コラム
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賃貸事務所の立ち退きを求められたときの対処法と立ち退き料増額方法

賃貸で借りている事務所を立ち退くように貸主から通知が来たけどどう対応したらいいのだろうか
立ち退くことになったらどのくらいの立ち退き料がもらえるのだろうか

事務所やオフィスとして借りている物件を立ち退くように求められることは珍しいことですので、どう対応したらいいか分かりませんよね。

事務所を立ち退くように求められても原則として立ち退きをする必要がありません

もし、立ち退きをしなければいけない場合でも、立ち退き料をもらうために交渉をするべきです。

なぜなら、貸主から言われたら立ち退かなければいけないというわけではなく、借地借家法という法律で貸主が立ち退きを求めるためには正当事由というものが必要とされているからです。そして、貸主は立ち退いてもらいたいので立ち退き料を支払ってくれます。

しかし、立ち退きの交渉をしたことがなく、交渉の進め方や立ち退き料の相場は分からないという方も多いと思います。

グラディアトル法律事務所では、事務所用賃貸物件の立ち退きを求められた方からご相談・ご依頼を受けていますが、貸主が求めている期限までに出ていかなければいけないと誤解をしている方がほとんどです。立ち退き料についても、本当はもらえるはずの金額を知らない方も多いです。

本当はもらえるはずの金額よりも2000万円以上少なく考えていたというケースもあります。

賃貸事務所の立ち退き料が2000万円以上増額

そこで、今回は、

・事務所用賃貸物件から立ち退きをする必要があるのか
・事務所用賃貸物件の立ち退き料の相場
・事務所用賃貸物件の立ち退き料を計算する方法
・事務所用賃貸物件の立ち退き交渉の4STEP
・事務所用賃貸物件の立ち退き料を増額するための3つのポイント

を説明します。

日常の業務を続けながら立ち退きのことも考えなければいけないのはとても負担となります。
この記事を読んで、今すぐ事務所用賃貸物件の立ち退き交渉のためにできることを始めましょう。

1 正当事由がなければ原則として事務所用賃貸物件から立ち退きをする必要はない

貸主やオーナーから立ち退きを求められたとしても、立ち退きを求めることについての正当事由がなければ原則として立ち退きをする必要はありません

なぜなら貸主やオーナーが事務所用賃貸物件の借主に立ち退いてもらうためには、借地借家法という法律で正当な事由(正当事由)というものが必要とされているからです。この正当事由がない限りは、いくら借りている立場だといっても、貸主やオーナーからの立ち退き要求に応じる必要はありません。

正当事由とは
・建物が老朽化して倒壊するおそれがある
・再開発の対象となって建物を取り壊す必要がある
・貸主が自分の事務所として使用する
などの理由から決められる、立ち退きを求めるのに必要な理由のことです。

過去の裁判例では、完全な正当事由というのはほとんど認められていません。

正当事由について詳しく知りたい方は次の記事もご覧ください。

2 定期賃貸借契約と賃貸借契約違反のときは立ち退く必要がある

立ち退き料をもらうことができるのは貸主都合で立ち退きを求められた場合です。

定期賃貸借契約の場合、賃貸借契約の期間が終了したときには借主が借りる権利がなくなってしまうため、立ち退きを求められたとしても立ち退き料を支払ってもらうことができません。

定期賃貸借契約かどうかは、契約書に契約期間が終了したときは更新することがないと書かれているかどうかを確認することで分かります。

定期賃貸借契約では「本契約は、期間の満了により終了し、更新がない。ただし、貸主及び借主は、協議の上、本契約の期間の満了の日の翌日を始期とする新たな賃貸借契約をすることができる。

と契約書に記載されていることが多いので確認してみてください。

借主が賃貸借契約に違反している場合、貸主は賃貸借契約を解除して事務所の立ち退きを求めることができます。このときは借主が原因で立ち退くことになっていますので、立ち退き料を払ってもらうことはできません。

・事務所の賃料を払っていなかった
・貸主に無断で他の人に事務所を又貸ししていた

というような場合には貸主から賃貸借契約を解除されてしまうので、このときには原則として立ち退き料を支払ってもらえません。

これらの立ち退き料を払ってもらえない場合にあたるかどうかは、法的な判断が必要なこともあります。貸主の言っていることがおかしいのではないかと思ったときは、グラディアトル法律事務所にご相談ください。

