「アットホームなスナックを開業したいけれど、風営法は適用されるの?」
「自分が開業するスナックの場合、どの風俗営業許可を取得すればいい?」
これからスナックを開業しようとしている経営者の方は、スナックに適用される風営法について知っておかなければならない。
スナックに適用される風営法には、以下の4つがある。
これらのうち、以下のようにスナックの業態によって必要となる営業許可は変わる。
※ 同一業態で2つ以上の営業許可に〇があるのは、さらに詳細な営業スタイルによって取得するべき営業許可が異なるためだ。
スナック経営では、以下の風営法のルールを守る必要がある。
風営法違反が発覚すると罰金や懲役が科されるだけでなく営業許可を取り消される可能性もあるので、風営法を違反しないようにすることが大切だ。
このようにスナックを開業する際には、風営法についてしっかりと理解を深めておかなければならない。
そこで、この記事ではこれからスナックを開業する経営者の方が知っておくべき以下のポイントについてご紹介する。
【本記事のポイント】
◎業態別にスナックで取得すべき風俗営業許可を紹介
◎スナック開業に必要な風俗営業許可の取得要件を解説
◎スナック経営で守るべき風営法のルールを紹介
◎スナック開店までの流れと気を付けるべきポイントを解説
上記のポイントを押さえると、スナックに適用される風営法や営業許可について分かり、スムーズにスナックを開業できる。
風営法を違反することなくスナックを開業できるように、ぜひ最後まで読み進めていただければと思う。
スナックに適用される風営法には、以下の4つがある。
どの営業許可があるかによって営業スタイルや営業時間が変わってくるので、詳しくご説明したい。
1号風俗営業許可とはキャバクラのようにキャストが客への接待をする社交飲食店に欠かせない許可で、接待を行うスナックにも必要である。
1号風俗営業許可の特徴は、以下の通りだ。
※ 5ルクスとは豆電球よりも暗く、ぎりぎり本を読めるかどうかといった暗さである。
スナックを開業する際に1号風俗営業許可を取得すべきかポイントとなる接待にあたる行為とは、以下の通りだ。
【接待にあたる行為】
・客の隣に座る
・客の隣でお酒を作る
・客とカラオケのデュエットをする
・特定の客に対して継続的に談笑する
・客と密着してチェキ撮影する
・客と一緒にゲームをする
このように客がキャストとの会話などのサービスを期待して来店するようなスナックなら、1号風俗営業許可が必要となる。
風営法の「接待」の詳細や無許可営業については、以下の記事を参照してほしい。
2号風俗営業許可とは低照度飲食店に必要な許可で、照明を落としたスナックを開業するなら取得すべきである。
2号風俗営業許可の特徴は、以下の通りだ。
※ 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
2号風俗営業許可では客への接待・遊興はできないものの、1室5㎡以上の見通しの良い個室を作ることが可能となる。
純粋にお酒を楽しめるバーのような薄暗いスナックを開業したいなら、2号風俗営業許可が必要となる。
深夜酒類提供飲食店営業(届出)は、午前0時以降も営業するスナックに必要な届出である。
1号営業等と異なり、許可ではなく届出だ。
風営法の許可と届出の違いについては、以下の記事を参照してほしい。
深夜酒類提供飲食店営業(届出)の特徴は、以下の通りだ。
※ 20ルクスとは、晴天時の光が当たらない室内の隅くらいの明るさである。
午前0時以降も楽しめるスナックを開業したいなら、深夜酒類提供飲食店営業(届出)が必要である。
特定遊興飲食店営業許可とは、カラオケなどを設置して客を積極的に楽しませるスナックを開業する場合に必要な許可である。
特定遊興飲食店営業許可の特徴は、以下の通りだ。
※ 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
スナックを開業する際に特定遊興飲食店営業許可を取得すべきかポイントとなる遊興にあたる行為とは、以下のようなものだ。
【遊興にあたる行為】
・客をゲームで楽しませる
・不特定多数の客に対して生演奏を聞かせる
・カラオケ大会を企画する
・客にカラオケをするように勧める
店側が積極的に客を楽しませるような設備があるスナックを開業するなら、特定遊興飲食店営業許可が必要である。
スナックを開業する際には先程ご紹介した4つの風営法の営業許可のうち、いずれかひとつが必要である。
スナックと言っても店によって業態はそれぞれなので、以下のようにスナックの業態別に必要な営業許可をまとめた。
