就職・転職者から厚い支持を得ているOpenWork。企業目線に立ってみれば、いい口コミのおかげで応募数が増える反面、ネガティブな口コミのせいで人手不足に陥るリスクもはらんでいます。
「OpenWorkのネガティブな口コミを削除したい」
「実態とかけ離れた悪質な口コミを消したい」
口コミはネガティブな内容の方が投稿されやすいため、このような悩みを抱えている企業は少なくないはずです。
そこで本記事では、OpenWorkに投稿されたネガティブな口コミの削除方法について解説します。OpenWorkに問い合わせても口コミが削除されない場合の解決策も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
OpenWork(旧Vorkers)とは
OpenWorkとは、企業の口コミが掲載されている情報サイトです。Vorkersというサービスからスタートし、今では就職・転職者の必需品といえるまでに成長しました。
また、現在は口コミだけでなく、企業情報や求人など、仕事にまつわるさまざまな情報が記載されています。
就職・転職者からの支持が厚い
OpenWorkは就職・転職者からの支持が厚いです。
事実、国内最大規模の口コミ数を誇り、2023年1月時点では約535万人(※)の会員数を突破しました。
※「OpenWork、23卒学生ユーザー数が過去最多の28.1万人に到達しました」|OpenWork
就職・転職活動はどれだけ正確な情報を集められるかが成功の鍵を握ります。なかでも従業員の口コミは企業のリアルを垣間見れるので、とても価値が高いのです。
OpenWorkでは、虚偽の情報が記載されないように工夫されており、口コミの内容も担保されています。そのような点が就職・転職者に支持されていると考えられます。
企業名で検索した際に上位表示されやすく多くの人の目に留まりやすい
上位表示とは、Googleなどの検索エンジンでキーワードを入力した際、検索結果の上のほうにWebサイトが表示されることを意味します。
OpenWorkのサイトは、企業名で検索した際に上位表示されやすい傾向にあるため、就職・転職活動を行っているOpenWorkユーザーだけでなく、多くの人の目に触れる可能性があります。
口コミ自体はユーザー登録しないと閲覧できませんが、Googleアカウントで簡単に登録できます。
登録せずとも、その企業の評価点数は見ることができます。
よい評価が多ければ、企業イメージにとってプラスに働きますが、悪い口コミが散見されている状態であったり、他の企業よりも著しく評価点数が低かったりすると、企業イメージの低下にもつながりかねません。求職者だけでなく、取引先や顧客などもOpenWorkの口コミに接する機会があることを理解しておきましょう。
OpenWorkの口コミにネガティブな投稿がされやすい理由
OpenWorkにネガティブな口コミが投稿されやすいのには理由があります。それは現職だけでなく、退職者も口コミを投稿できる仕組みだからです。
企業を辞めるということは、キャリアアップのためなどの前向きな転職もありますが、多くの場合、少なからず企業の在り方や、職場環境、待遇などに不満があるものです。また、企業に対してまったく不満がなかったとしても、その不満がないことをわざわざ口コミとして投稿することは稀でしょう。
OpenWorkは転職するタイミングで利用するので、「現職への不満が浮き彫りになったタイミング」と「不満を投稿するタイミング」が重なり、OpenWorkにネガティブな口コミが集まりやすくなってしまうのです。
さまざまな企業のネガティブな口コミを見てみると、改善点を的確に指摘しているものもありますが、従業員の不満としか思えない内容のものもあります。
OpenWorkに投稿された悪質な口コミによるリスク
ここでは、OpenWorkに悪質な口コミが投稿された場合、どのようなリスクがあるのかを解説します。
具体的には以下のとおりです。
・従業員の就業意欲の低下
・応募者の減少
・ブラック企業と誤解される
・取引先や顧客からのイメージ低下
・企業イメージの低下による業績への影響
それぞれ詳細を解説します。
従業員の就業意欲の低下
悪質な口コミは従業員の就業意欲の低下を招きます。その従業員が現状に満足していなかった場合、「私も転職しようかな」という気持ちに拍車をかけますし、満足している場合でも、「もしかして他の会社のほうが待遇がいいの?」という疑念を与えてしまうからです。
また、勤め先のネガティブな情報が広まることで、従業員の自社へのエンゲージメントが低下し、生産性の低下や離職率の増加につながるといった懸念も考えられます。
応募者の減少
ネガティブな口コミは応募者の減少に直接的な影響を与えるでしょう。OpenWorkは、就職・転職時の必需品とまでいえるサービスに成長しました。非常に多くの求職者が利用しています。
そのようなサービス上でネガティブな口コミが目立つと、「この企業に応募するのは辞めておこう」と求職者が考えるのは自然な流れです。また、志望企業としての優先度が下がってしまったり、内定辞退が増えてしまったりすることも容易に考えられます。その結果、一人当たりの採用コストが高くなり、企業経営を圧迫しかねません。
ブラック企業と誤解される
悪質な口コミは、ブラック企業という誤解を与える可能性もあります。「ネガティブな口コミが多い=従業員の不満をそのままにしている企業」と判断されてしまうからです。
ここでポイントなのは、ネガティブな口コミの真偽を社外の人間は容易に判断できない点です。口コミの内容が真実とかけ離れていても、求職者がそれを知るすべはありません。
口コミの内容を鵜呑みにしなくとも、そういった疑念を抱かれてしまう可能性はあるでしょう。
