デリヘル等の風俗店やキャバクラ、ホストクラブなどの夜の世界でも、ネット上の誹謗中傷の被害相談は多いです。
当法律事務所の若林翔弁護士が、YouTubeの「ホンクレch」に出演し、風俗嬢の誹謗中傷対策について解説しました。
「ホンクレch~本指になってくれますか?~」は、2020年2月、風俗業界をもっと明るく!をテーマに、デリヘル嬢「まりてん」とM性感嬢「すーちゃん」の風俗嬢2人組で立ち上げたYoutubeの人気チャンネルです。
今回は、お二人から、ホスラブ、爆サイ、5ちゃんねるなどの掲示板やTwitterなどのSNSでの誹謗中傷被害の実態をお聞きして、弁護士が誹謗中傷対策の具体策を解説する動画です。
本記事では、YouTube動画で解説した内容を少し詳しめに解説いたします。
まずは、動画をご覧ください。
誹謗中傷対策として何ができる?
ホスラブ、爆サイ、5ちゃんねるなどの掲示板や、TwitterなどのSNSにおいて、誹謗中傷の被害にあってしまった場合、法律上、どのような対策が採れるのでしょうか?
まず、法律上の対策としては、刑事事件と民事事件に別れます。
刑事事件は、誹謗中傷書き込み・投稿をした加害者について、犯罪であるとして逮捕や刑事処罰を求める対策です。ネット上での誹謗中傷書き込みは、名誉毀損罪、侮辱罪、業務妨害罪などの犯罪に該当する場合がありますので、被害届を提出したり、刑事告訴をすることにより、警察に捜査をしてもらうという対策です。
詳細については、「誹謗中傷は犯罪?逮捕されるか?」の項目で後述します。
民事事件は、誹謗中傷の書き込みがなされた掲示板やSNSの投稿などを削除するという対策、犯人を特定して、損害賠償請求をするという対策があります。犯人を特定する際には、プロバイダ責任制限法という法律に基づく発信者情報開示という手続きが必要です。
以上、おおまかにまとめると、誹謗中傷対策としては、以下の3つの対策があります。
- 刑事事件化(逮捕や刑事処罰を求める)
- 削除
- 犯人を特定して損害賠償請求
なお、刑事事件化において、警察がなかなか動かず、警察に捜査をしてもらうため、民事事件の発信者情報開示の手続きを経て、犯人を特定し、その後に警察に被害届や刑事告訴をするという場合もあります。
もっとも、近年は、ネット上の誹謗中傷が社会問題化していることもあり、警察が積極的に動いて捜査をしてくれるケースも増えてきているように感じます。
誹謗中傷はどこから違法?誹謗中傷になる言葉の境界線は?
今回の動画でも話題になったところですが、ネット上の誹謗中傷はどこからが違法になるのでしょうか?
どんな言葉が法律上違法な誹謗中傷といえるのでしょうか?
