「FX詐欺の被害金は返金してもらえるのか」
「返金を求める際にはどのような方法が考えられるのか」
耳障りのよい言葉を投げかけられ、FX詐欺に多額の資金をつぎ込んでしまうケースは決して少なくありません。
実際にFX詐欺の被害を受け、返金されるのかどうか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
投資詐欺は、状況次第で返金が難しいケースももちろんあります。
しかし、迅速に行動を起こせば、返金を実現できる可能性は十分あるので諦めないようにしましょう。
FX詐欺の返金に関しては、まず弁護士に相談してみることをおすすめします。
警察や公的な相談窓口に相談するのも選択肢のひとつではありますが、返金手続きの具体的なサポートを受けられるのは弁護士だけです。
実際、グラディアトル法律事務所においても、過去に投資詐欺の全額返金を成功させた実績があります。
本記事では、FX詐欺で返金を求める方法や返金を成功させるためのポイントなどを詳しく解説します。
本記事の内容を参考にすれば、大切なお金を取り戻せる可能性が高まるので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
FX詐欺の被害金は返金されるケースもある!泣き寝入りはNG
FX詐欺の被害金は返金されるケースもあります。
先入観だけで返金を諦めてしまい、泣き寝入りすることはおすすめしません。
泣き寝入りしてしまうと、個人情報が悪用されたり、奪われたお金をもとに新たな詐欺がおこなわれたり、二次被害を生み出してしまう可能性もあります。
ただし、被害金の返金を実現させるためには、迅速な対処が必要です。
対応が遅れると、返金される可能性はどんどん低くなってしまうことを理解しておきましょう。
FX詐欺に遭った場合に返金を求める4つの方法
FX詐欺に遭った場合に返金を求める方法としては、以下の4つが挙げられます。
一つひとつの方法について、期待できる成果や手順などを詳しく見ていきましょう。
内容証明郵便で返金を求める
FX詐欺に遭った場合は、内容証明郵便で返金を求める方法が最初の選択肢に入ります。
内容証明郵便は、送付した文書の内容や差出人・宛名などを証明してもらえるサービスのことです。
内容証明郵便自体に、返金を強制させる効力はありません。
しかし、訴訟の可能性を示唆できるため、裁判に発展することをおそれた加害者が返金に応じてくる可能性も出てくるでしょう。
また、内容証明郵便を送付すれば、時効の完成を妨ぐこともできます。
ただし、素性のしれない相手と直接交渉することはおすすめしません。
プロの詐欺師であれば、何かしらの理由をつけて言い逃れしてくることが想定されるうえ、最悪の場合は被害者の身に危険が及ぶこともあります。
そのため、弁護士にすべての対応を任せるのが賢明な判断といえるでしょう。
弁護士であれば、法律に基づいて交渉を有利に進められます。
また、全額返金が難しい場合でも、できるだけ多く返金できるように最善の対処を講じてくれるはずです。
民事訴訟を通じて返金請求をおこなう
詐欺の相手が任意での返金に応じない場合は、民事訴訟を通じて返金請求をおこなうことも検討しましょう。
勝訴できれば、強制力をもって被害金を取り戻すことができます。
また、訴訟のなかで和解し、返金が実現することもあるかもしれません。
ただし、訴訟を提起するには、相手方の氏名・住所が必要です。
どこの誰かもわからないような相手に対して、訴訟を起こすことは認められません。
また、勝訴した場合に回収できる財産があるかどうかも、事前に調査しておく必要があります。
とはいえ、訴訟手続は法的な知識が求められるものです。
自力でおこなうこと自体は可能ですが、手間や時間がかかるうえ、勝訴できる可能性も低くなってしまうでしょう。
そのため、民事訴訟を前向きに検討する場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
刑事告訴して示談に持ち込む
FX詐欺の被害金を取り戻すには、刑事告訴して示談に持ち込むのもひとつの方法です。
前提として、刑事告訴は加害者に処罰を与えるための制度であり、返金に直接つながるわけではありません。
しかし、刑罰を軽くするために加害者側から示談を求めてくるケースがあり、その中で被害金を回収できる可能性があります。
なお、示談に応じると加害者の刑罰が軽くなってしまう点には注意が必要です。
加害者への処罰感情が強い場合は、ほかの方法を選択したほうがよいかもしれません。
また、刑事告訴をおこなうと、被害回復給付金制度によって被害金を回収できるケースがあります。
被害回復給付金制度とは、犯人からはく奪した財産を金銭化し、被害者に支給する制度です。
FX詐欺が刑事事件として認められ、被害回復給付金制度が適用された場合は、実質的に返金を実現できる場合があります。
