5ちゃんねる(5ch)は匿名で自由に書き込みができることから、他者を誹謗中傷したり、個人情報を晒したりするような書き込みが行われることも少なくありません。
こうした書き込みをされた側としては、その書き込みの削除をしたいと考えるでしょう。しかし、表現の自由も重んじられている5ちゃんねるでは、削除依頼において削除の正当性が求められることになります。
本記事では、5ちゃんねるの書き込みの削除依頼の方法について具体的に紹介いたします。
また、ご自身で削除依頼をしても必ず削除されるわけではありませんので、削除に至らなかった際の対処方法についても言及しています。
5ちゃんねるの書き込みの削除のための選択肢はいくつかありますので、削除を諦める必要はありません。本記事を参考に削除を目指していきましょう。
グラディアトル法律事務所では、5chの削除依頼について、最短3日間で削除ができた実績があります。
また、スレッドごとの削除や、自分で書き込みをしてしまった投稿の削除依頼にも成功実績があります。
※いますぐ削除したい書き込みがある方はこちらからすぐにご相談ください。
5ちゃんねるの削除ガイドラインと削除基準
「誰も拒むことはない自由な掲示板」と謳っている5ちゃんねるですが、書き込みの削除におけるルールについては「削除ガイドライン」や「5ちゃんねる削除体制」にて細かく規定されています。
削除における原則や削除対象の解説だけでなく、削除依頼を出す際の注意点、削除する側の心得も説かれています。
削除の対象となる書き込み
削除対象の書き込みとそうでないものを判別するうえでは、「削除ガイドライン」や「5ちゃんねる削除体制」が基準になります。
削除ガイドラインには、削除対象になりうる書き込みとして以下のようなものが挙げられています。
・個人情報(個人名・住所・所属・電話番号・メールアドレス・誹謗中傷・私生活情報etc……)
・叩き
・過度に下品・性的な投稿
・差別や蔑視
・暴言
・第三者が損失を受けるデータ
・地域や地方が限定された内容の投稿
・掲示板やスレッドの趣旨に合わない投稿
・アスキーアート
・連続投稿やコピー&ペースト
・情報価値のないリンク
・下品な内容へ遷移するリンク
・著作権の発生するデータへのリンク
・宣伝リンク
・罠リンク
・裁判所により削除の判断が出た書き込み
「5ちゃんねる削除体制」においても、「基本原則」と「削除判断基準」内に削除対象に関する言及があります。
“【基本原則】
- 表現の自由は最大限保障されるべきものである。
- ただし、表現の自由も絶対無制限のものではなく、他人の権利を侵害するものについては削除を行う。削除理由については具体的には明示しないこともあります。
- ただし、異議を申し立てる機会を与え審議の結果、削除された記事が再掲載される可能性はある。
(引用:5ちゃんねる削除体制)“
“【削除判断基準】
1. 名誉
個人ないし法人の社会的評価を低下させる事実を摘示するもの。2. プライバシー
人の名前(イニシャル等であっても、個人の特定)、住所、家族の名前、電話番号等の組み合わせで、個人のプライバシーを侵害していると判断できるもの。3. 平穏に生活する利益
他人に危害を加えることを予告するもの。
悪質な殺害予告については、掲示板上で公開することがある。4. 社会に害悪が生じる現実的危険性がある情報
例えば、爆弾を製造する方法、薬物の売買をうかがわせる情報(引用:5ちゃんねる削除体制)“
それぞれの内容をまとめると、「削除ガイドラインに含まれるもの」と「他人の権利を侵害するもの」が削除対象になりえることがわかります。一方で、表現の自由や双方の意見を重んじる姿勢もみえることから、正当な理由を主張できない場合の削除の難しさも読み取れます。
書き込みの削除を行うのは削除権限を持つボランティア
5ちゃんねるには、書き込みの削除権限を持つ「削除人」というボランティアが存在します。それ以外のユーザーには書き込みを削除する権限が与えられていません。
削除人は、削除要請板や削除整理板に投稿された削除依頼を確認・検討したうえで、削除に相当すると判断した投稿のみを削除します。削除人のキャップには、「削除」に関係するワードが含まれており、容易にほかのユーザーと区別できるようになっています。
旧2ちゃんねるでは、削除人への削除依頼が書き込みを削除できる唯一の方法であったことから、削除人は絶大な権力を持っていました。一方、5ちゃんねるではメールによる削除依頼も設けられているため、削除人の役割は限定的な範囲にとどまっています。
スレッドの削除依頼も可能
削除依頼は書き込みだけでなく、スレッドに対して出すことも可能です。削除対象になるスレッドには以下のようなものが挙げられています。
