《男女トラブル》ハメ撮り動画の流出(リベンジポルノ)を防ぎたい!弁護士に相談して解決した事例

盗撮(ハメ撮り)され男女トラブルに発展した経緯 

相談者は東京在住の30代の女性。 

子供の頃から生粋のディズニー好きで、今も時間さえあれば休日はもちろん、仕事の合間を縫ってまで東京ディズニーランドに通うほどでした。 

ただ友人や会社の同期の多くが結婚し、一緒に行ってくれる相手も少なくなるなか、「同じディズニー好きの男性と恋愛したいな」と考えるように。 

そこで相談者は、出会いの場を増やすために出会い系アプリを利用し始めました。 
しかしアプローチをしてきた何人か男性と連絡を取り合ってみたものの、ディズニーが好きな男性は見つからず。

そんなある日、趣味の欄に「ディズニー」と記載している一人の男性を発見。 
やり取りをしてみると、相談者に負けないくらいディズニー好きで意気投合しました。 

そこから日々やり取りをするなか「そろそろどこかで休日を合わせてディズニーランドに行かない?」と男性からお誘いが。 

相談者は快くOKし、人混みを避けるため平日に行くことに決まりました。 

そして待ちに待った当日、早朝から高田馬場駅で待ち合わせ。 

そこから電車を乗り継いで東京ディズニーランドに向かいました。
到着し、事前に決めていたアトラクションやショーを堪能した楽しい時間はあっという間に過ぎ、気がつけば夕方に。 

ちなみに出会ってからずっと男性のエスコートはとても紳士的で、相談者がまさに理想とする恋愛相手といえました。 

もっと一緒に男性と過ごしたいと感じた相談者は「食事でもしながら戦利品や写真を確認しない?」と提案。 
すると男性が「それなら個室で雰囲気もよく美味しい居酒屋があるからそこに行こう」とスマホですぐに予約してくれました。

案内されつつ新宿にある居酒屋に到着。
お酒や食事を楽しみながら、ディズニーランドで一緒に過ごした話に花を咲かせていると、終電の時間が近づいてきました。

そこで店を出ようと立ち上がった際、足元がふらつき、相談者はかなり酔っていることを自覚。 
すると男性は相談者の酔いに気づいたのか、「このまま帰るのは危ないから少しホテルで休憩しない?」と。
相談者は「この人となら・・・」と男性に身を任せホテルへ向かいました。 

ホテルでは、着いた流れで男性にエスコートされるまま肉体関係を結び、終わるや否や酔いも回っていたのでそのまま寝てしまいました。

そして目が覚めると、隣では男性がスマホで何か動画を見ていました。
一方男性は、相談者が目が覚めたことに気づいてない模様。
そこで相談者は、何を見ているのかとスマホの画面を覗きこみました。

すると、まさかの先ほどの性行為の動画が。

相談者は「この動画どういうこと?」と詰め寄ると、
男性はすぐさま「ごめん!悪気はなかった!魔が差してしまった」と謝罪。 

せっかく楽しかった1日の最後に雰囲気を壊すのもと感じた相談者は謝罪を受け入れ、
「もうこんなことしないでね、動画は絶対削除してね」と伝えました。
すると男性は「わかった」と返事し、相談者の目の前で画像フォルダから削除。

その後ホテルを出て、その日はそれぞれ帰宅しました。

翌日、相談者は男性が本当に削除したのか一抹の不安が。
というのも、居酒屋で男性の撮った写真を見せてもらっていた際、その保存先がクラウド上だったことを思い出したからです。 

相談者は不安を解消させるためにも、男性に会いたいと伝えて、仕事終わりにカフェで待ち合わせることに。
男性が到着すると早速、「昨日撮った動画、本当に削除してくれたよね?」と確認。 

それに対し男性は、「もちろん、目の前で削除したじゃないか」とスマホの画像フォルダを見せつけてきました。

「じゃあクラウドも見せてもらっていい?」と伝えると、男性はしどろもどろの態度。

「本当に削除したなら見させてもらっても問題ないよね?」と問い詰めると、男性は観念したのかスマホを手渡してきました。

相談者がクラウドを確認すると、案の定、クラウド上には昨日の性行為の動画が残っていました。
くわえてクラウド内をいろいろ探すと、相談者以外の女性との性行為の動画を複数発見。

