東京都暴力団排除条例が一部改正された。
改正された東京都暴力団排除条例は,今年の10月1日から施行される。
改正の概要は,キャバクラ・ホストクラブ・風俗店などの「特定営業」を営む者が,暴力団に対して,みかじめ料・ケツ持ち代金などの用心棒料等の利益を提供してはいけないと定めるものだ。
これには罰則もあり,1年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。
その対象となるのは,暴力団排除特別強化地域における特定営業だ。以下,条例改正の趣旨,暴力団排除特別強化地域,特定営業についてみていこう。
「東京都暴力団排除条例の一部を改正する条例」については、本年第二回東京都議会定例会において可決され、本年6月26日に公布されました。
東京都暴力団排除条例は、平成23年10月に施行され、以降、「暴力団に資金を提供しない」、「暴力団と交際しない」等を基本理念に掲げ、都民生活や、事業活動からの暴力団の影響の排除を図ってきたところです。
条例施行後、都民や事業者における暴排気運の向上や条例違反の検挙等、一定の成果がありましたが、未だ、暴力団との関係遮断が図られていない事業者が少なからず存在し、それらの者が、みかじめ料や用心棒料等を支払い、暴力団の資金源となっている実態があります。
このような情勢を踏まえ、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて、暴力団排除を一層徹底し、都民及び事業者の平穏な生活の確保と繁華街における良好な環境の醸成のため、本条例の一部を改正し、都内の主要な繁華街を「暴力団排除特別強化地域」と定め、同地域においては、特定の事業者と暴力団員との間で、用心棒料等の利益の授受等を禁止する措置を追加しました。
本改正条例は、本年10月1日から施行されます。
改正東京都暴力団排除条例の対象となるのは,暴力団排除活動を特に強力に推進する必要がある地域として剪定された都内29地区だ。
この地区を暴力団排除特別強化地域と呼ぶ。
具体的には,新宿,渋谷,池袋,銀座,赤坂などの繁華街だ。詳細は警視庁のHPを参照してほしい。
改正東京都暴力団排除条例の対象となるのは,特定営業と呼ばれる以下の営業だ。
・キャバクラ・ホストクラブ・スナックなどの風営法上の接待飲食店営業(1号営業)
・ソープランド,デリヘル,箱ヘルなどの風営法上の性風俗関連特殊営業
・ナイトクラブなどの風営法上の特定遊興飲食店営業
・コンパニオン派遣業などの風営法上の接客業務受託営業
・居酒屋や飲食店などの食品衛生法上の飲食店営業
・風俗案内所などの風俗案内所条例上の風俗案内所業
・客引き,スカウト,ビラ配りなどの営業
「みかじめ料」支払った店側役員逮捕 都内初 暴力団排除条例違反容疑
暴力団員にみかじめ料を支払ったとして、警視庁組織犯罪対策3課は18日、東京都大田区、飲食店運営会社役員、瀬田川幸一(53)を、みかじめ料を受け取ったとして、東京都品川区、指定暴力団稲川会系組幹部、石沢州鏡(くにとし)(51)の両容疑者を東京都暴力団排除条例違反容疑で逮捕した。2019年10月の改正条例施行後、支払った側の逮捕者は初めて。
同条例は「特別強化地域」に指定した都内の繁華街29カ所で、みかじめ料を要求した暴力団員のほか、新たに支払った店側も直接罰することができるよう改正された。同課によると、瀬田川容疑者は約10年前から毎月みかじめ料を支払い、総額1000万円以上に上っていた。また、石沢容疑者をかばい証拠の提出を拒んだといい、関係が深いとみて逮捕に踏み切った。
瀬田川容疑者の逮捕容疑は19年10月25日、大田区大森北の路上で、経営するキャバクラ2店舗のみかじめ料として、石沢容疑者に計10万円を支払ったとしている。石沢容疑者は同日、ほかのキャバクラ経営者の40代男性からのみかじめ料も含めて計21万円を受け取ったとしている。ともに容疑を認めている。
https://mainichi.jp/articles/20200218/k00/00m/040/235000c