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風俗(デリヘル)本番の逮捕事例一覧【2024年最新版】

弁護士 若林翔 2024/09/27更新

「デリヘルで本番強要をしてしまい逮捕されるか不安」

「メンズエステで働いていて無理やり本番されてしまい相手の客を逮捕させたい」

このような不安や悩みを抱えている方が増えている。

デリヘルなどの風俗での本番トラブルでは警察は動かない、逮捕はされないのであろうか??

そんなことはない!

現に、風俗で本番をして逮捕されている事例が複数ある!

また、2024年7月に刑法が改正され、強制性交等罪が不同意性交等罪に改正され、同意のない性交・本番が逮捕されやすくなった

本記事では、以下の内容について、弁護士が解説する。

・風俗での本番の逮捕事例を紹介

・風俗での本番が逮捕されるときの罪名と刑罰

・風俗で本番をされてしまった風俗店やキャストの対処法

・風俗で本番をしてしまった客の対処法

 

風俗(デリヘル)本番の逮捕事例一覧

風俗(デリヘル)本番での逮捕事例一覧表

この表は、風俗(デリヘル)本番での逮捕事例の一覧表だ。

ニュースになったものだけをピックアップしている。実際にはニュースになっていない逮捕事例もあるだろうから、もっと多くの逮捕事例があると考えられる。

2023年7月の刑法改正後は、不同意性交等罪での逮捕だ。

以下では、風俗(デリヘル)本番での逮捕事例のうち、特徴的な逮捕事例について解説をする。

 

風俗本番での逮捕事例①:トラブルから約1年後に後日逮捕された事例

派遣型風俗店の女性から性的サービスを受ける最中に…不同意性交の疑いで無職の男を逮捕 双方が警察に通報

静岡市内にある宿泊施設で、派遣型風俗店の女性の同意を得ずに性交に及んだとして、袋井市に住む無職の男が逮捕されました。

逮捕されたのは袋井市に住む無職の男(31)で、2023年10月中旬、静岡市内の宿泊施設で派遣型風俗店の女性から性的サービスを受けている中、同意を得ずに性交に及んだ疑いです。

事件は、女性の関係者と逮捕された男の双方から「揉め事が起きた」と警察に通報があったことで発覚しました。

警察は「捜査に支障がある」として男の認否を明らかにしておらず、また、事件から逮捕まで時間を要した理由については「所要の捜査を行っていたため」と説明しています。

2024/9/25 テレビ静岡より引用

 

本件は、2024年9月25日の風俗本番での逮捕ニュースだ。

もっとも、客の男性がデリヘルを利用して本番をしたのは2023年10月中旬ということで、逮捕まで約1年の期間が経っての後日逮捕・通常逮捕がなされているのが特徴的だ。

 

風俗本番での逮捕事例②:風俗店からの電話に恐怖した客が警察に通報するも客が逮捕された事例

「本番はやめて」デリヘルの女性に乱暴、美容師の男を容疑で逮捕 伊丹署 店からの電話で怖くなり110番

デリバリーヘルス(派遣型風俗店)の女性従業員(28)に乱暴したとして、兵庫県警伊丹署は29日、不同意性交の疑いで、伊丹市内に住む美容師の男(48)を逮捕した。

逮捕容疑は28日午後11時10分ごろ、自宅に呼んだ女性(28)に対し、同意を得ずに性交した疑い。調べに行為は認めつつ「同意があると思った」と話しているという。

同署によると、女性は「本番はあかん、やめて」と拒絶したが行為を続けられたため、男の自宅から退出。店側に被害を伝えたという。

店から「どういうことか。今から家に行かせてもらう」と電話を受けた男が恐怖を感じ、29日午前0時ごろ、「家に来ると言っている。どうしたらいいか」と110番。署員が双方から事情を聴いたところ、女性に乱暴したことが分かり、男を逮捕した。

2023/9/29 神戸新聞より引用

 

