【結婚詐欺事例】実在する裁判官の名刺渡し犯行か…37歳女性への“結婚詐欺”で逮捕の裁判所事務官 余罪ある可能性も

ニュース内容

いわゆる「結婚詐欺」の疑いで逮捕された、名古屋簡易裁判所の事務官。実在する裁判官の名刺を渡して犯行に及んでいたとみられることが分かりました。

名古屋簡易裁判所の事務官・星野佳彦容疑者(26)は2018年、公務員限定の婚活パーティーで知り合った女性(37)に「結婚前提に付き合おう。職場で結婚積立てがある」とウソを言うなどして現金20万円を騙し取った疑いで26日朝、送検されました。

調べに対し、星野容疑者は「結婚積立てなど自分から言った言葉ではない」などと、容疑を一部否認しています。

その後の捜査関係者などへの取材で、星野容疑者が実在する裁判官の名刺を女性に渡し、信用させた上で犯行に及んでいたとみられることが新たに分かりました。

警察は、裁判所の事務官をしていた星野容疑者が裁判官をかたり、ほかの女性にも同様の犯行を繰り返していた可能性もあるとみて調べています。

2020年3月26日 木曜 午後4:05 FNNPRIME

弁護士からのコメント

今回のニュースは、「結婚前提に付き合おう。職場で結婚積立てがある」とウソを言うなどして現金20万円を騙し取ったとして、詐欺の疑いで送検されたというものです。

詐欺のなかでも「結婚詐欺」は、過去から多く行われている手口です。

結婚詐欺については下記ページで詳細に解説していますので、よければご参照ください。

そして今回のニュースにおいては、まず出会いの場が婚活パーティーでした。

最近の結婚詐欺師は、婚活パーティーや婚活サイト・アプリでターゲットを探します。
ターゲットが結婚したい願望がわかっていることにくわえ、職種や収入等の情報から騙し取るだけの金銭を持っているか確認しやすいからです。

また、現実は裁判所事務官であるにもかかわらず、実在する裁判官の名刺を渡したうえで裁判官と名乗ることで、被害者を信用させ金銭を騙し取っています。

その理由としては、そもそも裁判官が公務員の中でも安定かつ高収入の職種であることから、自らをより魅力的に思わせることができ、騙す相手を探しやすいということが挙げられます。

次に裁判官自体が人数も少なく一般に馴染みの薄いものであるがゆえに、適当に話をしたところで職種を詐称しているとは気づかれにくい点もあるでしょう。

さらに自らが事務官と、裁判官と関係の深い立場にあることから名刺も入手でき、かつ裁判官を装うことも比較的容易だった点もあるのではないかと思われます。

このように結婚詐欺師は、騙す相手を探しやすいスペックで、自らが演じやすい一方、相手にとって虚偽と見抜かれにくい職種を名乗って結婚詐欺を行います。

ですので、婚活パーティーや婚活サイト・アプリには結婚詐欺師も紛れているかもしれないと認識し、注意しながら婚活を行うべきです。

なお結婚詐欺を解決した事例が下記ありますので、よければご覧くださいませ。

結婚詐欺・婚活詐欺・恋愛詐欺の手口、特徴、返金方法、逮捕事例、裁判例などについては、以下の記事もご参照ください。

結婚詐欺の返金方法の詳細は、以下の記事をご参照ください。

また、結婚詐欺での慰謝料請求については、以下の記事をご参照ください。

最後に結婚詐欺に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 刈谷龍太

グラディアトル法律事務所代表弁護士。
中央大学法科大学院修了。2012年弁護士登録。
離婚・労働・ネット・消費者被害など一般向けのトラブルから、企業法務や経営サポートなど幅広く担当。