「ガールズバーを開業する際に必要になる風営法上の手続きとは?」
「ガールズバーで風営法違反になるのはどのようなケース?」
「ガールズバーで風営法違反による摘発を防ぐにはどうしたらいい?」
ガールズバーとは、女性スタッフが中心のバーで、カウンター越しに接客するスタイルのお店である。ガールズバーを開業するためには、風営法上の深夜酒類提供飲食店営業の届出と食品衛生法上の飲食店営業許可が必要になる。
ガールズバーは、キャバクラのように特定の客の横に座って接客ができないため、そのような行為をしてしまうと、風営法違反として処罰されるリスクがある。また、そのほかにも
・風俗営業の許可を受けて深夜営業をしているケース
・未成年者に客の接待をさせるケース
・深夜時間帯に客引き行為をするケース
・20歳未満の客に酒を提供するケース
・従業員名簿の作成・備付に不備があるケース
など風営法違反になりやすいケースがあるため、ガールズバーの経営者としてはこのような違反行為をしないよう注意して経営していくことが重要である。
本記事では、
・ガールズバーの開業に必要な許可・届出
・ガールズバーが風営法違反になる6つのケース
・ガールズバーで風営法違反による摘発を防ぐための対策
などについてわかりやすく解説する。
風営法違反になると刑事罰が科されるだけでなく、営業停止や許可の取り消しなどの行政処分を受ける可能性もある。そのようなリスクを回避するには風営法に強い顧問弁護士を利用するのがおすすめである。
ガールズバーを開業する際にはどのような手続きが必要になるのだろうか。以下では、ガールズバーの開業に必要な食品衛生法および風営法上の手続きを説明する。
飲食店営業許可とは、食品衛生法に基づき飲食店を営業するために必要になる許可である。
ガールズバーでは、客に対してドリンクやフードなどの飲食が提供されるため、食品衛生法に基づく飲食店営業許可が必要になる。
そのため、ガールズバーを開業する際には、店舗の所在地を管轄する保健所に飲食店営業許可申請をしなければならない。
深夜酒類提供飲食店営業届出とは、午前0時から午前6時までの深夜時間帯において主に酒類を提供する飲食店を営業する際に必要になる風営法上の届出である。
ガールズバーは、お酒の提供をメインにする業態であるため、深夜時間帯に営業する予定がある場合には風営法に基づく深夜酒類提供飲食店営業の届出を行わなければならない。
なお、深夜酒類提供飲食店営業の届出は、店舗の所在地を管轄する警察署に行うことになる。
上記の許可および届出により営業するガールズバーでは、「接待」に該当する行為を行うことができない。以下では、風営法上の「接待」とは何か、「接待」をする場合に必要な手続きについて説明する。
風営法2条3項では、「接待」を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義している。これだけではわかりにくいが、風営法解釈運用基準では、「接待」に関して、以下の基準が示されている。
・客が飲食以外のサービス(会話や疑似恋愛)を期待して来店すること
・特定の客やグループ客に対する会話やサービスが提供されること
・キャストが積極的に会話やサービスを提供すること
これを踏まえると以下のような行為が風営法上の「接待」に該当する可能性がある。
・客とカラオケをデュエットする
・特定少数の客に対してダンスや歌唱を披露する
・客と一緒にダーツなどのゲームをする
・キャスト(店員)の指名や同伴制度がある
・キャストが客の隣に座り、密着する
ガールズバーで風営法上の「接待」に該当する行為をする場合、風俗営業の許可が必要になる。
風営法上の風俗営業は、「接待飲食等営業」と「遊技場営業」に区分され、接待を伴うガールズバーは「接待飲食等営業」に該当する。
また、接待飲食等営業は、営業区分に応じて以下の3つに分類される。
接待を伴うガールズバーは、このうち「1号営業」に該当するため、深夜酒類提供飲食店営業の届出ではなく、風俗営業1号許可の申請をしなければならない。
ガールズバーは、何時まで営業できるのだろうか。以下では、ガールズバーの営業時間について説明する。
風営法では、午前0時から午前6時までの時間帯を深夜時間帯として定め、同時間帯における営業を禁止している。
しかし、深夜酒類提供飲食店営業であれば、深夜時間帯の営業も可能である。そのため、深夜酒類提供飲食店営業の届出をしたガールズバーであれば、深夜時間帯の営業も可能になるため、営業時間の制限はない。
すなわち、理論上は24時間営業のガールズバーも可能である。
風営法上の接待を伴うガールズバーでは、風俗営業の許可が必要になるが、風俗営業と深夜酒類提供飲食店営業は併用することができない。そのため、接待を伴うガールズバーは、深夜時間帯(午前0時から午前6時まで)の営業ができないということになる。
すなわち、ガールズバーの営業形態としては、接待を伴わずに深夜営業をするパターンと接待を伴い深夜時間帯の営業を諦めるパターンの2つがあるということである。
風営法の営業時間については、以下の記事も参照して欲しい。
ガールズバーの経営をするにあたっては、風営法違反にならないように気を付ける必要がある。以下では、ガールズバーが風営法違反になりやすい6つのケースを紹介する。
