風俗店(デリヘル)の経営者が,労働基準法違反で逮捕された。
労働基準法では,暴行や脅迫によって,強制的に働かせることを禁止している。
労働基準法
(強制労働の禁止)
第五条 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。
第百十七条 第五条の規定に違反した者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
強制労働・労働基準法違反で風俗店経営者逮捕されたニュース
「写真まく」女性脅す 風俗店経営者ら再逮捕 静岡
派遣型風俗店(デリバリーヘルス)で20代の元女性従業員が強制的に働かされていたとされる労働基準法違反容疑事件で、実質的な経営者の会社役員の男(42)=静岡市駿河区中田=ら3人が、既に退店していた別の30代女性に対しても「裸の写真をばらまくぞ」などと脅して強制的に勤務させていたことが16日、捜査関係者への取材で分かった。
静岡中央署と県警組織犯罪対策課などの合同捜査班は同日、経営者の会社役員の男、同区東静岡の会社役員の男(31)、同区南町の会社役員の男(23)=いずれも同容疑で逮捕=の3人を同法違反(強制労働)の疑いで再逮捕した。
3人の再逮捕容疑は共謀して5月下旬、同市内に停車した乗用車の中で、元従業員の静岡県中部の30代女性に対して「店を辞めるのはいいけど、敵対心を持って対応する」などと脅して10月下旬まで労働を強制した疑い。同署は3人の認否を明らかにしていない。
同署によると、3人は5月上旬で退店していた女性を待ち伏せ、車に乗せた。宣伝用に撮影した写真を女性に見せ、「モザイクなしでいろんなサイトに載せる」などと脅したという。
同署などは10月、20代女性に迷惑料の返済名目で借用書を書かせ、約5カ月間の強制労働をさせたとして同法違反容疑で経営者の会社役員の男ら男女7人を逮捕した。静岡新聞ニュース http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/566980.html
今回の事例は,退店していた女性を待ち伏せして,裸の写真をサイトに載せると脅すなど極めて悪質な事例だ。
ここまで悪質な事例は稀だが,当法律事務所でも,風俗店で働く女性キャストから,辞められない。辞めたいと伝えたら,脅された,不当な罰金を請求された。という相談を多く受ける。
このような被害にあった際には,なるべく早く,警察や弁護士に相談してほしい。
また、風俗店経営者の方は、風俗店の摘発・逮捕を食い止める7つの対策と19個の摘発事例の記事を参照して、適法な経営を心がけてほしい。