ニュース内容
仮想通貨の自動売買ソフト使用料の名目で現金をだまし取ったとして、埼玉、長崎両県警は8日、詐欺容疑で東京都新宿区のシステム販売会社「アイリス」元社長の森吉克容疑者(33)=秋田県大館市有浦=ら4人を逮捕した。
2020年04月08日17時32分 時事ドットコムニュース
逮捕容疑は、2018年6~7月、神奈川県の男性(66)ら3人に対し、実際には存在しない仮想通貨を自動的に売買するソフトの使用料名目で、計約130万円をだまし取った疑い。
埼玉県警生活経済課によると、森容疑者らは別のソフトを購入した顧客に対し、「もっとお金が生まれるソフトが使えます」などと勧誘。18年5~12月に同様の手口で128人から計1億円超を詐取した疑いがあるという。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、仮想通貨の自動売買ソフト使用料の名目で現金をだまし取ったとして詐欺の疑いで逮捕されたというものです。
いわゆる投資詐欺の一種である仮想通貨詐欺(暗号資産詐欺)は、仮想通貨がブームになった2017年ごろから急増し始めた詐欺です。
先日も仮想通貨詐欺(暗号資産詐欺)で逮捕されたニュースがありましたので、よければご参照ください。
そして今回のニュースにおいては、なぜ128人もの多くの方を騙すことができたのかについて解説したいと思います。
まず被疑者がシステム販売会社を経営していた点が挙げられます。
すなわちシステム販売会社であったことから、仮想通貨を自動的に売買するソフトを作成することも可能と思わせられるからです。
また実際に会社が販売した別のソフトを購入していた顧客に対して勧誘していた点も挙げられます。
既に顧客であることから、会社に対する一定程度の信用があることで騙しやすいといえるからです。
さらに想定される被害金額が1人当たり数十万円平均と、比較的少額な点も挙げられるでしょう。
そこまで高くないものであれば、当該仮想通貨のソフトを使用してみようと思う人も少なからず存在するからです。
このように当該仮想通貨のソフトを作成することも可能と思わせる会社が、信用している顧客に対し、比較的少額の金額で勧誘したことで、多くの人間を騙すことができたといえます。
仮想通貨詐欺(暗号資産詐欺)をはじめとした投資詐欺に遭わない対策としては、甘い言葉には裏があると思って手を出さないようにすべきです。
今回のニュースでいえば、もし本当に多くのお金が生まれるのであれば、自らだけで利用する方がより利益となる以上、矛盾した行動だからです。
最後に仮想通貨詐欺(暗号資産詐欺)はもちろん投資詐欺に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。