※ 同一業態で2つ以上の営業許可に〇があるのは、さらに詳細な営業スタイルによって取得するべき営業許可が異なるからだ。
どんな業態のスナックを開業するかに合わせて、必要となる風営法の営業許可を確認しよう。
キャストが客の隣に座る業態のスナックでは、客への接待ができる1号風俗営業許可が必要である。
必要となる営業許可は店内の雰囲気ではなく実際の接客によって判断されるため、キャストが客の隣に座る行為は「接待」だと見なされるのだ。
詳細は前述したが、キャストが客の隣に座る以外に接待と見なされる行為は、以下の通りである。
1号風俗営業許可を取得するメリット・デメリットは、以下の通りだ。
※ 5ルクスとは豆電球よりも暗く、ぎりぎり本を読めるかどうかといった暗さである。
「スナックだから1号営業許可は必要ない」とは考えず、接待をするかどうかで第1号風俗営業許可を取得するかを決めよう。
→ 客への接待ができるスナックを開業したいなら1号風俗営業許可 |
ママがカウンターから接客する業態のスナックでは、
・1号風俗営業許可
・2号風俗営業許可
・深夜酒類提供飲食店営業(届出)
の中から業態に合わせて選択できる。
カウンター越しであっても特定の客と断続的に談笑するなら客は飲食以上のサービスを期待して来店するようになって接待行為と見なされるため、1号風俗営業許可が必要だ。
1号風俗営業許可・2号風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店営業(届出)のそれぞれのメリット・デメリットは、以下の通りである。
※1 5ルクスとは豆電球よりも暗く、ぎりぎり本を読めるかどうかといった暗さである。
※2 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
※3 20ルクスとは、晴天時の光が当たらない室内の隅くらいの明るさである。
ママがカウンターから接客する業態のスナックの風俗営業許可の選び方は、下記をご参考いただきたい。
→ ママがカウンターから客を接待するスナックを開業したいなら1号風俗営業許可 → ママがカウンターから料理や酒類を提供するだけで一切接待はしない、 薄暗くて雰囲気のあるスナックを開業したいなら2号風俗営業許可 → ママがカウンター越しに客に対して一切接待をせず、 午前0時以降も営業するスナックを開業したいなら深夜酒類提供飲食店営業(届出) |
午前0時以降も営業する業態のスナックでは、深夜酒類提供飲食店営業(届出)が必要である。
深夜酒類提供飲食店営業(届出)を取得するメリット・デメリットは、以下の通りだ。
※ 20ルクスとは、晴天時の光が当たらない室内の隅くらいの明るさである。
午前0時以降も客に楽しんでもらえるスナックを開業する場合は、深夜酒類提供飲食店営業(届出)を取得しよう。
→ 午前0時以降も営業するスナックを開業したいなら深夜酒類提供飲食店営業(届出) |
スナック店内にカラオケステージを設置する場合は、キャストと客がデュエットするなら1号風俗営業許可、カラオケ大会を開催したり、客同士でカラオケを楽しんでもらうように促し合いの手をいれたりするなら特定遊興飲食店営業許可が必要である。
1号風俗営業許可と特定遊興飲食店営業許可のそれぞれのメリット・デメリットは以下の通りだ。
※1 5ルクスとは豆電球よりも暗く、ぎりぎり本を読めるかどうかといった暗さである。
※2 10ルクスとは、上映前の映画館のような薄暗さである。
このようにスナック店内にカラオケステージを設置する場合は、客とデュエットするかどうかで取得する営業許可を選ぼう。
→ キャストと客がデュエットできるスナックを開業したいなら1号風俗営業許可 → 客同士でカラオケを楽しんでもらうスナックを開業したいなら特定遊興飲食店営業許可 |
開業したいスナックに必要な風俗営業許可が分かったところで、実際にその営業許可を取得するためにはどんな要件を満たさなくてはならないのか気になっている方は多いことと思う。
どの風俗営業許可においても取得するためには、人的要件・地域要件・設備要件の3つを満たす必要がある。
人的要件はすべての営業許可に共通していて、個人なら申請者、法人なら監査役を含む役員全員とバーの店長となる管理者が以下の項目を満たさないことをいう。
・未成年者(※1) ・自己破産して復権していない人(※2) ・1年以上の懲役・禁錮の刑や、風営法や労働基準法などの違反により1年未満の懲役・罰金の刑に処されて、その執行が終わるか執行を受けることがなくなってから5年経過していない人 ・暴力団構成員 ・アルコール、麻薬、大麻、あへん、覚せい剤の中毒者 ・風俗営業許可を取り消されてから5年経過していない人 |