ガールズバーで風営法上の「接待」を行う場合には、風営法上の風俗営業許可が必要になる。
風俗営業許可を得ることなく、ガールズバーで接待をすると無許可営業として風営法違反になってしまう。この場合の罰則は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金(併科あり)である。
もっとも、2025年4月現在、風営法改正案が閣議決定されており、改正後には無許可営業の刑事罰が厳罰化される。
2年以下⇒5年以下の拘禁刑、200万円以下⇒1千万円以下の罰金刑
法人の罰則の強化 200万円以下⇒3億円以下の罰金刑
風俗営業の許可を受けたガールズバーでは、客に対する「接待」が可能になるものの、午前0時から午後6時の深夜時間帯の営業が禁止される。
深夜営業には罰則はないが、営業停止などの行政処分がなされる可能性がある。
また、深夜営業自体には罰則はないものの、深夜営業の調査のための立居入りの拒否などで逮捕されることはあるので注意が必要だ。
風営法では18歳未満の未成年者に客の接待をさせることを禁止している。
風俗営業の許可を得たガールズバーであっても、18歳未満のキャストに接客をさせてしまうと、風営法違反になってしまう。この場合の罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(併科)である。
風営法と未成年、年齢確認義務については、以下の記事を参照して欲しい。
風営法では、風俗営業について客引きを禁止している。そのため、風俗営業の許可を受けて営業するガールズバーでは一切客引きをすることができない。
また、風営法では飲食店営業を営む者については深夜時間帯の客引きを禁止している。そのため、深夜酒類提供飲食店営業の届出をして営業するガールズバーでは、深夜時間帯に限り客引きをすることができない。
このような風営法の規定に違反した客引きをすると、6月以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり)に処せられる。
風営法では、20歳未満の客に酒やたばこを提供することを禁止している。
ガールズバーで、20歳未満の客に酒やたばこを提供すると風営法違反となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(併科あり)が科される。
風営法では、風俗営業や深夜酒類提供飲食店営業を営む事業者に対して、従業員名簿の作成・備付を義務付けている。
入れ替わりの激しいガールズバーでは、従業員名簿の管理が杜撰になりがちであるが、きちんと管理しておかなければ風営法違反となり、100万円以下の罰金が科されるリスクがある。
なお、キャストが退職した場合でも、その人に関する従業員名簿は3年間保存し、お店に備え付ける義務がある点に注意が必要である。
ガールズバーにおいて風営法違反に該当する行為をすると、「刑事罰」および「行政処分」のペナルティを受ける可能性がある。
ガールズバーが風営法違反になり得る行為と法定刑をまとめると以下のようになる。
ガールズバーにおいて風営法違反が確認された場合、刑事罰だけでなく行政処分の対象にもなる。
行政処分には、「指示処分」「営業停止」「許可取り消し」の3種類がある。
・指示処分……違法行為を改善するための指示
・営業停止……営業の全部または一部の停止を命じる処分
・許可取り消し……許可が取り消され、今後5年間新たに許可を受けられない
風営法違反が確認されたとしても、いきなり営業停止や許可の取り消し処分がなされるのではなく、通常は指示処分が行われる。
指示処分に従い、違法状態を改善すればそれ以上重い処分が下されることはないが、改善がなく違法状態を継続していると営業停止や許可取り消しを受ける可能性がある。
営業停止や許可の取り消しによりガールズバーの営業ができなくなると、経営上のダメージが大きいため、できる限り指示処分の段階で対応しておくべきである。
以下では、ガールズバーが風営法違反で逮捕された実際の事例を紹介する。
東京都内でガールズバー8店を無許可で営業したとして、警視庁は、運営会社代表の男(45)と各店の店長ら男計10人を風営法違反容疑で逮捕したと発表した。警視庁は男らが2009年以降、違法営業で約48億円を売り上げたとみている。
発表によると、男らは、都公安委員会から風俗営業の許可を得ていないのに、渋谷区や品川区など都内8店のガールズバーで女性従業員に男性客の接待をさせた疑い。男は「売り上げのためだった」と容疑を認めている。
各店舗では女性従業員がバニーガール姿などで客引きをしており、警視庁に苦情が相次いでいた。
(引用:読売新聞オンライン)
愛媛県松山市でガールズバーを経営する40代の男が、18歳未満の少女4人に午後10時以降、接客させたとして、風営適正化法違反の疑いで逮捕されました。
警察の調べによりますと、逮捕された松山市三番町に住む飲食店経営の44歳の男は、今年2月上旬から4月中旬までの間、自身が経営するガールズバーで18歳未満の少女4人に午後10時以降、客に酒を提供するなどの接客業務をさせた疑いが持たれています。
関係者から「未成年者がガールズバーで働いている」といった内容の相談を受け警察が捜査していました。警察は、捜査に支障があるとして、男の認否を明らかにしておらず、余罪の有無も含めて捜査を進めています。