刑事事件においては、名誉毀損罪、侮辱罪、業務妨害罪などの犯罪構成要件を満たすかどうかを検討することになります。
民事事件においては、主に二つの要件が検討されます。
一つめは、同定可能性といわれるものです。
これは、誹謗中傷の書き込みが被害者自身について書かれているものだといえるということです。誹謗中傷の削除を請求したり、犯人を特定したりするためには、他人ではなく自分について書かれていることを主張・立証しなければなりません。
風俗嬢やキャバ嬢などの場合、源氏名で誹謗中傷されることが多く、源氏名と本人との同定可能性という問題が出てきます。
裁判例では、源氏名の誹謗中傷について、同定可能性が認められているケースが多いです。源氏名を使って社会活動を行なっており、社会に一定程度定着している場合には、源氏名に関連づけられた被害者の人格的利益等が侵害されたとして同定可能性が認められます。
源氏名に同定可能性を認めた裁判例(東京地判平成28年5月9日)
原告は,××(風俗店名)において,通算で約5年間にわたり,Aとの通称で業務に従事しており,同じ通称で同店に勤務する者は原告のほかにはいないと認められる。そして,上記認定事実によれば,上記通称は,原告の呼称として社会的に一定程度定着しているとみることができるから,前後の文脈も踏まえると,本件情報179は,原告についての投稿であると認めるのが相当である。
これに対し,被告は,上記通称と原告の本名とが全く異なっており,本件スレッドには,そのタイトルとは無関係な投稿がされることもあり得ることなどを考慮すると,本件各情報が原告を対象とするものとはいえない旨主張する。しかしながら,通称が本名と全く異なるものであったとしても,それが社会的に一定程度定着していれば,通称に関連づけられた投稿によって当該通称を用いる者の人格的利益等が侵害され得るとみるべきであるから,上記認定事実も考え併せると,被告の上記主張は採用できない。
同定可能性が認められたとして、もう一つの要件は、権利侵害性です。
すなわち、誹謗中傷書き込みによって、自らの法律上保護されるべき権利が侵害されたといえることが必要です。
ネット上の誹謗中傷において、よく問題となるのは以下の3つの権利です
- 名誉権(名誉毀損)
- 名誉感情
- プライバシー権
誹謗中傷と名誉毀損・名誉権侵害
名誉毀損に該当して名誉権が侵害されたといえるためには、具体的な事実を摘示しており、その事実が「対象者の社会的評価が低下」したといえることが必要です。
この社会的評価の低下については、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきであるとされています。
風俗嬢の誹謗中傷の例でいえば、シャブ(覚せい剤)をやっている旨の書き込みや本番行為(売春行為)をやっているという書き込みについては、対象者が犯罪行為をしているという事実を摘示するものであるから、対象者の社会的評価を低下させるものといえます。
また、既婚者と不倫をしているなどの事実も社会的評価を低下させるものといえるでしょう。
誹謗中傷と名誉感情侵害
名誉感情とは、人が自分自身の人格的価値について有する主観的な評価のことをいいます。
名誉毀損における名誉権が対象者の社会的・客観的な評価であったのに対して、名誉感情は主観的な評価です。
風俗嬢の誹謗中傷の例でいうと、「ヤリマン」「ブス」「ババア」「キモい」などの言葉が名誉感情との関係で問題となります。
名誉感情の侵害が違法になるかどうかについては、社会通念上許される限度を超える場合に限り違法になると考えられています。
名誉感情についての判例 最判平成22年4月13日
本件書き込みは,その文言からすると,本件スレッドにおける議論はまともなものであって,異常な行動をしているのはどのように判断しても被上告人であるとの意見ないし感想を,異常な行動をする者を「気違い」という表現を用いて表し,記述したものと解される。このような記述は,「気違い」といった侮辱的な表現を含むとはいえ,被上告人の人格的価値に関し,具体的事実を摘示してその社会的評価を低下させるものではなく,被上告人の名誉感情を侵害するにとどまるものであって,これが社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認められる場合に初めて被上告人の人格的利益の侵害が認められ得るにすぎない。
この名誉感情の侵害が違法となるか、社会通念上許される限度を超えるものかについては、裁判例が別れており、裁判所としても判断が難しい問題のようです。
裁判例の具体例をみてみましょう。
《違法性を認めたもの》
中卒,借金大魔王,残業地獄・パワハラ当たり前,ヤリマン,やりちん・やりにげ,ホス狂いの整形女,50過ぎのジジィ,悪臭がする,デブス,顔も不細工,枕営業,クソ(5時間で13回),底辺女
《違法性を否定したもの》
気違い,会社・社員もブラック,ババア,加齢臭が強烈,ブス,クソ(1回),キモい
ただ、これらは一例であって、また、前後の文脈等によっても判断は変わってくるものですので、一概に上記の基準が当てはまるものではありません。
該当する誹謗中傷に関する書き込みについて、どこからが違法なんだろうか?
