リベンジポルノ削除の成功事例〜複数アダルトサイトにハメ撮り動画が…

今回の解決事例は、出会い系のアプリで出会った男性との性行為の動画、いわゆるハメ撮り動画をネット上にUPされてしまい、複数のアダルトサイトに拡散してしまった事例だ。

当法律事務所の弁護士が依頼を受けて、アダルトサイトやサイトを管理するプロバイダ等に削除請求をして、リベンジポルノ動画が削除された。

リベンジポルノ動画・画像の削除依頼の方法についての詳細は、以下の記事を参照してほしい。

リベンジポルノ被害の3つの対処法と相談先3選【早期対応が重要!】

 

また、リベンジポルノ被害にあった場合の損害賠償請求の方法、慰謝料相場等についての詳細は、以下の記事を参照ください。

リベンジポルノの損害賠償請求額の相場・増額要素を徹底解説

 

リベンジポルノの被害にあった経緯

相談者は、東京都新宿区在住の30代女性だ。

1年前に彼氏と別れてからというものの、仕事しか打ち込めるものがなく寂しい想いから出会い系アプリを利用していた。

何気なくプロフィール写真で大まかに良し悪しを決め一人の男性とコンタクトを取った。
話してみると男性は食べ歩きが趣味で週末にはよく電車で日帰りプチ旅行をしているとのことだった。

主にインドア派の相談者だったが何かしら外で楽しめる趣味を探していたこともあり男性に興味が湧いた。
そこで相談者は男性のことを根掘り葉掘り聞いていると「ではせっかくなので一緒に行きませんか」と誘われた。
相談者は男性のことをもっと知りたいと誘いに乗った。
LINEのIDを交換し来週末に中華料理を食べに行くことになった。

そして当日、相談者らは池袋に集合し副都心線で横浜中華街に向かった。

到着するといざ昼食タイム!
男性がお勧めする美味しいお店で肉まんや小籠包を頬張りながら5店舗ほどはしごし、杏仁豆腐で締めくくった。

気づいたら3時間ほど楽しい時間を過ごした。
名残惜しい雰囲気が流れたそのとき男性が「このまま帰るのは味気ない。なので思い出作りにホテルで休憩してから帰りませんか」と誘われた。
相談者も男性と関係を持つことは、まんざらではなかったのでついていった。

ホテルに到着すると一緒にシャワーを浴びつつ性行為が始まった。
しばらくするとベッドルームに移りいざ挿入するときに男性が突然「かわいいのに撮らないなんてもったいない。よければ個人観賞用にハメ撮りしたいんだけど」と聞いてきた。

相談者はそんな予定はなかったので「えー」と言いつつ渋い顔をしたが、撮らせてくれたらお小遣い10万円あげるからと提示してきた。

相談者はハメ撮りに若干の抵抗はあったものの信頼できそうな男性からのお願いであり、お小遣いとして10万円も貰えることや個人観賞用であれば他者が見ることはないだろうと相談者はハメ撮りを許可した。
それから終始スマホで撮影しながらの性行為を行った。

帰りは帰る方向が違うからと現地で解散し帰宅した。
相談者は男性のことを気に入ったので感謝の言葉を添えつつ「もしよければ関係を続けたい」とLINEしてみた。
しかし翌日になっても既読状態にならず返事が返ってこなかった。
それから何度かLINEを送ってみるも変化はなかった。

相談者は「返信がないってことは脈なしかなー。これ以上は無意味かも」と判断しスッパリ諦めることにした。
これ以上連絡しないだろうと男性をLINEのフレンドリストから外しトークも削除した。

男性にハメ撮りされたことが気がかりだったが、個人観賞用と言っていたので悪いようにはならないだろうと対応を考えなかった。

しばらくしたある日、学生の頃からよく飲みに行ってる男友達から「アダルトサイトでお前らしき人物のハメ撮り動画が投稿されてるぞ」とLINEがきた

最初は何かの冗談かと思ったが、ふとハメ撮りされたことを思い出した。

LINEに送られてきたURLを開くとそこには紛れもなく相談者が男性と性行為をしていた時のハメ撮り動画がAvgleというアダルト動画サイトに投稿されていた。

その他のアダルトサイトにも相談者のハメ撮り動画があがっていないかを調べたところ、複数のサイトに動画がUPされていることがわかった。

具体的には、、、

pornhub、FC2動画、HPJAV、KissJAV、Maddawg JAV、Avgle、JAVFAN、94ERO、JAV Grown、sharevideosなどのサイトにリベンジポルノ動画がアップロードされていた。

