「自分が開業したいと思っている店に風営法って関係ある?」
「風営法を守ってスムーズに営業できるようにしたい」
これから店を開業しようと思っている経営者の方や、現に経営をしている方は、風営法とはどんな法律なのか、どんなルールを守ればいいのか気になっていることと思う。
風営法は営業時間や店内の明るさ、設置できる設備などにさまざまな規制が定められていて、守らなければ以下のような悪影響が起こり得るので、必ず知っておくべき法律だ。
風営法を守らないと起こりうる悪影響は以下のとおりだ。
風営法は、以下のようにいわゆる「フーゾク」と呼ばれる性風俗店以外の業種も適用対象になる。
必要となる風営法営業許可は業種や店舗の有無、業態によって、以下のように決められている。
間違った風営法営業許可を取得すると開業した途端に無許可・無届営業になり、懲役刑や罰金刑を受ける可能性がある。
そこで、この記事では風営法営業許可が必要な店を開業する経営者の方が知っておくべき以下のポイントをご紹介する。
上記のポイントを押さえると、自分が開業したい店に必要な風営法営業許可の種類が分かり、スムーズに開業できるようになる。
風営法を違反することなく開業できるように、ぜひ最後まで読み進めていただければと思う。
風営法とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という。
この風営法はいわゆるフーゾク(性風俗店)関係の店だけでなく、以下のような店も対象となる。
風営法では業種によって営業時間、店内の明るさ、設備などさのまざまな規制が細かく定められている。
これから自分の店を開業しようとしている経営者の方にとって風営法は開業前に必ず知っておいて守るべき法律で、風営法を守っていれば堂々と営業することが可能だ。
一方で、風営法を守らないと近隣で生活する人や周りの環境に悪影響が考えられるので、逮捕や営業停止に追い込まれる可能性がある。
このように風営法は従業員や店自体を守るため、地域社会と共生していくために必ず守らなければならない。
よくある風営法違反行為と刑罰については、9.Q&Aで解説!よくある風営法違反行為と刑罰で詳しくご説明しているので、参考にしていただければと思う。
風営法が適用される対象は、以下の4業種である。
・風俗営業
・特定遊興飲食店営業
・深夜酒類提供飲食店営業
・性風俗関連特殊営業
それぞれ具体的にどのような業務を行っている店が対象になるかは、以下の通りだ。
これら4業種は以下のように、業態に合わせて必要となる風営法営業許可の種類が定められている。
次章以降でそれぞれの業種や風営法営業許可の種類別に風営法で定められたルールについて、詳しく解説する。
開業したいと思っている業種もしくは風営法営業許可の記事を確認して、この機会にあなたにとって必要な風営法の知識を身に着けていただければと思う。
風営法の業種一覧とその詳細については、以下の記事も参照して欲しい。
風俗営業は以下のように「接待飲食店営業」と「遊技場営業」の2つがあり、それぞれがさらにまた細分化されている。
それぞれの風営法の守るべきルールを解説しているので、開業したい店のイメージに近いものを参考にしていただければと思う。
接待飲食店営業をする店の営業時間は午前0時までだが、条例で特別に許可された「営業延長許容地域」では午前1時までの営業が認められている。
この営業延長許容地域で営業する場合、風営法によって従業員名簿だけでなく苦情処理に関する帳簿を備え付けておくことが決められているのだ。
従業員名簿についてはテンプレートを「風営法の従業員名簿!今日から使える弁護士作成のテンプレート付き!」から、苦情処理に関する帳簿はこちらからダウンロードして活用していただければと思う。
また、風営法上の業種別の営業時間については、以下の記事を参照して欲しい。
風俗営業・1号許可とは従業員が客への接待をする社交飲食店に欠かせない許可で、以下の店を開業する場合に必要となる。
風俗営業・1号許可の特徴は、以下の通りだ。
※ 5ルクスとは豆電球よりも暗く、ぎりぎり本を読めるかどうかといった暗さである。
風俗営業・1号許可を取得すべきかポイントとなる接待にあたる行為とは、以下の通りだ。
このように客が従業員との会話などのサービスを期待して来店するような飲食店なら、風俗営業・1号許可が必要となる。
風営法の「接待」の定義・解釈の詳細や、ガールズバー等の店舗が接待をして無許可営業で逮捕される場合についての詳細は、以下の記事を参照して欲しい。
キャバクラを開業しようとしている方は「キャバクラと風営法!開店・経営に不可欠な基礎知識を丁寧に解説!」の記事で開店に必要な情報や開店までの流れについてまとめて解説しているので、参考にしていただければと思う。