参考:風営法第4条
※1 未成年者であっても風俗営業者の相続人で、法定代理人が上記の項目に該当しなければ除外されて営業許可が下りる可能性がある
※2 自己破産した人が申請者だと営業許可は下りないが、破産者が会社役員に就任すること自体は可能である
地域要件と設備要件については風俗営業許可によって少しずつ違いがあるので、詳しくご説明する。
接待を行うスナックで必要となる1号風俗営業許可の場合、以下の地域要件と設備要件を満たす必要がある。
まず、地域要件として1号風俗営業許可を取得できる用途地域は以下の通りだ。
・商業地域
・近隣商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
・用途地域の指定がない地域
なお、以下のようにスナックと保護対象施設との制限距離が設けられているので、注意が必要である。
次に、以下の設備要件を満たさなくてはならない。
このような要件があるため、個室のVIPルームを設置する場合であってもドアに鍵を付けることはできない。
1号風俗営業許可を取得する際には管轄の警察署の生活安全課に申請し、申請日から約55日で取得できる。
接待はできないものの薄暗くて雰囲気のあるスナック開業に必要な2号風俗営業許可の場合、以下の地域要件と設備要件を満たす必要がある。
まず、地域要件として2号風俗営業許可を取得できる用途地域は以下の通りだ。
・商業地域
・近隣商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
・用途地域の指定がない地域
なお、以下のように保護対象施設との制限距離が設けられているので、注意が必要である。
次に、以下の設備要件を満たさなくてはならない。
1号営業許可と比べて、2号風俗営業許可では店内の照度は明るく客室の1室あたりの床面積は狭くなる。
2号風俗営業許可を取得する際には管轄の警察署の生活安全課に申請し、申請日から約55日で取得できる。
午前0時以降も営業するスナックに必要な深夜酒類提供飲食店営業(届出)は、取得するには以下の地域要件と設備要件を満たす必要がある。
まず、地域要件として深夜酒類提供飲食店営業(届出)を取得できる用途地域は以下の通りだ。
・商業地域
・近隣商業地域
・準工業地域
・工業地域
・工業専用地域
深夜酒類提供飲食店営業(届出)には保護対象施設は設けられていないので、上記の用途地域をクリアすれば地域要件は満たせる。
次に、設備要件は以下を満たす必要がある。
深夜酒類提供飲食店営業(届出)の場合は客室の床面積は1室9.5㎡以上にしなくてはならず、20名程度入れる広さが必要になる。
3号風俗営業許可を取得する際には管轄の警察署の生活安全課に申請し、申請日から約10日と他の営業許可よりも早く取得できる。
カラオケ大会を開いたり、客同士でカラオケを楽しんでもらうよう勧めて合いの手をいれるなどをする場合のスナック開業に必要な特定遊興飲食店営業許可の場合、以下の地域要件と設備要件を満たす必要がある。
まず、地域要件は第1~3風俗営業許可と比べて非常に制限されていて、各都道府県の条例において一部の繁華街のみと定められている。
たとえば、大阪府なら北区と中央区の一部しか特定遊興飲食店営業許可は下りない。
開業したい地域の都道府県警察のホームページから、特定遊興飲食店を開業できる地域を調べてみよう。
また、特定遊興飲食店と以下の保護対象施設との間に100m以上の制限距離が設けられている。
参考:児童福祉法 第7条第1項
次に、以下の設備要件を満たさなくてはならない。
特定遊興飲食店営業許可の取得要件は地域要件に厳しい制限がある上に、客室が1室33㎡と通常の飲食店の2倍となるかなり広めの物件が必要となる。
この特定遊興飲食店営業許可を取得する際には管轄の警察署の生活安全課に申請し、申請日から約55日で取得できる。
開業したいスナックに必要な風俗営業許可の取得要件を押さえられたところで、スナックを経営するにあたって以下の6つの風営法のルールを守らなくてはならない。
スナックを開業する前に風営法のルールを知っておこう。
スナックを経営するためには、取得済みの営業許可証をエントランスなどの見えやすい場所に貼らなければならないことが風営法第6条で決められている。
客側としても営業許可証を確認できれば安心して入店できるので、業態に合わせた営業許可を取得している証明として忘れずに貼るようにしよう。
スナックでは取得している営業許可によって決められている営業時間を守る必要がある。
営業許可によって変わるスナックの営業時間は、以下の通りだ。
