爆サイ(爆サイ.com)での誹謗中傷、個人情報流出、リベンジポルノなどの被害に悩む方が多いです。
当法律事務所の弁護士が要件を満たすものとして爆サイに対して削除依頼を請求したものについては、2021年5月現在、全ての投稿が削除に成功しております。
本記事では、当法律事務所の弁護士が爆サイに削除依頼した成功例を基に、削除依頼の方法、削除までの期間、削除依頼にかかる弁護士費用について解説していきます。
爆サイ削除依頼の3つの方法
爆サイで誹謗中傷、個人情報流出、リベンジポルノなどの被害にあった場合の削除依頼の方法については、大きく分けて、以下の3つの方法があります。
- 自分で削除依頼フォームから削除依頼をする
- 弁護士が任意交渉で削除依頼をする
- 裁判所に削除の仮処分を申し立てる
以下、個別に爆サイ削除依頼の方法を解説します。
1.自分で削除依頼フォームから削除依頼をする
爆サイには、各スレッド及びレスが表示されている画面の最下部に削除依頼フォームがあります。
この削除依頼フォームからご自身で削除依頼をするという方法があります。
削除が成功するかどうかは、利用規約に反しているかについて削除人が判断をすることになります。
削除依頼の際に、同内容の連続した削除依頼や威圧的削除依頼をすると爆サイの運営会社に対する業務妨害と判断され爆サイの禁止リストに登録されてしうリスクがあるので注意が必要です。
また、削除依頼をする際に、弁護士被害の業者に頼むのもNGです。非弁行為として弁護士法72条に違反する違法行為です。爆サイもこの点について懸念しており、削除要請は当事者又は弁護士がおこなうようにと指摘しております。
爆サイの誹謗中傷等の投稿・書き込みを自分で削除依頼する方法の詳細について、以下の記事をご参照ください。
https://www.gladiator.jp/defamation/爆サイの書き込みを自分で削除/
2.弁護士が任意交渉で削除依頼する方法
自分で爆サイに対して削除依頼をしたが削除されないといったご相談も多いです。
そのような場合には、弁護士に削除依頼をする方法をご検討ください。
弁護士が任意交渉で削除依頼する方法とは、弁護士が誹謗中傷等の被害者から相談を受け、削除要件を法的な文書にまとめ、適切な証拠・資料を添付して、爆サイ運営会社に対して、削除依頼の書面を送付する方法です。
爆サイの削除依頼について経験豊富な弁護士が書面を作成し、爆サイ運営会社と交渉をすることにより、迅速かつ適切な削除依頼対応が可能です。
削除依頼の法的根拠は、人格権に基づく妨害排除請求です。
そのため、爆サイの投稿・書き込みにより、自らの人格権が違法に侵害されていることが削除の法的な要件になります。
具体的には、①同定可能性と②権利侵害性が必要になります。
①同定可能性とは、削除対象の投稿・書き込みが、削除依頼をする人自らについて書かれたものであることです。
源氏名、ハンドルネーム、ペンネーム、YouTuber・VTuber名などで誹謗中傷された場合などに問題になります。
同定可能性の判断基準については、判例上、一般読者基準と呼ばれる基準により判断されます。
具体的には、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきであると考えられております。
そして、この判断は、対象となる爆サイのレスのみならず、前後のレスとの文脈やアンカーなどの事情を踏まえて総合的に判断されます。
裁判例 東京地判令和2年9月29日
ある記事の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは,一般の読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきものであり(最高裁昭和31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照),このことは,インターネット上のウェブサイトに掲載された記事であっても別異に解すべきものではない(最高裁平成24年3月23日第二小法廷判決・裁判集民事240号149頁参照)。
また,上記判断を行うに当たっては,当該記事に用いられている語のみならず,その前後の文脈等の事情を総合的に考慮することが必要であると解される(最高裁平成9年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁参照)。
②権利侵害性とは、削除対象の投稿・書き込みにより削除依頼者の法律上保護されるべき権利が侵害されたことです。
