「トレントは違法なの?」
「自分の使い方は、違法なケースに該当するの?」
トレント(BitTorrent、μトレント)の違法利用を訴えるケースや、逮捕される事案が増えていることもあり、今更ながら、違法な使い方をしてしまっているかもしれないと不安を抱えているのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、トレント自体に違法性はないため、正しい使い方をしていれば心配はいりません。
実際、ビジネスシーンでも利用されることがあります。
しかし、アニメ、漫画、AVなどの著作権コンテンツをダウンロード(アップロード)したときは違法となってしまいます。
そして、多くの方がトレントを違法に利用しているのが現状です。
トレントは、P2P(特定のサーバーを持たず、トレントのネットワークに参加しているユーザー間でファイルを共有する)方式を採用したソフトウェアです。
ダウンロードすると同時にアップロードもされるような仕組みとなっています。
「ダウンロードしかしていないのに…」とあなたに心あたりがなくても、知らない間にアップロード側としても著作権を侵害してしまいます。最悪の場合、トレントによる違法利用で高額な解決金を求められたり、重い罪を問われたりするのです。
そこで本記事では、トレントの違法なケースや仕組み、トレントの違法利用が発覚した場合のリスクなどについて詳しく解説します。
最後まで読めば、トレントの利用で万が一、違法利用をしていた場合に取るべき対策がわかるはずです。
逮捕や高額な解決金の支払いリスクを下げるために、あなたのお役に立てれば幸いです。
トレント自体は違法ではない!トレントで違法になる仕組み
冒頭でもお話しした通り、トレント(BitTorrent)では、ダウンロードをするだけで違法アップロードも行ってしまいます。
トレントのダウンロードが違法行為となるのは、BitTorrentやShareをはじめとするファイル共有ソフトでは、P2P(ピアツーピア)方式が使われているからです。
P2Pとは、ユーザー同士が直接ファイルのやり取りを行う方式のことをさします。
例えば、あなたがダウンロードしたファイルを欲しいユーザーがいると、知らない間にトレントのネットワークとして貢献し、自動的にあなたもファイルをアップロードする側になってしまいます。
特にトレントは、容量や通信の負担を減らすため、1つのファイルがパズルのように細かく分割されています。
たとえば、映画コンテンツの場合、「設定(起)」「展開(承・転)」「解決(結)」の内容ごとにファイルをダウンロードして1本の映画にするようなイメージです。
分割されたファイルは、網の目のように繋がったユーザー間で共有され、それぞれのファイルをダウンロードをすることで、あなたのデバイス上で1つのファイルが合成されます。
つまり、細分化された違法コンテンツを1つでもダウンロードすると、ファイルを形成するパーツの1つを保有していることになり、他の人にもダウンロードされやすくなります。
「BitTorrent は使っていない、マイクロ(μ)トレントなら使っている」という場合でも、クライアントが違うだけで結局同じ仕組みなので、違法です。
ダウンロードだけでも違法ですが、アップロード側にもなることで、より罪が重くなります。
トレントで違法になるケースは「著作権コンテンツをダウンロード(アップロード)」したとき
先述通り、トレントの仕組み上、著作権コンテンツをダウンロードした時点で、違法行為をしていることになります。
著作権コンテンツは、以下のようなものが挙げられます。
トレント自体は違法ではありませんが、漫画やアニメ、AVなどの著作権コンテンツをあなたがダウンロードすると、同時にアップロードすることになってしまいます。
トレントで著作物をアップロードすることは、著作権法の関係でいえば、主に公衆送信権・送信可能化権(著作権法23条)を侵害する違法行為になります。