相談者は何となく弁護士に相談できることは知っていたが削除するだけだからと選択肢から外し、自ら対処することにした。

まず、投稿されたと考えられる男性に連絡を取ろうとした。
しかし会わなくなった際にLINEアプリから男性の連絡先を削除していたので連絡する選択肢が取れなかった。
そこで出会い系アプリで男性を検索してみたが、アカウントが削除されたのか見当たらなかった。

リベンジポルノについてネット上で調べていると、また投稿主に対してメッセージを送ったとしても無視されるのが関の山であると書かれていた。

Avgleなどのアダルトサイトに削除依頼をして削除をしようと試みた。
しかし、当該サイトは所々英語で書かれていて全く分からなかった。

そこで他アダルトサイトの削除方法が参考にならないかなと調べてみると何やら権利侵害や法的根拠の記述が必要だということが分かった。さらに詳しく調べてみたが私事性的画像記録や公然陳列罪・名誉棄損など聞き覚えのない文章にたどり着いた。

ハメ撮り動画がネット上に長期間放置した状態になったことに後悔しつつも、なりふり構っていられないとして弁護士への相談を決めた。

スマホ片手に5分、多くのリベンジポルノトラブルを解決した実績がある当事務所を見つけた。

 

リベンジポルノに関する法律と削除方法

六法と裁判

本件では、相談者は、男性への好意やお小遣いを受け取ったことでハメ撮り自体には同意をしており、盗撮ということはできない。

リベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)上のリベンジポルノは,交際関係や報復目的に限らず,写真等を公開することに同意しなかったのにもかかわらず,第三者が閲覧できるように公開された場合をいう。

具体的には、同法は、リベンジポルノを「私事性的画像記録」と定義しており、本人が第三者に見られることを認識した上で撮影を許可した画像・動画以外の画像であって,性交又は性交類似行為などの画像・動画をいう。

本件では、相談者は個人観賞用にハメ撮りをすることにのみ同意をしており、第三者に見られることを認識した上で撮影を許可しているのではない。そのため、「私事性的画像記録」をといえ、これを公表したことはリベンジポルノ防止法に違反する犯罪行為となる。

現に、つい最近でもリベンジポルノ防止法違反で逮捕された事例がある。

性的画像投稿、リベンジポルノ疑い28歳男逮捕

岐阜県警人身安全対策室と中津川署は18日、リベンジポルノ防止法違反の疑いで、関市下有知、会社員の男(28)を逮捕した。

逮捕容疑は、10月11~13日ごろの間に、携帯電話を使ってプライベートで撮影した県内在住の女性(28)の性的画像をウェブサイト上に投稿し、不特定多数の人が閲覧できるようにした疑い。

署によると、2人は知人。女性から10月18日に被害相談があった。署は容疑者の認否を明らかにしていない。

岐阜新聞WEB 2020,11,19

次に、本件のハメ撮り動画は無修正のものであった。

そのため、わいせつ電磁的記録の頒布罪等にも該当する。

また、リベンジポルノ動画の公開は、相談者の名誉権やプライバシー権等の人格権を侵害するものであり、上記犯罪行為に該当することに加え、これらの権利侵害を法的根拠にして、削除申請を行うことができる

もっとも、動画投稿日から時間が経っており、誰もが閲覧・ダウンロード出来る状態で放置されていたことから他アダルトサイトに拡散している可能性があること、ダウンロードをした別ユーザーが再度アップをするリスクがあるため、完全に削除するこは極めて難しい状況ではある。

具体的にはアダルトサイトから削除したとしてもダウンロードや購入した者が興味本位や収益のために他アダルトサイトへ再投稿する…いわゆるいたちごっこに発展することからリベンジポルノの完全削除が難しいとされている。

また、各ユーザーが所有するPCやスマホなどの媒体に保存されてしまうと削除することは弁護士をもってしてもかなわず、削除を依頼したとしても削除するかしないかは各ユーザーの意思にかかっている。

