今回は,デリヘル経営者らが売春あっせんで逮捕されたニュースの紹介だ。
なお,デリヘル等の風俗経営者が売春防止法で逮捕されないために注意すべきことについては,以下の記事を参照してほしい。
東京・台東区で売春のあっせんをしたとして派遣型風俗店の経営者の男ら7人が逮捕された。
逮捕されたのは派遣型風俗店「◯◯」経営者・◯◯容疑者ら7人。警視庁によると◯◯容疑者らは、客から電話で依頼を受けて台東区のホテルに女性を派遣し、売春をあっせんした疑いが持たれている。
店には21歳から69歳の女性が在籍し、およそ6年間で6億円以上を売り上げたという。
◯◯容疑者ら2人は容疑を否認し、ほかの5人は容疑を認めているという。
◯◯容疑者は、従業員の女性に「本番をやるのが当たり前」などと伝えていたとみられるが、調べに対しては、「売春をあっせんした覚えはありません」などと供述しているという。
http://news.livedoor.com/article/detail/15953859/
売春防止法は,売春,売春の相手方となること(買春)を禁止している。
「売春」とは,対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。
もっとも,単なる売春や買春については罰則規定がない。
罰則規定が定められているのは以下のような行為だ。
・公衆の目に触れるような場所での売春の勧誘行為
・周旋(しゅうせん,あっせん行為とほとんど同じ意味です。)
・困惑や暴行・脅迫により売春させる行為
・売春をさせる目的での前貸し等の利益供与
・売春をさせる内容の契約をする行為
・売春を行う場所の提供
・管理売春(管理する場所に居住させて売春させることを仕事とする行為)
・売春場所の提供や管理売春を仕事とする人に金や土地・建物を提供する行為
今回のデリヘル経営者らの逮捕について,ニュース記事では,売春のあっせんと記載がある。
売春防止法では,以下のように,売春の周旋(あっせん)行為について罰則を定めている。
売春防止法第六条(周旋等)
売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
デリヘルを含む風俗店では,本番行為が禁止されており,風俗での本番行為は,対償を受け不特定の相手方と性交するものであるから売春にあたる。
風俗店の経営者が本番行為をさせたり,女性キャストが本番をしているのを黙認したりしているような場合には,本番をあっせんした,売春を周旋したとして,売春防止法違反(売春あっせん)の罪に該当してしまう。
本件では,デリヘルの経営者らが「本番をやるのが当たり前」などと伝えていたとのことなので,本番をさせていた,売春をさせていたとされたのだろう。
本件のデリヘルの経営者は否認をしているようだ。
風俗での売春防止法違反事件の場合,警察は内定に入って証拠固めをしてから逮捕状をとって逮捕していると予想されるため,すでに客観的な証拠はある程度掴んでいると思われる。
この後の展開が気になるところだ。