なお、著作権コンテンツを違法にダウンロード・アップロードしたときの刑事罰は下記のとおりです。
違法ダウンロードより、違法アップロードの方が、さらに罪が重くなってしまうことがおわかりいただけたでしょうか。
トレントで違法利用が発覚したときのリスク3つ
ここまで紹介したトレントの仕組みを理解せずに利用をすると、知らない間に違法利用をしてしまうことは、お分かりいただけたと思います。
万が一、トレントで違法利用をしていた場合、次のようなリスクが生じるかもしれません。
以下で詳しく解説します。
発信者情報開示請求により特定される
1つ目は、著作者に発信者情報開示請求をされ、違法アップロードの犯人として特定されて、逮捕や訴訟につながるリスクがあることです。
トレントの場合は、P2Pファインダー等の調査ツールや、torrentモニタリングシステムで特定されることが多いです。
仮に、あなたが意見照会書に同意せず、任意開示に応じなくとも、著作権者は発信者情報開示請求訴訟に踏み切り、裁判所により開示の判決がくだされることがあります。さらに、調査ツールは高い信頼性が認められているので、著作権者が証拠として出せば、すぐに開示の判決がでてしまうでしょう。
実際、2020年10月に、東京地方裁判所がトレントを利用して大量の音楽ファイルを違法にアップロードした45のIPアドレスの利用者の発信者情報を開示するよう命じる判決を下しています。
また、上記のことは、当然プロバイダも把握しています。
あなたが応じても応じなくても、プロバイダの判断で発信者情報開示の任意開示(裁判手続きなしで請求できる民事上の請求権)に応じ、違法ダウンロード(アップロード)行為が特定されることもあります。裁判手続きを経て裁判の結果開示が認められ、プロバイダがそれに応じて開示をすることもあります。
損害賠償請求される
2つ目のリスクは、トレントの違法利用により著作権を侵害したことで、著作権者から損害賠償請求をされる可能性があることです。
損害賠償請求は、著作権の侵害行為に対する救済措置のひとつです。損害額については、法律により算定規定が設けられています。
上記は、損害額の算定方法の一つの目安です。
トレントの場合、「漫画なら印税、AV なら著作権者がコンテンツの販売してもらえる金額 × ダウンロード数(共有数)」で計算されます。漫画全巻などだと、大勢の人にダウンロードされることで、1,000万円を超えるような高額請求を主張されることもあります。
トレントの性質上、大勢の人とファイルを共有して著作権侵害をしてしまうため、その大勢の人との間に共同不法行為が成立する可能性があります。
(共同不法行為者の責任)
第七百十九条 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
2 行為者を教唆した者及び幇ほう助した者は、共同行為者とみなして、前項の規定を適用する。
共同不法行為の場合、他にも同じコンテンツをダウンロード(アップロード)した人が大勢いても、相手は誰か一人に全額損害賠償請求をすることができます。
極端な話、1万人がアップロードに加担していても、あなたが1000万請求されて「1万分の1にしてほしい」と言っても通りません。
逮捕や前科がつく
3つ目のリスクは、著作権者の告訴や、警察や文化庁のサイバーパトロール(インターネット上を巡回して、違法や犯罪行為を監視すること)により、逮捕され、刑事責任を追及される可能性があることです。
著作権を侵害した人に対し、「10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金」が科せられるため、最悪の場合には、逮捕や前科がつく可能性があります。
トレントで逮捕されるケースや逮捕事例、「トレントでは逮捕者は少ない・二次放流者は逮捕されない」というデマを信じるのが危険である理由、逮捕を避ける方法についての詳細は、以下の記事をご参照ください。
トレントの違法利用はIPアドレスでバレて意見照会書が届く