スナックを開業しようとしている方で接待をしないと決めているのであれば風俗営業・1号許可以外の許可が適している可能性があるので、「スナックで適用される風営法の重要ポイント・守るべきルールまとめ」の記事をご覧いただきたい。
風俗営業・2号許可とは低照度飲食店に必要な許可で、照明を落としたバーなどを開業するなら必要となる。
風俗営業・2号許可の特徴は、以下の通りだ。
※ 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
風俗営業・2号許可では客への接待・遊興はできないものの、1室5㎡以上の見通しの良い個室を作ることが可能となる。
ただし、バーといってもプロのバーテンダーがお酒を提供する格式高いオーセンティックバーから、食事メニューが充実したダイニングバーやダーツやビリヤードなどを楽しめるゲームバーまで幅広い業態があるため、必ずしも風俗営業・2号許可が適しているとは限らない。
「【現役弁護士が解説】バーの開業で重要な風営法の要点をやさしく解説」では業態別に必要となる許可について詳しく説明しているので、参考にしていただければと思う。
風俗営業・3号許可とはネットカフェのように内部を見通せない個室を設置した区画席飲食店に必要な許可で、以下のような店を開業するなら必要となる。
風俗営業・3号許可の特徴は、以下の通りだ。
※ 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
風俗営業・2号許可と違って、3号許可の場合は1室5㎡以下と小さくて、ついたてなどで内部が見通せないようにした区画や、個室を作ることが可能だ。
客が従業員の目を気にせずに楽しめる店を開業したいなら、この風俗営業・3号許可が必要となる。
風俗営業・4号許可とは、麻雀やパチンコなどの、
「今日はツイてるから勝てそう!」
「もうひと踏ん張りしたら儲けられるかも!」
といった、射幸心がそそられる遊技設備や景品交換が行われる、以下のような店に必要な許可である。
風俗営業・4号許可の特徴は以下の通りだ。
※ 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
このように風俗営業・4号許可は客に「景品がほしい!」「お金を儲けたい!」と思わせる遊技設備を設置する場合に、必ず必要となる
そのため、パチンコ台を設置していても景品交換を行わないなら次項の風俗営業・5号許可で構わない。
風俗営業・5号許可はゲームセンターに必要な許可だが、ショッピングモール内にあるような三方が壁に囲まれていない場合やホテルや遊園地内のゲームコーナーのように店舗全体の10%以下しかない場合は必要ない。
風俗営業・5号許可の特徴は以下の通りだ。
※ 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
2022年3月の風営法改正で、クレーンゲームなどの景品の上限額が800円から1,000円に引き上げられた。
それにより、これまで高額景品を展示して客寄せをしていた店は、警察から厳しく取り締まられることとなった。
ゲームセンターを開業する場合は景品を適切に管理するだけでなく、時間によっては未成年の立ち入りが可能なので、開業する場合は青少年への影響を考慮した店作りが大切だ。
特定遊興飲食店営業許可は、ゲームやカラオケなどを設置したり生演奏を聞かせたりして客を積極的に楽しませる店を開業する場合に必要となる。
特定遊興飲食店営業許可の特徴は、以下の通りだ。
※ 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
バーを開業する際に特定遊興飲食店営業許可を取得すべきかポイントとなる遊興にあたる行為とは、以下のようなものだ。
店側が積極的に客を楽しませるような設備を設置する店を開業するなら、特定遊興飲食店営業許可が必要である。
ただし、特定遊興飲食店営業では従業員による客への接待は禁止されているので、従業員が客と一緒にデュエットをしたりゲームの対戦相手になったりしてはならない。
特定遊興飲食店営業をする場合、風営法によって従業員名簿だけでなく苦情処理に関する帳簿を備え付けておくことが決められている。
従業員名簿についてはテンプレートを「風営法の従業員名簿!今日から使える弁護士作成のテンプレート付き!」から、苦情処理に関する帳簿はこちらからダウンロードして活用していただければと思う。
深夜酒類提供飲食店営業は以下のような午前0時以降も酒類を提供する店に必要で、申請して許可を得るのではなく届出だけで構わない。
・ガールズバー
・ゲイバー
・ボーズズバー
・サパー
深夜酒類提供飲食店営業の特徴は、以下の通りだ。