・掲示板の趣旨から外れているスレッド
・ほかのスレッドとテーマが重複しているスレッド
・利用者の気分を害すると判断されたスレッド
・議論にならないと判断されたスレッド
・固定のハンドル(ユーザー)が占用しているなど、閉鎖的なスレッド
・大量の書き込みによってサーバに高い負荷をかけているスレッド
ただし、上記の一部に該当していても、掲示板の趣旨に沿っていて、論理的かつ客観的に書かれているスレッドは削除対象になりません。
削除されるまでの期間目安
削除依頼を受けて、実際に削除が完了するまでの期間は明確に定められていません。なお、「削除要請@5ch掲示板」には以下のような記載があります。
“ただし、依頼が2週間以上、削除人さん・削除屋さんから削除も却下も返答もされていない場合、専用メールに削除依頼のアドレスを添えてご連絡ください(フリーメールなど身元確認のできないものは不可)。
(引用:削除要請@5ch掲示板)“
上記の内容をふまえると、対象が削除人によって削除されるまでの期間は「2週間」がひとつの目安になるでしょう。もちろん、状況に応じて変動する可能性を認識しておく必要があります。
削除依頼をしても放置されやすいケース
削除依頼の内容によっては、依頼しても放置されてしまうケースがあります。削除ガイドラインによると、放置されやすいのは以下のような削除依頼といえます。
・公益性のある情報への削除依頼
・法人、団体、公的機関に関連する内容への削除依頼
・板やスレッドの内容に即していて議論を活性化させている対象への削除依頼
・依頼に不備のある削除依頼
・投稿者の自己責任が原因の削除依頼
・証拠として保全が必要な情報への削除依頼
・リンク先でアクションが起こる罠リンクへの削除依頼
削除対象の条件を部分的に満たしていたとしても、上記に該当する削除依頼は放置されてしまうかもしれません。
ガイドラインに即した削除依頼であるにもかかわらず長期間にわたって放置されている場合は、専用メールもしくは長期未処理報告を通して連絡しましょう。
5ちゃんねるの書き込み・レスの削除依頼5つの方法
5ちゃんねるの書き込みに対しては、5つの方法で削除を依頼することができます。
①削除整理フォームから依頼(削除整理板)
削除整理フォームでは、通常の削除対象について誰でも削除依頼を出すことができます。依頼内容に関わらず公開され、削除人が削除を担当します。
削除依頼の際には以下の情報を入力する必要があります。
・お名前
・メールアドレス(省略可)
・掲示板アドレス
・削除対象部分(スレッドごとorレス指定)
・削除対象アドレス
・削除理由
(参照:削除整理@5ch掲示板)
依頼の内容について特に制限はありませんが、主観的な理由による削除依頼やルールを守っていない削除依頼は対応してもらえない可能性があります。必ず削除ガイドラインの内容や手順を踏まえたうえで依頼するようにしましょう。
②削除要請フォームから依頼(削除要請板)
削除要請フォームは、いわゆる「通報」ができる場所です。重要削除対象について削除依頼を出すことができ、当事者以外に該当の事例を掲示板で目撃した方も依頼が可能です。削除整理フォーム同様、内容に関わらずスレッドにて公開されます。
重要削除対象には以下のような項目が該当します。
・個人の取り扱い(個人名・住所・所属、電話番号、メールアドレス、誹謗中傷、私生活情報など)
・差別や蔑視
・荒らし依頼
・企業への誹謗中傷
・削除ガイドラインにて特殊な扱いが定義されている方の依頼(法人・団体、個人・一群、個人・二類)
・警察へ相談中の方(通報前は除く)の依頼
依頼にあたっては、削除整理フォームと同様の項目を入力する必要があります。また以下の項目は、フォームではなく専用のスレッドから削除を依頼してください。
・差別や蔑視
・荒らし依頼
・電話番号
・退役サーバ
(参照:削除要請@5ch掲示板)
③運営者へメールで削除申請(要本人確認)
重要削除対象に対しては、専用メール(meiyokison@5ch.net)を通して削除依頼することも可能です。サイトの運営者に直接メールを送って依頼するので、内容が公開されることはありません。
削除依頼メールには、以下のような内容を含む必要があるとされています。
・件名
削除申し立て
・内容
URL
レス番号
削除理由
理由を根拠付ける資料(任意)
本人確認ができる資料(免許証・保険証など)
(参照:5ちゃんねる削除体制)
削除理由とそれぞれの資料をもとに、運営者によって削除の是非が判断されます。
④裁判所の仮処分決定
フォームやメールからの削除依頼が認められなかった書き込みであっても、裁判所より仮処分決定が下されれば削除対象になります。削除の仮処分申し立てが認められた場合、疎明資料を添付したメールによって削除請求が可能です。