この言葉は違法なのかどうか迷ったら、まずは弁護士に相談していただければと思います。
誹謗中傷がどこからが違法か?その言葉は違法か?という点については、以下の動画もご参考にしてください。
誹謗中傷とプライバシー権侵害
プライバシー権は、個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されないという権利や自己に関する情報をコントロールする権利などと定義されています。
以下の3つがプライバシー権侵害の判断要素になると考えられています。
- 私事性(私生活上の事実)
- 秘匿性(公開されたくない事実)
- 非公知性(公にされていない事実)
風俗嬢の誹謗中傷の例でいえば、本名や住所が晒された、結婚している事実や子供がいる事実がさらされた場合などが該当します。
誹謗中傷削除や犯人特定(発信者情報開示)の期間と費用は?
まず、誹謗中傷された書き込みや投稿の削除についてみると、任意での削除請求の場合と、仮処分という裁判手続きをする場合に別れます。
任意での削除請求に応じてくれる場合には、早ければ即日〜数日で削除される場合があります。遅くとも1ヶ月程度で削除されることが多いです。
他方で、削除の仮処分を裁判所に申し立てて、その結果、掲示板やSNSの運営会社が削除してくれるという場合には、数週間から2ヶ月程度の期間がかかります。
費用に関しては、書き込みの内容や件数によって変わってきます。主な費用は弁護士にはらう報酬となります。これに加えて、郵送代や裁判所に払う費用などの実費がかかってきます。
弁護士費用については、任意での請求の場合には、1件のみであれば、5万円〜くらいが相場かと思います。
仮処分の場合には、着手金で20万円〜くらいが相場でしょうか。
加えて、仮処分の場合には、裁判所に担保金を納める必要があります。もっとも、この担保金は後々戻ってくることが多いです。
一方で、犯人特定・発信者情報開示請求の場合には、犯人を特定するのには、以下の2段階のプロセスを経る必要があります。
- 誹謗中傷がなされた掲示板やSNSの管理者が保有するIPアドレス等の情報開示
- IP等から判明したプロバイダが保有する契約者情報開示
この二つの手続きを経て初めて犯人が誰かの特定ができます。
そのため、削除の場合よりも期間も費用もコストが多くかかってきます。
1段階目のIPアドレス等の開示にかかる期間や費用については、概ね、削除にかかる期間・費用と同様です。任意請求で開示がなされるのか、裁判所の仮処分が必要かによって期間・費用感が変わってくるのも同様です。
2段階目のプロバイダが契約者情報の開示にかかる期間や費用については、原則、裁判手続きを必要とするため、期間も費用も多くかかってきます。
期間としては数ヶ月から1年程度、費用としては20万円〜(書き込み内容や件数によって異なる)となります。
以上をまとめると、発信者情報開示手続きにより犯人が特定できるまでには、期間としては半年〜1年くらい、費用としては40万円〜のコストがかかってきます。
これらの期間や費用は犯人が特定されるまでに必要なものです。
この手続きにより特定された誹謗中傷犯人に対する刑事告訴や損害賠償請求には別途期間や費用がかかってくることにも注意が必要です。
また、書き込み内容や件数によっても費用が変わってくるので、個別に見積もりをしてもらうのがよいでしょう。
誹謗中傷の損害賠償額・慰謝料額の相場は?いくら請求できる?
誹謗中傷の犯人を特定する発信者情報開示については、上記のように、期間も費用もかかってきます。
それでは、犯人を特定できたとして、いくらの損害賠償が請求できるのでしょうか?
