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風営法の2号営業とは?客席の照度基準や許可条件、手続きなどを解説

弁護士 若林翔 2025/04/28更新

風営法の2号営業とは?客席の照度基準や許可条件、手続きなどを解説

「風営法の2号営業とは何のこと?」

「風営法の2号営業の許可をとるための条件とは?」

「風営法の1号営業の許可申請の手続きを知りたい」

風営法では、客に飲食や遊興をさせて接待する営業または射幸心をそそる遊戯をさせる営業を「風俗営業」といい、風俗営業は、1号営業から5号営業まで区分されている。そのうち、「2号営業」とは、設備を設けて客に飲食をさせる営業で、営業所内の照度を10ルクス以下として営むものをいう。たとえば、喫茶店やバーなど主に低照度で営業を行う飲食店が2号営業にあたる。

風営法の2号営業に該当する店を開業するには2号営業の許可を得る必要がある。これは、飲食店の雰囲気を守りながら客や従業員の安全性を確保し、適切な運営を促進するための規制である。

本記事では、

・風営法の2号営業とは?

・風営法における2号営業の許可条件

・風営法における2号営業の許可申請手続き

などについて詳しく解説する。

風営法の2号営業を開業しようと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてほしい。

 

風営法の「2号営業」(低照度飲食店営業)とは?

風営法の「2号営業」とは?

風営法では、客に飲食や遊興をさせて接待する営業または射幸心をそそる遊戯をさせる営業を「風俗営業」といい、風俗営業はさらに「接待飲食等営業」と「遊技場営業」の2種類に分けられる。

接待飲食等営業は、1号営業から3号営業まで区分されていて、設備を設けて客に飲食をさせる営業で、営業所内の照度を10ルクス以下として営むものを風営法の「2号営業」という。

2号営業にあたる業種としては、主に低照度で営業を行う喫茶店やバーなどが挙げられる。

このような風営法の2号営業を開業するには、風営法の許可が必要であるため、所定の手続きに従って許可申請をしなければならない。

 

風営法の1号営業と2号営業の違いとは?

区分1号営業2号営業
特徴接待をして飲食を提供する営業低照度の飲食店
接待行為の可否できるできない
遊興行為の可否できるできない

風営法の1号営業とは、設備を設けて客の接待をして客に遊興または飲食をさせる営業のことをいう。たとえば、キャバクラ、ホストクラブ、スナックなどがこれにあたる。

風営法の1号営業と2号営業は、ともに風俗営業のうち接待飲食等営業に分類されるという点では共通している。しかし、2号営業では、接待行為・遊興行為をすることができないため、その点で1号営業と区別される。

風営法の「接待」に該当するものとしては、以下のような行為が挙げられる。

・客とカラオケをデュエットする

・特定少数の客に対してダンスや歌唱を披露する

・客と一緒にダーツなどのゲームをする

・キャスト(店員)の指名や同伴制度がある

・キャストが客の隣に座り、密着する

低照度飲食店においてこのような接待をするには、2号営業許可ではなく1号営業許可をとらなければならない。

 

風営法における飲食店の照度の基準

風営法における飲食店の照度の基準

風営法の2号営業は、別名を「低照度飲食店」という。風営法では、飲食店の営業形態に応じて照度基準が定められており、それを遵守することが重要である。以下では、風営法における飲食店の照度の基準を説明する。

 

飲食店における照度のルール

飲食店その他の施設における照度は、営業形態に応じて以下のようなルールが設けられている。

営業形態照度基準
飲食店施設50ルクス超
飲食店の客室10ルクス超
深夜酒類提供飲食店の客室20ルクス超
区画席飲食店営業の客室10ルクス超
雀荘、パチンコ店の客室10ルクス超
特定遊興飲食店営業の客室10ルクス超
接待飲食店、低照度飲食店の客室5ルクス超

店内が薄暗いと客同士や客と従業員との間でみだらな行為がなされる可能性があることから、風営法では、店内の明るさを一定以上に保つことを事業者の遵守事項として定めている。

たとえば、照度が10ルクスを超える場合は、一般的な飲食店として扱われるが、照度が10ルクス以下になると風営法の「接待飲食店」または「低照度飲食店」の規定が適用されるため、風営法の1号営業または2号営業許可が必要である。そのため、照度の調整は非常に重要である。

 

