「彼氏にお金を貸したのに返してもらえない」
「彼氏に貸したお金のことを聞くと不機嫌になるため、返済の話ができない」
「彼氏と別れたいけど、貸したお金が返ってこなくなりそう……」
交際中の男女間では、お金の貸し借りをすることも少なくありません。
彼氏から「必ず返すからお金を貸してほしい」と言われてしまうと、困っている彼氏を助けたいという思いからついお金を貸してしまう人も多いでしょう。
しかし、貸したお金がどんどん増えてくると「本当に返してくれるのだろうか」と不安になることもあると思います。
彼氏に貸したお金は、借用書がなかったとしても、取り戻すことができますが、借用書以外に十分な証拠が必要になります。
お金の貸し借りの証拠は、お金を貸した後でも残すことができますので、返済に不安があるときはしっかりと証拠を残しておくことが大切です。
本記事では、
・彼氏に貸したお金が返ってこない3つの理由
・彼氏にお金を返してもらうために必要になる証拠
・彼氏がお金を返してくれないときの対処法
などについてわかりやすく解説します。
彼氏がお金を返すつもりがないときは、自分だけでは対応が困難ですので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
彼氏に貸したお金は取り戻すことができる!
彼氏にお金を貸す際には、貸したお金が少額である、彼氏を信頼しているなどの理由から借用書を作成することなく、口約束だけでお金を貸してしまうケースが多いです。
「借用書がなければお金を取り戻すことが難しいのでは?」と考える方が多いですが、実は、借用書がなくても彼氏に貸したお金を取り戻すことができます。
お金の貸し借りは、法律上、「金銭消費貸借契約」というものにあたります。
金銭消費貸借契約は、基本的には、以下の2つの要件を満たせば成立します。
・お金を渡したこと
・お金の返還合意をしたこと
借用書は、契約成立の要件ではありませんので、借用書がなくても契約は成立しています。
すなわち、口約束で彼氏に貸したお金でも取り返すことができる可能性があるのです!
彼氏に貸したお金が返ってこない3つの理由
口約束でもお金の貸し借りに関する契約は成立しますが、以下のような理由から交際中に彼氏に対して返済を求めるのは難しいケースが多いです。
彼氏に対する恋愛感情から強く返済を求められない
彼氏と交際中は、大好きな彼氏によくみられたいという思いが強いため、「貸したお金を返して!」と強く言えない人が多いです。
お金の返済を求めたことで彼氏との仲が悪くなったり、信用していないと思われてしまうのが心配で、なかなかお金を取り返すための行動に出ることができません。
ただ実際、返済を求めない状態が長くなればなるほど、貸したお金を返してもらうのが困難になっていく傾向にあります。
貸した金額が少額なためあきらめてしまう
彼氏にお金を貸す場面としては、主に以下のような場面が多いと思います。
・デートに行ったときに彼氏が財布を忘れたため、1万円を貸した
・会社の飲み会に行くためのお金が必要と言われて3万円を貸した
・給料前で家賃を払うお金が足りないといわれて、5万円を貸した
このような場面で貸すお金は、数万円程度など比較的少額であるため、「返ってこなかったとしても最悪仕方ない」と諦めてしまう方も多いです。
また、その場その場で繰り返し貸したり返してもらったりしていると、いま合計でいくら貸しているのかわからなくなってしまうことも返済請求を諦めてしまう一つの原因となります。
彼氏がもらったつもりでいる
借用書を作成することなく彼氏にお金を貸してしまうと、お金を借りた側は、時間が経てばたつほど借りたという認識が薄くなり、彼女からお金をもらったとか別に返さなくてもいいものだとか話をすり替えてしまうことがあります。
お金の貸し借りに関するお互いの認識にズレが生じてしまうと、返済を求めたとしても、「もらったお金だろ?」などと言われてしまい、取り返すことが難しくなってしまいます。
これは、恋人同士というお互いの関係性から、どのような性質のお金であるかをはっきりと決めていないのが原因といえるでしょう。
チェックリストで確認!彼氏に貸したお金が返ってこない危険性が高い事情
以下の項目に一つでもチェックがつく場合には、彼氏に貸したお金が返ってこない可能性があります。
複数の項目にチェックがつけばつくほど、彼氏に踏み倒されてしまうリスクが高いといえますので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
彼氏にお金を返してもらうには証拠が重要
借用書がなかったとしても、それ以外の証拠により「お金を渡したこと」と「お金を返すとの返還の合意をしたこと」を証明できれば、お金を取り返すことが可能となります。
以下では、借用書以外にお金の貸し借りの証拠になるものを説明します。
彼氏にお金を渡した証拠
彼氏にお金を渡したことを証明できる証拠としては、以下のものが挙げられます。