※ 20ルクスとは、晴天時の光が当たらない室内の隅くらいの明るさである。
午前0時以降も楽しめる店を開業したいなら、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要である。
性風俗関連特殊営業は、以下のように5つに分かれている。
業態や店舗の有無に応じて、以下の中から開業したい店のイメージに近いものを参考にしていただければと思う。
店舗型性風俗特殊営業・1号営業は法律上は公衆浴場として取り扱われているソープランドを開業する際に必要で、その特徴は以下の通りだ。
ソープランドの新規開業は既存店を一部改修するなどする以外は非常に難しいため、デリバリーヘルスなど他業種で開業する人が増えている。
店舗型性風俗特殊営業・2号営業は、以下のような本番行為を伴わない性的サービスを提供する店を開業する際に必要となる。
店舗型性風俗特殊営業・2号許可の特徴は、以下の通りだ。
店舗型性風俗特殊営業・2号許可で禁止されている性的好奇心に応じた接触とは、以下のような行為を指す。
ファッションヘルスを始めとする店舗型性風俗特殊営業・2号許可が必要な店についても新規開業が制限されているので、デリバリーヘルスなど他業種で開業することが増えている。
店舗型性風俗特殊営業・3号営業は、以下のような衣服を脱いだ人の姿態を見せて性的好奇心をそそる興業を行う場合に必要となる。
店舗型性風俗特殊営業・3号許可の特徴は、以下の通りだ。
ストリップ劇場やポルノ映画館などの店舗型性風俗特殊営業・3号許可が必要な店についても新規開業が制限されているので、デリバリーヘルスなど他業種で開業することが増えている。
店舗型性風俗特殊営業・4号はカップルが性行為できる設備があり、休憩・宿泊目的で利用できるラブホテルを開業する際に必要となる。
店舗型性風俗特殊営業・4号の特徴は、以下の通りだ。
店舗型性風俗特殊営業・4号許可が必要なラブホテルを開業するのは難しいので、幅広い用途に利用できるレジャーホテルを開業する人が増えている。
以前は自動販売機のように室内の写真が掲載されたボタンの中から利用したい部屋を選んで押すと鍵が出てくる機械での精算や室内に設置された自動精算機での精算が可能だったので、古くからあるラブホテルではまだその形式が残っているところもある。
しかし、2011年の風営法改正によって機械による自動精算が禁止されたため、それ以降に開店したラブホテルでは必ず従業員が精算をしなくてはならない。
店舗型性風俗特殊営業・5号営業は、以下のようなグッズの販売・貸付を専ら行って性的好奇心をそそるアダルトショップを開業する際に必要となる。
「専ら」とは、取り扱っている商品数や売り上げに占める割合などを総合的に判断して7割以上となっている場合を指す。
店舗型性風俗特殊営業・5号営業の特徴は、以下の通りだ。
店舗があるアダルトショップは開業できる場所に制限があるので、無店舗型の通販営業(無店舗型性風俗特殊営業・2号)をする人が増えている。
レンタルビデオ店でもアダルトビデオの貸付を行っているが、「専ら」行っているのでなければ風営法営業許可(届出)は必要ない。
商品数や売り上げに占める割合などを総合的に判断してアダルトビデオの取り扱いが3割以下なら、風営法を気にすることなく開業できる。
店舗型性風俗特殊営業・6号許可は、以下のような異性と出会う機会を提供する店を開業する際に必要となる。
出会い系喫茶や出会いバーとは、出会いを求める男女が集まり、お互いの条件が合えば二人で店外デートなどができる店のことだ。
女性の待機部屋はマジックミラーで覗けるようになっており、男性客は好みの女性を選んで別室にて条件の交渉を行う。
店舗型性風俗特殊営業・6号の特徴は、以下の通りだ。
異性と出会う機会を提供する出会い喫茶や出会いバーを開業する場合は、客の年齢確認を徹底する必要がある。
無店舗型性風俗特殊営業・1号はデリバリーヘルスやホテルヘルスを開業する際に必要で、その特徴は以下の通りだ。
ソープランドやファッションヘルスなどと比較して店舗がないデリバリーヘルスの開業は、場所や営業時間の規制が緩いので、新規開業する人が増えている。
ただし、風営法第31条でキャスト・客ともに18歳未満が関わることは禁止されているので、年齢確認を徹底する必要がある。
風営法に基づいてスムーズにデリヘルを開業するための流れや風営法違反を避けるための注意点については「デリヘルで守るべき風営法を徹底解説!適法に開業・営業をする方法とは?」の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしていただければと思う。
