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ホストクラブの売掛金の請求を拒否できた事案の解決事例

弁護士 若林翔 2019/02/03更新

当法律事務所では,ホストクラブの顧問弁護士として売掛金の回収業務を行うことがある。

他方で,キャバクラや風俗店などの女性キャストがホストにハマってしまった場合などで,女性側から依頼を受けて,ホストクラブの売掛金の分割交渉を行うこともある。

今回は,当法律事務所の弁護士が女性側の代理人として交渉し,ホストの売掛金を拒否できた事例を紹介しよう。

ホストの売掛金トラブルの内容

今回、当法律事務所に相談へ来られたのは、埼玉県のキャバクラに勤務する女性だ。

新宿歌舞伎町のホストクラブにおいてホストから、後輩に負けたくないからとシャンパンを入れてほしいと何度も強く言われた。

相談者は、お金の持ち合わせがなくシャンパンを入れてしまうと売り掛けになってしまうからと拒否していた。しかし、そのホストは自分が後で払うからなどと言うので、それならいいかとシャンパンを入れたところ、売掛金として90万円を負うことになった。

後日、そのホストから売掛金の支払いの催促が来るようになる。相談者がホストに、あなたが後で払うって言ったでしょと指摘するも、そんなことは言っていないと主張される。そして、相談者の自宅にまで押しかけてきて警察までやってくる騒動になるも、その場は警察からホストへの厳重注意のみ。

90万円もの大きな借金を騙されて背負わされた上に、自宅にまで押しかけてくる相手のホストの行動も怖かったので、当法律事務所へと相談にきたのだ。

弁護士による警察対応・ホストとの売掛金についての交渉

まず、弁護士が警察へと連絡をして、ホストが相談者の自宅へと押しかけてきた件についての聞き取りを行った。そして、押しかけてきた件についての警察の把握している事情を確認し、次回同じようなことがあったらホストを逮捕してもらえることを確認した

次に、弁護士からホストへ連絡を入れた。弁護士が代理人としてついたから依頼者本人への直接の連絡をしないようにと言うとともに、次また相談者の自宅へと押しかけたら警察に被害届を出すとの警告を行った。このことで、相談者本人へのホストからの接触を防ぐ

そして、ホストへの90万円の売掛金につき、相談者はホストに騙されて背負わされたものであって、一切の支払義務はないものと伝えた。ホストは納得しなかったので、言いたいことがあるならば、書面にまとめて弁護士の方へと送るようにと伝える。

その後、相談者自宅への押しかけや電話連絡はすぐになくなり、弁護士の警告が効果を発揮する。

90万円の売掛金の請求についても、相談者と今後の方針について考えられる様々な展開についてどのように対応するかを相談しつつ、請求のすべてを拒否し続けることに。すると、売掛金の請求もなくなった。

結果として、ホストから相談者本人への接触をなくし、90万円の売掛金の請求もすべて免れることができたことで、解決となった。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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