【お金を渡したときの領収書、手書きの受領書】
彼氏に現金でお金を手渡した際に、領収書を交付してもらえれば、お金を渡したという証拠になります。
しかし、ビジネスシーンでは領収書の交付は当たり前ですが、交際中の男女で領収書を交付するというのは一般的ではありません。
このような場合には、彼氏から「○○万円受け取りました」という簡単な手書きのメモでもいいのでもらっておくようにしましょう。
【お金を振り込んだときの振込明細書、預金の取引明細書など】
振り込みにより彼氏にお金を貸したという場合には、以下のようなものがお金を渡したという証拠になります。
・お金を振り込んだときの振込明細書
・預金の取引明細書
・金融機関アプリの送金、決済、支払い履歴
・PayPayやLINE Payなどの電子マネーの送金履歴
現金でお金を渡すよりも振り込んだ方が証拠を残しやすいため、お金の貸し借りは、振り込みによって行うのがおすすめです。
【自分の口座から彼氏に貸すためのお金を引き出した通帳の履歴】
彼氏にお金を渡したという直接の証拠ではありませんが、自分の口座から彼氏に貸すためのお金を引き出したという通帳の履歴も彼氏にお金を渡したという間接的な証拠になります。
たとえば、口座から50万円を引き出した直後に、彼氏から「今日は50万円ありがとう」といったLINEのメッセージが届いていれば、2つを組み合わせることで、お金を渡したという証拠として利用することができます。
【彼氏とのメールやLINEのやり取り】
彼氏とのメールやLINEのやり取りで、以下のようなメッセージがあれば、お金を渡したという証拠として利用することができます。
【彼氏からのメッセージ】
・「昨日は○○万円貸してくれてありがとう。大切に使います」
・「今日○○万円受け取るはずだったけど、いつごろ来れそう?」
【自分が送ったメッセージ】
・「○○万円だけどいつ渡せばいいの?」
・「○○万円も渡すのは今回だけだから大切に使ってね」
彼氏と貸し借りの約束をした証拠
彼氏と貸し借りの約束をしたことを証明できる証拠としては、以下のものが挙げられます。
【彼氏から返済があったことがわかる通帳の履歴など】
交際中の男女間のお金の貸し借りのトラブルでは、お金を貸したのか、あげたのかで争いになるケースが多いです。
彼氏からお金の振り込みがある場合には、返済のためのお金といえますので、以下のようなものがお金の貸し借りの約束をした証拠として利用することができます。
・相手から返済があったことがわかる通帳の履歴
・金融機関アプリの送金、決済、受け取り履歴
・PayPayやLINE Payなどの電子マネーの受け取り履歴
【彼氏とのメールやLINEのやり取り】
彼氏とのメールやLINEのやり取りで、以下のようなメッセージがあれば、お金の貸し借りの約束をした証拠として利用することができます。
【相手からのメッセージ】
・「今月ピンチだから、○○万円を貸してほしい」
・「給料日になったら必ず返すから、それまで少し待っていてほしい」
・「○月○日までには必ず返済します」
【自分が送ったメッセージ】
・「必ず返してくれるなら○○万円貸してあげてもいいよ」
・「前回貸したお金をまだ返しもらえてないんだけど、いつ返してくれるの?」
・「今月の○日に返すといっていたお金だけど、どうなっているの?」
【彼氏との会話の録音・動画】
彼氏との会話において、彼氏がお金を借りたこと認める発言をした場合、その発言も有力な証拠となります。
そのため、お金の貸し借りに関する話し合いをする際には、会話の録音や動画を撮影するなどして、会話内容を証拠化しておきましょう。
【彼氏が借りたことを認める内容の合意書】
彼氏との話し合いでお金を貸したことや返済方法などの合意ができたときは、その内容を書面にまとめておくことが重要です。
そのような合意書があれば、借用書と同様にお金の貸し借りがあったことを証明できる強力な証拠となります。
交際中に合意書を作成するのは難しいかもしれませんので、遅くとも別れるタイミングではきちんとした内容の合意書を作成しておくべきでしょう。
5 彼氏がお金を返してくれないときの対処法
彼氏がお金を返してくれないときには、以下のような方法により、貸したお金の返済を求めていきます。
5-1 彼氏に対して返済を催促する
お金を返してほしいと思ったら、まずは、彼氏に対して返済の催促を行います。
催促の方法には、特に決まりはありませんが、メールやLINEなど証拠に残るかたちで行うのがおすすめです。
彼氏に返済する意思があれば、真摯に対応してくれるはずですので、返済方法や返済時期などを話し合っていくようにしましょう。
5-2 内容証明郵便を送る
お金の返済を求めたら、彼氏と連絡が取れなくなった、LINEをブロックされたという場合には、彼氏の自宅に内容証明郵便を送って、再度返済を求めてみましょう。
内容証明郵便という特別な形式の文書が届けば、彼氏も「無視していると訴えられるかもしれない」と焦り、返済に応じてくれる可能性があります。
