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風営法違反で執行猶予は付く?執行猶予獲得のための4つのポイント

弁護士 若林翔 2025/04/25更新

風営法違反で執行猶予は付く?執行猶予獲得のための4つのポイント

「風営法違反で執行猶予は付くの?」

「風営法違反で執行猶予を獲得するポイントとは?」

「風営法違反で執行猶予が付いた事案の量刑相場はどのくらい?」

風営法違反で適用される刑罰には、罰金刑だけではなく懲役刑も定められているため、逮捕・起訴されて有罪になると、懲役刑が科されて刑務所に収監される可能性もある。刑務所に収監されてしまうとこれまでのような社会生活は遅れなくなるため、本人に生じる不利益は非常に大きなものとなってしまう。

これを回避するには、執行猶予付きの判決を獲得することが重要である。執行猶予付き判決を獲得できれば、直ちに刑務所に収監されることはないため、通常の社会生活を送ることが可能だ。風営法違反は、罰金刑になるケースが多いが、悪質なケースでは懲役刑が科されることもあるため、執行猶予を獲得するためのポイントを押さえて行動していくことが重要である。

本記事では、

・執行猶予の基本的なルール

・風営法違反で執行猶予が付いた事案の量刑相場

・風営法違反で執行猶予を獲得するための4つのポイント

についてわかりやすく解説する。

風営法違反で執行猶予を獲得するには、風営法に強い弁護士によるサポートが不可欠であるため、早めに弁護士に相談することをおすすめする。

 

風営法違反で執行猶予は付く?執行猶予の基本的なルール

風営法違反で執行猶予は付く?執行猶予の基本的なルール

風営法違反で執行猶予が付くかどうかを判断するには、まずは執行猶予に関する基本的なルールを理解する必要がある。そこで、以下では、執行猶予を付けることができる条件について説明する。

 

判決内容が3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金

執行猶予付きの判決を獲得するには、判決内容が「3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金」でなければならない。

これは、法定刑ではなく言い渡される判決内容が基準になる。

風営法違反でもっとも重い罪は、無許可営業や名義貸しの罪であり、その法定刑は「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金もしくはこれを併科」となっている。これは法律上の減軽事由がなくても執行猶予を付けることが可能であることから、執行猶予付き判決を狙える可能性はあるだろう。

 

前に禁固以上の刑を受けたことがない

過去に禁錮以上の刑に処せられたことがないということも執行猶予の条件になる。

前科が一切ないという人だけではなく、前科があっても罰金刑のみであれば、この条件を満たし、執行猶予が付く可能性がある。

 

前に禁固以上の刑を受けたことがあっても5年よりも前であること

過去に禁錮以上の刑に処せられた前科があっても、それが5年よりも前なら執行猶予の条件を満たす。

ただし、執行猶予の条件を満たしたとしても、執行猶予を付けるかどうかは裁判官の裁量に委ねられており、必ず執行猶予がつくというわけではない点に注意が必要である。

 

風営法違反で略式命令請求になった事案は執行猶予が付かない

2023年検察統計によると風営法違反で起訴された事件は697件で、そのうち公判請求が90件、略式命令請求が607件であった。

公判請求とは公開の法廷で審理を行う一般的な刑事裁判の手続きで、略式命令請求とは書面審理のみにより罰金または科料を言い渡す簡易な刑事裁判の手続きである。略式命令請求になった場合は、必ず有罪になり罰金または科料が言い渡されるため、執行猶予が付くことはない。

また、公判請求された90件のうち執行猶予が付いたのは19件であるため、起訴された事件全体でみると執行猶予が付くのは約3%で、公判請求された事件でみると約21%の割合になる。

風営法違反の量刑は、罰金刑が多いため、執行猶予が付く事案は少ないといえるだろう。

 

風営法違反で執行猶予が付いた事案の量刑相場

風営法違反で執行猶予が付いた事案の量刑相場

2023年検察統計によると風営法違反で執行猶予が付いた事件は19件あり、その量刑は以下のとおりである。

 