まず、誹謗中傷の被害にあった場合の損害賠償請求の法的根拠は、民法709条が規定する不法行為です。
不法行為とは、他者の故意または過失による行為によって権利が侵害された場合の損害賠償請求の規定です。
不法行為に基づく損害賠償 民法
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
この不法行為に基づく損害賠償請求では、他者の不法行為と損害との間に因果関係がある損害の賠償請求ができます。
すなわち、ネット上の誹謗中傷によって生じた損害といえる損害を請求できるのです。
具体的には、以下の3つの損害の請求ができます。
- 慰謝料
- 調査費用(発信者情報開示の弁護士費用など)
- 弁護士費用(損害賠償請求の弁護士費用)
誹謗中傷と慰謝料額
慰謝料とは,精神的な損害についての賠償金額のことをいいます。
もっとも、精神的な損害の具体的な金額を算定することは極めて困難なため、その金額について最終的には裁判所が裁量で判断をすることになります。
民事訴訟法248条
損害が生じたことが認められる場合において、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
ネット上の誹謗中傷、名誉毀損やプライバシー権侵害についての慰謝料額については、認められる金額が低いとの問題意識も提示されています。
もっとも、近年、ネット上の誹謗中傷が社会問題化していることもあり、慰謝料額を高額化すべきという議論も進んでおり、今後の動向に注目が集まります。
慰謝料の金額については、裁判所が裁量で定めるとはされているものの、過去の裁判例から、一定程度の判断基準が読み取れます。
具体的には、誹謗中傷内容の悪質性、伝播可能性・影響力、被害結果の重大性・被害者の属性などが判断要素となっているものと考えられます。
裁判上で数百万円で示談しているケースもあれば、10万円以下の金額の判決もあります。
誹謗中傷と調査費用(犯人特定・発信者情報開示の弁護士費用)
前述したように、誹謗中傷の犯人を特定するためには、発信者情報開示の手続きを経る必要があります。
その手続きはIPの開示、契約者情報の開示と2段階あり、仮処分と裁判という2つの裁判手続きが必要になるケースも多いです。
そのため、犯人を特定するまでに、それなりの弁護士費用がかかります。
では、この犯人特定のための発信者情報開示手続きにかかった弁護士費用を犯人(相手方)に請求できるのでしょうか?
この点について、裁判例は別れておりますが、認めている裁判例もあります。
発信者情報開示の手続きは、ログの保存期間という限られた時間制限の中で、同定可能性や権利侵害性という法律上の専門的な判断をして、仮処分・裁判という手続きをしなければなりません。
このような複雑な手続きを法律の専門家である弁護士の手を借りずに期間内におこなうのは困難であると考えれば、発信者情報開示にかかる弁護士費用についても、誹謗中傷による不法行為と因果関係がある損害と考えるべきでしょう。
発信者情報開示の弁護士費用の損害を認めた裁判例 東京地判平成31年01月15日
本件訴訟は、インターネット上の名誉感情侵害を理由とする損害賠償請求であり、このような事案において、投稿をした者を特定するには、本件掲示板の運営者に対する経由プロバイダの開示請求及び経由プロバイダに対する発信者情報開示請求を経る必要があり、その手続を原告が個人で行うのは困難であったと認められ、そのような本件訴訟の性質等からすれば、上記発信者情報の開示に要した費用のうち、社会通念上相当と認められる範囲については、本件各投稿と相当因果関係のある損害と認められる。
そして、原告が要した上記金額のうち、被告の不法行為と相当因果関係のある開示関連費用について検討するに、前記1で認定説示したとおり、本件投稿3に係る原告の主張には理由がないことからすれば、被告の不法行為と相当因果関係のある原告の損害は、85万9373円を下らないと認められる。
犯人特定・発信者情報開示にかかる弁護士費用を相手に請求できるかという点については、以下の記事もご参照ください。
誹謗中傷と損害賠償請求の弁護士費用
不法行為に基づく損害賠償請求をする際には、その弁護士費用についても損害と認められるケースが多い。
ただ、その弁護士費用については、実際に弁護士に払った金額ではなく、認められた損害額の1割程度の金額が認められるケースが多い。
上記の裁判例(東京地判平成31年01月15日)にいても、慰謝料約20万円、調査費用(発信者情報開示請求の弁護士費用)約86万円が認められており、その合計額106万円の約1割の10万円が不法行為の損害賠償の弁護士費用として認められている。
以上のように、誹謗中傷被害にあった場合にいくらとれるのかというのは、なかなか難しい問題がある。
また、裁判上高額の判決が認められたとしても、犯人が資産を持っておらず、回収できないというケースも生じうる。
そのような回収できないリスクやかけた費用より定額しか回収できないリスクはどうしてもある。しかし、慰謝料に加えて調査費用も認められれば、かかった費用以上の金額を回収することができる可能性が高まるでしょう。
誹謗中傷の慰謝料額・調査費用・損害賠償額の相場については、以下の記事もご参照ください。
誹謗中傷は犯罪?逮捕されるか?