トレントによるリスクを紹介しましたが、バレないのではないかと思っている人もいるでしょう。
結論からお伝えすると、トレントの違法利用はIPアドレスによってバレる可能性が大いにあります。
IPアドレスは、あなたのパソコンの住所を表すようなもので、トレントでの行動履歴が丸わかりです。発信者情報開示請求によってIPアドレスを特定されれば、基本的にあなただとバレてしまいます。
また、トレントは特殊なパターンです。
P2PファインダーやBittorent等の調査ツールを使ってIPアドレス等が特定されて、プロバイダから発信者情報開示に係る意見照会書が届くケースも少なくありません。
【実際にトレントの違法利用で届く意見照会書の例】
ただし、トレントの違法利用をしても、すぐにモーションがあるわけではありません。
作者側は、犯人を特定するまでに時間がかかるため、トレントの違法利用に対するリスクは、数ヶ月後などの忘れた頃に、遅れてやってきます。
トレントの違法利用における逮捕は、件数が多いわけではありませんが、実際、ここ数年でトレントの違法利用に対する見せしめ逮捕はあります。
もし心当たりがあるなら、すぐに損害賠償や逮捕などの最悪の事態を避けるためにも、弁護士へ相談することをおすすめします。
トレントの違法利用による一斉摘発・逮捕事例3つ
近年は、「漫画」「アニメ」などの有名作品や音楽、AVの摘発が多い傾向です。
「トレントの違法利用は、数か月も前だし…連絡が来ていないから大丈夫だろう。」と思うかもしれません。ですが違法利用はバレる可能性があり、1〜2年経ち、忘れた頃に摘発されることがあります。
実際、トレントの違法利用によって摘発されるというケースが起こっています。
BitTorrentで自分が編集したアニメ動画を公開していた事例
ファイル共有ソフト「BitTorrent」を使用し、テレビアニメの映像制作会社に許可を得ず公開していた事例です。
人気アニメタイトルということもあり、アニメ1作品だけで250件も違法ダウンロードされており、被害額は約3500万円と指定されています。
逮捕となった日は2019年4月15日ですが、逮捕容疑は2018年9月5日の違法アップロード行為です。
トレントで違法アップロードをした日から、約7か月間もの期間が空いて逮捕となっており、忘れたころに摘発されることがある典型的な例と言えるでしょう。
参考:日経新聞「アニメ動画を違法公開 容疑の男逮捕 被害18億円」
BitTorrentでCDアルバムやパッケージを多数アップロードしていた事例
ファイル共有ソフト「BitTorrent」でCDアルバムやパッケージを多数アップロードをしていた事例は、警察庁の「ファイル共有ソフト等を使用した著作権法違反事件の一斉集中取締り」がきっかけで摘発されました。
警察庁の一斉集中取締りは、2009年から度々実施されており、著作権法違反行為の撲滅のための一斉摘発が活発になっています。
参考:一般社団法人日本レコード協会「プレスリリース(2016.02.22)」
μTorrentでインターネット上に音楽ファイル等を公開して摘発された事例
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の告訴により、ファイル共有ソフト「μTorrent」を使って、違法に音楽ファイルなどを公開していた男性5名を逮捕した事例です。
JASRACが、「Bit Torrent」をはじめとしたファイル共有ソフトを悪用した人を特定し、告訴する初のケースとなりました。
逮捕されたのは、大学生2名(いずれも21歳)、高校生(当時、18歳)、アルバイト2名(22歳と33歳)という若年層です。
若年層による著作権の侵害行為が浮き彫りとなり、警察なども対応を強化しています。
参考:一般社団法人日本音楽著作権協会「ファイル共有ソフト『μTorrent』を用いた著作権侵害 音楽ファイルの違法アップロード者5名を告訴」
トレントの違法行為で意見照会書が届いた人は弁護士に相談しよう!