爆サイでの誹謗中傷において、よく問題となるのは、名誉権(名誉毀損)、名誉感情、プライバシー権です。
名誉権(名誉毀損)が侵害されたといえるためには、具体的な事実を摘事しており、その事実が「対象者の社会的評価が低下」したといえることが必要です。
「詐欺師」などの犯罪行為をした事実を指摘する投稿や、「Aさんは、人妻と不倫をしている」などの不倫の事実を指摘する投稿が名誉権(名誉毀損)侵害の典型例です。
名誉感情とは、人が自分自身の人格的価値について有する主観的な評価のことをいいます。
名誉毀損における名誉権が対象者の社会的・客観的な評価であったのに対して、名誉感情は主観的な評価です。
「クソ」「ブス」「ババア」「キモい」などの言葉が名誉感情との関係で問題となります。
名誉感情の侵害が違法になるかどうかについては、社会通念上許される限度を超える場合に限り違法になります。
プライバシー権は、個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されないという権利や自己に関する情報をコントロールする権利などと定義されており、本名や住所、電話番号などの個人情報が晒されてしまったケースが典型例です。
3. 裁判所に削除の仮処分を申し立てる方法
裁判所に削除の仮処分を申し立てる方法は、爆サイの運営会社を被告(債務者)として削除の仮処分を申し立てる方法です。
裁判所が削除の要件を検討し、削除決定を出し、これにより爆サイの運営会社が対象となる投稿を削除するという手続きです。
弁護士による任意での削除依頼に応じてくれない掲示板やSNSを相手にする場合には、削除の仮処分という手段を選択することもあります。
しかし、2021年5月27日現在、爆サイの運営会社は、弁護士による任意請求により削除に応じてくれているので、当法律事務所では、仮処分による削除請求を行なっておりません。
爆サイ削除までの期間
爆サイに対する削除依頼をした場合、どの程度の期間で削除されるのでしょうか?
爆サイのHPによると、72時間を目処に削除削除対応を行う旨が記載されています。
リンク:爆サイHP「削除依頼について」
もっとも、爆サイ側の忙しさなどもあるのでしょうが、削除までの期間が72時間を超えてしまうことも多いです。
当法律事務所の弁護士が実際に削除依頼をしたケースについてみても、ご依頼いただいた翌日には削除されたケース、3日後に削除されたというケースがあります。
一方で、爆サイへの削除依頼から1週間〜10日間後に削除されるというケースも多いです。
2021年5月現在の削除までの期間の目安としては、以下のように思っておいていただくのが良いかと考えております。
早ければ3日以内
通常1週間〜10日間
遅いと2週間程度
爆サイ削除の弁護士費用
爆サイの削除依頼を弁護士にお願いした場合、どのくらいの弁護士費用がかかるのでしょうか?
弁護士費用には、着手金と成功報酬があります。
着手金は、弁護士への依頼時に支払う費用で、削除に失敗したとしても返金されないものです。
成功報酬は、弁護士による削除依頼で投稿が削除された場合に発生する弁護士費用で、削除が失敗した場合にはかからない費用です。
ネット上で削除依頼の弁護士費用を検索したところ、着手金・成功報酬モデルの費用体系の事務所と、成功報酬のみの完全成功報酬モデルの事務所があるようです。
着手金と成功報酬を合わせた総額の弁護士費用の相場は、だいたい以下の金額のようです。
削除の任意請求:5万円〜20万円(税別)
削除の仮処分:20万円〜40万円(税別)
前述したように、現在、グラディアトル法律事務所では、爆サイの削除依頼は全件任意請求で対応をしております。
弁護士費用は、完全成功報酬で5万円(税別)〜となります。
爆サイの削除依頼については、数多くのご依頼を受けており、削除依頼請求のノウハウが蓄積していること、書面作成がある程度定型化しており弁護士の作業工数が少なくなっていることから、比較的安価で対応ができております。
弁護士費用に幅があるのは、削除依頼のレス数やその内容が異なってくるからです。
レス数が多くなれば弁護士費用も高くなってはきますが、同じような内容のレスが複数あるような場合には、同定可能性や権利侵害性について別途検討して書き分ける必要がない場合もあり、個別にお見積もりをさせていただいております。
爆サイ削除依頼の成功例
爆サイで誹謗中傷等の被害にあった場合の削除依頼の方法、削除までの期間、削除にかかる弁護士費用について解説してきました。
ここでは、実際の事例から、爆サイ削除依頼の成功例をみてみましょう!
