珍しいニュースが入ってきた。
ガールズバーの経営者と店長が風営法違反で逮捕されることはよくある。非常に多いのが「接待」をしたとして無許可営業で逮捕されるケースだ。
このケースについては,以下の記事を参照してほしい。
今回のニュースは,ガールズバーの経営者が深夜営業で逮捕されたというニュースだ。
ん???
ガールズバーは,キャバクラとは違って深夜営業できるんじゃないの???
そうだ,接待飲食店として1号営業許可を取っておらず,接待をしないガールズバーであれば深夜も営業できる。
どういうことだろうか?
まずはニュースを見てみよう!
違法ガールズバー摘発、経営者と店長を風営法違反の疑いで逮捕
東京・足立区で深夜営業していたガールズバーが摘発され、経営者の男ら2人が警視庁に逮捕されました。
風営法違反の疑いで逮捕されたのは、足立区のガールズバー経営・○○容疑者(46)と店長の○○容疑者(40)で、今月3日の午前1時半ごろ、ガールズバーを深夜営業した疑いが持たれています。
警視庁によりますと、店の看板には終了時間が明記されておらず、今年4月に泥酔したこの店のアルバイト従業員(10代)が近くで保護されたことから発覚したということです。
取り調べに対し2人はいずれも容疑を認め、○○容疑者は「10年ほど店を経営していた。月に250万円から300万円の売り上げがあり、金を稼ぐために継続していた」と供述しているということです。
https://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3745609.html
違法に酒を提供 ガールズバー経営者逮捕
東京・足立区で深夜に違法にガールズバーを営業していたとして、経営者の男らが逮捕されました。足立区綾瀬のガールズバー「LoungeGARDEN」の経営者・○○容疑者(46)ら2人は3日午前1時半前、深夜に酒などを提供する飲食店の営業が禁止された地域で店を営業した疑いが持たれています。
警視庁によりますと、○○容疑者の店がある地域は客への酒の提供が午前0時までと定められていました。警視庁が6月に警告をしていましたが、○○容疑者らは今月に入っても深夜の営業を続け、週末は午前3時まで営業していました。店は約10年前から営業していて、1カ月に300万円ほどを売り上げていたということです。○○容疑者は「お金を稼ぐために深夜まで営業した」と容疑を認めています。
http://www.news24.jp/nnn/news162136739.html
上記に,TBSと日テレのニュース記事を載せた。
TBSのニュースでは,「ガールズバーを深夜営業した疑い」と記載されている。
日テレのニュースでは,「深夜に酒などを提供する飲食店の営業が禁止された地域で店を営業した疑い」と記載されている。
日テレニュースの表現が正確だ。
接待をしないガールズバーは,通常,風営法上の深酒営業の届出(深夜における酒類提供飲食店営業の届出)を出して営業している。この深酒営業は,深夜も営業できるお店だ。
だから,TBSの「深夜営業した疑い」は不正確というか言葉足らずだ。
風営法では,各都道府県が条例で深酒営業を禁止できる地域を指定できると定めている。
今回は,風営法の委任を受けた東京都条例で禁止されている地域で深酒営業にあたるガールズバーを営業したことが犯罪事実(被疑事実)だ。
なお,この犯罪の罰則は,1年以下の懲役,100万円以下の罰金だ。
風営法での逮捕事例の中でも,なかなか珍しい逮捕事例だ。
このガールズバー経営者が警視庁からの警告を無視したことや,泥酔したアルバイト従業員が近くで保護されたことなども逮捕に至る原因となっているのだろう。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)
(深夜における酒類提供飲食店営業の届出等)
第三十三条 酒類提供飲食店営業を深夜において営もうとする者は、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
二 営業所の名称及び所在地
三 営業所の構造及び設備の概要
2 前項の届出書を提出した者は、当該営業を廃止したとき、又は同項各号(同項第二号に掲げる事項にあつては、営業所の名称に限る。)に掲げる事項に変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)があつたときは、公安委員会に、廃止又は変更に係る事項その他の内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない。
3 前二項の届出書には、営業の方法を記載した書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
4 都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより、地域を定めて、深夜において酒類提供飲食店営業を営むことを禁止することができる。第五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第九条第一項(第二十条第十項及び第三十一条の二十三において準用する場合を含む。以下この号及び次号において同じ。)の規定に違反して第九条第一項の承認を受けないで営業所の構造又は設備(第四条第四項に規定する遊技機を含む。)の変更をした者
二 偽りその他不正の手段により第九条第一項の承認を受けた者
三 偽りその他不正の手段により第十条の二第一項(第三十一条の二十三において準用する場合を含む。)の認定を受けた者
四 第二十二条第一項第三号の規定又は同項第四号から第六号まで(これらの規定を第三十一条の二十三及び第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
五 第二十八条第十二項第三号の規定又は同項第四号若しくは第五号(これらの規定を第三十一条の三第二項の規定により適用する場合を含む。)の規定に違反した者
六 第三十一条の三第三項第一号の規定に違反した者
七 第三十一条の十又は第三十一条の十一第二項第二号の規定による公安委員会の命令に従わなかつた者
八 第三十一条の十三第二項第三号から第六号までの規定に違反した者
九 第三十一条の十八第二項第一号の規定に違反した者
十 第三十三条第四項の規定に基づく都道府県の条例の規定に違反した者