ニュース内容
新型コロナウイルス感染拡大で不足するマスクを会話の糸口に、ニセ電話詐欺で現金をだまし取ったとして、名古屋・中川署は15日、詐欺の疑いで、東京都江戸川区松本1、無職曽根竜士容疑者(31)=同容疑で逮捕、処分保留で釈放=を再逮捕した。
2020年4月15日 23時00分 中日新聞
逮捕容疑では、3月23日午前9時ごろ、名古屋市瑞穂区の無職男性(90)宅に、息子をかたった他の者が電話し「おやじ、マスクあるけどどうする」と切り出し、さらに「仮想通貨でもうかった」「脱税の処理に金が必要」などとうそを重ねた。しばらく後、曽根容疑者が弁護士事務所の職員になりすまして男性宅を訪ね、300万円をだまし取ったとされる。
署によると、「紙袋に入った現金を受け取った」と容疑を認めている。3月25日、別のニセ電話詐欺で、同市中川区の無職女性(71)から200万円をだまし取ったとして逮捕された。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、新型コロナウイルス感染拡大で不足するマスクを会話の糸口に、特殊詐欺(ニセ電話詐欺)で現金をだまし取ったとして、詐欺罪の疑いで逮捕されたというものです。
連日お伝えいたしておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大に便乗したコロナ詐欺が急増しています。
コロナ詐欺に関する情報は下記ページにまとめていますので、よければご参照ください。
今回のニュースにおいては、不足しているマスクを会話の糸口にした非常に巧妙な手口といえます。
というのも、マスクの心配をしてくれるのは基本的に家族くらいであろうと考えることを見越して、息子をよそおっているからです。
言い換えれば、息子であると信じさせる手口として、あえて最初にマスクの話をすることで、その後にするお金の話まで信用させるのです。
このような冒頭に家族からの電話であると信じさせる会話の手口は、今後横行することが予想されるので注意が必要です。
具体的には、上記のマスクの話のほか、「緊急事態宣言が出たけどそっちは大丈夫?」とか「一律給付金が10万円出るみたいでよかったね」などコロナに関する話から、子どもや孫であることを装うことが考えられます。
そして本題であるお金の話については、コロナの影響で解雇されそう・会社の売上を水増しするために不正をしてしまったなどと緊急にお金が必要とする事情を述べてくるでしょう。
コロナに便乗した特殊詐欺に遭わない対策としては、知らない電話や訪問については対応しないことです。
また電話や訪問を受けてしまった場合には、少しでも不審な点があれば警察や家族などに相談しましょう。
最後に特殊詐欺・コロナ詐欺はもちろん詐欺被害に遭ったかもと思った際には遠慮なく当事務所にご相談ください。