「違法ダウンロードをしてしまった…。逮捕されてしまう?」
「違法ダウンロードに心当たりがあるけれど、連絡きていないなら大丈夫?」
違法ダウンロードをしてしまい、このような不安や心配を抱えながらも、今からでも間に合うのであれば、できることをしたいと思って読んでいるという人もいるでしょう。
結論から言うと、違法ダウンロードだけで逮捕されるケースはあまり見られません。
令和4年版 犯罪白書によると、令和2年(2020年)サイバー犯罪の総数は8,703件でしたが、違法ダウンロードを含む著作権法の検挙数は363件です。
サイバー犯罪の検挙数うち、著作権法違反は全体の4%ほどしかなく、363件は違法アップロードなども含む件数であるため、違法ダウンロードで逮捕されるケースは少ないと言えるでしょう。
しかし、注意しなければならないのが「逮捕されないわけではない」ということです。
インターネット上で配信・販売されている音楽や映像と知りながら、違法にダウンロードをした場合、刑事罰の対象=逮捕される(権利者からの告訴が必要)からです。
また、ファイル共有ソフトの中には、ダウンロードと同時にアップロードをしてしまうものがあります。Share(シェア)、BitTorrent(ビットトレント)、Winny(ウィニー)は、その代表格です。
シェアやトレントなどで入手できる音楽や映像は、そのほとんどが違法に流通しているものです。
ただダウンロードをしたつもりでも、意図せずアップロードをしてしまい、逮捕されるケースもあるため、違法ダウンロードに心当たりがあるのであれば、逮捕の可能性が残ります。
そこで本記事では、違法ダウンロードで逮捕される可能性やリスクの高いケース、万が一のときの対処法を解説します。
本記事を最後まで読めば、然るべきタイミングに逮捕を回避する対処や行動を取り、逮捕や高額な損害賠償金を支払う可能性を下げられるようになります。
違法ダウンロードの逮捕について理解を深め、目に見えない不安や心配を解消しましょう。
違法ダウンロードで逮捕される可能性は少ない!
冒頭でもお話しした通り、違法ダウンロードで逮捕されるケースは少ないのが実情です。
実際、令和4年版 犯罪白書によると、令和2年(2020年)サイバー犯罪の総数は8,703件に上ります。
しかし、違法ダウンロードを含む「著作権法違反」による検挙数は、363件しかありません。
363件は、違法アップロードなども含む件数であるため、違法ダウンロードのみで考えると、さらに少ない状況です。
違法ダウンロードでに逮捕者が少ない理由としては、次の3つが挙げられます。
【理由①】違法ダウンロードは「親告罪(権利者からの告訴が必要)」だから
違法ダウンロードによる逮捕者が少ない1つ目の理由は、権利者が告訴(犯人に対して刑事処罰を求める意思表示)をしないと捜査が進まない「親告罪」であることが挙げられます。
権利者が告訴するためには、犯人であることを立証する証拠を集め、手続きしなければなりません。
インターネットの証拠集めや、違法ダウンロードを知っていたということを立証するのは難しく、時間も手間もかかります。
そのため、やむを得ず告訴をあきらめたり、泣き寝入りしたりする権利者が多く、違法ダウンロードで逮捕される可能性が少ないと考えられます。
【理由②】違法アップロードのほうが取り締まりの対象になりやすいから
違法ダウンロードで逮捕されるケースが少ない2つ目の理由は、違法ダウンロードよりも違法アップロードのほうが取り締まりの対象になりやすいためです。
違法ダウンロードできる状態が続く限り、損害は拡大します。
著作物をダウンロードされ続けるという負の連鎖を止めるためには、違法アップロードを取り締まるほうが、効率よく被害拡大を防ぐことができます。
そのため、違法アップロードと比べると、違法ダウンロードによる逮捕の緊急度は低くなりやすく、逮捕件数は少ない傾向となっているのです。
【理由③】違法ダウンロードによる逮捕の時効が3年だから
違法ダウンロードで逮捕される件数が少ない理由の3つ目は、時効が短いことが挙げられます。
刑事事件として処理された際に追及される著作権侵害の罰則は、3年が時効です。違法ダウンロード行為をしたタイミングからカウントして3年となっています。
先述の通り、違法ダウンロードは発見や特定に時間がかかり、捜査を進めるためには手続きも必要です。時効が過ぎて、逮捕されないケースも少なくないのです。
違法ダウンロードで逮捕される可能性が高いケース2つ
先述の通り、違法ダウンロードの逮捕者は多くありません。しかし、違法ダウンロードで逮捕されない訳ではありません。
違法ダウンロードによる取り締まりは強化され始めており、違法ダウンロードに対する法律も厳しさを増しているからです。では、何をすると違法ダウンロードで逮捕されるのでしょうか。