本件は、デリヘルで本番をした客に対して、風俗店が電話をして「今から家に行く」と伝えたところ、客側が恐怖を感じて110番通報をした事案だ。

しかし、客側は自ら110番通報をしたにもかかわらず、本番に同意がなかったとして不同意性交等罪で逮捕されている

具体的には、客の男性は同意のもと本番をしたと思っていたが、風俗店のキャスト側は同意をしておらず拒絶したと主張していた事案だ。

本番や盗撮などを理由として、風俗店の従業員などが脅迫・恐喝をするような事例もあり、実際に風俗店側が逮捕された事例もある。他方で、本件のように、本番をした客側が逮捕されるケースもある。

風俗での脅迫・恐喝被害の対処法等については、以下の記事も参照して欲しい。

デリヘルで恐喝・脅迫された場合の対処法5つを風俗弁護士が徹底解説!

 

風俗本番での逮捕事例③:本番強要でキャストが怪我をして強制性交致傷罪で逮捕された事例

デリヘル女性に性的暴行でけが、容疑で男逮捕 唐津署

東松浦郡玄海町内の住宅で20代女性に性的暴行を加えてけがをさせたとして、唐津署は5日、強制性交致傷の疑いで、自称福岡県春日市大土居2丁目、建設作業員の男(64)を逮捕した。

逮捕容疑は4日午前0時55分ごろから同1時55分ごろまでの間、男が所有する東松浦郡玄海町今村の住宅で、デリバリーヘルスの20代女性の両腕を押さえ付けるなどして性的暴行を加え、左腕などに約10日間のけがを負わせた疑い。「腕をつかんだだけで、けがをさせるつもりはなかった」と一部否認している。

同署によると、女性の送迎を務める男性から同署に通報があった。2人は初対面だったという。

2021/5/6 佐賀新聞LiVEより引用

 

本件は、デリヘルでの本番強要の際に、客がキャストの腕を抑え、キャストが左腕などに全治10日間の怪我をした事例だ。

怪我をしているので、強制性交致傷罪で逮捕されている。

強制性交致傷罪の法定刑は、無期又は六年以上の懲役と重罪だ

令和2年の強制性交等罪の量刑について、最高裁判所から提供を受けたデータを基に法務省刑事局において作成されたデータによると、執行猶予付き判決は、2%(執行猶予1件/全体42件)であり、なんと98%の事件が実刑になっている。

なお、現在では、強制性交致傷罪は不同意性交致傷罪に改正されている。

 

風俗(デリヘル)での本番は不同意性交等罪で逮捕される

風俗での本番は不同意性交等罪で逮捕が容易に!

不同意性交等罪とは

不同意性交等罪とは、同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態にさせること、あるいは相手がそのような状態にあることに乗じて性交等をする罪だ。

2023年7月、刑法が改正され、不同意性交等罪が新設された。強姦罪→強制性交等罪→不同意性交等罪と改正がなされてきた。

不同意性交等罪の条文は刑法177条に規定されている。

(不同意性交等)
第百七十七条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

刑法177条1項(e-gov参照)

強制性交等罪において、無罪判決が相次いだことから、そもそも同意のないせい行為を処罰対象とすべきであるとの議論がおこり、処罰範囲が拡大された不同意性交等罪が成立した。

不同意性交等罪とは?強姦罪→強制性交等罪からの変遷・比較

不同意性交等罪が新設されデリヘルでの本番の逮捕リスクが急増した!

デリヘル等の風俗本番トラブルは不同意性交等罪の新設で逮捕されやすくなる!

不同意性交等罪の新設で、デリヘル等の風俗本番トラブルは逮捕されやすくなる。

その理由は、強姦罪や強制性交等罪とは異なり、被害者である風俗嬢が抵抗するのが著しく困難な程度の暴行や脅迫がなくても不同意性交等罪は成立し得るからだ。

不同意性交等罪は、被害者である風俗嬢が同意するいとまがない状態(不意打ち)で挿入されれば成立するのだ。

・素股プレイ中に挿入してしまうケース

・客がキャストの同意があると勘違いして挿入するケース

についても、被害者である風俗嬢が同意するいとまがない状態での挿入といえることが多いだろうから、この場合にも、不同意性交等罪が成立することになる。

他方で、

・悪質な店やキャストが美人局のために挿入を誘導するケース

・客が金を渡して本番をする円盤ケース

については、本番について同意があったと考えられるため、不同意性交等罪は成立しないことになる。

デリヘル等の風俗での本番類型と不同意性交等罪の成否についてまとめると、以下の表のようになる。

本番トラブル類型と不同意性交等罪の成否

不同意性交等罪とデリヘル等の風俗での本番の逮捕リスクの増加についての詳細は、以下の記事を参照してほしい。

【不同意性交等罪の新設】デリヘル等の風俗の本番で逮捕リスクが急増?