相談者は結局削除していなかったことに怒りを覚えるとともに、理想の恋愛相手と思った男性の趣味がよもや盗撮だなんてと大きなショックを受けました。

その後、相談者が盗撮されたハメ撮り動画はその場でクラウド上から削除させ、「もう2度と会わないから」と告げて、その場を後にしました。

週末、親友と会った相談者は、今回のことの顛末を打ち明けました。
すると親友は、「動画が他にバックアップされていることはない?」と。

親友は、いわゆるエロサイトに個人投稿の盗撮動画がよく掲載されていると、自らの弟から聞いた話を伝えてくれました。

心配になった相談者は、「盗撮 動画」「ハメ撮り 動画」などでネット検索すると、山ほどのサイトがあることを知って驚愕。

そしてなぜこんなにも投稿されているのかも調べると、お金儲けのほかリベンジポルノなどの理由もあるとのこと。
ただどんな理由にせよ、一度でもネット上に投稿されると削除したとしても拡散リスクはずっと残り、生涯不安やキズを負い続けることになりかねないと。

相談者はどうにかできないかと探していると、リベンジポルノをはじめとした最新の男女トラブルの解決に力を入れている当事務所のホームページを発見。 

すぐにでも対応してほしいと東京の当事務所に来られました。 

盗撮動画の流出(リベンジポルノ)を防ぐべく解決策を模索 

まず弁護士は、相談者に対して同意のない状況下での男性の盗撮(ハメ撮り)は、迷惑防止条例の“盗撮”に該当し得る行為と説明。 

具体的には、東京の迷惑防止条例においては、通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所が規制場所になっているところ、ホテルも該当することになるからです。

(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止) 
第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。 
(1) 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。 
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所 
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。) 

引用|迷惑防止条例を一部抜粋

弁護士は動画の削除や流出防止については、合意書締結による解決策を提案。
具体的には、撮影した動画の破棄条項にくわえて、秘密保持条項、ネットへの投稿をはじめ口外禁止や関係者との接触禁止条項を盛り込んだ合意書を締結し、ネット上はもちろん家族や職場への流出を防止すると。

相談者のご要望としては動画を削除し流出を防ぐことが第一としつつ、慰謝料も請求したいとのことでした。 

そこでまず慰謝料について具体的な金額を尋ねると、理想としては100万円とのこと。 

一方、合意書を締結するにあたって合意可能な最低金額も確認。 
すると、最低でも20万円を支払ってもらえるのであれば、納得できると。 

以上の相談者のご要望から、弁護士は交渉段階で100万円を請求すること自体は可能と説明。 

しかしながら、相手方が交渉に応じなかったり金額などが折り合わず仮に裁判となると、今までの裁判例からして、今回のケースでは数十万円単位となる見込みを伝えました。 

ただ、あくまで相手方の対応次第のところではあるので、まずは100万円を請求してみて、相手方の反応に応じて、どのように解決に導いていくか一緒に検討しながら決めましょうと提案。

相談者は自らで対応するには難しいので、すべてお任せしたいとのことでご依頼いただくことに。 

盗撮(ハメ撮り)動画の削除を目指し相手方と交渉 

弁護士は早速男性に連絡。 

まず依頼者の代理人になった旨を伝えるとともに、今後弁護士が窓口となるので依頼者や関係者への連絡はしないようにと伝えました。 
それについては男性から了承をいただく。 

男性が性行為中に撮影した動画は、迷惑防止条例の盗撮に該当し得る行為であり刑事事件化もありうる警告。 

刑事事件化と聞き警察に逮捕されてしまうのではと焦ったのか男性は
「許可なく撮影したことは申し訳ないと思っている。できれば示談することはできないか」と。 

そこで弁護士は、本件の慰謝料として100万円を考えていると。 

すると男性は難色を示し「100万円を支払うことは厳しいので何とか減額することはできないか」と打診。 

弁護士は、こちらとしては動画の破棄条項をはじめとした、秘密保持条項、口外禁止条項、接触禁止条項など記載した合意書締結を要望しており、合意していただけるのであれば減額することも検討できなくはないと返答。 

すると男性から合意書を締結することは問題ないとのこと。 

さらに慰謝料については、かき集めれば何とか50万円までなら支払うことができるので何とかこれでお願いしますと。
弁護士は、依頼者に確認すると告げ、いったん話を終えました。 

依頼者に上記の内容を伝え、弁護士は、相手方提案の50万円で合意書を締結するか、金額が納得いかないのであれば再度交渉する選択肢があると。

前者は相手方提示の金額によるものの早期解決となる一方、後者は相手方提示以上の金額で合意書を締結できるかもしれないが、解決までには時間がかかる可能性があることを説明。

依頼者は、相談時に話していた最低額20万円を十分超える金額であるし、早く解決して終わらせ次のステップに進んでいきたいので、50万円で合意書締結してほしいとのこと。

依頼者の意思を踏まえて再度弁護士は、男性に連絡。 

依頼者に確認が取れたとして、提示された50万円を慰謝料とし示談することを伝え、後日合意書を取り交わしました。

結果、依頼者が要望した慰謝料の支払いも含めた内容で、無事解決に至りました。 

盗撮動画の流出(リベンジポルノ)を未然に防ぐには? 