2号営業なら客席の照度を10ルクス以下にすることが可能

風営法の2号営業許可をとれば低照度での営業が可能になるため、独特な雰囲気や非日常感を演出できる喫茶店、バー、ラウンジなどを営業することができる。

この場合、客席の照度は10ルクス以下にすることが可能であるが、5ルクス以下にすることはできないため、5ルクス超の照度を保つようにしなければならない。照度の測定方法は、国家公安委員会規則で以下のように定められている。

①客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある営業所については、当該設備の上面及び当該上面の高さにおける客の通常利用する部分

②①以外の営業所にあっては、次に掲げる客席の区分に応じ、それぞれ次に定める客席の部分

・椅子がある客席……椅子の座面及び当該座面の高さにおける客が通常利用する部分

・椅子がない客席……客の通常利用する場所における床面(畳又はこれに準ずるものが敷かれている場合にあっては、その表面)

一般的な飲食店であればテーブルの水平面で測定されることになる。

なお、照度10ルクス以下が許容されているのは客席部分であるため、2号営業の許可をとったとしても客席以外の部分については、最低でも10ルクスを超える照度を保たなければならない。

 

風営法における2号営業の許可条件

風営法における2号営業の許可条件

風営法における2号営業の許可を得るには、「人的要件」「場所的要件」「構造的要件」を満たす必要がある。以下では、それぞれの詳しい内容をみていこう。

 

許可できない人|人的要件

以下のいずれかの条件に該当する人は、風俗営業の許可を受けることはできない。

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

②1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、又は一定の罪を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者

③集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれのある者

④アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者

⑤精神機能の障害により風俗営業の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

⑥風俗営業の許可を取り消されて5年を経過しない者

⑦風俗営業の取消処分に係る聴聞の期日等の公示日から取消し等の決定をする日までの間に、許可証を返納した者で、当該返納の日から起算して5年を経過しないもの

⑧⑦の規定する期間内に合併により消滅した法人又は許可証を返納した法人

⑨⑦の規定する期間内に分割により、聴聞に係る風俗営業を継承させ、若しくは分割により、当該風俗営業以外の風俗営業を継承した法人

⑩営業に関して成年者と同一の能力を有しない未成年者

⑪法人の役員、法定代理人が上記①から⑤までに掲げる事項に該当するとき

なお、2025年3月7日に風営法の改正案が閣議決定され、風俗営業の欠格事由の範囲が拡大し、以下の欠格事由が追加されることになった。

・親会社等が許可を取り消された法人

・警察による立入調査後に許可証の返納(処分逃れ)をした者

・暴力的不法行為等を行うおそれがある者がその事業活動に支配的な影響力を有する者

これによりホストクラブのグループ店舗も欠格事由に該当し、グループ会社や関連会社の許可が取り消される可能性がある点に注意が必要である。

 

許可できない場所|場所的要件

以下のいずれかの地域に該当する場所では、風俗営業の許可を受けることはできない。

・第1種低層住居専用地域

・第2種低層住居専用地域

・第1種中高層住居専用地域

・第2種中高層住居専用地域

・第1種住居地域

・第2種住居地域

・田園住居地域

・準住居地域

ただし、これらの地域に該当しない場所であっても、お店の場所から半径100m以内に「保護対象施設」(学校、図書館、児童福祉施設、病院、診療所)がある場合、その場所では風俗営業の許可は受けられない。

 

構造・設備の基準|構造的要件

風営法の2号営業許可を受けるには、構造・設備に関して営業区分に応じた以下の要件を満たす必要がある。

・客室の床面積が1室5㎡以上とすること

・客室の内部が店の外部から容易に見通すことができないこと

・客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと

・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと

・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと

・店舗内の照度(明るさ)が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること

・騒音又は振動の数値が条例で定める数値に満たないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること

・ダンスをするための構造又は設備を有しないこと

風営法における2号営業の許可申請手続き

風営法における2号営業の許可申請手続き

風営法における2号営業の許可申請をするには、以下のような手続きが必要である。

2号営業許可申請の必要書類

風俗営業の許可申請に必要な書類は、以下のとおりである。

①許可申請書

②営業の方法を記載した書類

③営業所の使用について権原を有することを疎明する書類

④営業所の平面図及び営業所の周囲の略図

⑤住民票の写し

⑥人的欠格事由に該当しない旨の誓約書

⑦市町村の発行する身分証明書

⑧法人の場合は、定款・法人に係る登記事項証明書及び役員に係る上記⑤から⑦までの書面

⑨管理者を選任する場合は、選任する管理者の誓約書、上記⑤から⑦までの書面

⑩管理者の写真2枚

 