「トレントで違法行為をしたかもしれない」
「すでに発信者情報開示に係る意見照会書が届いた」
このようなトレントの違法利用に心当たりがある人は、早く弁護士へ相談しましょう。
とくに、意見照会書が届いたり、著作権者から訴えられたりしている場合は、丁寧な対応が必要です。不安かもしれませんが、回答書に「同意」しなければ、後に高額な損害賠償請求や逮捕されるリスクが上がるからです。
弁護士によって離婚や交通事故など、得意分野は異なりますが、中でもトレントはかなり特殊なインターネットトラブルです。
類似の案件の実績が豊富にあり、高額な解決金を請求されても、権利者を納得させて減額に導ける交渉術や知見を持った弁護士に依頼する必要があるのです。
弁護士事務所の中には、無料相談を受け付けているところもあります。無料相談をうまく活用して、トレントの違法利用における不安を解消し、損害賠償や逮捕といった最悪の事態へ発展するのを防ぎましょう。
トレントの違法利用で心配や不安がある人はグラディアトルへお任せください
トレントを違法利用したことで、不安を抱える人や、緊急度が高い人は、ぜひ弊所グラディアトル法律事務所へご連絡ください。
私たち、グラディアトル法律事務所は、相談者を守るための攻め提案を行い、一緒に戦う法律のプロ集団です。
数ある法律事務所の中からグラディアトル法律事務所をおすすめする理由は、あなたの利益を勝ち取り、トレントの違法利用における不安や心配にも寄り添う体制が整っているからです。
以下で詳しく解説します。
トレントの違法利用の解決実績200件以上!訴える側の事情にも精通している
グラディアトル法律事務所は、トレントの違法利用を含むインターネットトラブルを200件以上解決してきた実績があります。
相手に響きやすく納得してもらいやすい進め方や、請求額を減らすための法律的な理屈を駆使し、解決金の金額を最大限抑えられるように尽力します。
また、訴えられる側だけでなく、訴える側の事情にも精通しています。
訴える側の事情にも精通しているため、相手が取る対応方法の見通しもつきやすく、あなたがより有利になるような提案やアドバイスで、解決や不安の解消へ導きます。
インターネット分野や著作権法に詳しい弁護士が揃っている
私たちはインターネット分野の犯罪や弁護に関するメディアインタビューなども受けており、インターネットやサイバー犯罪などにも詳しい弁護士が揃っています。
・トレントのような特殊なファイル共有ソフトに関する知識
・複数人が関係する事案の場合の、責任の所在
・著作権絡みで違法になるケース/ならないケースなど
専門的な知識が求められる場面で、しっかりとサポートすることができるのは、弊所の大きな強みです。
LINE相談OK!24時間365日全国から相談を受け付けている
グラディアトル法律事務所では、メールや電話での相談に加え、LINEを活用した相談にも対応しています。
相談は、24時間365日可能で、東京、大阪、新潟を含めた、全国から相談を受け付けており、お住いのエリアにとらわれることなくご相談いただけます。
ただでさえ、トレントの利用で不安なのに、弁護士と話すことはさらにハードルが高いですよね。
LINEなら、あなたの思い立ったタイミングで好きなときにご相談いただけます。
トレントでは、意見照会書に返信して相手から返答が来るまでに、少し時間がかかることがあります。
待つ間、不安でどうしたらよいか分からなくなるときも、私たちはあなたの味方です。ささいなことでも、いつでもご相談ください。
まとめ
トレントで違法になるケースや、違法利用した場合のリスクなどについて見てきました。
トレント自体に違法性はないものの、誤った使い方をしてしまうと、高額な損害賠償を請求されるだけでなく、逮捕や前科がつく可能性もあります。
最悪の事態を防ぐためにも、トレントの違法性についてもう一度おさらいしていきましょう。
◎トレントで違法になるケース
トレントは、ダウンロードをすると同時にアップロードする仕組みです。
著作権コンテンツを違法ダウンロードをした時点で、違法アップロードをしていることになるため、知らない間に違法行為をしている可能性があります。
◎トレントの違法利用が発覚したときのリスク
トレントの違法利用をしていた場合、民事では損害賠償請求、告訴や警察のサイバーパトロールで発覚した場合は、刑事事件として逮捕や前科がつく可能性があります。
トレントの違法利用は、民事と刑事の両方を受けるという最悪のケースもあるため、心当たりがある場合は、弁護士へ相談するのがベストです。
グラディアトル法律事務所では、トレントの違法利用をはじめとしたインターネット関連の解決実績が200件以上あり、インターネット分野に精通した弁護士が揃っています。
訴える側の弁護経験があるため、相手が納得する着地点や話し合いの運び方など、訴える側の事情や心情をくみ取った提案やアドバイスも可能です。
24時間365日相談を受け付けており、LINE相談にも対応しておりますので、あなたのタイミングや方法で、ご相談ください。
トレントの違法利用における損害賠償や逮捕などの不安・心配を回避するために、これまで培った解決実績のノウハウを生かして、全力であなたに寄り添い、守り抜きます。