今回は風俗店の勤務する女性の退職代行を紹介します。
風俗やキャバクラなどの水商売,夜の業界では,辞めたくても辞めさせてくれない。
罰金の請求をされたり,脅されたりして辞めさせてくれない。
そんな事案が昔から多くあります。
今回は,風俗店側が用意していた社宅と携帯を使用していたため,それらの精算も含めて当法律事務所に依頼をしてもらいました。
風俗店のHPにも写真が掲載されていたため,今後普通の企業に勤めるための準備として写真の削除もしてもらえました。
弁護士を入れることで,直接本人が風俗店を連絡を取らずに済むことが退職代行における最大のメリットでしょう。
風俗・水商売の退職代行の詳細は以下のページを参照ください。
今回の相談者は,これまでにキャバクラやヘルスなどを一通り経験してきて現在とあるソープ店で勤務している女性です。
退職代行といえば普通の企業をやめたいけど,部長や社長などに直接退職したいを言えずにいるサラリーマンが利用するサービスといえます。
しかし,風俗店の場合は少し趣が異なり,風俗店側がキャストの弱みを握ったり生活基盤を提供しているなどして,退職させ辛くさせていることが多いです。
そういったこともあって,風俗店に勤務する女性には退職代行の受けが特段良いといえます。
今回の退職代行では,まさに女性が住居と携帯電話を風俗店から支給してもらっていたため,退職自体が難しい事情がありました。
それらの事情に加えて,系列店の責任者からお目溢しを受けていたため,さらに退職しづらいことになってしまっていました。
というのも,女性がそのソープで勤務するきっかけを作ったのが系列店の責任者でした。
もっとも正確に言えば,お目溢しを受けていたのは最初だけで,その後は相談者がその男に貢ぐような流れに誘導されるような形で都合の良い女として扱われていました。
よほど口のうまい男だったのでしょう。
そういった事情から,相談者は退職代行を扱っている当法律事務所に相談にきてくれました。
風俗を辞めたくても辞められない方はこちらの記事もご参照ください。
当法律事務所では24時間の電話対応のシステムを採用しているため,今回のような風俗店に勤務していて不規則な生活を送っている方にも相談していただけるような仕組み作りを行っています。
相談者も,このサイトをご覧いただいて電話をしてきてくれたようで,面談の日程を調整して弁護士との無料での電話面談が決まりました。
女性いわく,勤務する風俗店自体はそれほど強引な経営をしているわけではない。
ただ,系列店の責任者との繋がりを完全に絶ちたい。
だから弁護士に依頼したいということでした。
それを聞いた弁護士は,
①退職したい旨の意思は電話か書面かで伝える必要があること
②弁護士から連絡を入れれば今後相談者が風俗店と連絡を取る必要はなくなること
③勤務態度が真面目であれば,風俗店が設定した罰金などの支払いもないため比較的スムーズに退職できること
④社宅と携帯の解約うんぬんで多少こじれる可能性はあること
を女性に伝えました。
残業代請求などと違って,労働者側には退職代行におけるデメリットは少ないです。
むしろ,いきなり退職代行を使われて困るのは風俗店の方だったりもします。
風俗店の場合は,シフトの関係で最低1ヶ月は出勤してくれと言われるかもしれません。
しかし,法律的に見れば労働契約であれば退職の意思を表示してから14日が経過すれば契約は解除されることになっています。
いくら風俗店側がうるさく言ってきても法律上の根拠に基づく主張ではないため,キャストを拘束する強制力は持っていません。
ただし,一点だけ注意したいのが,風俗業界では風俗店とキャスト間において,労働契約ではなく業務委託契約または業務請負契約のような形態で契約が交わされていることが多いです。
話を戻すと,今回の退職代行事案でいえば①②がメリット,④がデメリットとなります。
それらを加味したうえで,相談者は当法律事務所に退職代行を依頼してもらいました。
風俗での退職代行は弁護士がおすすめです。
以下のように、弁護士であれば、退職以外の風俗店とのトラブルも同時に解決ができるからです。
巷には退職代行サービスを提供している会社が溢れています。
しかしながら,弁護士以外が行う退職代行はそのほとんどが違法といっていいでしょう。(一部,書面による退職代行のみ行政書士でも行うことができます。)
この点に関しては別に記事を書いていこうと思いますが,現行の法律では退職代行はほぼ非弁となります。
依頼を受けた弁護士は,まずは事実関係を風俗店に確認します。
依頼者と会社側で主張が食い違うことはままあるため,大事な仕事の一つです。
退職代行を扱っている法律事務所以外の会社では,単に会社に電話をかけて「●●さんが辞めたいそうです」と言うのみです。
それだけで済むなら簡単ですが,今回の事案はそうはいきません。
依頼者は住居と携帯を支給されていたので,依頼者の退職に伴いそれらの解約料金が発生することにもなります。
その解約料金に関しては,風俗店と依頼者のどちらが負担するべきでしょうか。
契約者は風俗店なのですが,解約のきっかけは依頼者の退職のため依頼者が負担することにもなりそうです。
法律上どうなるかを一旦置いといて,弁護士と風俗店との交渉の結果,諸々の解約料金は依頼者が負担することになりました。
携帯は1万円程度で解約できますが,住居となるとそれなりの金額にはなってきてしまいます。しかしそれもやむを得ないでしょう。
穏便に退職することが一番の要望ですから,どこかしらこちらが妥協する必要があります。
また,通常の退職代行においては電話のみで解決することが多いそうですが,弁護士が代理で入った場合には合意書も証拠として残しておきたいと思うのが通常です。
今回の退職代行でも,清算条項などを入れた合意書が風俗店と依頼者との間で締結されました。
もっとも,依頼者としては系列店の責任者との縁を切りたいという事情があったため,その責任者が依頼者に近づくのを阻止するための接近禁止条項も追加されました。
あくまで接近を禁止するための約束なため,実効性には欠けますが,それを補うために「◯◯したら金30万円を支払え。」みたいな違約金条項も入れてあります。
今回の事案もそうですが,退職するにあたって実は色々とやることが生じてきます。
弁護士であれば,そういった先方とのやり取りも全て間に入って解決することができます。
そのため,もし退職代行を使って新たな人生を踏み出すのであれば,弁護士に依頼する方がメリットではあります。
(もっとも,他の退職代行サービス会社では1件2万円とかで依頼を受けているため,価格では当法律事務所は勝てません。)
こうして,依頼者は新たな人生を歩みだすことができました。