3 正当事由が足りないときには立ち退き料を支払ってもらうことができる

正当事由が立ち退きを求めるときに足りないときには、立ち退かせたい貸主から立ち退き料を支払ってもらうことができます。

立ち退き料は、足りない正当事由を補充するものになっています。立ち退いてほしい貸主は、立ち退かせるために必要な正当事由として足りない分を立ち退き料で補おうとすることから借主は立ち退き料を支払ってもらえます。

正当事由は0か100かということはほとんどありません。

正当事由が100あれば立ち退きを求めることができるものの、正当事由が今のところ60しかないというときに、貸主は40に相当するような立ち退き料を支払ってくれるのです。

4 オフィス・事務所用賃貸物件における立ち退き料の相場は300万円〜4000万円

オフィス・事務所用賃貸物件における立ち退き料の相場300万円〜4000万円となっています。

立ち退き料には決まった計算方法がありません。そのため、事務所用賃貸物件における立ち退き料の相場には幅が出ることとなります。

立ち退き料をどのようにして計算するのかは次の章で詳しく説明します。

5 事務所用賃貸物件の立ち退き料の計算方法

立ち退き料は、

・移転にかかる費用の補償
・立ち退きによって失われる利益の補償(営業権)
・立ち退きによって失われる物件使用権の補償(借家権)

を合計し、正当事由の程度によって調整して計算することになります。

立ち退き料は立ち退きを求められた借主の損失を補って、正当事由が認められるようにするためのものだからです。過去の裁判例でも、基本的にこのような計算方法をベースにしております。

しかし、正確には、法律ではこの方法で立ち退き料を計算しなければならないというものは決まっていません。したがって、事務所用賃貸物件の貸主との交渉や裁判の仕方によって、計算方法が変わることもありますので、あくまで目安としてください。

事務所用賃貸物件の立ち退き料の計算方法

以下では、立ち退き料の計算をするときの内訳についてくわしく説明します。

5−1 移転にかかる費用の補償

立ち退きをすることになれば新たな事務所用賃貸物件を賃貸しなければなりません。そのときには不動産会社に払う費用引っ越し費用などがかかります。これらが立ち退き料の一部として補償されることになります。

特に差額賃料は金額が大きくなることもありますが、差額賃料も立ち退き料の一部に含まれるということを知らない方がとても多いので注意してください。

敷金・礼金新しい事務所を契約するときの敷金・礼金として、実際にかかる費用や相場での費用です。
仲介手数料新しい事務所を契約するときの不動産会社への仲介手数料です。
動産移転費用事務所で使っている道具や什器などを新しい物件へ運ぶ費用です。
内装工事費用新しい事務所用物件でそれまでと同じくらいの内装を整えるための工事にかかる費用です。
登記費用・手続費用移転に伴って、会社の登記を変更しなければいけないときや、役所に申請をしなければいけないときにかかる費用です。
差額賃料新しい事務所に移転することによって、それまでの賃料よりも支払額が高くなってしまうときに、賃料の差額が支払われます。 おおよそ1〜3年分が支払われることが多いです。
移転雑費移転することによって名刺を作り直さなければいけないときの名刺作成費用、ホームページを改修する費用などが含まれます。

この他にも新しい事務所に移転する際に必要となる費用は、移転費用としてここに含まれます。

5−2 立ち退きによって失われる利益の補償(営業権)

新しい事務所に移転することに伴って、営業活動が止まってしまい、営業利益が下がってしまうようなときには、下がってしまう営業利益が補償されます(休業補償)。

他にも事務所移転に伴って休業したとしても、支払わなければいけない固定費が発生していることもあります。このような固定費は売上が発生しないにもかかわらず支払い続けなければいけないものですので、立ち退き料によって補償されることになります(固定費補償)。

休業補償=月額営業利益×休業期間

固定費補償=月額固定費×休業期間

注意
事務所の機能によっては、立ち退きに伴って一時的に休業したとしても営業利益が下がらないということもあり得ます(例:営業活動は可能な場合など)。そのようなときには立ち退き料としては補償されないので注意が必要です。
貸主は、事務所で借主がどのような業務をしているのか分からないことも多いので、具体的な証拠を提示して事務所が使えないと休業しなければいけないということを貸主を説得する必要があります。

