川崎希さんが誹謗中傷被害,発信者情報開示で犯人を特定し,犯人は侮辱罪で書類送検

弁護士 若林翔
2020年03月04日更新

元AKB48のメンバーでタレントの川崎希がネットの掲示板で誹謗中傷された事件で,犯人の女が侮辱罪で書類送検された。

川崎希さんは,発信者情報開示請求にて犯人を特定したとのこと。

 

川崎希さんが誹謗中傷されたニュース

元AKB川崎希さんを侮辱容疑 子育てサイトに書き込み

AKB48元メンバーのタレントで会社経営、川崎希(のぞみ)さんを侮辱する内容をネット掲示板に書き込んだとして、警視庁は、大阪府の医療事務員の女(45)と山形県の主婦の女(39)を侮辱容疑で3日に書類送検した。

4日、同庁への取材でわかった。

原宿署によると、2人は昨年4月8~9日、それぞれ自分のスマートフォンを使い、子育て中の女性向け情報サイト「ママスタジアム」の掲示板「デブで気持ち悪い親子」などと投稿した疑いがある。調べに対し、事務員は「やり過ぎた。私も女性として気分が悪くなるのはわかります」、主婦は「匿名でばれないと思った。二度としない」と供述しているという。

川崎さん側は同月、東京地裁に対し、この掲示板の書き込みについて投稿者の情報を運営会社に開示させるよう求め、認められた。昨年10月に警視庁に相談し、その後告訴していた。

ニュース概要

・子育て中の女性向け情報サイト「ママスタジアム」の掲示板に書き込み

・「デブで気持ち悪い親子」などと投稿

・投稿は昨年4月

・川崎希さんは昨年4月に即発信者情報開示請求

・昨年10月に開示,刑事告訴

・今年3月3日に,加害者2名が侮辱罪で書類送検

侮辱罪とは

刑法231条
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

拘留 1日以上30日未満の自由刑
科料 1000円以上1万円未満の財産刑

侮辱罪と名誉毀損罪の違い
→事実の摘示の有無

「侮辱」とは?
→他人の社会的地位を軽蔑する犯人の抽象的判断を公然発表すること,社会的地位を害するに足るべき具体的事実を公然告知すること

発信者情報開示についての基礎知識

•2段階の開示が必要

→①IP・タイムスタンプを掲示板等に請求

IP等からプロバイダを調査

②IP等から契約者情報をプロバイダに請求

•①は任意or仮処分
•②は裁判
•ログの保存期間は3ヶ月程度
・同定可能性と権利侵害性が必要

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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