振り込め詐欺救済法を利用して口座を凍結する
FX詐欺に遭ったときは、振り込め詐欺救済法を利用して口座を凍結することもできます。
振り込め詐欺救済法とは、犯罪に利用された口座にある被害金の返金について定めた法律のことです。
振り込んだ口座を凍結させたのち、残高を上限に被害金の返金を受けられます。
ただし、口座にお金が残っていなければ返金はされません。
また、被害者が多数いる場合には、按分されるので自分自身への返金額が小さくなる点にも注意してください。
振り込め詐欺救済法を利用して口座を凍結するには、所定の届出を用いて金融機関に申し出る必要があります。
自分自身で手続きすることもできますが、対応が遅れると口座からお金が引き出されてしまう可能性も否定できません。
そのため、口座凍結を希望する場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士であれば金融機関と速やかに連携し、口座凍結を完了させることが可能です。
FX詐欺の被害金が返金されるまでの基本的な流れ
次に、FX詐欺の被害金が返金されるまでの基本的な流れを解説します。
相談
FX詐欺の被害にあった場合は、弁護士などの専門家に相談してください。
そこで、返金が現実的に可能かどうかを判断してもらったうえで、実際の手続きに移りましょう。
詳しくは後述しますが、相談先には弁護士・警察・公的な相談窓口などがあげられます。
しかし、警察や公的な相談窓口では返金手続きに関する細かなサポートは受けられないので、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
調査
加害者の氏名や住所が把握できていない場合は、特定作業から始まります。
どこの誰かもわからない相手に対しては、交渉することも、訴訟を提起することもできません。
弁護士に依頼すれば、「弁護士照会」によって、電話番号から氏名・住所などを調査できることも覚えておきましょう。
交渉
加害者を特定できたあとは、内容証明郵便を送付し、返金交渉をおこなうケースが一般的です。
ただし、加害者に対して、被害者から直接交渉を持ち掛けることはおすすめしません。
まともに応じてもらえる可能性は低く、場合によっては加害者を逆上させてしまうおそれもあります。
加害者と交渉する場合は、弁護士に一任するのが賢明な判断といえるでしょう。
口座凍結
加害者から指定された口座にお金を振り込んでいる場合は、振り込め詐欺救済法を利用した口座凍結をおこないましょう。
残高を上限に、被害金を返金してもらえます。
口座凍結の申請は自分自身でおこなうこともできますが、手続きに時間がかかると、お金が引き出されてしまうおそれもあるので注意が必要です。
弁護士であれば、金融機関に対する口座凍結の要請をFAXで速やかに済ませられるので、返金の可能性が大幅に上昇します。
詐欺被害金を口座凍結で返金する方法の詳細は、以下の記事をご参照ください。
刑事告訴
FX詐欺の加害者に対しては、刑事告訴をおこなうケースも少なくありません。
刑罰を軽くするために加害者側から示談を求めてきた場合は、その中で被害金を回収できる可能性があります。
ただし、刑事告訴をおこなうには、警察に告訴状を提出し、被害状況を説明しなければなりません。
緊急性や悪質性が認められなければ受理してもらえない可能性もあるので、告訴状の作成・提出などは弁護士に任せておくのがよいでしょう。
和解
加害者が話合いに応じてくれる場合は、支払い方法や支払金額について協議し、和解契約書を作成します。
この時点で、法的に返還義務が生じるため、返金はほぼ確実に実現されるはずです。
なお、和解契約書は公証役場で作成しておくことをおすすめします。
強制執行文言を入れた和解契約書を公証役場で作成しておけば、未払いがあった際に支払いを強制することが可能です。
ただし、加害者・被害者の両方が公証役場に出席する必要がある点には注意しておきましょう。
訴訟
交渉での返金が難しいと判断した場合には、訴訟をおこなう必要があります。
裁判に勝訴すれば強制力をもって返金を求めることができるほか、訴訟を提起したあとに和解に至るケースも少なくありません。
ただし、返金に向けてとるべき対応は、個々の状況によって異なります。
自力で無理に解決しようとすると返金の可能性は遠のいてしまうので、まずは専門家・専門機関に相談することが大切です。
FX詐欺の返金を成功させるためのポイント
FX詐欺の返金に向けては、計画的に準備を進めることが大切です。
ここでは、FX詐欺の返金を成功させるためのポイントを4つ紹介するので、参考にしてみてください。
加害者の情報を集める
FX詐欺の返金を成功させるためには、まず加害者の情報を集めることが重要です。
そもそも加害者を特定し、連絡をとれる状況になければ、返金を求めることさえできません。
