債権回収はどこに相談する?相談先ごとの特徴や弁護士の選び方を解説

債権回収はどこに相談する?相談先ごとの特徴や弁護士の選び方を解説

「債権回収の相談をしたいけど、どこに相談すればよいかわからない」

「弁護士に債権回収を相談するとどのようなメリットがあるの?」

「債権回収が得意な弁護士はどのように選べばよいのだろうか?」

個人で債権回収をしようとしても、相手が交渉に応じてくれないなどの理由でうまく進められないケースも少なくありません。

そのような場合には、弁護士に債権回収を相談するのがおすすめです。

法律の専門家である弁護士であれば、状況に応じた最適な手段を選んだ債権回収のアドバイスを行ってくれます。

そして、弁護士のアドバイスをもとに行動すれば、債権回収を実現できる可能性が高くなるでしょう。

ただし、より確実に債権回収を実現するのであれば、債権回収が得意な弁護士に相談することが大切です。

本記事では、

・債権回収の相談ができる主な4つの相談窓口

・弁護士に債権回収を相談する際の3つのポイント

・債権回収が得意な弁護士の選び方

などについてわかりやすく解説します。

債権回収は、迅速に対応にすることも重要です。

支払いが滞納したまま放置するのではなく、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。

債権回収の相談ができる主な4つの相談窓口

債権回収の相談ができる主な相談窓口としては、以下の4つが挙げられます。

債権回収の相談ができる主な4つの相談窓口

弁護士(法律事務所)

弁護士は、あらゆる法律問題を取り扱うことができる法律の専門家です。

債権回収に関するトラブルも弁護士の取り扱い分野の一つですので、債権回収のお悩みは、弁護士に相談することができます。

後述する司法書士のように金額によって取り扱える業務に差が生じることもありませんので、全面的に債権回収を委ねることが可能です。

認定司法書士

司法書士は、主に登記業務(不動産登記、会社・法人登記)や供託業務を取り扱う専門家です。

司法書士資格を有する人の中で、さらに特別な研修を受け、合格した人のことを「認定司法書士」といいます。

認定司法書士であれば、登記・供託業務以外にも債権回収を取り扱うことができますので、認定司法書士に債権回収の相談をすることも可能です。

しかし、認定司法書士であっても、弁護士とまったく同じ業務ができるわけではありません。

取り扱うことができる債権回収業務は、債権額が140万円以下の事件のみに限られています。

140万円を超える債権回収のトラブルに関しては、認定司法書士では扱えませんので注意が必要です。

法テラス

法テラスとは、国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所です。

法テラスに相談をすれば、債権回収のトラブルを解決するための制度や弁護士・司法書士などの相談窓口を無料で案内してもらうことができます。

また、法テラスでは、「民事法律扶助」という制度があります。

こちらを利用できれば、法テラスに登録している弁護士・司法書士への相談に関しては無料で行うことができ、弁護士・司法書士に依頼した場合の費用についても法テラスが立替払いを行ってくれます。

ただし、民事法律扶助は、経済的に余裕がない方を対象とした制度ですので、一定の資力基準を満たさなければ利用できないことになっています。

役所の法律相談

市区町村の役所によっては、無料の法律相談を実施しているところもあります。

役所の法律相談では、弁護士が相談員を務めていることが多いため、弁護士に債権回収のトラブルを無料で相談することができます。

ただし、役所の無料法律相談では、1回あたりの相談時間が30分程度と短く、事前に資料など見せることもできないため、複雑な事案の場合はその場で的確なアドバイスをもらうことは難しいでしょう。

また、開催されるのは月に1回程度が多く、急いで相談したくてもできるものではありません。

くわえて、法律問題全般を対象とするため、相談を担当する弁護士が債権回収を得意としていない場合もあります。

したがって、あくまでも無料相談と割り切って利用した方がよいでしょう。

債権回収の相談は弁護士がおすすめ!弁護士に相談する4つのメリット

債権回収の相談窓口には、上述のとおり色々ありますが、債権回収の問題を解決するのであれば法律事務所にて弁護士に相談するのがおすすめです。

以下では、債権回収の問題を弁護士に相談する4つのメリット(弁護士からもらえる4つのアドバイス)について説明します。

債権回収の相談は弁護士がおすすめ!弁護士に相談する4つのメリット (弁護士からもらえる4つのアドバイス)