(引用:あいテレビ)
深夜に客引きをしたとして、兵庫県警保安課と甲子園署は、風営法違反の疑いで、同県西宮市甲子園口のガールズバー店長の男(34)と同店従業員の女(26)を逮捕した。
2人の逮捕容疑は共謀し、同市甲子園口の路上で、40代の男性に客引き行為をした疑い。調べに2人とも容疑を認め、男は「従業員に客引きをするように指示した」と話し、女は「仕事として決められているので客引きをした」と説明しているという。
風営法では午前0時~午前6時を「深夜」とし、この時間帯の飲食店の客引き行為を禁止している。
捜査関係者によると、この店を巡っては最近、客引きトラブルの通報が十数件あり、県警は風営法などに基づき、指導を繰り返していた。女性従業員が通行人らを勧誘することが店の決まりだったとみている。
(引用:神戸新聞)
ガールズバーで風営法違反になると刑事罰や行政処分のペナルティがあるため、風営法違反の摘発を防ぐことが重要である。
以下では、風営法違反による摘発を防ぐための対策を説明する。
ガールズバーでの風営法違反で多いのが、風俗営業の許可を得ずに「接待」を行う無許可営業である。
風営法上の「接待」に該当するかどうかは、キャバクラ、ガールズバーという名称ではなく実態に即して判断される。そのため、風営法に違反しないようにするには、接客をさせないためのルールや仕組みを整えることが重要である。
・指名、同伴、アフターなどの制度を設けない
・カウンターを設置して、カウンター越しに接客する
・ダーツやカラオケなどの遊技設備を設置しない
上記のようなルールや仕組みを整えることで、客に対しても「ここはキャバクラではなくガールズバーである」と認識してもらいやすくなるため、接待への過度な期待もなくなるといえる。
ガールズバーの経営をしていると警察による立ち入り調査を受けることもある。立ち入り調査において風営法違反行為が指摘されたとしても、直ちに刑事罰や営業停止・許可取り消しをされるわけではなく、まずは、違法行為の改善のための指示処分がなされるのが一般的である。
警察からの指示処分があったにもかかわらず、それに従わずに違法行為を続けると、次は重いペナルティが課されることになるため、警察による注意や指導には素直に従うことが重要である。
ガールズバーでの風営法違反を予防するには、弁護士への相談が有効である。
風営法の規定は、非常に曖昧かつ複雑な内容になっているため、専門的な知識や経験がなければ適切な対応は困難だといえる。風営法に強い弁護士であれば、風営法違反にならないための対策や風営法違反を指摘されたときの対応などをアドバイスしてくれるため、刑事罰や行政処分などのペナルティを防ぐことが可能だ。
安心してガールズバーの経営に専念するためにも、定期的に相談やサポートをしてもらえる顧問弁護士を利用するのがおすすめである。
ガールズバーの顧問弁護士は、ナイトビジネスに強いグラディアトル法律事務所がおすすめである。
一般的な企業法務とは異なり、ガールズバーなどのナイトビジネスの顧問弁護士には、風営法などのナイトビジネス特有の法律の知識と理解が不可欠となる。特に、風営法は、規定が抽象的であるため風営法違反に該当するかどうかの判断も知識や経験がなければ正確に判断するのは困難である。
グラディアトル法律事務所では、警察官や検察官も参考にするほど風営法に関する専門性の高い知識を有する弁護士が多数在籍しているため、ガールズバーの経営についても適切なアドバイスが可能である。
グラディアトル法律事務所では、ガールズバーなどのナイトビジネス業界の経営者との多数の顧問契約を締結する、ナイトビジネス業界の草分け的な弁護士事務所である。
ナイトビジネス業界に関する豊富な知識や経験、経営実態や他の事業者の細かい工夫などを把握しているため、きめ細かなサービスを提供することが可能だ。ガールズバーの顧問弁護士を頼むなら、その業界に詳しい弁護士を頼むべきであるため、ナイトビジネス業界に特化した当事務所にお任せいただきたい。
グラディアトル法律事務所では、ガールズバーの対応・摘発事例に関する刑事弁護の経験も豊富である。
万が一、風営法違反で経営者やキャストなどが逮捕されてしまったとしても、すぐに面会に駆けつけて、取り調べに対するアドバイスをすることが可能だ。また、今後の処分の見通しを立てるには経験が不可欠となるが、当事務所の弁護士であれば風営法違反の弁護経験が豊富であるため、正確な見通しを示すことができる。
ガールズバーにおける風営法違反を予防し、摘発されたときに迅速に対応するには、顧問弁護士によるサポートが不可欠であるため、健全なガールズバー経営をするためにも、グラディアトル法律事務所と顧問契約をしておくことをおすすめする。
深夜酒類提供飲食店営業の届出により営業するガールズバーでは、風営法上の「接待」が禁止されるため、客に対する過度な接触は、風営法違反となるリスクがある。「接待」に該当するかどうかは、風営法の正確な理解が不可欠であるため、安心してガールズバー経営に専念するためにも、顧問弁護士を利用するのがおすすめである。
ガールズバーの顧問弁護士は、ナイトビジネス業界に強いグラディアトル法律事務所にぜひお任せいただきたい。