また、後日裁判をすることになった際には、証拠としても利用することができます。
5-3 支払督促・少額訴訟を利用する
彼氏との話し合いでは解決できない場合には、法的手段を検討することになります。
後述する通常訴訟となると、一般の方ではハードルが高い手続になりますが、支払督促や少額訴訟であれば、一般の方でもそう難しくなく利用できる法的手段です。
・支払督促:裁判所書記官が簡単な書類審査だけで、支払い命令を出してくれる手続
・少額訴訟:60万円以下の金銭の支払いを求める際に利用でき、原則として1回の審理で終了する手続
ただ、彼氏がお金を借りたことを争っているようなケースでは、いずれも異議申立てなどにより後述する通常訴訟に移行してしまう点がデメリットです。
5-4 通常訴訟を提起する
通常訴訟では、訴状を作成し、証拠に基づいて彼氏にお金を貸したことを立証していかなければなりませんので、どうしても法的知識がなければ対応が困難と言わざるを得ません。
訴訟提起が必要な案件に関しては、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
5-5 強制執行により彼氏の財産を差し押さえて回収する
裁判に勝訴(確定判決などの債務名義を取得)したら、強制執行の手続を申し立てることができます。
強制執行では、彼氏の財産(預貯金、給料など)を差押えることにより、そこから強制的に貸したお金を回収することができます。
ただ、強制執行も専門的な法的知識がなければ難しいので、支払督促や少額訴訟で命令や判決が出たにもかかわらず支払われない際は、弁護士に相談することをおすすめします。
5-6 弁護士に相談・依頼する
彼氏に貸したお金が返ってこないという場合には、なにか自分で対応する前にまずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談をすれば、彼氏に貸したお金を回収する方法をアドバイスしてくれますし、手元の証拠だけでは足りない場合には、どのような証拠を集めればいいかなどサポートも行ってくれます。
また、弁護士に依頼すれば、弁護士が専門家として彼氏に貸したお金の回収を行ってくれますので、ご自身で対応するよりも回収できる可能性が高くなるといえます。
裁判や強制執行などの法的対応が必要な事案に関しては、自らだけで対応するのは非常に困難ですので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
6 彼氏との金銭トラブルでお困りの方はグラディアトル法律事務所に相談を
彼氏との金銭トラブルでお困りの方は、グラディアトル法律事務所までご相談ください。
6-1 豊富な解決実績に基づく適切なアドバイスができる
彼氏に貸したお金を回収するための方法には、大きく分けて裁判外の交渉と裁判の2つにわけられます。
いずれの方法により回収すべきかについては、相手の態度、金額、相手の支払い能力などにより異なりますので、事案に応じた適切な方法を選択することが重要です。
グラディアトル法律事務所では、お金の貸し借りのトラブルに関する豊富な解決実績がありますので、経験やノウハウに基づいた最適な解決方法を提案することができます。
彼氏からお金が返ってこないとお困りの方は、まずは当事務所までご相談ください。
6-2 経験豊富な弁護士に対応を任せることができる
グラディアトル法律事務所には、お金の貸し借りのトラブルの問題に関して、豊富な知識と経験を有する弁護士が多数在籍しています。
当事務所の弁護士が対応した事案には、借用書がなくてもLINEのやり取りや振り込み履歴などからお金の貸し借りがあったということを法的に立証して、貸したお金の回収に成功した案件も多くあります。
「借用書もないから返してもらえないだろう……」と諦めてしまう前に、まずは当事務所までご相談ください。
6-3 初回相談料無料で対応してもらえる
弁護士に相談をしたくても、相談料がかかるため弁護士への相談を躊躇している方もいるかもしれません。
グラディアトル法律事務所では、初回法律相談を原則無料で対応していますので、そのような不安を抱えている方も安心してご相談にお越しください。
相談をしたからといって弁護士に依頼しなければならないわけではありませんので、まずは相談だけでも結構ですのでお気軽にお問い合わせください。
7 まとめ
彼氏との間でお金の貸し借りでトラブルが生じても、恋愛感情などが理由で強く返済を求めることができないケースも多いです。
しかし、金額によってはそのままにしておくのは非常にリスクが高いため、彼氏に貸したお金が返ってこないときは早めに弁護士に相談することをおすすめします。
彼氏に貸したお金が返ってこないことでお困りの方は、グラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。