削除ガイドラインに「裁判所より削除の判断が出た書き込みは削除対象になります。」と記されていることを鑑みても、高い有効性が期待できるでしょう。
注意すべきは、5ちゃんねるの運営「Loki Technology Inc.」がフィリピン法人だということです。海外法人とのやりとりになるため、裁判所への申し立てから仮処分決定までは一定の手間と時間、費用を覚悟しなくてはいけません。
⑤弁護士からの請求
書き込みの削除依頼で最も効果的なのは、弁護士を通じて依頼する方法です。法律のスペシャリストに削除依頼を一任できるので、なるべく手間をかけたくない方やスピード感をもって対処したい方に適しています。
一方で5ちゃんねる削除体制には以下のような記載があります。
“5ちゃんねるが,過去に受けた請求から、表現の自由を配慮したリーガルマインドを持った弁護士と認めた者からの請求については、正当な理由があるものについて、原則として対応するものとする。
(引用:5ちゃんねる削除体制)“
つまり、担当の弁護士が「表現の自由を配慮したリーガルマインドを持った」という条件を満たしていなければ、対応してもらえない可能性があるということです。複雑な規定に則った削除依頼が求められるため、インターネットの案件に強い弁護士に任せるのが得策といえます。
5ちゃんねるはスレッド丸ごと削除依頼も可能
5ちゃんねるでは、書き込み・レスの削除依頼の他に、スレッド自体の削除依頼も可能です。
5ちゃんねるの削除ガイドラインにもその旨が記載されています。
投稿目的による削除対象
・スレッド
掲示板の趣旨に関係があり、論理的で主観だけではない批判は残します。
掲示板の趣旨に関係があっても、利用者の気分を害するため・利用者を揶揄するために作られたと判断したものは削除対象になります。掲示板自体の事象や参加者に関するもので、議論にならないと判断した場合も同様です。
番組や試合や事象などをリアルタイムに中継する・大量な書き込みを目的としている・等、サーバに負荷が高い行為を目的・実行しているものは移動対象になることがあります。
雑談系以外の専用板では、全く情報価値の無いもの・真面目な議論や話し合いを目的としないもの・板の趣旨よりネタを優先するもの・客観的な意見を求めないもの・等の、複数の状態に当てはまる時、削除または移動対象になることがあります。5ch削除ガイドラインより引用
もっとも、ご自身で削除依頼をする場合、スレッドの削除が認められる可能性は低く、難しいのが現状です。
5ちゃんねるのスレッドごと削除については、削除依頼についての経験豊富な弁護士に依頼するのがいいでしょう。
もっとも、スレッド内のレス数が多い場合など、弁護士費用が高額になってしまうこともあります。
まずは、弁護士に相談してみてください。
自分が書き込んだ内容の削除は難しい
5ちゃんねるでは、自分の書き込みだからといって自分の権限で削除することはできません。
一度掲載されてしまった書き込みであれば、それが他人のものであれ、自分のものであれ、先述の方法で削除を依頼する必要があります。
当然、削除には「削除対象になる客観的な理由」が必要になることから、個人的な理由によって書き込みを削除してもらうのは難しいでしょう。
また、削除の仮処分等の法的な手続きでは、削除請求をする人の権利が侵害されていることが必要です。
すなわち、5ちゃんねるの投稿により名誉権やプライバシー権を侵害された人が削除請求をすることができるのです。そのため、自分で書き込みをしたレスについては、削除請求ができません。
もっとも、5ちゃんねるの削除依頼に精通した弁護士に依頼をすると、自分でした書き込み・レスが削除できることがあります。
グラディアトル法律事務所でも自分でした書き込みについての削除実績がございますので、一度、ご相談ください。
5ちゃんねるの削除依頼は弁護士に依頼するメリットが多い
5ちゃんねるの書き込み削除は、弁護士を通して依頼することで対応してもらいやすくなります。削除依頼において、弁護士の存在がもたらしうるメリットをおさえておきましょう。
フォームからの依頼では削除してもらえないことがある
先に述べたとおり、5ちゃんねるの書き込みを削除してもらうには、対象が削除ガイドラインを満たしている必要があります。自分の書き込みであっても削除のハードルは高く、妥当な削除理由があったとしても、依頼の理由をうまく説明できなければ削除してもらえないかもしれません。
その点、弁護士は法の専門家です。とりわけインターネットに強い弁護士であれば、依頼理由の妥当性を的確な説明を添えて主張できるでしょう。フォームを通じて自分で削除依頼する場合と比較すると、対応してもらえる可能性は必然的に高くなります。