具体的には、加害者から渡された名刺やパンフレットなどから、以下のような情報を集めるようにしてください。
- 氏名
- 会社名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- SNSのアカウント
- 口座情報
また、インターネットで検索すると、自身と同じ被害に遭っている事例が見つかるかもしれません。
ほかの被害者と連携できれば情報も集めやすくなるため、同様の事例がないか一度検索してみるのもよいでしょう。
被害状況を証明できる資料を収集する
被害状況を証明できる資料を収集することも、返金を成功させるためのポイントといえます。
警察に対応を求める場合や各種救済制度を利用する場合などには、証拠を提示しながら、被害状況を説明しなければなりません。
裁判に発展した場合でも、客観的な事実を示す証拠がなければ、返金請求を認めてもらえない可能性があります。
FX詐欺の被害状況を証明できる資料には、以下のようなものが挙げられます。
- 契約書
- 請求書
- 領収書
- 詐欺サービスに関する説明書
- 通帳の記録
- メールやSNSでのやり取り
- 電話の音声記録
証拠が多ければ多いほど、自身に有利な状況を作り出すことができます。
証拠の集め方や、証拠の選別に悩んだときは弁護士に相談してみるとよいでしょう。
個々の状況に合わせた、具体的なアドバイスがもらえます。
事実経過を整理する
FX詐欺の返金を成功させるポイントのひとつが、事実経過を整理しておくことです。
被害に至った一連の流れを時系列に沿ってまとめておけば、弁護士や警察にも状況を的確に把握してもらいやすくなります。
具体的には、以下のような点を整理しておくとよいでしょう。
- 加害者と知り合った経緯
- 加害者とやり取りした期間
- 加害者から持ち掛けられた話の内容
- お金を支払った時期・方法
- 自身で返金を求めた時期・方法
- 加害者からの返答の有無
なお、事実経過を整理する際には、主観的な意見や推測を入れないように注意してください。
あくまでも、事実だけを淡々と書き出していくようにしましょう。
そして、弁護士などに相談する際には、証拠書類もあわせて提示することで、話し合いをよりスムーズに進められるはずです。
被害後できる限り早く弁護士に相談する
FX詐欺の被害に遭ったときは、できるだけ早く弁護士に相談することも大切です。
時間の経過とともに、返金はどんどん難しくなっていきます。
たとえば、弁護士に相談することをためらっている間に、振込先口座からお金が引き出されてしまうかもしれません。
加害者が逃亡し、所在が掴めなくなることもあるでしょう。
また、詐欺被害における損害賠償の請求には時効があります。
被害を長期間放置していると、返金を請求すること自体できなくなるので十分注意してください。
FX詐欺のなかでも返金が難しいケース
FX詐欺においては、返金が難しいケースもいくつかあります。
ここでは、返金が難しい典型的なケースを4つ紹介するので、自身の状況を振り返りながら読み進めてみてください。
加害者の情報が不足している場合
加害者の情報が不足している場合、返金は難しいといえるでしょう。
加害者の氏名や住所がわかっていなければ、返金を請求することができないからです。
FX詐欺をはじめとした投資詐欺においては、インターネット上で知り合った人物から詐欺に遭い、加害者の情報をほとんどつかめないまま逃亡されてしまうケースも多く見られます。
この場合、自力で加害者の情報を探ることは難しいため、弁護士などに加害者の特定作業を依頼することから始めなければなりません。
十分な証拠を揃えられない場合
FX詐欺のなかでも返金が難しいケースのひとつが、十分な証拠を揃えられない場合です。
警察に被害届を出したり、訴訟を提起して返金を求めたりする際には被害状況を示す証拠が必要です。
証拠がなければ自らの主張を立証することができないので、返金を実現できる可能性は低くなってしまいます。
被害を受けてからしばらく経過している場合
被害を受けてからしばらく経過している場合も、返金は難しいといえるでしょう。
主に2つの理由があるので、詳しく解説します。
【すでに財産が処分されていることがある】
1つ目の理由は、すでに財産が処分されている可能性が高いからです。
投資詐欺の加害者はお金をだまし取ったあと、すぐに現金化するケースが多く見られます。
この場合、だまし取られたお金の所在がわからなくなくなってしまうため、返金を求めても回収できないことがほとんどです。
【時効によって損額賠償の請求権が消滅していることがある】
2つ目の理由は、時効によって損額賠償の請求権が消滅していることがあるからです。
民事事件として、詐欺被害の損害賠償を請求する権利の時効は3年で成立します。
詐欺被害と加害者の存在を知ってから3年が経過すると、返金を求めることができなくなるので十分注意しておきましょう。