無店舗型のはずのデリヘルでも営業方法によっては店舗型と見なされて風営法違反となるケースがあるので、「デリヘル(ホテヘル)なのに,店舗型風俗店と評価されて逮捕!?」の記事をご覧いただきたい。
無店舗型性風俗特殊営業・2号は、以下のようなアダルトグッズを通信販売営業するアダルトショップの無店舗版に必要となる。
無店舗型性風俗特殊営業・2号の特徴は、以下の通りだ。
店舗があるアダルトショップは開業できる場所や営業時間に制限があるので、無店舗型性風俗特殊営業・2号許可で開業できる店が増えている。
ただし、18歳未満の客が利用できないように利用の際には身分証明書の提示や写しの送付、クレジットカード決済設定などを行わなくてはならない。
映像送信型性風俗特殊営業は風営法第2条8項に定められているインターネットを利用した画像・映像配信業を開業する場合に必要で、有料のアダルトサイト、アダルトライブチャットなどが該当する。
映像送信型性風俗特殊営業の特徴は、以下の通りだ。
18歳未満の客が利用できないように利用の際には身分証明書の提示や写しの送付、クレジットカード決済設定などを行わなくてはならない。
映像送信型性風俗特殊営業の詳細や届出、無届営業をした場合の罰則については「映像送信型性風俗特殊営業と風営法・ライブチャット事業の注意点」で詳しく解説しているので、参考にしていただければと思う。
店舗型電話異性紹介営業は電話を介して異性と会話する機会を提供するテレフォンクラブの店を開業する際に必要となる。
テレフォンクラブとは利用客が店内の個室の中で電話がかかってくるのを待ち、女性との会話やテレフォンセックスを楽しむものである。
店舗型電話異性紹介営業の特徴は、以下の通りだ。
出会い系サイトが普及した現在ではテレクラ店は激減していて、次項の無店舗型電話異性紹介営業(ツーショットダイヤル)に移行している。
無店舗型電話異性紹介営業は、ツーショットダイヤルを開業する際に必要となる。
ツーショットダイヤルとは、客は自宅にいながらスマホを通して音声・ビデオ通話を通じて女性との会話や画像の交換ができるものである。
無店舗型電話異性紹介営業の特徴は、以下の通りだ。
ツーショットダイヤルも出会い系サイトの勢いに押され気味ではあるが、熟女・人妻、20代のみなど会話できる女性をカテゴライズすることで人気を維持しているツーショットダイヤルもある。
風営法営業許可の取得要件には、まず以下の3つをクリアする必要がある。
それぞれどのような基準が定められているのか詳しくご説明させていただく。
まず「人的要件」は、以下のように申請者が個人が法人かによって適用される対象範囲は異なる。
管理者とは、店舗に常駐して業務を統括管理すべき店長や支配人といった立場の人のことである。
対象が以下の項目のうち1つでも該当すると、風営法営業許可は取得できない。
風営法による風俗営業の欠格事由は、以下のとおりだ。
参考:風営法第4条
※1 未成年者であっても風俗営業者の相続人で、法定代理人が上記の項目に該当しなければ除外されて営業許可が下りる可能性がある
※2 自己破産した人が申請者だと営業許可は下りないが、破産者が会社役員に就任すること自体は可能である
風営法営業許可を取得するにあたって、まずはこの人的要件をクリアしよう。
次に「地域要件」があり、無店舗型ではなく店舗を構える場合は風営法で定められた地域でしか開業できない。
地域要件をクリアするためには、以下の2点について考えなければならないため、ひとつずつご紹介する。
・用途地域の規制
・保護対象施設との制限距離
風営法営業許可が必要な店が営業できる地域は規制されていて、営業できない地域とできる地域は以下の通りである。
ただし、都道府県によって「商業地域の周囲30m以内なら住居地域や準住居地域でも営業可能」というように緩和条件が設けられている場合がある。
その地域の用途については市町村役場、もしくは各自治体からインターネット上に公開されている都市計画図を見れば分かるので、参考にしてみよう。
風営法営業許可が必要な店は、風営法によって小学校や病院といった保護対象施設からの制限距離が以下のように決められている。
風営法営業許可が必要な店の物件を探す際には、その地域の用途とともに周囲にこれらの施設がないか確認しよう。
最後に、風営法営業許可を取得するために店内の構造や設備について守るべき「設備要件」がある。
とくに風俗営業許可には以下のように厳しい設備要件があるので、風営法に詳しい行政書士さんに相談して設備を整える必要がある。
実際には人的要件をクリアした申請者が地域要件を満たした物件を押さえ、内装を図面化してから、設備要件を満たしているか申請してはじめて風営法営業許可が取得できることになる。
