できますので、会社との交渉、労働審判、訴訟など一連の対応をすべて任せることができます。自分で対応するのが不安な方は、まずは弁護士に相談するとよいでしょう。
残業代請求の相談から解決までの流れ
弁護士に残業代請求の相談をすると、以下のような流れで残業代に関する問題を解決してくれます。
3-1 弁護士事務所の法律相談の予約
弁護士への相談は、基本的には予約制となっていますので、相談を希望する弁護士事務所に問い合わせをして、相談の予約を入れましょう。
面談相談時に必要な持ち物についても、相談予約の際に確認しておくとよいでしょう。
弁護士との面談相談の実施
事前に予約をした日時に弁護士事務所を訪問し、弁護士との面談相談を実施します。
弁護士は、相談者からの相談内容や持参した証拠資料などを踏まえて、残業代請求についての具体的な方針を示してくれます。残業代請求にあたって不安や疑問がある場合には、遠慮なく弁護士に尋ねてみましょう。
弁護士と委任契約の締結
弁護士から提示された事件処理の方針や弁護士費用に納得ができた段階で、弁護士と委任契約を締結します。
相談時にすぐに依頼しなければならないわけではありませんので、一旦持ち帰って検討し、後日依頼することも可能です。
内容証明郵便の送付
弁護士との委任契約が成立後は、弁護士が労働者の代理人として残業代請求を行っていきます。
まずは、弁護士が未払い残業代の計算を行い、会社に対して内容証明郵便で残業代請求を行います。内容証明郵便を利用して請求することで、時効の完成を6か月間猶予することができますので、時効により残業代が消滅してしまうのを防ぐことが可能です。
内容証明郵便で残業代請求をする方法等についての詳細は、以下の記事もご参照ください。
会社との交渉
内容証明が届いたら、会社との交渉を進めていきます。弁護士が代理人として交渉することで会社も真摯に対応せざるを得ない状況となりますので、交渉段階で未払い残業代の支払いに応じてもらえる可能性が高くなるといえます。
会社との間で合意が成立した場合、弁護士が合意書を作成して、合意書に基づいて残業代が支払われれば事件終了となります。
労働審判の申立て
会社との交渉が決裂したときは、弁護士が裁判所に労働審判の申立てを行います。
労働審判は、労働問題に関する紛争解決手段で、原則として3回以内に期日で終了しますので、裁判よりも早期解決が期待できる手続きです。労働審判は、労働者自身も出席する必要がありますので、実際の期日に弁護士も同席してサポートしますので、ご安心ください。
労働審判で合意が成立、または労働審判が出て確定すれば、会社から未払い残業代の支払いが受けられます。
ただし、労働審判に対して異議申し立てがあると労働審判は効力を失い、通常の訴訟手続きに移行してしまします。
なお、労働審判で残業代請求をする流れについては、以下の記事をご参照ください
訴訟の提起
労働審判に対する異議があった場合または交渉が決裂した場合には、最終的に訴訟による解決を図ります。
訴訟手続きは、労働審判とは異なり、基本的には弁護士が出頭して対応しますので、労働者自身が裁判の期日に出席する必要はありません。解決まで弁護士に任せることができますので、手続き的な負担はほとんどないでしょう。
弁護士が証拠に基づいて未払い残業代の存在を主張立証し、それが裁判所に認められれば、会社に対して残業代の支払いを命じる判決が言い渡されます。
なお、裁判で残業代請求をする流れについては、以下の記事をご参照ください。
強制執行の申立て
判決確定後も会社が任意に支払いに応じないときは、弁護士が強制執行の申立てを行い、会社の財産を差し押さえ、そこから強制的に未払い残業代の回収を行います。
会社の財産が不明な場合でも、弁護士が以下のような手続きにより会社の財産を特定しますので安心してお任せください。
・弁護士会照会
・財産開示手続
・第三者からの情報取得手続き
残業代請求で強制執行をする方法の詳細については、以下の記事もご参照ください。
残業代請求を弁護士に相談・依頼した場合の費用相場
残業代請求を弁護士に相談・依頼した場合にかかる費用とその相場は、以下のようになっています。
相談料
相談料とは、弁護士に残業代請求の問題を相談したときに発生する費用です。
一般的には1時間あたり1万円(税別)が相場です。最近では、相談料無料で対応している法律事務所も増えていますので、そのようなところを探して相談をすれば相談料の負担を抑えることができます。
なお、当事務所では残業代に関する相談は、初回相談料無料で対応しています。
着手金
着手金とは、弁護士に未払い残業代請求の事案を依頼した場合に発生する費用です。着手金は、残業代請求の成功・不成功にかかわらず発生するお金になります。
着手金の計算方法には、いくつかのパターンがあり、弁護士事務所ごとに異なっています。1つ目は、以下のように請求する未払い残業代の金額に応じて、計算する方法です。
2つ目は、未払い残業代の金額にかかわらず、着手金を定額で計算する方法です。この方法では、20~30万円程度が着手金の相場になります。
なお、当事務所では、タイムカードの有無等にもよりますが、着手金0円から対応しています。
報酬金
報酬金とは、です。会社から残業代をまったく回収できなかった場合には、報酬金は発生しません。
報酬金の計算方法も着手金と同様に弁護士事務所ごとにさまざまです。以下の表のように、会社から回収した未払い残業代の金額に応じて計算する方法もありますが、回収した金額の20~30%という形で計算する方法もあります。
なお、当事務所の報酬金は、以下のようになっています。
成功報酬 交渉の場合 22%+22万円
成功報酬 労働審判・訴訟の場合 22%+33万円
※成功報酬については、会社から支払われる金額を上限とします。
※労働審判・訴訟の場合は、別途日当がかかります。
実費
実費とは、弁護士が事件処理にあたって実際に支出した費用のことをいいます。実費には、主に以下のようなものが含まれます。
・印紙代
・郵便切手代
・コピー代
・交通費
残業代請求に関するお悩みはグラディアトル法律事務所にご相談ください
残業代請求に関してお悩みの方は、一人で問題を抱え込むのではなく、弁護士に相談することをおすすめします。その際には、残業代請求に強い弁護士に相談することで、残業代に関するトラブルを迅速かつ適切に解決してもらうことができます。
グラディアトル法律事務所では、これまでに多数の残業代請求の事案を取り扱っており、豊富な解決実績と経験を有しています。会社側の違法な残業代不払いの手口を熟知していますので、適切な反論を行うことで、未払い残業代の問題を解決に導くことができます。
どこに相談をすればよいかわからないという方は、まずは当事務所までご相談ください。経験豊富な弁護士が残業代請求の実現に向けて全力でサポートいたします。
まとめ
残業代請求に関する問題を相談できる窓口にはさまざまなところがありますが、労働者の代理人として行動することができるのは弁護士に限られます。労働者個人で会社との交渉、労働審判、訴訟などの対応をするのは時間や手間がかかり大きな負担となります。
ご自身で対応するのが負担に感じる方、自分だけでは不安があるという方は、弁護士に相談するのがおすすめです。残業代請求に関するお悩みは、残業代請求に強いグラディアトル法律事務所にお任せください。