ニュース内容
大阪府警捜査2課は3日、大阪府内に住む80代の女性2人が架空のトラブル解決費用として現金を要求され、計約6千万円をだましとられる特殊詐欺被害にあったと発表した。府警は詐欺や恐喝の疑いで捜査している。
2020.3.3 13:05 産経新聞
同課によると、1人の女性宅には昨年12月、国民生活センターの職員を名乗る男らから「日本災害支援機構や複数社にあなたの名義で会員登録されている。解除には代わりの人が必要」と電話があり、その後、登録解除のためなどとして金を要求。女性は61回にわたってATM(現金自動預払機)から現金を引き出し、今年2月上旬まで6回にわたり、自宅に来た男に約3千万円を手渡した。
もう1人の女性は昨年10月、男から電話で「新設する老人ホームの入居権をあなたの名義で購入させてほしい」と依頼された。承諾すると、老人ホームの運営会社員を名乗る男から「名義貸しは裁判沙汰になる」などといわれ、要求に従って今年1月まで10回にわたってレターパックで計2800万円を送ったという。
いずれも相手と連絡が取れなくなって被害に気付き、2月に府警に届けた。
同課によると、こうした架空請求による特殊詐欺被害は3月2日時点で36件、約2億1400万円に上る。昨年同期比で25件、約4300万円増加しており、同課は「『名義貸しは犯罪』という電話はすべて特殊詐欺。すぐに家族や警察に相談してほしい」と注意を呼びかけている。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、80代の女性2人が架空のトラブル解決費用として現金を要求され、計約6千万円をだましとられる特殊詐欺被害にあったというものです。
近年、特殊詐欺の手口は多様化がすすんでいます。
従来は、子どもや孫などを装ってトラブルに遭ったからお金が必要と騙し取る手口が主流でした。
しかし最近は今回の名義貸しのように、当事者自身が知らぬ間に犯罪や違法行為に手を染めていると虚偽を伝え、それを解決するのに金銭が必要と騙し取る手口がよく見受けられます。
従来の手口は世に知れ回っており警戒されているがゆえに、詐欺師が新たな手口に変えてきているということです。
ただどのような手口にせよ、詐欺師はターゲットを不安にさせ、冷静な判断ができない状況に陥れて金銭を騙し取ろうとしてきます。
今回のニュースのように、たしかに自らが犯罪や違法行為に加担していると言われれば、不安や焦る気持ちになることは致し方ありません。
しかし不安や焦る気持ちなど通常の心理状態でない場合だからこそ、自らだけで判断せず家族や友人、警察や弁護士など相談すべきです。
相談することで、まず特殊詐欺被害に遭うことを防ぐことができます。
また1度支払ってしまった場合でも、それ以上の詐欺被害を食い止めることもできます。
ですので,少しでも不審点を感じたときには一刻も早く相談すべきです。
最後に特殊詐欺に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。