 

【本番被害者(風俗店・キャスト)向け】泣き寝入りせずに刑事・民事で対応しよう!

デリヘル等での本番強要の被害に悩む風俗店経営者やキャストの方々も多いだろう。

しかも、本番をした客が「無理やり押さえつけたりはしていない」「抵抗されなかったから同意があると思った」などと言ってくることも多く、そのような場合には、強姦罪や強制性交等罪では暴行の立証が難しく、逮捕・刑事事件化が難しい部分があった。

しかし、今回の不同意性交等罪の新設により、本番客は逮捕されやすくなった

不同意性交等罪は、被害者である風俗嬢が同意するいとまがない状態(不意打ち)で挿入されれば成立するからだ。

本番強要の被害にあってしまったら、すぐに110番通報をして、刑事事件化することができる。

また、弁護士を通じて、損害賠償請求をすることもできる。

本番強要被害に泣き寝入りすることなく、しっかりと対応をしてほしい。

本番強要被害では、早期かつ適切な対応が重要だ。

時間が経ってしまうと証拠の確保が難しくなってしまうこともあるからだ。

示談金を要求する際も、注意をしないと恐喝罪で逆に逮捕されてしまうリスクもある。

被害届の提出や刑事告訴により逮捕を求める、損害賠償請求をするなど、早期かつ適切な対応をするために、ぜひ、弁護士に相談してほしい。

本番強要被害を予防し、日常的に生じる様々な問題を解決するために、風俗業界に強い顧問弁護士をつけておくことも重要だ。

メンズエステでレイプ・本番強要された直後に取るべき4つの対処法!

風俗トラブルで示談金要求をした風俗店経営者が恐喝罪で逮捕!?

 

【本番してしまった客向け】逮捕を避けるために示談が重要!

デリヘル等の風俗での本番行為についても、不同意性交等罪の新設により、逮捕されやすくなった。

新しい犯罪ができた場合には、警察も逮捕・摘発に積極的になる傾向もあり、実際に逮捕事例も増加することが予想される。

逮捕されてしまうと、逮捕・勾留と最大で23日間警察署の留置施設に身体拘束されてしまう。

実名報道されて会社や家族に風俗で本番をしたことがバレてしまうリスクもある。

起訴されてしまえば、有罪率が高く、不同意性交等罪は罪が重いため、実刑(刑務所に入る)こと可能性も低くない。

逮捕を避けるためには、早期に示談を成立させることが一番重要だ。

早期かつ適切に示談をするために、風俗で本番トラブルにあってしまったら、すぐに、弁護士に相談してほしい。

リンク:風俗トラブル逮捕事例(盗撮・本番強要)と逮捕されないための対処法!

 

デリヘル本番は逮捕される!逮捕阻止の為に弁護士に相談するべき理由

逮捕回避率100%・逮捕者0人の実績!風俗トラブルに強いグラディアトル法律事務所とは

 

まとめ

デリヘル等の風俗での本番は、不同意性交等罪に改正されて逮捕されやすくなっている。

本記事で紹介したように、実際の逮捕事例も多い。

・風俗での本番トラブルから1年後に逮捕された事例

・客側が風俗店から脅されると思って110番したにもかかわらず、客が逮捕された事例

・本番の際にキャストが怪我をして強制性交致傷罪(現在だと不同意性交致傷罪)で逮捕された事例

がある。

風俗店側、客側、ともに、風俗トラブルで逮捕されることはないなどと思わず、しっかりと対応すべきだ。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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