今回は依頼者が盗撮されたハメ撮り動画の流出(リベンジポルノ)を防ぎたいとのご依頼から解決までの事例を紹介しました。 

近年、スマホをはじめ誰でも簡単に動画を撮影・保存することができるようになりました。 
それゆえ男女関係にある仲においても、性的な動画が撮影されることが増えています。

そして関係が良好なうちは問題ないかもしれませんが、関係が拗れた際に、ネット上や家族・職場に流出すると脅迫され、関係継続の強要や口止め料として多額の金銭を請求されてしまう恐喝トラブルにまで発展することも残念ながらありえます。 

また流出されてしまっては、拡散している恐れがあり写真や動画などデータの完全削除はほとんど不可能と言わざるを得ず、解決も困難を極めます。 

したがって、どのような関係にあるにせよ、性的な動画は撮影させないに越したことはないといえます。

ちなみに、まだネット上に投稿・流出されたわけではないが防止策として何かしたい、そんな状況でも弁護士に相談していいのかと悩む方がいらっしゃるかと思います。 

結論としては、盗撮動画の投稿(リベンジポルノ)に発展する前での弁護士への相談はもちろん可能であり、実際に今回の事例のように流出を未然に防げるケースも十分にあります。 

したがって相談していいのかと悩まず、遠慮なく弁護士へ相談することをお勧めします。 

最後に、リベンジポルノのみならず男女トラブルの解決を考えておりましたら是非、当事務所へご相談ください。 

リベンジポルノに関する最新ニュース

絵画の穴からスマホで…性行為の隠し撮り、被害気づいて

女性らとの性行為を隠し撮りし、その動画のネット投稿を繰り返していた30代の男が今年3月、わいせつ電磁的記録記録媒体陳列とリベンジポルノ防止法違反の罪で有罪判決を受けた。兵庫県警は判決確定後も、さらに8人分の被害を裏付けた。量刑は重くならないが、立件した訳とは――。

神戸地裁判決によると、男は2017~19年、10~30代だった女性8人との性行為の様子を撮影し、その動画を女性の顔がわかる状態で動画投稿サイトに投稿した。判決は今年3月9日付。男は控訴せず、懲役3年執行猶予5年、罰金100万円の有罪判決が確定した。

県警によると、被害に遭ったのは、出会い系アプリを通じて男と知り合い、ホテルに呼び出された女性たち。男はホテル室の壁に小さな絵画を掛けておき、絵画に開けた小さな穴からスマートフォンで隠し撮りしていた。近くで注視しないと、スマホのカメラに気づかないほど巧妙だったという。

県警は判決が確定した後も捜査を続けた。無料通信アプリ「LINE(ライン)」「カカオトーク」のやりとりを解析するなどし、さらに8人の被害を裏付け、書類送検したという。

新たに複数の被害が発覚しても、すでに判決が出ていることや全体として一つの罪として考えられるため、新たに罪に問われたり量刑に影響したりしないとされる。

ある捜査関係者は「容疑者をより重く処罰するためではなく、被害者保護のための捜査だった」。隠し撮りされた動画がネット上にさらされていることに気づかない被害者も多い。「被害を知らせてあげれば、サイトに削除要請するなどの対策もとれる」と話す。

2020年10月26日 13時20分 朝日新聞

近年、盗撮された性的な動画がインターネット上に投稿・流出される事例が年々増加しています。

ニュースにあるよう、被害者が気づかないままに巧妙な手段で盗撮が行われ、ネット上に投稿・流出されてはじめて友人や知人から指摘されることで気づくケースが往々にしてあります。

また、ネット上に投稿・流出されたケースの多くにつき、出会い系アプリや出会い系サイト、TwitterをはじめとしたSNSが出会いのきっかけとなっています。

そして、援助交際やパパ活などの名目で金銭の授受がある場合には、特に盗撮されているケースが目立っています。

というのは、加害者はいわゆるエロ動画の有料販売サイトなどに投稿し、そこから得られる収入を被害者女性との食事代やホテル代、援助交際やパパ活で渡す金銭に使用していることも大いにあるからです。

そのため、加害者側からすれば、多くの女性との性的な動画を投稿するため、出会い系アプリやSNSなどを利用して、被害者となる女性との出会いを求めているということになります。

したがって、出会いのきっかけがネット上で、かつお金を渡す前提でアプローチしてきている場合は最も警戒すべきといえます。

なお、盗撮された性的な動画が投稿・流出された場合には、一刻も早く投稿されているサイトに削除請求を行うべきです。

ただ、海外サイトであったりなど削除請求の仕方がわからない場合には、弁護士に相談しましょう。

ちなみに当法律事務所でも多くの削除実績がございますので、よければ下記専門ページからお問い合わせいただけたらと思います。

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Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。