なお、依頼者が特定されないよう実際の事例に若干の変更を加えております。
爆サイ削除依頼成功例1 キャバ嬢が本名・住所・電話番号が晒された事例
東京都新宿区歌舞伎町のキャバクラで働いている女性の事例です。
有名なキャバクラに勤務していた売れっ子キャバ嬢であった彼女には、爆サイ上で、個スレと言われる彼女についての話題を語るスレッドが作成されていました。
爆サイでの多少の悪口については、有名税として我慢していた彼女でしたが、ある日、氏名客の一人から指摘され、自らの本名・住所・電話番号が晒されていることを知りました。
源氏名で活動をしている彼女は、住所・電話番号どころか、本名も公表しておりません。知っているのは一部の人だけ。どこから流出したのだろうか、非常に不安になりました。
そこで、個人情報の流出を止めるため、早急に爆サイ上の当該投稿を削除したいと、弁護士に相談をし、削除依頼をすることにしました。
彼女から依頼を受けた弁護士は、削除の要件をみたす投稿であり、すぐさま爆サイに対して削除依頼をすべきだと考えました。
実際に歌舞伎町にあるキャバクラの店名、源氏名でスレッドが立てられており、そのキャバクラには彼女以外に同一の源氏名を使用しているキャストがいないことから、同定可能性があります。
また、公表していない本名・住所・電話番号という秘匿性の高い個人情報が爆サイに投稿されており、プライバシー権侵害という権利侵害性の要件も満たしています。
弁護士は、爆サイに対して、削除要件を満たしていると主張する書面、主張を裏付ける証拠書類、その他の必要資料を添付して、爆サイに対して削除依頼をおこないました。
その結果、弁護士が削除依頼をした翌日、無事に当該投稿が削除されていること確認し、削除依頼は成功しました。
爆サイ削除依頼成功例2 風俗嬢が誹謗中傷を受けた事例
大阪府内に事務所のあるデリヘルで勤務する女性の事例です。
この事例では、爆サイ上に、彼女が勤務するデリヘル店のスレッドが立っており、その中で、彼女に対する悪口や誹謗中傷が書かれていました。
「デブス」「肉便器」などの悪口や、彼女が本番行為(性行為)をしているなどの事実と異なる書き込みがなされていました。
彼女は、これらの悪口に傷つき、また、爆サイの書き込みを見た他の客から本番を迫られることが多くなり、勤務に支障が出て来たため、弁護士に削除を依頼することにしました。
依頼を受けた弁護士は、彼女から指定された複数のレスを分析し、法律上の削除要件を検討しました。
「デブス」「肉便器」などの悪口については、名誉感情侵害に該当し、判例上争いはあるものの、社会通念上許される限度を超えるものであり違法に権利を侵害する書き込みであると主張することにしました。
また、本番行為については、売春防止法に違反する違法行為であるため、当該爆サイの書き込みは、犯罪行為を指摘する名誉毀損の書き込みです。
弁護士が爆サイに対して、上記の権利侵害性などの削除要件を主張し、証拠書類等を提出し、削除依頼をおこないました。
その結果、弁護士が削除依頼をしてから1週間後、無事に全てのレスが削除されました。
爆サイ削除依頼のまとめ
以上のように、爆サイの削除依頼には、自分で削除依頼をする、弁護士に依頼をして削除依頼をする、削除の仮処分申し立てをするという方法があります。
現在、爆サイは仮処分をしなくても、削除依頼に応じてくれている傾向にありますので、自分で削除依頼をするか弁護士に削除依頼をお願いするかという方法がよいでしょう。
爆サイの削除依頼の期間については、最短で即日〜3日程度で削除された事例もありますが、1週間から10日間程度かかかることが多いです。
爆サイの削除依頼を弁護士に頼む場合には、弁護士費用として、5万円〜40万円程度の費用がかかります。依頼する法律事務所によっても弁護士費用は異なってきますし、削除対象のレス数や内容によっても異なってきますので、個別に金額の見積もりをしてもらうのがよいでしょう。
爆サイでの削除依頼については、ご自身で削除依頼をして削除されない事例においても、弁護士が削除依頼をすることにより削除ができる事例も多いです。
弁護士に相談する場合には、事前に、対象スレッドのURL、レス番号などを送っておくと、相談がスムーズになるかと思います。
また、削除のみならず、犯人の特定・発信者情報開示手続きを検討している場合には、書き込み内容を証拠として保存しておいていただくと安心です。URLとスレッド、レスの書き込みが見える形で印刷ないしはPDF化して証拠化をしましょう。証拠化の方法がわからなければ、その旨も一緒に相談する弁護士に早めにお伝えくだされば、弁護士の方で証拠化できます。
爆サイの誹謗中傷などの被害にあって、削除依頼をしたい場合には、まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。