法的な観点から現在の立場・状況や今後すべきこと等をアドバイスしてもらえる

当たり前のことですが、債権回収をできていないという現状なのは誰でもわかることです。

ただ、それが法的にいまどのような立場・状況なのかというのは、弁護士でなければなかなか判断がつかないことでしょう。

また、法的に今後すべきことや逆にすべきではないこともやはり弁護士の助言は必須といえます。

よくある一例ですが、実家の両親に取り立てに行こうと考えているという相談があります。

結論から言うと、法的には保証人でない限り両親は関係ありません。

それでも取り立てを決行するとなると、住居侵入や脅迫・恐喝などで場合によっては警察沙汰になりかねないことになります。

これはあくまで一例ですが、債権回収を適切に行うためには、法的な観点から現在の立場・状況を踏まえて、今後すべきこと等を認識しておく必要があります。

そのアドバイスをしてもらえるのが、弁護士に相談する1つめのメリットです。

自ら債権回収を行うべきか、弁護士に依頼すべきかアドバイスしてもらえる

債権額が少額の場合、全額を回収できたとしても弁護士費用を加味すると経済的観点からは利益がほとんどなく、自ら行った方がベターな事案もあります。

一方、事案が複雑かつ債務者も反論しているような場合では、弁護士に依頼しない限り債権回収は見込めないケースもあります。

このように、自ら債権回収を行うべきか、弁護士に依頼すべきかは事案によって異なるところ、弁護士に相談することでそのアドバイスをしてもらうことが可能です。

最適な債権回収の方法をアドバイスしてもらえる

債権回収の方法には、主に以下のような方法があります。

・債務者との交渉

・内容証明郵便の送付

・仮差押え

・支払督促、少額訴訟

・通常訴訟

・強制執行

どのような方法を選択すべきかは、債務者の態度や財産状況、債権総額などによって異なりますので事案に応じた最適な方法を選択することが大切です。

弁護士であれば、債権回収に関する専門的な知識と経験を有していますので、相談時のヒアリングを踏まえて、最適な債権回収の方法をアドバイスしてもらうことができます。

債権を守るための消滅時効への対策をアドバイスしてもらえる

消滅時効とは、一定期間権利の行使がない場合にその権利を消滅させる制度のことをいいます。

貸金や売掛金などの債権についても、消滅時効がありますので、権利を行使することなく以下の期間が経過してしまうと、時効により権利が消滅してしまいます。

・権利を行使できることを知ったときから5年

・権利を行使できるときから10年

長期間支払いがないまま放置している債権がある場合には、時効になるリスクが高いため、すぐに適切な対応をとる必要があります。

弁護士であれば、消滅時効の進行をストップまたはリセットする方法を熟知しています。

弁護士から状況に応じた最適な対策をアドバイスしてもらうことで、時効による権利消滅のリスクを回避することが可能です。

弁護士に債権回収の相談をする際の3つのポイント

弁護士への法律相談は、30分と相談時間が限られていることが一般的です。

したがって、その中で必要な事実を伝えるためにも、以下の3つのポイントを押さえて法律相談に臨むことが大切です。

弁護士に債権回収の相談をする際のポイント

相談内容を事前にまとめておく

弁護士に相談をするときに、これまでの経緯や事情ををすべて口頭で説明するのは非常に大変です。

相談された弁護士の側も口頭での説明だけでは、正確に事実関係を把握するのが困難ですので、それでは正確なアドバイスをすることもできません。

そのため、弁護士に相談する際には、相談内容を事前にまとめておくことが重要です。

債権回収の相談であれば、以下のような内容を時系列に沿ってまとめておくとよいでしょう。

簡単なメモ書き程度でもよいので、このような内容の書面や資料を準備しておくだけで、弁護士との相談をスムーズに進めることができます。

関係する資料はすべて持参する

債権回収を実現するためには、債権の存在および内容を証拠によって立証していかなければなりません。

そのため、債権回収が可能な事案であるかを判断するにあたっては、証拠の有無が非常に重要となります。

弁護士に相談する際、ご自身で必要な資料とそうでない資料を取捨選択してしまう方が多いですが、実は相談時に持参していない資料の中に重要な証拠が潜んでいるケースも少なくありません。