2号営業許可申請の費用

風営法の2号営業の許可申請手数料は、2万4000円である。

 

2号営業の許可申請の窓口

風俗営業の許可申請の窓口は、営業所の所在地を管轄する警察署である。

 

2号営業の許可申請の流れ

2号営業の許可申請の流れ

風俗営業の許可申請は、以下のような流れで行われる。

・申請書や必要書類の準備

・営業所の所在地を管轄する警察署に許可申請

・公安委員会で許可条件の審査および調査の実施

・許可の場合は許可証が交付、不許可の場合は不許可通知書が交付

 

風営法の2号営業に関するQ&A

風営法の2号営業に関するQ&A

以下では、風営法の2号営業に関するよくある質問とその回答を紹介する。

10ルクスの照度とはどの程度?

10ルクスの照度の例としては、ロウソク1本ほどの明るさで本を読むことは難しいものの、近くの人の顔がかろうじて見える程度の明るさである。

 

店内や客席の照度はどのように測定すればいい?

店内や客席の照度は、飲食店の営業形態に応じた測定方法が国家公安委員会規則で定められている。風営法の1号営業から3号営業までの営業形態であれば、以下の方法で測定を行う。

①客席に食卓その他の飲食物を置く設備がある営業所については、当該設備の上面及び当該上面の高さにおける客の通常利用する部分

②①以外の営業所にあっては、次に掲げる客席の区分に応じ、それぞれ次に定める客席の部分

・椅子がある客席……椅子の座面及び当該座面の高さにおける客が通常利用する部分

・椅子がない客席……客の通常利用する場所における床面(畳又はこれに準ずるものが敷かれている場合にあっては、その表面)

 

調光器で明るさを調整できれば大丈夫?

照明器具には、「スライダックス」と呼ばれる調光器が付いているものもあるが、調光器の設置は基本的には認められていない。

調光器により基準値以下まで照度を暗くできてしまうと、2号営業の許可を得ることはできない。

 

客席以外のところも10ルクス以下の照度でOK?

2号営業の許可を得れば10ルクス以下の照度で営業することができるが、10ルクス以下にできるのはあくまでも客席部分のみである。客席以外の部分については、10ルクスを超える照度にしなければ風営法違反となるため注意が必要である。

 

風営法に関するお悩みは風営法に強いグラディアトル法律事務所に相談を

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風営法の2号営業許可は、接待を伴わない低照度飲食店を営む場合に必要となる許可である。暗い店内では隠れて接待行為が行われがちであるが、そのような行為は無許可営業にあたるため、厳しい処分を受ける可能性がある。そのほかにも風営法上さまざまな規制があるため、風営法を遵守した健全な風俗店経営を行うためには、風営法に詳しい弁護士によるサポートが不可欠といえるだろう。

顧問弁護士がいれば風営法違反にならないよう経営上のアドバイスや指導をしてくれるため、それに従って経営状況を改善していけば風営法違反のリスクを最小限に抑えることができる。また、いつでも相談できる存在がいるというもの非常に心強いといえるだろう。

グラディアトル法律事務所では、500店舗以上の風俗店の顧問弁護士を担当しており、ナイトビジネス業界に特化した弁護士事務所といえるだろう。トラブル対応だけではなくトラブル予防にも力をいれているため、実際にトラブルが生じていなくても気軽に相談してもらいたい。

風営法に違反する行為であるかどうかの判断は、風営法に詳しい弁護士でなければ難しいため、継続的なサポートが可能である顧問契約を是非とも検討してもらいたい。

※関連コラム「風営法に強い弁護士4つの特徴とは?メリット・費用など完全まとめ」

まとめ

風営法の2号営業許可は、主に低照度で営業を行う喫茶店やバーなどを行う際に必須の許可である。今後このようなお店を開業しようと考えている場合、きちんと許可申請を行い、2号営業の許可を受けてから営業を始めるようにしなければならない。

風営法の規制にはさまざまなものがあるため、そのすべてを正確に把握するのは困難である。知らずに風営法違反を犯してしまうような事態を避けるためにも顧問弁護士の利用を強くおすすめする。風営法に強い弁護士をお探しの方は、グラディアトル法律事務所までぜひ相談してほしい。





弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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