なお、風営法第13条で1号・2号風俗営業許可については、各都道府県の条例によって「営業延長許容地域地域」に指定されている地域では午前1時まで営業することが認められている。
スナックを経営するにあたって、営業時間は必ず守るようにしよう。
スナックでは20歳未満の客に酒類やたばこを提供してはいけないことが、風営法第22条で決められている。
スナックでの年齢別の酒類提供のルールは、以下の通りだ。
このようにスナックでは18歳未満の客は出入りすら禁じられていて、20歳未満の客には絶対に酒類を提供してはいけないのである。
1号風俗営業許可のあるスナックで客の接待をするキャストを雇用する際には、必ず年齢を確認しなければならない。
確認しないまま18歳未満の青少年に客の接待をさせると風営法第22条に違反するだけでなく、午後10時以降も働かせれば労働基準法に違反して経営者が刑罰を受ける可能性がある。
以下の確認方法を参考にして、雇用前に必ず年齢を確認するようにしよう。
【スナックでの年齢確認方法】
・写真付きの学生証+住民票
・免許証+住民票
・パスポート
・マイナンバーカード
このように顔写真付きの身分証を確認することで、18歳未満の青少年が年齢を偽って働こうとするなりすましを防止できる。
キャストの年齢確認は風営法で義務付けられている次項の従業員名簿の備え付けにも役立つので、必ず実践しよう。
風営法における未成年(18歳未満)の年齢確認義務の詳細は、以下の記事を参照してほしい。
スナックでは風営法第36条によって店で働いているキャストの名簿の備え付けが義務付けられている。
従業員名簿には、以下の項目を記載しなければならない。
【従業員名簿に記載する項目】
・氏名
・性別
・住所
・本籍(外国人の場合は国籍)
・生年月日
・採用年月日
・退職年月日
・従事する業務の内容(接待業務、受付業務など)
短期間しか雇用しない予定のキャストであっても従業員名簿は必ず作成して、すぐに取り出せる場所に備え付けておく必要がある。
なお、ダウンロードして活用できる従業員名簿のテンプレートを以下の「風営法の従業員名簿!今日から使える弁護士作成のテンプレート付き!」の記事でご紹介しているので、活用していただければと思う。
スナックで外国人を雇用する際にはパスポートや外国人登録証明書、在留カードを見て、以下の在留資格があるかを確認することが大切である。
【キャバクラで雇用できる外国人の在留資格】
・特別永住者
・永住者
・日本人の配偶者
・永住者の配偶者
・定住者
留学生など上記の在留資格がない場合は、雇用しないようにしよう。
なお、興行ビザで来日している外国人がスナックで歌のライブショーを行うことは可能であるものの、在留資格はないので、客に対する接待はできない。
外国人を不法に就労させると不法就労罪や不法就労助長罪に問われる可能性があるので、詳しくご紹介している以下の記事、「風営法と外国人雇用/風俗・キャバクラなどの水商売と外国人・風営法・出入国管理法(不法就労助長罪)について弁護士が解説!」を参考にしてみよう。
スナックを開業しようと考えている経営者の方の中には、「客への接待はしたいけれど、午前0時以降も営業できたらいいのに」と思っている方もいるのではないだろうか。
そんな時に1号風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業(届出)の両方を取得しようとしても、基本的には申請先である警察からは受理されず、門前払いされてしまう。
受理されるのは午前0時を境にまったく違うお店として運営する場合くらいで、ほとんどの場合では不可能だが、1号風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業(届出)の両方の取得を試みることは絶対にやめるべきである。
1号風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業(届出)の両方の取得が仮にできたとしても、客やキャスト、警察に対して以下のような問題が起こってしまう。
実際、通常のスナックより風営法違反をしてしまう可能性や、警察にマークされることで逮捕・摘発されるリスクが高くなるので、スナックを開業する際には1号風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業(届出)のうちどちらか一方を選ぶようにしよう。
自分が開業したいと思っているスナックに必要な営業許可が分かったら、開店に向けて準備を始めよう。
スムーズにスナックを開店できるように、以下の7つの手順に沿って流れと気を付けるべきポイントをご説明する。
【スナック開店までの流れ】