懲役期間該当件数
懲役2年以下2件
懲役1年以下11件
懲役6月以下6件

また、執行猶予の期間は以下のとおりである。

 

執行猶予期間該当件数
執行猶予2年以上3件
執行猶予3年以上15件
執行猶予4年以上1件

この統計資料からわかるとおり、風営法違反で執行猶予が付いた事案は、懲役1年以下で、執行猶予期間3年以上の事件が大部分を占める。

 

風営法違反で執行猶予を獲得するための4つのポイント

風営法違反で執行猶予を獲得するための4つのポイント

風営法違反で執行猶予を獲得するには、以下の4つのポイントを押さえておくことが重要である。

 

前科前歴の有無

執行猶予を獲得するためのポイントの1つ目は、前科前歴の有無である。

前科前歴のない初犯であれば、起訴猶予または略式命令請求による罰金の可能性が高く、公判請求されたとしても執行猶予が付く可能性が高いといえる。

他方、同種前科があるような場合には再犯のおそれが高いとして、執行猶予の付かない実刑判決になる可能性もあるだろう。

 

再犯防止のための取り組み

執行猶予を獲得するためのポイントの2つ目は、再犯防止のための取り組みである。

風営法違反に至った原因や経緯などを踏まえて適切な対策を講じることで、執行猶予を獲得できる可能性を高めることが可能である。風俗店等の経営者であれば、風営法違反の状態を改善し、法令を遵守した健全な経営を行うことによって、再犯の可能性がないことを示すことが可能である。

 

更生できる環境づくり

執行猶予を獲得するためのポイントの3つ目は、更生できる環境づくりである。

たとえば、風俗店の従業員が風営法違反をしたようなケースでは、風俗店の従業員を辞めて別の職業に就職する、共犯者との関係を絶つなどの方法が有効な対策となる。また、親や職場の上司、友人などに監督者を頼むことも更生できる環境が整っていることを示すのに有効である。

 

贖罪寄付

執行猶予を獲得するためのポイントの4つ目は、贖罪寄付である。

風営法違反は、被害者のいない犯罪であるため被害者と示談をすることで有利な処分を獲得することはできない。しかし、弁護士会や被害者支援団体に贖罪寄付をすることで、反省の気持ちを示すことが可能である。

被疑者・被告人が贖罪寄付により反省の態度を示しているという事情は、有利な事情として考慮してもらえるため、執行猶予の可能性を高めることができる。

 

風営法違反で執行猶予になった実際の裁判例

風営法違反で執行猶予になった実際の裁判例

以下では、風営法違反で執行猶予付き判決になった実際の裁判例を紹介する。

 

無許可営業で執行猶予になった事案(懲役1年6月執行猶予3年、罰金100万円)|神戸地裁令和4年1月12日判決

【事案の概要】

被告人は、インターネット賭博店「A」を経営するものであるが、

① 常習として、同店において、Eら不特定多数の賭客を相手方として、多数回にわたり、賭客に換金可能なポイントを1ポイント当たり1円で購入させて、そのポイントを賭けさせ、同店に設置したパーソナルコンピュータを使用し、通称「バカラ」と称するゲーム等により勝敗を争う方法の賭博をした

② 兵庫県公安委員会から風俗営業の許可を得ないで、同店において、本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるパーソナルコンピュータ11台の遊技設備を備え、当該遊技設備により前記Eら不特定多数の客に遊技をさせ、もって無許可で風俗営業を営んだ

という常習賭博および風営法の無許可営業の罪で起訴された。

 

【裁判所の判断】

被告人の利欲的で反社会的な動機や経緯に酌量の余地はなく、非難の程度は高い。また、約半年間程度にわたり違法なインターネット賭博店を経営しており、法益侵害の程度も大きい。

