ニュース内容
アルバイトの女性に対し、わいせつな行為をしたとして、東京の焼鳥店「〇〇」の経営者が警視庁に逮捕されました。
9日 15時19分 TBSNEWS
強制わいせつの疑いで逮捕された〇〇容疑者は去年11月、店で皿洗いをしていた20代のアルバイトの女性に抱きつき、キスをしたり、下着の中に手を入れて下半身を触るなどの行為をした疑いがもたれています。
警視庁によりますと、〇〇容疑者は客としてきた女性をアルバイトに勧誘していて、この日は女性の初めての出勤の日だったということです。
取り調べに対し「同意の上だった」と容疑を否認していますが、この店では複数の女性アルバイトが短期間でやめていて、警視庁は余罪についても調べています。
「強制わいせつ」とは!?
今回のニュースは、アルバイトの女性に対し、わいせつな行為をしたとして強制わいせつの疑いで逮捕されたというものです。
「強制わいせつ」とは、刑法上犯罪とされている行為であり、条文は下記のとおりです。
(強制わいせつ)
第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
そこで今回は、具体的にどのような行為をすれば「強制わいせつ」に該当するのかについて解説したいと思います。
「強制わいせつ」における暴行・脅迫
上記条文のとおり、13歳以上の者に対しては、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をしたといえる必要があります。
この点、「暴行」とは身体に対する不法な有形力の行使のことをいいます。
「脅迫」とは、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害悪を加える旨を告知することをいいます。
そして「暴行」「脅迫」の程度としては、被害者の意思に反してわいせつな行為を行うに足りる程度でよいと考えられています。
具体的には、「暴行」については、殴ったり蹴ったりすることは当然として、抱き着いたり、身体を押さえたり、着衣を引っ張ったりすることも含まれます。
「脅迫」については、殺すぞ、ケガさせるぞ、不倫をバラすぞなどがあげられます。
今回のニュースでいえば、抱きついている点で「暴行」はあるといえるでしょう。
「強制わいせつ」におけるわいせつな行為
「わいせつな行為」とは、性欲を刺激、興奮、または満足させ、かつ、性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為であるといわれています。
具体的な行為でいうと、まず陰部や女性の胸(乳房)、お尻(臀部)に直接触ったり下着の上から撫でることが該当します。
この点、衣服を着ている場合には、これらの部位に単に触れるだけでなく弄んだといえるような強い態様が必要とされています。
またキス(接吻)も判例上、わいせつな行為に該当するとされています。
たとえば、無理やりキスしたり、強引にキス、同意なくキスすることです。
さらに身体的な接触行為はなくとも、裸にして写真を撮ることもわいせつな行為に該当します。
なお、わいせつな行為に該当しない場合であっても、いわゆる痴漢行為として、各都道府県の迷惑防止条例違反になる可能性は十分にあります。
今回のニュースでいえば、キス、下着の中に手を入れて下半身を触ることまでしているので、「わいせつな行為」に該当するでしょう。
「強制わいせつ」被害に遭った際には
今回のニュースのように職場であったり、学校や道すがらなど、どのような場所であっても「強制わいせつ」の被害に遭う危険性はあります。
もし「強制わいせつ」被害に遭った場合には、すぐさま警察に通報しましょう。
被害直後であればあるほど、犯人が逃亡や証拠隠滅に動いておらず、一般に警察も犯人を捕まえやすいといえるからです。
この点、どのように警察に伝えればいいか、警察に伝えると今後どうなるのかなどがわからず、ためらうこともあるかと思います。
ためらう際には、先に弁護士に相談することも1つの手段です。
弁護士であれば、法的なアドバイスはもちろん、警察への被害相談、被害届の提出に同行することも可能だからです。
最後に「強制わいせつ」被害はもちろん男女トラブルでお悩み・お困りの方は、遠慮なく当事務所にご相談ください。