① 経営計画を立てる
② 各種資格を取得する
③ 資金を準備する
④ 物件を決める
⑤ 内装・部品を準備する
⑥ 各種申請をする
⑦ 従業員の募集と宣伝をする
まずは、どんなスナックを開業したいのか経営計画を立てることから始める。
スナックの詳細な営業スタイルやコンセプトを決めて、以下の経営計画を立てるポイントを参考に具体的な計画を立てよう。
スナックの経営計画を立てるポイント |
・店舗はどこに構えたいか ・外装・内装はどうしたいか ・どんなインテリアにしたいか ・スタッフは何人必要か ・メニューの内容・種類はどれくらいにするか ・料金設定はどうするか |
具体的な経営計画を立てると、これから行わなくてはならない資金調達や物件決めもスムーズになるので、よく考えることが大切だ。
次に、スナックを開業するためには業態に関わらず以下の2つの資格を取得する必要がある。
・食品衛生責任者
・防火管理者
「食品衛生責任者」とは、食品を扱う店舗ごとに必ず1名以上設置する必要がある食品の管理運営を行う責任者の資格である。
本格的な料理ではなく酒類やおつまみだけの提供であっても、スナックを開業するためには食品衛生責任者の資格を取得しなければならない。これがあれば6.6.1. 飲食店営業許可でご紹介する飲食店営業許可を申請する準備ができる。
食品衛生責任者の資格取得のポイントは、以下の通りである。
昼休憩をはさんで10時から17時までの講習会を受講した後に真面目に受講していれば解ける小テストを受けると、食品衛生責任者の資格を取得できる。
店舗に掲示するプレートがほしい場合は、各都道府県の食品衛生協会に申し出ると1,000円(税込)で購入することが可能である。
月6~7回と頻繁に講習会が開催されているので、スナック開店のために地域の食品衛生協会のホームぺージから申込をして食品衛生責任者の資格を取得しよう。
「防火管理者」とは建物における火災等の被害を防止するために、防火管理のための消防計画や必要業務を計画的に行う責任者の資格である。
経営者はスナック店舗の防火対策の責任を負う必要があるので、この防火管理者の資格も取得しなくてはならない。
防火管理者には建物の規模に関わらず管理者として登録できる「甲種」と、小規模な建物でのみ管理者になれる「乙種」の2種類がある。
スナックの店舗建物の収容人数が30人未満で延べ面積が300㎡未満であれば乙種の防火管理者資格で構わないが、建物が大きくなると厳重に防火対策をしなければならないため甲種の防火管理者資格が必要となる。
甲種と乙種の防火管理者の資格取得のポイントをご紹介する。
合格率は非常に高いため、スナックを開店するために早めに防火管理者の資格を取得しておこう。
店舗の規模や立地によるものの、スナックを開店するには最低でも500万円〜1,000万円の資金を準備する必要がある。
とくに繁華街の中心地に店を構える場合や、内装にこだわりがある場合は資金がかさみやすい。
資金準備時に考えておきたいポイントは、以下の通りだ。
これらを参考に余裕を持って必要となる資金額を準備しておこう。
「スナック開店に必要な風俗営業許可の取得要件」でお伝えしたように、物件を決める際には開業したいスナックの営業許可に必要な地域要件をクリアしているかだけでなく、以下のポイントに気を付けなくてはならない。
スナックの物件を決めるポイント |
・希望するエリアにあるか ・物件の状態は良いか ・家賃が経営計画内におさまっているか ・周辺の人通りは多いか ・周辺にどんな競合店がどれくらいあるのか |
よく考えて物件を決めよう。
物件を決めたら、次項の「各種申請をする」で申請時に店舗内の図面が必要となるため、内装を考えて必要となる備品を準備し始める。
「スナック開店に必要な風俗営業許可の取得要件」で説明した営業許可ごとの設備要件を意識しながら、以下のポイントを参考に店のコンセプトに合う内装や備品を考えよう。
スナックの内装・備品を準備するポイント |
・L字型カウンターなら少数のキャストでも客の対応がしやすい ・回転式チェアだと客同士が話しやすくて盛り上がりやすい ・深夜酒類提供飲食店営業(届出)だと店内が明るく内装や備品がよく見えるので、高級感のあるものを揃える |
飲食店営業許可と風俗営業許可の申請許可が下りなければスナックは開店できず、内装業者への支払い金は戻ってこない上にもう使うことのない備品だけ残ってしまう可能性がある。
そのため、限られた資金を活かせるように内装業者や備品購入の仮押さえが可能であれば、許可が下りてから動き始められるように手配するのがおすすめだ。
続いて、スナックを開店するために以下の2つの申請を行う必要がある。