取引先や顧客からのイメージ低下
ネガティブな口コミは取引先や顧客にも悪影響を与えます。
OpenWorkでのよくない口コミを取引先が知ってしまった場合、「このまま一緒に仕事をしても大丈夫か?」と不安になるのは自然な流れです。すぐに取引停止になることはないでしょうが、今後の関係性に影響を与える可能性はあるでしょう。
また、一般の消費者を相手にする企業の場合も注意が必要です。「従業員が悪い口コミを書いている」ということは、職場環境がよくない会社と判断される可能性があります。企業イメージやブランド価値の低下により、ライバル会社の商品に鞍替えしてしまう顧客も出てくるでしょう。
企業イメージの低下による業績への影響
OpenWorkの口コミで、経営の杜撰さや、取引企業とのトラブルを匂わせるような投稿があると、それが新規取引を見合わせる判断材料となる可能性もあります。また、取引先や消費者の信用を失うことにもつながるでしょう。
企業イメージの低下により同業他社に優秀な人材が流れてしまうだけでなく、在籍社員の引き抜きにかかる競合他社が出てくるかもしれません。その結果、企業競争力が低下し、長期的には業績の悪化にまで影響を及ぼすことも考えられるのです。
OpenWorkの利用規約とレポート回答ガイドライン
OpenWorkの口コミを削除するためには、利用規約とレポート回答ガイドラインについて把握しておく必要があります。利用規約やレポート回答ガイドラインに違反した投稿は、削除対象となる可能性が高いからです。
利用規約で押さえておくべきポイントは、「第11条:ユーザーの禁止事項」です。具体的には以下のとおり。
虚偽または不正確な情報を入力する行為。
当社を含む特定の企業、組織に利益または不利益を与えることを目的とした情報を発信する行為。
第三者を誹謗、中傷し、名誉、プライバシーを傷つける行為またはそのおそれのある行為。 など
(引用:利用規約「第11条:ユーザーの禁止事項」|OpenWork)
レポート回答ガイドラインは、よりわかりやすい項目が記載されています。具体的には以下の通りです。
・実際に働いた経験を元に投稿してください
・職場環境や組織体制、社内風土について投稿してください
・社会人としてマナーを守った投稿をお願いいたします
・企業や他者に対する誹謗中傷や威力妨害など不適切な投稿は禁止しています
・企業の制度や組織体制に対して大げさに決めつけた表現はお控えください
・その他不正行為と思われる投稿も禁止しています
たとえば、「○○という部署で経費の使い込みがあったが、会社はそれをもみ消した」などは、「企業や他者に対する誹謗中傷や威力妨害など不適切な投稿」に該当します。
OpenWorkに投稿された口コミの削除方法
ここでは、OpenWorkに投稿された口コミの削除方法で最もオーソドックスなのは、不適切な口コミとして報告することです。
以下の情報を記載し、必要書類を添付したメールをOpenWork宛て(contents_csr@openwork.co.jp)に送信してください。
【記載する情報】
1、申請者の「企業名」「住所」「部署・役職」「氏名」「メールアドレス」
2、掲載されている場所(URL)
URLが記載されず、クチコミが特定できない場合対応いたしかねます。
「回答日」および「回答者」の情報が特定できる以下いずれかのURL形式を推奨します。
・ クチコミの記事URL
https://www.openwork.jp/one_answer.php?vid=●●●●●●&qco=●
対象クチコミの右下に表示されている「記事URL」をクリックし表示されたページのURLをコピーすると取得可能です。
・「回答者別の社員クチコミ」ページのURL
https://www.openwork.jp/user_answer.php?vid=●●●●●●
3、掲載されている情報
4、侵害されたとする権利
5、権利が侵害されたとする理由
6、発信者に対しての氏名開示の可否
【必要書類】
事実と異なると証明できる証拠書類(掲載内容が「事実と異なる」場合必須)
発行後3ヶ月以内の印鑑登録証明書(必須)
発行後3ヶ月以内の登記簿謄本(必須)
第三者が代行する場合には、依頼主の登録印鑑(実印)が押された委任状
(引用:お問合せ(貴社に関する掲載情報の削除依頼)|OpenWork)
注:申請内容によっては、返信がこない可能性もあります。また、削除対応の進捗状況は共有されない点もご注意ください。また、電話・対面での問い合わせも受け付けていません。
OpenWorkが削除に応じなかった場合の対処法
不適切な口コミとして報告をしても、OpenWorkが必ず口コミの削除に応じてくれるとは限りません。もし削除にいたらなかった場合は「仮処分命令の申し立て」という法的手続きを行うことで口コミの削除をできる場合があります。簡単に説明すると、裁判所からOpenWorkに対して、悪質な投稿を削除するよう命令してもらうための手続きになります。
また悪質な口コミの投稿により、企業の社会的評価を下げられた場合は、その投稿者に対して損害賠償請求を行うことも可能です。その際、OpenWorkは実名投稿ではないため、「発信者情報開示請求の申し立て」を行い、投稿者の特定を行う必要があります。
仮処分の申し立てや、損害賠償請求を行うためには法的な手続きが求められるので、法務部門での対応が難しい場合は、弁護士に依頼する必要があるでしょう。
悪質な口コミの削除は、SNSなどで拡散されるのが当たり前になっている現代において、迅速な対応が求められます。OpenWorkの口コミでお悩みの企業担当者の方は、グラディアトル法律事務所までお問い合わせください。多くの誹謗中傷問題を解決に導いた実績があります。