相談者は早急に適切な対応しなかったことを後悔した。

しかし、これ以上の被害拡大は相談者としても望んでおらず完全削除できないリスクを承知したうえで「今確認できる範囲での削除をお願いしたい」と依頼を受けた。

方針としては各アダルトサイトに対して削除依頼を行い、ハメ撮り動画の拡散状況に応じて臨機応変に対応することになった。

 

海外アダルトサイトに拡散したリベンジポルノの削除

弁護士は早速、法的根拠を基にそれぞれのアダルトサイトにある削除依頼フォームにて削除請求をする。

具体的には、リベンジポルノ法違反(私事性的画像記録の公表罪)、わいせつ電磁的記録の頒布罪などの犯罪行為に該当する投稿であること。名誉権・プライバー権などの人格権を侵害に該当していること。各アダルトサイトの利用規約に違反することを理由に投稿されたハメ撮り動画の削除依頼をした。

今回、弁護士が削除依頼をかけたアダルトサイトは、pornhub、FC2動画、HPJAV、KissJAV、Maddawg JAV、Avgle、JAVFAN、94ERO、JAV Grown、sharevideosなど複数のサイトにわたる。

これらのサイトの中には削除依頼申請の直接のルートが記載されていないサイトもあった。

そのようなサイトについては、弁護士がサイトを管理するプロバイダを調査し、プロバイダに対して削除請求を行なった。

また、多くのアダルトサイトは海外サイトであり、利用規約や削除依頼フォームなどの注意書きについても英語表記のものが多かった。

これらについては、削除依頼の内容についても英語にて請求書面を起案し、申請を行なった。

数日後、各アダルトサイトに投稿されていたすべてのハメ撮り動画が無事削除されていた。

ダウンロードされてしまったハメ撮り動画が再投稿されるリスクは残っているものの、現段階でできうる最大限の対処によって被害を止めることができた。

 

リベンジポルノ被害に遭ったらまず弁護士に相談を!!

アダルトコンテンツは今や誰もが提供できる大きな市場で、リベンジポルノにも一定のニーズがあり、これを投稿するなどして稼げる可能性があることからリベンジポルノトラブルの温床になっている。

今回紹介した事例の加害者は他にも多くのハメ撮り動画らしきものを投稿していた。

おそらく陰でハメ撮り動画を投稿し広告収入や販売売上をあげ次のハメ撮り動画を撮影…と際限のない行為を繰り返していたと考えられる。

このリベンジポルノの悪いところは、被害者が気づかずに流出、拡散してしまっているケースがあることだ。

こういったリベンジポルノを防止するにはハメ撮り動画を撮らせないことが最も直接的で効果がある
またハメ撮り動画を撮られたとしても流出する前に対応することも効果的だ
事例として下記記事にまとめてみたので参照してほしい。

関連記事:リベンジポルノを未然に防いだ事例

しかしお金欲しさや性的欲求・恋愛感情からくる行動なのでリベンジポルノトラブルはそう簡単に完全に切り離せず流出が避けられない場合がある。

そうなるとハメ撮り動画が流出した際の対応も必要だ。

では仮に今、ハメ撮り動画が流出したことが発覚したとする。
そうなると自らもしくは弁護士による削除依頼又は交渉をすることが考えられる。

しかし、個人でのハメ撮り動画の削除依頼や交渉などの対応を行う選択肢を取る場合、今回の事例のように自らで削除依頼したにも関わらず削除する法的根拠が間違っているのか、はたまた無視されているのかで削除できずに時間が経ってしまうことがある。

こうしたリベンジポルノが解決できず時間が経過してしまうことは、視聴回数やダウンロード数・販売数を増加させ他アダルトサイトへの拡散リスクが高くなる。

したがって、自らで不確実な削除依頼をするのではなく弁護士による迅速かつ確実性のある削除依頼がベストだろう。

また情報開示による加害者の特定から訴訟による責任追及や示談での慰謝料請求などが可能になる。

リベンジポルノトラブルは気づいたときの初動が最も大切であり被害に遭ったら早急にリベンジポルノ解決を得意とする弁護士に相談しよう。

グラディアトル法律事務所では、LINEでの弁護士相談も可能なので、是非一度、ご相談してほしい。

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弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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