ニュース内容
詐欺の電話を受けた高齢者から現金を受け取ろうとしたとして、77歳のパート従業員が逮捕されました。警視庁は、供述から、みずからも詐欺グループにだまされて受け取り役になっていた可能性もあるとみて、詳しいいきさつを調べています。
2020年2月7日 14時04分 NHK
警視庁によりますと、弁護士などをかたる詐欺の電話を受けた東京 町田市の70代の男性のもとに5日、弁護士事務所の職員を名乗る女の高齢者が現れ、事前に通報を受けて、警戒に当たっていた捜査員に逮捕されました。
逮捕されたのは、神奈川県相模原市に住む77歳の清掃業のパート従業員です。
調べに対して「知らないアドレスからメールが届き、電話をかけると弁護士を名乗る人物が出た。『あなたの自宅が裁判沙汰になる』と言われ、不動産関係の書類を受け取りに行くよう指示された」と供述しているということです。男性から封筒を受け取ったところを逮捕されましたが、「封筒に入っているのは現金ではなく、不動産の書類だと思った」と供述しているということです。
警視庁は、みずからも詐欺グループにだまされて受け取り役になっていた可能性もあるとみて、詳しいいきさつを調べています。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、逮捕者みずからも詐欺グループにだまされて受け取り役になっていた可能性があるというものです。
最近、今回のニュースのように特殊詐欺におけるいわゆる「受け子」につき、高齢者が行っている事件が見受けられるようになりました。
詳細は下記ページに記載しておりますのでご参照ください。
そして、今回のニュースは「受け子」を行った者も騙されてやっていた可能性があるという、いわば二重の特殊詐欺といえるものです。
まだ真偽はわからないものの、「受け子」を行った者が騙されていた可能性は十分にあるでしょう。
というのも、特殊詐欺グループが新たな実行役を引き入れる手段としてSNSが利用されることが多い中、SNS利用率の低い高齢者を引き入れるには騙すことも1つの手段といえるからです。
また高齢者を騙すことについては、実際に特殊詐欺グループが行っていることであるがゆえ、お手の物といえるからです。
一方で、高齢者が本当に「受け子」となっており、逮捕された場合の言い訳をマニュアルとして用意されていた可能性も考えられます。
つい最近まででいえば、高齢者が特殊詐欺グループの実行役になることはまずなかったため、言い訳として信ぴょう性を持たせやすいからです。
いずれにせよ「受け子」をはじめ特殊詐欺の実行役を高齢者が担いだしていることは事実ですので、高齢者であるからといって特殊詐欺ではないと安易に考えないようにすべきです。
最後に特殊詐欺に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。