ただし、民事上の消滅時効は、内容証明郵便で返金を請求することで6か月間猶予されます。
また、裁判を起こせば、時効期間をリセットすることも可能です。
いずれにせよ時効の期限が迫っている場合は、早急に弁護士へ相談して判断を仰ぐようにしてください。
加害者が海外に拠点をもっている場合
加害者が海外に拠点をもっている場合も、被害金の返金は難しいといえるでしょう。
そもそも言語の違いがあることに加えて、国をまたいでの事件処理となると法的手続きも複雑になります。
また、加害者が海外にいる場合は、SNSやマッチングアプリなどインターネット上でのつながりをきっかけに、詐欺被害を受けているケースがほとんどです。
そのため、把握している加害者の氏名・住所・顔写真などが本物かどうかは定かではなく、身元を特定しにくいことも返金が難しい理由といえます。
ただし、加害者が海外に拠点をもっているからといって、必ずしも返金されないわけではありません。
返金の見込みがあるかどうかも含めて、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
FX詐欺被害の返金についての主な相談先
FX詐欺に遭ったときは、ひとりで解決しようとせず、専門家・専門機関に相談することが大切です。
詐欺被害の主な相談先としては、弁護士・警察・公的機関の相談窓口の3つが挙げられます。
とはいえ、加害者からの返金を求めるのであれば、弁護士に相談するのが適切な判断といえるでしょう。
なぜなら、返金手続きに関して細かなサポートを受けられるのは弁護士だけだからです。
ただし、弁護士に相談・依頼するには、弁護士費用が必要です。
被害金が少額の場合は、返金されたとしても弁護士費用のほうが高くついてしまうケースもあります。
そのため、最終的に損をする可能性があるのであれば、警察や公的機関の相談窓口に相談してみるのがよいでしょう。
弁護士
FX詐欺詐欺の返金については、まず弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士に相談・依頼すれば、被害回復に向けて、証拠の収集や返金請求を速やかにおこなってくれます。
被害金の返金手続きには、さまざまな法律が関与しているため、自力で対応するのは困難です。
調べながら少しずつ進めることはできるかもしれませんが、手遅れになってしまう可能性もあります。
また、弁護士が出てきたとたんに、加害者が態度を急変させて、返金に応じてくるケースも少なくありません。
少しでも返金の可能性を高めたいのであれば、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。
警察
FX詐欺の被害を受けた場合は、警察に相談するのも選択肢のひとつといえるでしょう。
警察に相談すれば、加害者の特定や逮捕に向けて動いてもらうことができます。
また、被害届を提出し、警察の捜査が始まると、逮捕をおそれた相手から示談を求められる可能性も出てくるでしょう。
ただし、被害が小さい場合や証拠が不足している場合などは、警察に対応してもらえないこともあるかもしれません。
また、警察は民事不介入の立場なので、被害金の返金手続きには関与してくれません。
返金手続きに関する具体的なサポートを得るためには、弁護士に相談する必要があります。
公的機関の相談窓口
被害額が小さい場合などは、公的機関の相談窓口を利用してみるのもよいでしょう。
FX詐欺を含め、投資詐欺全般に関する相談にのってもらうことができます。
具体的には、金融庁・消費者庁が一般消費者向けの相談窓口を設置しているので、気軽に利用してみてください。
- 金融サービス利用者相談室:0570-016811(平日10:00~17:00)
- 消費者ホットライン:局番なし188(受付時間は案内される窓口によって異なる)
ただし、公的機関の相談窓口に対して、訴訟や返金手続きの具体的なサポートを求めることは難しいかもしれません。
あくまでも、おおまかな助言をもらうための相談窓口であることを理解しておきましょう。
まとめ
FX詐欺の返金は難しいケースもありますが、被害金を取り戻せる可能性は少なからず残されています。
二次被害を防ぐためにも、決して諦めないようにしましょう。
とはいえ、法的な知識のない個人が、詐欺の加害者と直接対峙することはおすすめしません。
プロの詐欺師から、自力でお金を取り戻すことは困難です。
むしろ、対処が遅れてしまうことで、返金される可能性はどんどん低くなっていきます。
そのため、FX詐欺に遭ったときは、弁護士をはじめとした専門家に相談し、サポートを得ることが重要です。
グラディアトル法律事務所は、投資詐欺に関する豊富な解決実績があります。
FX詐欺に遭い、返金されるかどうか不安に感じている方は、弊所へご相談ください。
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