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高齢者宅などに家族や自治体職員などを装って電話をして現金などを奪う「ニセ電話詐欺」が、ことしも県内で猛威を振るっている。ことしは、自宅の玄関先でキャッシュカードをすり替えて盗む「すり替え型」が急増。
2019年11月14日 中日新聞
県警は、ユニークな発想を交えた啓発に取り組みながら、警戒を呼び掛けている。県警生活安全企画課によると、ことし1月から10月末までの間に、カードを盗む事案を含めた「電話詐欺」の被害は114件で、被害額は計約2億4000万円余り。昨年同期と比べると、件数は20件も多い。
中でも急増しているのは「すり替え型」の詐欺だ。県内では、昨年の初夏ごろから出始めた手口で、ことし1月から10月には、昨年同期比で24件多い32件が続発。すり替え型だけでも、被害額は同期比で5000万円ほど増の約6900万円に上った。
手口は「非常に巧妙」という。県警や市町、大型電機量販店の職員をかたり「あなたのキャッシュカードが使えなくなりました」と電話があり、次に銀行協会などを名乗るスーツ姿などの男らが「新カード発行のため、現在のカードを停止します」と自宅を訪れる。
男らは封筒を手渡して「封をしますので、暗証番号を書いた紙とカードを入れてください」と言う。入れ終わると「割り印をするので、印鑑をお願いします」と求められ、信じた高齢者らが玄関先を外した隙に、別の封筒とすり替える。「新しいカードが来るまで、この封筒を保管してください」などと言い、別の封筒が手元に返されることで、カードが盗まれたことに気付かない人が多いという。
手を替え品を替えて続発する電話詐欺。県警は、すり替え型を解説するまんがを描いて啓発に使うほか、「こわもて」の捜査官を撲滅のキャラクターに登用。県内の神社と協力して注意を呼び掛ける「御朱印」を発行したり、被害地区にヘリで空から警戒を呼び掛けたり。今年10月には、表に県警や各市町のゆるキャラ、裏に「詐欺電話 防ぐ手段は 留守設定」と記した、22種類の「トレーディングカード」をつくって配ったりしている。
同課の担当者は「同じ啓発を続けても、響かない。『面白い』発想も含めて、試行錯誤している」と話し、「自宅の固定電話を留守電に設定して、録音を残した人に連絡を返すようにすれば、被害は防げます」と、あの手この手で啓発を強化している。
弁護士からのコメント
約20年前から横行し始めた「振り込め詐欺」に代表される「特殊詐欺」は、ニュース記事にあるよう、年々、手口が巧妙化しています。
*「ニセ電話詐欺」は特殊詐欺の別称です。
そして、「特殊詐欺」には、家族・親族や役所・公的団体など被害者が信頼しやすい人間を装い、かつ、事故・事件や裁判・強制執行など緊急を要する状況を告げることで動転させる特徴が多く見受けられます。
今回の「すり替え型」の特殊詐欺に遭わないための対策としては、まず、「キャッシュカードが使えなくなった」などの電話がかかってきたら、実際に当該銀行に電話をかけ直して確認しましょう。
また、キャッシュカードが使えなくなったからといって、当該銀行含め関係者がすぐさま家にまで訪れることは基本的にあり得ません。
ですので、 当該銀行含め関係者を名乗る者が訪れた際には、当該銀行に確認できない限り対応しないと伝え、ましてやキャッシュカードを一時的にせよ手渡すことは絶対に辞めましょう。
なお、特殊詐欺の電話への対策は、下記ページにも記載しておりますのでご参照ください。
最後に、「特殊詐欺」に遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。