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新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した詐欺や悪質商法とみられる不審な電話が相次いでいる。「下水道にウイルスが付いている」として高額な洗浄代を要求する電話や、入手困難なマスクで関心を引くメールが確認されている。警察当局は状況を悪用した詐欺の手口として広がる可能性があるとみて警戒を呼びかけている。
2020/3/7 11:40 日本経済新聞
「下水道にコロナウイルスがついているので洗浄します」。大阪府警によると、同府門真市の女性の自宅に4日午前、水道会社を名乗る男から電話がかかってきた。一度電話は切れ、約10分後に同じ会社の別の担当者だという男から再度電話があり「除去には約10万円かかる」と代金を請求してきた。
女性が料金の高さなどを理由に断ると、突然罵声を浴びせてきたという。女性は府警門真署に連絡し、同署は市民向けにメールで注意喚起した。同種の不審な電話は5日にも確認され、府警幹部は「詐欺や悪質商法である可能性が極めて高く、今後も同種の事案が増えることが想定される。絶対にお金を払わず、電話などがあったら警察に相談してほしい」と警戒を促している。
全国的なマスク不足に関する不審なメールなども現れている。島根県消費者センターによると2月下旬、同県西部の50代男性に「マスクを販売します。50枚入り3箱1万2千円の商品を代引きで送ります」と知らないアドレスからメールが届いたという。
国民生活センターによると、2月下旬以降、似た内容のメールやメッセージが届いたとの相談が全国から数十件寄せられている。中国地方の50代女性には「マスクを無料送付する。確認をお願いします」とURL付きのメッセージが送られてきたという。
同センターは「サイトにアクセスすると不正なアプリをダウンロードさせられたり、個人情報が抜き取られたりする可能性が考えられる。返信などの反応をせずに削除すべきだ」と強調する。
九州北部では80代男性宅に金融業者を名乗る人物が突然訪れ、コロナウイルスの影響で金の相場が上がると説明。「高騰前の額で金を買う枠が当たるかもしれない。すぐに申し込んだ方がいい」と勧誘してきたという。同センターは「悪質な勧誘の可能性が高い。対応せず、不安ならセンターに相談して」と呼びかけている。
(小安司馬、玉岡宏隆)
弁護士からのコメント
今回のニュースは、新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した詐欺や悪質商法とみられる不審な電話・メールなどが相次いでいるというものです。
先日から新型コロナウイルスに関する詐欺(「コロナ詐欺」)については海外でも既に行われており、言っている間に日本でも行われるだろうと解説していたところです。
実際弊所においても、このフリマアプリやオークションサイトは新型コロナウイルスに乗じたマスク販売詐欺ではないかなど「コロナ詐欺」といえる相談や問い合わせが増えてきています。
なお「コロナ詐欺」含め2020年に流行しそうな詐欺について、弊所の代表弁護士若林翔が解説した動画がありますので、よければご覧くださいませ。
そして今回のニュースでいえば、まず「下水道にウイルスが付いている」として高額な洗浄代を要求する電話については、何の根拠もなく行った洗浄代に対し、代金を詐取しようとする詐欺といえるでしょう。
またマスクに関するメールやメッセージについては、個人情報を盗み出そうとするフィッシング詐欺や、手数料やその他の名目で何らかの代金を詐取しようとする詐欺でしょう。
さらに金融業者を名乗る人物からの勧誘は、投資詐欺と思われます。
このように新型コロナウイルスに乗じて、詐欺師は様々な手口で「コロナ詐欺」といえるものを行おうとしていますので注意が必要です。
最後に「コロナ詐欺」に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。