具体的なケースとしては、次の2つが挙げられます。
Torrent(トレント)やShare(シェア)などファイル共有ソフトを使用したとき
トレントやシェアを代表するP2P方式のファイル共有ソフトを使って違法ダウンロードをした場合は、逮捕される可能性があります。
なぜなら、違法なコンテンツをダウンロードした時点で、アップロードされてしまう仕組みだからです。
一般的なサーバータイプでは、あなたがアップロードをしない限り、サーバー上にファイルが保管されることはありません。
しかし、P2P方式のファイル共有ソフトは、あなた自身がサーバーのような役割を担うことになり、誰かがダウンロードすると、あなたも違法アップロード者になってしまうのです。
「ダウンロードをすると、アップロードされる仕組みとは知らなかった!」
このような思いがあるかもしれませんが、現在、著作権法では違法コンテンツとわかっていながらダウンロードをすることも違法とされています。
そのため、違法ダウンロードをしている時点で、バレたときに知らなかったと言っても許されず、逮捕されてしまう可能性があります。
ファイル共有ソフトでの違法ダウンロードでは、p2p Finderなどにより、すでに証拠を確保されている可能性が高く、削除しても発覚してしまいます。
こちら側に有利な証拠が残されている可能性もあるため、まずは弁護士に相談しましょう。
児童ポルノをダウンロードしたとき
違法コンテンツと知りながら、児童ポルノをダウンロードしたときも逮捕される可能性が高いです。
児童ポルノの場合、所持しているだけでも罪を問われるためです。
特に児童ポルノの場合、違法ダウンロードと違法アップロードによる逮捕だけでなく、児童ポルノの所持でも逮捕される可能性があり、よりリスクが大きいと言えるでしょう。
違法ダウンロードの逮捕事例2つ
実際に、違法ダウンロードがきっかけで逮捕された事例を見ていきましょう。
違法ダウンロードでゲームソフトを入手して海賊版を複製・販売した事例
2019年(令和元年)11月27日に、海外の違法アップロードサイトを通じて、ゲームソフトウェアを入手し、無断で複製して、海賊版を販売したとして男性が逮捕された事例です。
宮城県警の捜査員によるサイバーパトロールで発見され、警察が著作権者へ連絡して事件処理されています。
警察の調べでは、平成30年3月から同年4月の1か月間の間に、約250万円(海賊版及び同梱した周辺機器含む)も売り上げていたとみられています。
出典:一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)「ダウンロードして入手、ゲームソフトの海賊版を販売した男性逮捕」
ファイル共有ソフトでアニメ動画を公開して著作権法違反で逮捕された事例
2021年(令和3年)11月24日に、ファイル共有ソフトのひとつであるBitTorrent(ビットトレント)を使用してアニメやテレビ番組を違法アップロードした男性3名が摘発された事例です。
トレントは動画を保存すると同時にアップロードされる仕組みのため、知らない間にアップロードをして逮捕されてしまったのです。
実際、逮捕された3人は面識がなく、トレントを利用して人気アニメの映画をダウンロードして視聴していただけでした。
出典:グラディアトル法律事務所 弁護士コラム「BitTorrent(ビットトレント)などファイル共有ソフト(P2P)での違法アップロードをめぐる発信者情報開示請求やその対処法」
違法ダウンロードで逮捕されたときの刑事罰
違法ダウンロードで逮捕され、起訴されてしまうと、刑事罰を受けることになります。
違法ダウンロードの場合、2年以下の懲役、200万円以下の罰金、その両方となっています。
違法アップロードは、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金またはその両方であるため、刑事罰の重さとしては約5倍です。
また、もしも前科がついてしまうと、賞罰欄のある履歴書には書かないといけません。面接で聞かれたら基本的には言わないといけないし、海外旅行の際に入国できないケースもあるのです。
違法ダウンロードで逮捕されるまでの一般的な流れ
違法ダウンロードで逮捕される可能性が高いケースや事例を紹介しました。
中には「身に覚えがあるものの、何も連絡はないということは大丈夫でしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、違法ダウンロードは、すぐに逮捕されるわけではありません。
先ほどお話しした通り、違法ダウンロードは、権利者が告訴をしないと捜査が進まない「親告罪」です。