風営法営業許可の取得要件には人的・地域・設備の3つの要件を満たす必要があることが分かったところで、許可を取得するには具体的にどのように手続きをすればいいのか業種別にご説明する。
風俗営業の1~5号許可は、管轄の警察署の生活安全課への申請をして問題がなければ許可を取得できる。
申請方法は以下の通りだ。
参考:警視庁ホームページ
申請日から取得まで55日かかるので、開店予定日に間に合うように早めに申請しよう。
地域によっては上記以外の書類も提出が求められる場合があるので、事前に問い合わせておくとスムーズだ。
特定遊興飲食店営業は、管轄の警察署の生活安全課への申請をして問題がなければ許可を取得できる。
申請方法は以下の通りだ。
参考:警視庁ホームページ
申請日から取得まで55日かかるので、開店予定日に間に合うように早めに申請しよう。
地域によっては上記以外の書類も提出が求められる場合があるので、事前に問い合わせておくとスムーズだ。
深夜酒類提供飲食店営業は、届出だけで許可を取得できる。
届出方法は以下の通りだ。
参考:警視庁ホームページ
地域によっては上記以外の書類も提出が求められる場合があるので、事前に問い合わせておくとスムーズだ。
性風俗関連特殊営業は、届出だけで許可を取得できる。
届出方法は以下の通りだ。
参考:警視庁ホームページ
地域によっては上記以外の書類も提出が求められる場合があるので、事前に問い合わせておくとスムーズだ。
なお、風営法改正前から届出営業している店舗型風俗店については既得権が認められていて、現在は営業禁止区域となっている場所でも営業が可能である。
既得権については「店舗型風俗店の増改築〜風営法と既得権〜」で詳しく説明しているので、ご覧いただければと思う。
風営法に違反すると逮捕されたり罰金を支払わなくてはならなくなったりするので、これから店を開業する経営者の方は風営法はできるだけ守りたいと思っていることと思う。
しかし、周囲の店やこれまでの勤め先でこんな様子を見かけたけど風営法に違反しているのでは?いやギリギリセーフなの?と気になっていることがあるはずだ。
そこで、以下の10のQ&Aを参考にしていただければと思う。
A.スナックやキャバクラでは、午前0時以降は営業できない。なお、地域によっては、条例により午前1時までの営業が認められている場合はある。
なぜなら、接待を行う風俗営業・1号に該当する店の営業時間は午前0時までと決められているため、午前0時以降も営業すると風営法違反となるからだ。
初めてだったり、たった5分営業時間をオーバーしただけだったりなら警察による指導を受けるだけですむ可能性があるが、何度指導されても改善しない場合には、営業停止等の行政処分がなされるリスクがある。
なお、風営法第37条で警察職員が店内に立ち入ることができることが決められているので、警察職員の立ち入りを拒否することはできない。深夜営業に対する警察の立ち入りを拒否した場合には風営法第53条により100万円の罰金が科される。
条例で「営業延長許容地域」に指定されていると午前1時まで営業可能になるが、そうでない場合は営業時間は午前0時までなので、オーバーしないように注意しよう。
また、スナックにおいて、「接待」行為をせずに営業をする場合には、営業時間の制限がなく、深夜営業も可能だ。この場合には、接待をしてしまうと無許可営業となってしまうので、注意が必要だ。
風営法の営業時間についての詳細は、以下の記事を参照してほしい。
「1.風営法とは」や「4.特定遊興飲食店営業」でもお伝えしたが、営業延長許容地域で営業する場合、風営法によって従業員名簿だけでなく苦情処理に関する帳簿を備え付けておくことが決められている。
従業員名簿についてはテンプレートを「風営法の従業員名簿!今日から使える弁護士作成のテンプレート付き!」から、苦情処理に関する帳簿はこちらからダウンロードして活用していただければと思う。
A.風俗店やキャバクラで外国人を雇用することは、問題ない。
しかし、パスポートや外国人登録証明書、在留カードを確認して、以下の在留資格がなければ風営法違反となるので注意が必要だ。
留学生など上記の在留資格がない場合は、雇用してはいけない。
風俗・キャバクラでの外国人の採用における簡単な適法性の見分け方としては、「就労制限なし」の人のみを採用することだ。
興行ビザで来日している外国人がキャバクラで歌のライブショーを行うことは可能であるものの、在留資格はないため客に対する接待はできないことを覚えておこう。
外国人を不法に就労させると不法就労罪や不法就労助長罪に問われる可能性があるので、詳しくご紹介している「風営法と外国人雇用/風俗・キャバクラなどの水商売と外国人・風営法・出入国管理法(不法就労助長罪)について弁護士が解説!」を参考にしていただきたい。