・飲食店営業許可
・1号・2号風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店営業(届出)・特定遊興飲食店営業許可のうちいずれか
「飲食店営業許可」とは、スナック以前に飲食店としての営業許可を得るために必要なものである。
飲食店営業許可を申請するポイントは、以下の通りだ。
飲食店営業許可は風俗営業許可を申請する前に取得しなくてはならないことがほとんどだが、飲食店営業許可の申請が認められるまでに2~3週間かかるため、計画立てて申請をしよう。
バーを開業するために1号・2号風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店営業(届出)・特定遊興飲食店営業許可のうち、自分が開業したい業態に合った営業許可を取得しよう。
1号・2号風俗営業許可・特定遊興飲食店営業許可を申請するポイントは、以下の通りである。
参考:警視庁ホームページ
深夜酒類提供飲食店営業(届出)を申請するポイントは、以下の通りである。
参考:警視庁ホームページ
地域によっては上記以外の書類も必要となるケースがあるので、事前に問い合わせをしておくとスムーズに手続きを進めやすい。
深夜酒類提供飲食店営業(届出)は申請日から10日以内、1号・2号風俗営業許可と特定遊興飲食店営業許可については申請日から55日以内で下りるので、許可を取得でき次第スナックの営業を開始できるように準備を進めよう。
いよいよスナックを開店するために、従業員の募集と宣伝を行っていく。
従業員の募集と宣伝をするポイントは、以下の通りである。
「従業員名簿を備え付ける」でご紹介したようにスナックでは風営法で従業員名簿の備え付けが義務付けられているので、キャストの年齢確認を徹底して作成した名簿をすぐに取り出せる場所に備え付けておこう。
口コミで評判が広がっていくまでには時間がかかるため、開店後多くのお客様に来てもらうために、開店前後は特に広く宣伝することを意識しよう。
スナックを開業してから風営法違反が発覚すると、罰を受けることになる。
そのため、どんなことが風営法違反となってどのような罰則があるのかご説明したい。
風営法違反が発覚して受ける罰は、以下のように刑事処分と行政処分の2つに分かれている。
風営法違反が発覚すると、懲役や罰金といった刑事処分が科されることとなる。
スナックでよくある風営法違反と科される刑事処分は、以下の通りだ。
とくに1号風俗営業許可なしに接待をするともっとも重い2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれらの併科が科されるので、キャストと客が親しく会話するなら1号風俗営業許可を取得しておくべきである。
その他の風営法違反と逮捕・罰則については、以下の記事も参照してほしい。
風営法違反が発覚すると、刑事処分だけでなく行政処分も科されることとなる。
スナックでよくある風営法違反と科される行政処分は、以下の通りだ。
「許可取り消し」になると取得した営業許可が取り消されて、懲役や罰金刑の執行が終わってから5年経過しなければ申請できなくなる。
このように風営法違反をすると厳しい処分が科されるため、違反しないように注意が必要だ。
スナックを開業する際には営業スタイルに合わせた営業許可が必要で、営業許可を取得した後も風営法に違反することなくスナックを運営していくのは非常に難しいので、グラディアトル法律事務所にご相談いただければと思う。
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ナイトビジネス業界でスムーズに開業するためには風営法はもちろんのこと、その地域の条例や周辺知識も必要不可欠だ。
グラディアトル法律事務所なら幅広い知識とこれまでの豊富な実績を活かしてスムーズにスナックを開業できるだけでなく、開業後もトラブルなく運営できるようにサポートさせていただく。
この記事では、スナックに適用される風営法について詳しくご説明させていただいた。
最後に記事の内容をまとめてみると、スナックの業態別に取得すべき風俗営業許可は以下の通りだ。
※ 同一業態で2つ以上の営業許可に〇があるのは、さらに詳細な営業スタイルによって取得するべき営業許可が異なるため
スナック経営で守るべき風営法のルールは以下の通りだ。
スナック開店までの流れは以下の通りだ。
ナイトビジネス業界の開業立ち会いや顧問実績が豊富なグラディアトル法律事務所にご相談いただければと思う。
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