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退職代行・退店代行!風俗や水商売を辞めたいのに辞められない人へ

弁護士 若林翔 2019/02/08更新

この頃,お昼の業界で退職代行なるものが流行っている。

辞めたいのに自分では辞められない。そんなことで退職代行業者を使っているようだ。

 

キャバクラ,ホストクラブ,スナック,クラブ,ガールズバー,ラウンジ等の水商売

デリヘル,箱ヘル,ソープ,ピンサロなどの風俗

これら夜の業界では,以前から,辞めたいのに辞められないなどの退店トラブルが数多くあり,当法律事務所の弁護士は,退店代行業務とでもいうような業務を数多く解決してきた。

 

今回は,そんな辞めたいのに辞められない,辞めさせてもらえないといった退職トラブル,退店トラブル,退職代行・退店代行について,昼の世界の一般論から,夜の世界独特の問題まで解説していきたい。

 

退職代行について

退職代行とは

退職代行とは,退職したいのに辞められない,辞めさせてもらえない,辞めたいと言えない,そんな人の代わりに退職の意思表示をする業務のことだ。

・上司からパワハラを受けていて辞めたいと言えない
・人が足りていない状況下で周りが頑張っているから辞めると言い出せない
・辞めたいと伝えても「もう少し頑張ってみろ」などと交わされて相手にしてもらえない

このように辞めたくても自分だけでは辞められない。
そんな方のために退職の意思表示を代行する業務が退職代行だ。

退職代行業者は違法?退職代行と非弁行為

弁護士でない退職代行は非弁活動で違法だ。違法な退職代行業務による退職は無効になってしまう。

などの意見が見られる。

まず,非弁行為とはなんだろうか?

弁護士法の72条が規定している。

《弁護士法 第72条》弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

弁護士でない人が法律事務を取り扱って報酬を得たらダメだよという規定だ。

退職代行は,素直に考えれば,労働契約を解除する意思表示を代理するものだ。

労働契約の解除の意思表示は法律行為だ。

そう考えると,報酬を得て退職代行をやったら非弁行為にあたると考えられる。

退職代行を弁護士に依頼するメリット

まず,弁護士に退職代行を依頼する場合,先ほどの非弁行為の問題は明確にクリアされ,退職代行による退職が非弁行為により無効になるリスクがなくなる。

また,退職するにあたっては,様々な法律問題が絡んでくることがある。

・給与の未払いがある
・残業代が支払われていなかった
・有給を取得したのちに退職したい
・会社から損害賠償請求をすると言われている

などの問題だ。

退職代行を弁護士に依頼する場合には,これらの退職に付随する法律問題についても同時に交渉をしていくことが可能だ。

それどころか,自分でも気がつかなかった未払残業代を請求し,予想外のお金を手にできる可能性もある。

水商売・風俗での退店トラブル・退店代行

今まで見てきたような退職代行について,

キャバクラ・ホストクラブ・スナック・クラブ・ラウンジ・ガールズバーなどの水商売
ここで働くホステス・ホスト・黒服・内勤

デリヘル等の風俗店
ここで働く女性キャストや男性従業員

上記のような夜のお店で働く人達から退職代行・退店代行の相談や依頼というのは,昼の会社で退職代行が取りざたされるよりも前からあった。

 

水商売・風俗でよくある退店トラブルの例

・スナックのホステスを辞めたいんだけどメールで伝えるだけでいいのか
・キャバクラを辞めたいんだが給与の未払いがある
・ホストを辞めたいが売掛金について店に借金があって辞められない
・ピンサロを辞めたいだが辞めるなら昼の職場や家族に風俗で働いていたことをバラすと脅されている
・ソープランドを辞めたいが辞めるなら罰金を払えと言われて辞められない
・デリヘルを辞めたのにプロフィール写真を消してくれない

当法律事務所にも,このような相談が数多く寄せられ,退店代行,給与の請求や罰金・損害賠償請求についての交渉のご依頼を受けることが多い。

当然のことながら,法律上は,水商売も風俗も辞めたければ辞めることができる!

水商売・風俗と労働者性

水商売や風俗独特の問題として,ホステスやホスト,女性キャストの勤務形態の問題がある。雇用契約をしている従業員であれば労働基準法等の労働関係法規が適用されることになる。

他方で,個人事業主,業務委託契約にモトヅック業務受託者ということになれば,適用されない。

この労働者性については,以下のリンクを参照してほしい。

ホスト・ホステスの労働者性!ホストクラブ・キャバクラ・風俗での残業代・解雇について

 

罰金や売掛金の未回収が理由で辞められない?

また,水商売や風俗では,様々な罰金や売掛の支払債務をホステスやホストに負わせるケースも目立つ。

・風紀違反(店の従業者同士で恋愛関係になった)の罰金
・客と連絡先を交換した罰金
・遅刻や欠勤の罰金
・客の売掛金を回収できなかった分の債務を負担しろ

などである。

このような罰金や債務の有効性は,前述した労働基準法などの労働関係法規の適用の有無や,店との契約内容など,事案によって代わってくるが,無効になり差し引かれていた給与を取り戻せるケースもある。

また,このような罰金等の金銭を理由に辞めさせないというのは違法だ

風営法は,水商売や風俗で働くホステス等に対して拘束的行為をすることを禁じている。

具体的には,お店が罰金や貸金を盾に働かせることを禁止している。水商売や風俗の店を辞めるのであれば貸した金や損害賠償債務を一括で払えなどの行為が禁止されている。

簡単にいえば,貸した金や罰金,損害賠償といった金を理由に辞めさせないのは違法なのだ。

まとめ

こういった水商売,風俗を辞めたいのに辞められないという場合には,一度,弁護士に相談してほしい。

辞めることができるのはもちろんのこと,未払給与や報酬を請求できるケースもあるからだ。

実際に風俗で退職代行を弁護士に依頼をして,無事に解決をした成功事例については,以下の記事を参照して欲しい。

【風俗退職代行】風俗店に勤務する女性が退職代行を利用したら

【風俗トラブル】ピンサロ店での退職代行トラブルを弁護士が解決!

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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