A.健全なサービスを行っているメンズエステ店ならどこでも開業できるが、性的なサービスを行っているメンズエステ店は風俗店の営業が禁止されている区域では開業できない。
そのため、健全なサービスを提供するつもりだったのに性的なサービスを提供してしまうと、風営法第28条で定められている禁止区域で営業したとして2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれらの併科となるのだ。
禁止区域とは学校や図書館など保護対象物件の周囲の区域で、店舗型風俗店の営業が禁止されている。
風営法違反で摘発されやすいメンズエステ店の特徴やメンズエステ店と風俗店を区別するための基準については、「風営法違反で摘発されるメンズエステ店の6つ特徴と逮捕を避ける方法!」で詳しくご紹介しているので、参考にしてみよう。
A.ガールズバーでは客を接待してはいけない。
深夜酒類提供飲食店営業届出しかしていないガールズバーで客を接待すると無許可営業をしたとして、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれらの併科となる。
接待にあたる行為は以下の通りで、たとえカウンターを隔てていても客が従業員との会話などのサービスを期待して来店するガールズバーは風営法違反となるのだ。
ガールズバーを経営するなら、従業員に対して客に接待しないように指導を徹底しよう。
形式上はガールズバーとして経営をするとしても、キャバクラ同様の風俗営業許可をとって営業をし、深夜営業をしなければ、接待をしても大丈夫なので、このような営業方法を選ぶのも一つの方法だ。
A.他人に名義を貸すのは、風営法違反(名義貸し)の犯罪行為である。
「店長のポジションを約束するから名義を貸して」「ちょっと名義を貸してくれたらお金払うよ」などと言われて書類に判を押したり身分証明書のコピーを渡したりするのは風営法第11条で禁止されている名義貸しに該当し、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれらの併科となる。
名義を借りた人についても無許可営業をしていたとして2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれらの併科となるが、貸した人についても罪に問われるのだ。
安易に名義を第三者に貸すのはトラブルの元凶となるので、絶対に貸してはいけない。
名義貸した無許可営業の逮捕・摘発事例について「無許可営業・名義貸し(風営法違反)でキャバクラ経営者が逮捕される理由!」で詳しく説明しているので、参考にしていただければと思う。
A.店の前や駅前などで客引きをしてはいけない。
なぜなら、店の前や駅前などで、店名を告げて、「可愛い子いるよ!」「お兄さん、遊んでいかない?」などと客引きをするのは風営法第22条で禁止されていて、6月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはこれらの併科となる。
また、道路などの公共の場所で、客引きのために人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとう行為も同様だ。
以前はよく見かけられたが、最近では風営法だけでなく各自治体の迷惑行為防止条例やぼったくり防止条例でも客引きが規制されるようになり、取締りが厳しくなっているのだ。
客引きをした逮捕事例については「客引きの逮捕事例増加!迷惑防止条例・風営法・ぼったくり防止条例,そして,電波法!?【2022年最新版】」で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみよう。
A.キャバクラなどの風俗営業では、ビラ配りやティッシュ配りは客引きをしなければ風営法違反にはならないが、条例で制限されている地域では条例違反で逮捕される可能性がある。
デリヘルなどの性風俗関連特殊営業では、風営法の広告規制違反になるためビラ配りはしてはいけない。
条例に違反しない場合であれば、風俗営業1~5号にあたる業種(キャバクラやスナック、コンセプトカフェ、ゲームセンターなど)の従業員がただビラを配っているだけなら、事前に警察署に道路使用許可申請をすれば問題ない。
デリヘルなど性風俗関連特殊営業のビラ配りは禁止されているため、詳しい仕事内容を記載せずにキャバクラだと見せかけたビラやティッシュを配るようなことはしてはいけない
風俗営業1~5号にあたる業種についても、道路使用許可申請をせずにビラ配りをすると道路交通法に違反し、3か月以内の懲役、もしくは5万円以下の罰金が科される。
