今年7月に施行されたJKビジネスを規制する特定異性接客営業等の規制に関する条例(以下,「JK都条例」という。)。
このJK都条例で,今回,初めての逮捕者が出た。
JK都条例では,女子高生を連想させるものであって,接待営業等をする業種を規制している。
JK,制服などを掲げる業態が特定異性接客営業として,その規制対象になる。
JKリフレやJKお散歩,JK見学店などがその典型だ。
風営法上の性風俗関連特殊営業と同様に,店舗型と無店舗型に分けて規制されている。
JK都条例の構成としては,風営法と非常によく似ている。
風俗店が風営法で届出制とされているのと同様に,JK都条例でもいわゆるJKビジネスに届出を義務付けている(JK都条例6条)。
また,禁止区域の指定,広告規制,公安委員会による報告徴収や立ち入り,営業停止等の行政処分,罰則も規定されている。
そして,一番重要な点は,今回の逮捕事由でもある18歳未満の青少年の接客禁止・客としての立入り禁止(JK都条例8条)だ。
この場合の罰則は,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(JK都条例20条2項2号)だ。
さらに,この罰則は,18歳未満であったと知らなかったとしても,適用される(JK都条例21条)。
もっとも,無過失の場合には適用がない,過失犯だ。
「当該青少年の年齢を知らないことを理由として、前条第2項第2号若しくは第3号又は第3項第2号の規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。」
風俗店等での18歳未満の年齢確認と無過失については,以下の記事を参考にしてほしい。
https://www.gladiator.jp/fuzoku-komon/風俗店と18歳未満〜女子高生ホステスにキャバ/
以上を踏まえて,ニュースの摘発事例を見てみよう。
“JKビジネス”条例で初摘発 女子高生と客散歩させた疑い逮捕
17歳の女子高校生を客と散歩などをするいわゆる「JKビジネス店」で働かせたとして、店長が東京都の条例違反の疑いで逮捕されました。ことし7月に条例が施行されてから摘発は初めてで、警視庁が店の実態などを調べています。
逮捕されたのは無店舗型のJKビジネス店「◯◯」の店長、◯◯容疑者(27)です。
警視庁によりますと、◯◯容疑者は今月、東京・池袋で17歳の女子高校生に45歳の男性客と散歩をさせたとして、東京都の条例違反の疑いが持たれています。
店では「裏オプション」とよばれる性的なサービスも行われていて、働いていた女性のうち5人が18歳未満だったということです。
警視庁によりますと、調べに対して容疑を認めているということです。
女子高校生などに客と散歩や添い寝をさせることを禁止する東京都の条例は、ことし7月に施行され、摘発されるのは今回が初めてだということで、警視庁が店の実態などを調べています。
上記ニュースによれば,このお店は,「裏オプション」として性的なサービスをしていたとのことなので,風営法違反や児童福祉法違反,青少年保護育成条例違反等にもあたりうる。今後の捜査状況次第では,より重いこれらの罪での再逮捕や追起訴の可能性もあるだろう。