ネット上の誹謗中傷については、主に、以下の3つの犯罪に該当する可能性があります。
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 業務妨害罪
これらの犯罪の構成要件を充たす場合には、ネット上の誹謗中傷は犯罪行為となり、逮捕され、処罰される可能性があります。
名誉毀損罪(刑法230条1項 3年以下,50万円以下)における名誉毀損とは,公然と事実を摘示して社会的評価を低下させることです。
もっとも、事実の公共性、目的の公益性、真実性の証明がなされた場合には、違法性が阻却されて犯罪は成立しません。すなわち、社会的な評価を低下させるような事実を摘示したとしても、政治家の汚職の事実など、公共性がある事実を公益を図る目的で公表し、その事実が真実である場合には犯罪にはなりません。
刑法(名誉毀き損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二 前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2 前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3 前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
侮辱罪(刑法231条 拘留30日未満・科料1万円未満)は、公然と人を侮辱(軽蔑の表示)をする行為を処罰します。
侮辱罪は、名誉毀損罪と異なり、事実の摘示はしなくても成立します。
(侮辱)刑法231条
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
「侮辱」とは,他人の社会的地位を軽蔑する犯人の抽象的判断を公然発表すること,社会的地位を害するに足るべき具体的事実を公然告知することをいいます。
つい最近も、プロレスラーであった木村花さんに対して誹謗中傷をした人が、侮辱罪で処罰されております。
業務妨害罪(刑法233条・234条 3年以下,50万円以下)は、威力・偽計・風説の流布により業務を妨害する行為を処罰します。
「威力」とは、人の意思を制圧するような勢力をいいます。ネット上の掲示板で学校の生徒に対して殺害予告をする場合などが典型例です。
「風説の流布」とは、客観的な真実に反する虚偽の情報を世間に広めることをいいます。虚偽の犯罪事実をネット上に書き込む場合などが典型例です。
(信用毀損及び業務妨害)
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。(威力業務妨害)
第二百三十四条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
以上のように、ネット上の誹謗中傷行為は犯罪になる場合があり、逮捕され、処罰される可能性があります。
誹謗中傷の被害にあった場合には、刑事処罰を求めるというのも一つの有効な手段になります。
加害者が、逮捕や刑事処罰を恐れて示談に応じてくれるケースもあるからです。また、加害者が社会的な制裁を受けることにより、ネット上の誹謗中傷が減ることも考えられます。
加害者に対して刑事処罰を求め、刑事事件化をしていくためには、被害届の提出や刑事告訴が必要になります。
被害者ご自身で対応することも可能ですが、警察が被害届や告訴状を受理してくれないケースなどでは、弁護士に依頼することにより、法律上の要件や証拠関係を整理した被害届や告訴状の作成ができ、結果的に受理に至るケースもありますので、弁護士に相談するのが良いかと思います。
ホスラブ・爆サイ・Twitterの誹謗中傷対策については、以下の記事をご参照ください。
https://www.gladiator.jp/defamation/爆サイの書き込みを自分で削除/