5−3 立ち退きによって失われる物件使用権の補償(借家権)

事務所用賃貸物件を利用し続けること自体に金銭的な価値があるという場合には、事務所用賃貸物件を立ち退くこと自体が損失といえますので、立ち退き料によって補償されることとなります。

この利用し続ける権利の価値を借家権価格といいますが、価値として認められることはほとんどありません。

一般的には不動産鑑定士の鑑定によって借家権価格が算定されます。

5−4 正当事由の程度によって調整

借主に対する補償を積み上げたうえで最終的には正当事由の程度によって調整がされます。

正当事由がほとんどない場合には、積み上げたままの金額で立ち退き料が認められるか、少し立ち退き料が減らされることになります。

正当事由がそれなりに認められるが十分ではない場合には、一定程度立ち退き料が減らされることとなります。

どのくらいの割合減らされるかを数値化することはできないので、貸主との交渉や裁判所の判断によって決まることとなります。

5−5 事務所用賃貸物件に特有のポイントをまとめ

立ち退き料の計算方法はこれまでに説明したとおりですが、住居や店舗用物件とは違って事務所用賃貸物件に特有のポイントを理解しておくことで立ち退き料の増額をすることも可能です。

①借主が使用する必要性が低いと判断されやすいこと

事務所用賃貸物件の場合、借主がその物件を使用し続ける必要性が低いと判断されやすいです。なぜなら、立地と売上が大きく関係する飲食店などの店舗とは異なり、事務所としての利用であれば立地と売上が大きく関係するとは限らないからです。

その反面で、貸主の方がその物件を使用する必要性が高いとされ、正当事由の程度が大きいと判断されることになります。その結果、立ち退き料が低くなる可能性があります。

借主としては、立ち退き料を低くしないために、どうしてもその物件でなくてはいけないという理由や、移転してしまうと今よりも経費が多く掛かってしまうことになるという理由を、貸主に理解してもらえるように説明しましょう。

②事務所用賃貸物件には制限があること

事務所用賃貸物件の借主にとっては、移転先は事業用に使用できればどこでもいいとは限りません。

人材派遣業・不動産業 → 法令により、設置する事務所の広さなどの制限

士業 → クライアントのプライバシーを守る必要から独立した会議室が必要

事務所用賃貸物件に制限があるということは、移転先がどのような物件でもいいというわけではなく、今の賃貸物件を使用し続ける必要性があがり、その結果立ち退き料が増額される可能性があります。

貸主が借主の業態について理解をしていないこともあるので、貸主に借主の業態を理解してもらうことが重要です。

6 オフィス・事務所用賃貸物件に関する裁判例

6−1 飲食店を経営する会社の事務所の立ち退きで約4000万円の立ち退き料を認めた裁判例

【東京地判令和3年11月10日(WestLaw Japan 文献番号2021WLJPCA11108004)】
飲食店を経営する会社が事務所として借りていた物件(賃料月額56万8000円)の立ち退きを求められた裁判です。
この裁判のときには、貸主から2240万円の立ち退き料を提示されていました。

裁判所は、
・新しく借りることになる物件との賃料の差額852万円(賃料24か月分)
・礼金92万3000円(賃料1か月分)
・移転費用2300万円
・事務所を移転することで事業を一時停止せざるを得なくなることの補償750万円
などをもとに立ち退き料を4055万円とするのが相当であると判断しました。

6−2 公認会計士事務所の立ち退きで500万円の立ち退き料を認めた裁判例

【東京地判平成28年8月26日(D1-Law.com判例体系 判例ID29019881)】
公認会計士事務所が事務所として借りていた物件(賃料月額18万9750円)の立ち退きを求められた裁判例です。
この裁判のときには貸主から132万円の立ち退き料を提示されていました。


不動産鑑定士は、
・新しく借りることになる物件との賃料の差額と敷金や礼金の合計金額158万円
・公認会計士事務所の経営内容などから判断した営業損失284万円
の合計442万円の立ち退き料が相当であるという判断をしました。