被告人は、中心的な役割を果たしており、本件インターネット賭博店の売上げから約762万円を得ており、犯行により得た不法な利益は多額である。

他方で、被告人は事実関係を素直に認めて反省の態度を示し、今後は正業に従事する旨を述べるなど更生に向けた姿勢も見られること、父親が今後の監督を誓約し、また、母親による監督も見込まれること、被告人に量刑上考慮すべき前科はないことなどの被告人のために考慮すべき事情もある。

これらの事情も併せ考慮すると、被告人に対しては社会内で更生する機会を与えるのが相当であるとして、懲役1年6月執行猶予3年、罰金100万円の判決が言い渡された。

 

無許可営業で執行猶予になった事案(懲役6月執行猶予3年、罰金100万円)|東京地裁令和3年9月8日判決

【事案の概要】

被告人は、

①東京都G区において、客席等の設備を設けて営業を営む飲食店「F」を経営するものであるが、東京都公安委員会の風俗営業の許可を受けないで、同店において、不特定多数の客に対し、同店従業員らに、談笑の相手をさせるとともに、酒類等を提供して飲食させるなどの接待をして遊興飲食をさせ、

②同区において、客席等の設備を設けて営業を営む飲食店「H」を経営するものであるが、東京都公安委員会の風俗営業の許可を受けないで、同店において、不特定多数の客に対し、同店従業員らに、談笑の相手をさせるとともに、酒類等を提供して飲食させるなどの接待をして遊興飲食させ、

もって無許可で設備を設けて客の接待をして客に遊興及び飲食をさせる営業を営んだという無許可営業の罪で起訴された。

 

【裁判所の判断】

被告人は、相当期間にわたり、所要の許可を得ることなく、他者の名義を借りてキャバクラ店2店舗を経営し、大きな利益を上げていたもので、大胆、悪質な犯行である。

もっとも、被告人は前科がなく、反省の態度を示していることから、懲役6月執行猶予3年および罰金100万円の判決が言い渡された。

なお、本件では、クレジットカード売上未払い債権113万2797円が没収され、4034万8615円が追徴されている。

※関連コラム「風営法違反の事例や裁判例を風営法に強い弁護士が徹底解説」

風営法違反で執行猶予を目指すならグラディアトル法律事務所に相談を

https://www.gladiator.jp/fuzoku-komon/contact/

風営法違反で起訴された場合、ほとんどの事件が罰金刑で終わりますので、懲役刑の実刑判決が言い渡されるのはそこまで多くはない。しかし、長期間無許可営業により多額な利益を得ていたような悪質な事案だと、実刑判決になる可能性もあるため、執行猶予が付くかどうかが重要なポイントになる。

風営法違反で執行猶予を目指すなら風営法に詳しい弁護士によるサポートが不可欠であるため、すぐに風営法に強い弁護士に相談すべきである。

グラディアトル法律事務所は、東京と大阪の2拠点を中心に活動しており、ナイトビジネス業界で全国1000件以上の解決実績がある。また、500店舗以上の風俗店の顧問弁護士を担当しており、ナイトビジネス業界に特化した弁護士事務所といえる。風営法違反の刑事弁護の経験も豊富で、早期釈放や不起訴処分を獲得した実績も多くあるため、風営法違反を犯してしまったときはすぐに当事務所まで相談してもらいたい。

当事務所では、24時間365日受付をしているため、深夜の営業中に逮捕されたという場合でも対応が可能だ。刑事事件はスピード勝負といわれるように初動対応の早さがポイントになるため、一刻も早く当事務所まで連絡してほしい。

※関連コラム「風営法に強い弁護士4つの特徴とは?メリット・費用など完全まとめ」

 まとめ

風営法違反の量刑は、略式命令請求による罰金刑が多いが、悪質な事案になると公判請求されるケースもある。公判請求された場合でも罰金刑で済む可能性はあるが、事案によっては懲役刑の実刑判決になる可能性も否定できない。

懲役刑の実刑を回避するには執行猶予を獲得するしかないため、早期に風営法に強い弁護士に弁護を依頼すべきである。

風営法違反で逮捕されてしまったという方は、一刻も早くグラディアトル法律事務所まで相談してもらいたい。



弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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