秋田の風俗グループトップら逮捕 「デリヘルのほうが稼げる」出会い系少女を勧誘容疑
未成年の女性にデリバリーヘルス(派遣型風俗店)への就職を勧誘したとして、秋田県警組織犯罪対策課と秋田中央署などは、職業安定法違反(有害職業募集)の疑いで、秋田市南通亀の町、会社役員、◯◯容疑者(46)ら5人を逮捕した。◯◯容疑者は秋田県内最大の風俗店グループのトップとされる。
ほかに逮捕されたのは、同市千秋矢留町、デリヘル店社長、◯◯(51)▽同市桜、同、◯◯(30)▽同市仁井田二ツ屋、同、◯◯(33)▽県央部在住、風俗店従業員の少年(19)-の4容疑者。
逮捕容疑は今年3月10日と20日、秋田市内で出会い系サイトで知り合った19歳と18歳の少女に「デリヘルのほうが楽に稼げるよ」などと勧誘したとしている。
http://www.sankei.com/affairs/news/171002/afr1710020018-n1.html
職業安定法,有害職業募集の事案。
本件での勧誘対象は19歳と18歳であって,18歳未満ではない。
それでも,この風俗店(デリヘル)は,職業安定法違反(有害職業募集)の疑いで逮捕されてしまっている。
風営法上適法に届出を出して適法に運営している風俗店でも,職業安定法上の「有害な業務」にあたる。
詳細は,同内容の以下の記事を見てほしい。
性風俗店は「有害な業務」(職業安定法)か!? 交際女性を性風俗店に…容疑で29歳男ら逮捕 大阪府警
リンクの記事で記載した裁判例は,風俗店での求人広告において,同店が風俗店であることや仕事の内容については伏せていて,面接時に初めて風俗店の業務内容を説明しているという事案である。
その点の悪質性等も加味され,懲役1年6月,執行猶予3年という判決がくだされている。
本件について,ニュース内容からだけでは詳細な事情は分からないが,デリヘルに勧誘したことの他に何か事情があるのだろうか?
単にデリヘルに勧誘しただけで逮捕されているとしたら,通常の風俗店の求人広告や勧誘でも捕まってしまいかねない。
もっとも,条文上は,風俗店等の有害業務については,職業紹介、労働者の募集,労働者の供給について,有償無償を問わず,罪にあたると規定されている。すなわち,通常の風俗店の求人広告も同条違反の罪になってしまう。
そうなると,捜査機関に睨まれない求人募集方法を考えないといけないということか…。
今回は,出会い系から勧誘というのがよくなかったのか…。
風俗店経営者の方々,担当する弁護士の方々には頭が痛いニュースである。