しかし、裁判所は、公認会計士事務所にも立ち退きを求められている物件を使用する必要性が高いと判断し、最終的には500万円の立ち退き料が妥当であると判断しました。

これは、借主が建物を使用する必要性が高いと判断して、立ち退き料を修正した裁判例といえます。

7 事務所用賃貸物件の立ち退き交渉4STEP

事務所用賃貸物件の立ち退き交渉4STEP

STEP1 立ち退きを拒否する

貸主に事務所用賃貸物件の賃貸借契約を解約され、立ち退きを求められても、すぐに立ち退くと約束してはいけません。立ち退き料は、賃貸借契約を解約するために必要な正当事由を充たすためのお金であり、立ち退いた後には不要なもので支払われなくなってしまうからです。

貸主に対しては、賃貸借契約の解約は受け入れられず、立ち退くことはできないと回答しましょう。

STEP2 貸主の事情を聞いて、正当事由があるかどうかを話し合う

立ち退くことはできないと回答した後は、貸主が立ち退きを求める理由を確認しましょう。貸主から送られてきた書面には「老朽化のため」「自分で使用したいから」などの簡単な理由が書いてあることがあります。しかし、正当事由は借主が事務所用賃貸物件を使用する必要性も踏まえて判断する必要があるため、それだけで直ちに立ち退きを求める正当事由が認められるわけではありません。そこで、どうして立ち退きを求めているのか具体的な理由を確認する必要があります。

・老朽化しているというが、具体的にどの部分が老朽化していて、倒壊するおそれがあるのか。耐震診断は行ったのか。
・貸主が自分で使用するというが、貸主は他に使用できる物件を持っていないか
などを確認しましょう。

それから、借主が借りている事務所用賃貸物件を使用し続ける必要があることを具体的に説明しましょう。

どのような説明をすればいいかは、「5−5 事務所用賃貸物件に特有のポイントをまとめ」や以下の正当事由に関する記事をご覧下さい。

STEP3 立ち退き料の提示をする

 話し合いを続けていれば、貸主側から立ち退き料や補償金としてお金を払うことを提示してくることがあります。もしも、貸主側から立ち退き料の提示がなくても、条件次第で立ち退くことも可能だと伝え、自分で計算した立ち退き料を伝えてみましょう。

 立ち退き料の計算方法は、「5 事務所用賃貸物件の立ち退き料の計算方法」で説明しています。

STEP4 立ち退き問題の解決方法を文書で残す

立ち退き料や立ち退きの条件をすり合わせていき、貸主と借主が納得することができたら、納得できた条件を書面に残しましょう。

合意書」などのタイトルで文章を作成するのがいいでしょう。

ここではサンプルを載せておきますが、どのような合意書がいいかは、どのような事務所用賃貸物件かによって一つ一つ異なり、弁護士の専門的知識が必要です。必要な文章が入っていないことで後から話し合いを無視されたり、約束を守られないリスクがあるからです。

立ち退き合意書のサンプル

8 事務所用賃貸物件の立ち退き料を増額するための3つのポイント

8−1 貸主には立ち退きを求める正当事由がないことを説明する

貸主に対して立ち退きを求める正当事由がないことを詳しく説明しましょう。「5−4 正当事由の程度によって調整」で解説したとおり、正当事由が低いほど立ち退き料の金額が大きくなるためです。

8−2 事務所を移転するために必要な費用を細かく指摘する

いくら正当事由が弱かったとしても、積み重ねる補償の金額が低ければ立ち退き料の金額は低くならざるを得ません。

5−1 移転にかかる費用の補償」で説明したとおりですが、登記費用、移転雑費、新たな物件での駐車場の契約費用など、細かいながらも数万円〜数十万円になるものもあります。事務所の移転や立ち退きは初めてという借主も多いでしょうから、どのような費用が必要となるかは、立ち退き交渉になれた弁護士に相談をすることがオススメです。

8−3 弁護士に交渉を依頼する

弁護士に依頼することで交渉力が上がり、貸主も立ち退き料を増額させてくれる可能性が高まります。

ここまでで解説したとおり、立ち退き料の計算方法や正当事由の判断方法は、決まった方法がなく、法律や過去の裁判例の知識が必要となります。弁護士は、法律や裁判例の知識を前提に貸主に具体的な説得をして交渉を行いますので、貸主としても立ち退き料を増額しなければならないと思いやすくなります。