裁判所の仮処分や、弁護士からの削除請求ができる
削除依頼において、裁判所の仮処分決定は大きな影響力を持っています。一方でその結果を勝ち取るためには、相応の労力を割かなければいけません。裁判所への仮処分申し立ては個人でもできますが、必要資料の準備や裁判所での審尋が必要です。準備不足では申し立てが却下されてしまう可能性もあり、忙しい日常生活をおくる方にとっては大きな負担になりかねないでしょう。
弁護士に依頼すれば、それらすべての手続きを一任することができます。いい結果が期待できるのはもちろん、無理をして依頼者の生活が崩れる事態も避けられるでしょう。5ちゃんねるへの削除請求まで担当してもらえるので、負担の軽減と説得力の向上を両立できます。
まとめサイト・コピーサイトなど他サイトへの転載に対応してもらえる
デジタルタトゥーという言葉も知られるようになりましたが、一度インターネット上に発信されて話題になったコンテンツは、完全に消すことが難しいといわれています。ましてや5ちゃんねるは名の知れたインターネット掲示板ですから、話題を集めた書き込みは高確率ですぐに拡散・転載されてしまうでしょう。
転載先になりうるまとめサイトやコピーサイトも多数存在しており、すべてに対して削除依頼を出す作業は途方もないものになりかねません。とても対応しきれないからと、削除を諦めてしまう方もいるはずです。
弁護士は5ちゃんねる外の削除依頼にも対応が可能です。個人からの依頼では削除に応じてくれないWebサイトの管理人も、弁護士からの法的観点をふまえた削除依頼には対応してくれるかもしれません。
投稿者の特定や損害賠償請求の対応ができる
5ちゃんねるは匿名の掲示板ですが、弁護士の力を借りて投稿者を特定することも可能です。5ちゃんねるの運営会社や投稿者のプロバイダに対して情報開示請求を出し、それが認められることで投稿者にたどり着くことができます。
誰かの投稿によって自身が何らかの不利益を被った場合、投稿者に責任を取ってもらいたいと思う方も少なくないでしょう。投稿者を特定したのちは、損害賠償請求や刑事告訴といったピンポイントの対応が可能になります。
スレッドごとの削除や自分の書き込みに対する削除ができる
弁護士に依頼することにより、5ちゃんねるのレスのみならず、スレッドごと削除ができることがあります。
自分の書き込みに削除依頼を出す場合、削除理由にどうしても主観が混ざってしまうという方もいるのではないでしょうか。削除が難しい自分の書き込みも、弁護士を通して依頼することで対応してもらいやすくなるでしょう。
その書き込みがどういった理由で削除対象になりうるのか、弁護士視点の客観的かつ正確な分析をふまえて依頼することで、削除依頼がより明瞭にブラッシュアップされます。自分の書き込み削除を依頼できる他人のなかで、弁護士は最も信頼できる存在といえるでしょう。
5ちゃんねるの削除依頼の弁護士費用
5ちゃんねるの削除依頼の弁護士費用の相場は以下のとおりです。
◆任意請求
5万5000円〜22万円程度
◆削除の仮処分
22万円〜44万円程度
【グラディアトル法律事務所の5ちゃんねる削除依頼の料金】
◆書き込み・レスの削除依頼
5万5000円/1レス〜
◆スレッドごと削除・自分の投稿の削除
要見積もり
まとめ
5ちゃんねるでは投稿者に関わらず、書き込みを容易に削除することはできません。
そのため書き込み削除のハードルが高く、削除依頼に対応してもらうためには、対象の書き込みが削除ガイドラインに該当しているかどうかを確かめたり、削除理由を説得力のあるかたちで依頼に添えたりといった作業が必要不可欠です。さらには、せっかく時間を割いて準備した削除依頼でも却下されてしまう可能性があります。
確実に削除対応してもらいたいケースやすぐに削除してもらいたいケースに加え、「投稿者に損害賠償を請求したい」「5ちゃんねる以外のサイトに転載された投稿も削除してほしい」といった要望をお持ちの方は、弁護士事務所を通した削除依頼がおすすめです。インターネットに強い弁護士の力を借りることで、書き込み対応の選択肢はかなり広がります。
掲示板の書き込みがたやすく人生を変えてしまう時代です。取り返しのつかない事態を避けるため、ときには最初から強力な手段を選ぶことも必要かもしれません。
グラディアトル法律事務所では、5ちゃんねるの削除依頼について、最短3日間、1レスあたり5万5000円にて削除依頼が可能です。
実際に、削除できた多数の実績があります。
また、スレッドごとの削除や自分の投稿の削除についても実績があります。
ご相談については、無料相談が可能で、LINEでの相談も可能ですので、まずはご相談ください。