そのため、自分では必要ないと思うような資料もすべて持参して、弁護士に見てもらうのがおすすめです。

証拠は、1つだけではなく複数組み合わせることで効果的に使用できるものもありますので、より多くの資料を持参した方がよいでしょう。

不利なことでも隠さずに説明する

弁護士に相談する際に、自分に有利なことだけ伝えて、不利になりそうな事実は隠して伝えないという方もいます。

しかし、後から不利な事実や証拠が判明すると立場が悪くなり、場合によっては債権回収を実現できなくなる可能性すらあります。

早めに不利な事実や証拠を把握していれば、それを踏まえて対策を講じることができます。

ですので、弁護士に相談する際は、不利なことでも包み隠さず説明することが重要です。

たとえば、以下のような事情がある場合には、その事実や証拠を弁護士にしっかりと伝えるようにしましょう。

  • 括払いの約束だったけど少しでも返してほしくて分割払いでもいいからと伝えてしまったLINEのやり取りがある
  • 債務者からも別の事情で金銭の請求をされている
  • 一部もう支払わなくてもいいよと言ってしまった債権がある

なお、弁護士には守秘義務がありますので、弁護士に相談した内容が外部に漏れる心配はありません。

不利な事実や証拠が債務者に伝わることも当然ありませんので、どうぞ安心してご相談ください。

債権回収が得意な弁護士の選び方

債権回収を弁護士に依頼することを検討しているのであれば、債権回収が得意な弁護士に相談することが重要です。

以下では、債権回収が得意な弁護士の選び方について説明します。

債権回収が得意な弁護士の選び方

債権回収に関する経験・実績が豊富であること

弁護士は、幅広い法律問題を取り扱いますので、すべての弁護士が債権回収に精通しているというわけではありません。

債権回収の取り扱い経験や実績によって、弁護士の債権回収に関する能力も大きく変わってきます。

したがって、債権回収に関する経験・実績が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。

近年では、ホームページを作成している法律事務所も増えてきていますので、候補となる法律事務所のホームページを比較検討してみるとよいでしょう。

ホームページ上で債権回収のコラム・実績や具体的な解決事例を多く掲載している法律事務所であれば、債権回収に精通した弁護士である可能性が高いです。

事案に応じた方針選択や見立てを提示してくれること

前述したとおり、債権回収の方法はさまざまありますが、事案に応じた方法を選択しなければなりません。

たとえば、まだ交渉の余地があり早期解決も見込める事案であるにもかかわらず、訴訟一択ですすめるのは時間・費用を無駄にかけることになりかねません。

一応返すとは言っているので交渉からすすめてみるべき、この債務者だと仮差押えが効果的など事案に応じた方針選択や見立てを提示してくれる弁護士かどうかは着目すべきポイントです。

費用について明確に説明してくれること

債権回収を弁護士に依頼し、回収できたとしても、それを上回る弁護士費用を請求されてしまうと弁護士に依頼した意味がありません。

そのため、相談時に債権回収にかかる費用を明確に説明してくれる弁護士に依頼するのが安心です。

費用の目安や見積もりを聞いても、はっきりと答えてくれないような弁護士には、依頼するのは避けた方がよいでしょう。

高額な弁護士費用を請求されるおそれや回収できたとしても費用倒れになってしまうおそれもあり得るからです。

親身になって相談にのってくれること

適切に債権回収を実現するためには、弁護士との信頼関係が不可欠となります。

不利なことでも隠さずに伝えることができるかは、お互いの信頼関係にかかっているといっても過言ではありません。

また、高圧的で横柄な態度の弁護士だと、お互いの意思疎通がうまくとれず、重要な情報が伝わらないおそれがあります。

そのため、債権回収を依頼するのであれば、親身になって相談に乗ってくれる弁護士を選ぶとよいでしょう。

債権回収をお考えの方はグラディアトル法律事務所に相談を

グラディアトル法律事務所では、債権回収に関する豊富な実績と経験がありますので、迅速かつ適切に債権回収を実現することができます。

個人間の貸し借りだけでなく、企業間の取引により生じた売掛金や工事代金など幅広い債権回収の問題に対応可能です。

・約束していた養育費や慰謝料を払ってもらえない

・貸したお金を返してもらえない

・詐欺被害に遭い、お金を取り戻したい

・賃料を踏み倒されそう

・会社を運営していく中で、債権・売掛金などが回収できない

などでお悩みの方は、まずは当事務所までご相談ください。

まとめ

債権回収の相談窓口には、さまざまなところがありますが、相談から債権回収まで全面的にサポートしてもらうのであれば、弁護士に相談するのがおすすめです。

特に債権回収のトラブルは迅速な対応が必要な分野になりますので、支払いの滞納が生じたときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

グラディアトル法律事務所では、24時間365日全国対応可能です。

債権回収に関するお悩みは、当事務所までお気軽にご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
東京弁護士会所属(登録番号:50133)
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。