また、ビラ配り自体は風営法違反にはならないもののビラに裸体の絵や写真、卑猥な文言が入っていると風営法第16条で広告宣伝について規制されているため、違反すると100万円以下の罰金が科される。
ビラ配りをする際には該当地域の条例を確認して、事前に道路使用許可を申請しておき、風営法に違反しない広告宣伝内容のものを配るようにしよう。
A.客の接待をさせるために、18歳未満の青少年を雇用してはいけない。
18歳未満の女の子を雇用して客の接待をさせることは風営法第22条で禁止されているので、1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金またはこれらの併科となる。
客の接待をさせない場合であっても18歳未満の青少年が午後10時以降も労働することは労働基準法で禁止されている。
ただし、年齢を偽って働こうとする青少年は少なくないので、雇用する際には以下の年齢方法を徹底しよう。
このように顔写真付きの身分証を確認することで、18歳未満の青少年が年齢を偽って働こうとするなりすましを防止できる。
風営法と18歳未満の未成年の年齢確認義務についての詳細は、「風営法と未成年(18歳未満・みてこ)の年齢確認義務について解説!」の記事を参照してほしい。
A.風営法第22条で20歳未満の者への酒類やたばこの提供は禁止されているので、1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金またはこれを併科となる。
「酒類の提供」とは酒やたばこを販売するだけでなく、客が持参した酒に燗をする行為も含まれる。
客はもちろん18歳以上20歳未満の従業員も勤務中に酒類を飲んではいけないので、注意を徹底しよう。
風営法違反で逮捕された場合の量刑(刑罰の程度)の決まり方や逮捕されてから釈放までの流れについては、「風営法違反で逮捕される行為と刑罰を徹底解説!逮捕前に弁護士に相談を!」で詳しく説明しているので、参考にしていただければと思う。
これから開業する店が風営法に違反して警察に摘発されないように「風俗 摘発 」では対策方法を解説予定なので、ご覧いただきたい。
A.絶対にやめるべきである。
キャバクラやスナックなど風俗営業・1号許可を取得している店は、風営法で営業時間が午前0時までと決められている
あなたはできるだけ長く営業できるように「風俗営業許可と深夜酒類提供寝食店営業届出の両方を取得できればいいのに」と思うかもしれない。
しかし、基本的には申請先である警察からは受理されず、門前払いされてしまって、両方の取得は事実上不可能だ。
1号風俗営業許可と深夜営業許可の両方の取得が仮にできたとしても、客やキャスト、警察に対して以下のような問題が起こってしまう。
このように風営法違反をしてしまう可能性が高くなるので、キャバクラやスナックを開業する際には風俗営業・1号許可と深夜酒類飲食店営業許可のうちどちらか一方を選ぶようにしよう。
風営法をしっかりと理解していなければ営業時間オーバーや客引き、風俗営業1号許可なしの接待など、すぐに違反してしまうが、風営法の条文を理解するのは難しい上に警察職員によっても解釈が異なる部分もある。
そこで、風営法違反を防ぐなら顧問弁護士を検討しよう。
顧問弁護士とはかかりつけ医のような存在で、ナイトビジネス業界に精通した弁護士と顧問契約を結んでおけばトラブルが起きた時やトラブルが起きそうな気配を感じた時にすぐ相談できる。
自分の店を開業するにあたって顧問弁護士を検討するのがおすすめである理由は、以下の2つだ。
顧問弁護士がいれば、風営法違反を未然に回避できる。
店を開業する際には「自分の店の場合、この許可を取得すればいいんだよね?」「許可申請のための書類の書き方がよく分からない」などと、悩むことが多いだろう。
取得する許可が間違っていれば、開店した途端に無許可営業、書類の書き方が分からず適当に書いたことが後から判明すると虚偽記載として風営法違反になる可能性がある。
顧問弁護士に相談していれば、正しくスムーズに開店準備を進めることができるので、風営法違反を心配することなく開店にこぎつけられるのだ。
顧問弁護士がいれば、開店後にトラブルが起きてもすぐに対応してもらえる。
ナイトビジネス業界における以下のようなトラブルは、弁護士が早期対応すればスムーズに解決できることがほとんどだ。
経営者が店の運営と同時に専門知識が必要なトラブルの対応までするのは非常に難しいので、顧問弁護士がいると安心して任せられる。
顧問弁護士がいることのメリットについては「弁護士の顧問契約によるメリットとは?」で詳しく説明しているので、ご覧いただければと思う。
グラディアトル法律事務所では、キャバクラ、ホストクラブ、ガールズバー、デリヘル、ソープランド、メンズエステ、AV、などなど、数多くのナイトビジネス業界の店舗の顧問弁護士をしている。