でも、弁護士費用がかかってしまうから増額できても、あまりメリットがないのではないかと思うかもしれません。

しかし、弁護士が交渉することで100万円以上立ち退き料が増額する場合があります。

グラディアトル法律事務所では、

・初回相談原則無料
・交渉の着手金が0円〜

となっておりますので、弁護士費用を抑えつつ、大幅な増額を目指すことも可能となっています。

9 事務所用賃貸物件の立ち退きを求められたときにはグラディアトル法律事務所に依頼

事務所用賃貸物件の立ち退きを求められたときにグラディアトル法律事務所に依頼すべき理由は以下の4つです。

①無料法律相談が可能
②交渉の着手金が0円〜
③最短即日対応可能
④ビデオ通話や電話での相談も対応可能

①無料法律相談が可能

グラディアトル法律事務所では、事務所用賃貸物件の賃貸人から立ち退きを求められたというご相談については、原則相談料無料で対応しております。弁護士に依頼することができるのかどうか分からない、どの弁護士に依頼しようか迷っているという方でも相談料を気にせずに法律相談をすることが可能です。

※賃借人に債務不履行がある場合や、既に立ち退きをしてしまった場合、他の法律事務所に既にご依頼されている場合などは、弊所相談規程に照らして無料法律相談をお受けできない場合がございます。法律相談実施前に無料法律相談の可否はご案内しますので、まずはお問い合わせください。

②交渉の着手金が0円〜

グラディアトル法律事務所では、事務所用賃貸物件の賃貸人から立ち退きを求められた際の交渉をご依頼いただくときの着手金が原則0円となっております。

弁護士に依頼するときの初期費用の心配をせずに立ち退き料の増額を目指すことができるので安心です。

詳しい費用については次のページをご覧ください。

③最短即日対応可能

グラディアトル法律事務所では、最短即日で立ち退き料に関する法律相談を行うことも可能です。

いきなり立ち退きを求められていて、すぐに相談したいという場合でも、グラディアトル法律事務所では法律相談ができます。

④ビデオ通話や電話での相談も対応可能

弁護士とのご相談はzoomを用いたビデオ通話やお電話でも可能です。

遠方でご来所いただけない場合や、都合がつかずご来所が難しい場合でもご相談をお受けすることができます。

10 Q&A

Q1 受け取った立ち退き料についての税金はどうなるか

事務所用賃貸物件の立ち退きの際に受け取った立ち退き料は、原則として事業所得等の収入金額となります。

これは、立ち退き料が、立ち退きに伴って休業することになった事業の収入や必要経費を補填するものだからです。

詳しい解説は国税庁のサイトにもありますので、そちらもご覧ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3155.htm

Q2 他の借主と一緒に交渉した方がいいのか

他の借主と協力して交渉ができるのであれば、協力した方がいいです。

なぜなら、貸主としても別々に立ち退き交渉をするよりも費用や時間を抑えることができ、その分立ち退き料という形で還元させようとなる可能性があるからです。

11 まとめ

事務所用賃貸物件で立ち退きを求められたときには、

・正当事由がなければ原則として立ち退きをする必要がない
・立ち退き料の相場は、300万円〜4000万円である
・立ち退き料は、移転費用や失われる利益で計算されて、最後に正当事由で調整がされる

ことが基本であると解説をしました。

立ち退き料をより多くもらうためには、事務所用の物件であることの特有のポイントを踏まえて、どのようにすれば立ち退き料が増額されるのかを理解して立ち退き交渉を行うことが重要です。

増額のための3つのポイント

・貸主には立ち退きを求める正当事由がないことを説明する
・事務所を移転するために必要な費用を細かく指摘する
・弁護士に交渉を依頼する

この記事に書いてあることを実践することで慣れない立ち退き交渉でも立ち退き料の金額を上げることも可能です。

グラディアトル法律事務所では、事務所用賃貸物件の立ち退き交渉に力を入れて取り扱っておりますので、是非とも一度ご相談ください。