発信者情報開示請求の書類は、以下のような流れで手元に届くため、すぐに連絡が来ないことがあります。
著作権者側が発信者情報開示の手続きをして、違法ダウンロードの犯人であるあなたを特定してから刑事告訴する場合には、上記のような流れを経て逮捕されます。
警察が捜査により違法ダウンロード者を特定する場合には、少し違う流れにはなりますが、警察の捜査課程も似たような調査過程を経ることが多いです。
前者の場合、発信者情報開示請求(開示請求)から順に手続きを進めていく必要があり、逮捕まで時間がかかるケースがほとんどです。すぐに逮捕となるわけではないため、今何も連絡がないからといって安心できません。
実際、違法ダウンロードをしてから6か月~1年ほど経過して、開示請求が届くこともあります。
詳しくは次章でお話ししますが、違法行為が事実である場合、開示請求からは逃れられません。適切な行動を取らなければ、逮捕されるだけでなく、高額な解決金(損害賠償金や示談金など)を支払うことになります。
逮捕の流れを把握し、然るべきタイミングに逮捕されないための行動をして、前科を避けることが非常に重要と言えます。
違法ダウンロードで逮捕されないための対処法2つ
もし、違法ダウンロードに心当たりがあり、すでに発信者情報開示請求に係る意見照会書が届いているという人は、逮捕を回避する行動を取るべきです。
特に、発信者情報開示請求があった場合は、逮捕のステップへ進んでしまうリスクが高いため、以下の具体的な対処法2つを参考に、すぐに行動することをおすすめします。
発信者情報開示の意見照会書が届いても不同意や無視はしない
発信者情報開示請求の意見照会書(発信者情報の開示可否を尋ねるための書類)は、勝手な判断で不同意にしたり、無視したりしないでください。
開示請求の回答書の対応は、「同意」「不同意」「無視」の3種類です。
この段階で違法ダウンロードに詳しい弁護士への相談をお勧めします。
自分で対応する場合でも、違法ダウンロード行為が事実であれば、「同意」で回答するようにしましょう。
違法ダウンロードが事実の場合、逮捕を回避するには、示談交渉へ持ち込むことが理想です。
交渉へ持ち込み、逮捕を回避してスムーズに解決するためにも、手元に発信者情報開示請求が届いたら、不同意や無視をせず、期日までに「同意」しましょう。
発信者情報開示請求の回答について不安がある場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。
逮捕される前に著作権者と示談交渉を行う
逮捕を回避するには、権利者と話し合って示談にする必要があります。相手が許してくれれば、逮捕の請求を取り下げてくれる可能性があるためです。
逮捕されてしまうと、身柄は拘束され、社会的な影響が免れません。
示談交渉は、自分自身でもできますが、法律的な知識が必要になるケースがほとんどです。
話し合いがスムーズに進まず、相手の条件を鵜呑みにするような状況になると、逮捕を回避できたとしても、高額な示談金を支払うことになる可能性もあります。
より良い条件で示談交渉を行い、できる限り穏便に和解したいと考えるのであれば、弁護士へ相談した上で、示談交渉を進めるのがおすすめです。
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まとめ
近年、違法アップロードのみならず、違法ダウンロードについての取り締まりが強化されており、著作権を守る動きが活発化していることもあり、告訴される件数も増加傾向にあります。
改めて、違法ダウンロードの逮捕についておさらいし、最悪の事態を防ぎましょう。
◎違法ダウンロードで逮捕される可能性は少ない
違法ダウンロードは、権利者が告訴しないと捜査が進まない親告罪です。
訴える側の手続きには時間も手間がかかる上、3年が時効です。また、違法アップロードを止めなければダウンロードされ続けるということもあり、違法ダウンロードでの逮捕は少ない傾向があります。
◎違法ダウンロードで逮捕される可能性が高いケース
違法ダウンロードによる逮捕ケースは少ないですが、逮捕される可能性はあります。事例でも紹介した通り、ファイル共有ソフトなどを使った違法ダウンロードで摘発されているため、もし心当たりがあるのであれば、すぐに弁護士へ相談することをおすすめします。
違法だと知りながら、「無料で楽しめる」「節約できる」などの軽い気持ちでダウンロードしただけかもしれませんが、罪の重さに変わりはありません。
ですが、逮捕される前に適切に対処し、権利者との示談交渉へ持ち込むことができれば、前科や高額な損害賠償請求をされるという未来を防げる可能性があります。
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