そのため、風営法を含むナイトビジネス関連法令についての知識や経験が豊富だ。
他の弁護士が詳しくないような法律についても、豊富な経験に基づき、過去の具体的なケースと比較しつつ回答することができる。
また、よくあるトラブルについても、他の店舗において経験済みなことが多く、スムーズかつ適切な対応ができる。
グラディアトル法律事務所と顧問契約を結んでいただくと、ホームページや求人ページに「顧問弁護士」と記載していただいて構わない。
グラディアトル法律事務所はナイトビジネス業界や警察関係者の間では名前が知られているので、店の信頼度が高まる。
また、クレーマーや反社会的勢力に対しては牽制をかけることができ、不当な言いがかりを付けられる確率を下げるのに役立つ。
ホームページなどに名前を記載するのはNGの弁護士もいるが、グラディアトル法律事務所なら身を挺してご依頼者様を守る。
グラディアトル法律事務所が顧問弁護士になると、風営法を守るためのコンプライアンス講習の実施も可能だ。
とくに一斉摘発されやすいメンズエステやデリヘルではコンプライアンス講習の実施は従業員教育はもちろん、講習風景を動画として残しておくと万一摘発された時にコンプライアンスを徹底して健全な経営をしていることの証拠として役立てられる。
多店舗展開をしている大手風俗グループ、キャバクラ・ホストクラブグループで、経営層に向けたコンプライアンス講習等も可能だ。
グラディアトル法律事務所では、たとえばメンズエステ店に対しては以下のような内容のコンプライアンス講習を実施している。
弁護士によるコンプライアンス講習を実施していれば健全なサービスを提供する努力をしていると主張できるので、ぜひ導入していただきたい。
グラディアトル法律事務所ではトラブルを未然に防げるように先回りするが、万一トラブルが起きた時にはスピーディーに対応させていただく。
ナイトビジネス業界の経営者様の多くが深夜営業や土日営業をされていると思うが、24時間365日対応のグラディアトル法律事務所なら連絡することはもちろん、場所によっては夜中にトラブルの現場に駆けつけることもある。
顧問のプランにもよるのだが、店舗側経営者・責任者と弁護士らがグループラインを作って、できる限り素早い対応ができる体制を作ることも可能だ。
トラブルは早期対応が非常に大切なので、事務所一丸となって解決に向けてスピーディーにご対応する。
顧問契約を結んでいただいた経営者様だけでなく、仕事でのトラブルや、離婚、相続問題など相談したいことがあっても気軽に相談できる弁護士がいない従業員様のご相談にも対応するので、身近な相談相手として利用していただきたい。
グラディアトル法律事務所ではトラブル対応だけでなく、ホスト・風俗・キャバクラのフランチャイズ化や、他店買収、またナイトビジネス事業の分割などの組織変更に関しても強力にバックアップさせていただく。
これから開業する経営者様は「フランチャイズや組織変更なんて今はまだ関係ない」と思うかもしれないが、開業後に継続的に利益が出るようになったらいずれは考えなければならなくなる。
グラディアトル法律事務所では他店買収の際に必要な風営法に関する法務検討調査を簡単に進められる他、各種契約書の作成、契約交渉の同行等も可能なので、スムーズな組織変更のお役に立てる。
グラディアトル法律事務所は、あなたの店が開業後に更なる発展を遂げられるように最大限力を尽くす。
風俗店等の売買・M &Aの詳細については、以下の記事も参照してほしい。
この記事では、風営法について詳しくご説明させていただいた。
最後に記事の内容をまとめてみると、風営法を守らないと以下のような悪影響が起こり得るので、これから自分の店を開業しようとしている経営者の方は開業前に風営法について必ず知っておかなければならない。
風営法が適用される業種は、以下の通りだ。
必要となる風営法営業許可は、以下のように業種や店舗の有無、業態によって決められている。
風営法営業許可を取得するには、まずは以下の3つの要件をクリアした上で手続きしなくてはならない。
風営法を違反しないようにしても風営法の条文を理解するのは難しい上に警察職員によっても解釈が異なる部分もあるので、風営法違反を防ぐなら顧問弁護士を検討するのがおすすめだ。
その理由は、以下の通りである。
グラディアトル法律事務所は、ナイトビジネス業界での顧問実績が豊富だ。
風営法、売春防止法、職業安定法などの関連法についての知識・経験や、よくあるトラブルについての対処について、数多く経験をしている。
そのため、皆様の悩みや不安、トラブルについても、深く理解ができる。
顧問弁護士についてのご相談があれば、ぜひ一度、お問合せいただきたい。