<取材ファイル>「パパ活」隠れた危険 睡眠薬のませ乱暴する手口

ニュース内容

食事やデートをして男性から金銭を受け取る、いわゆる「パパ活」の女性に乱暴したとして、警視庁は今月四日、強盗強制性交などの疑いで、無職の男を再逮捕した。後ろめたさから女性が被害を訴えないことにつけ込み、東京や埼玉などで二年前から五十人以上に犯行を繰り返していたという。専門家は、軽い気持ちでパパ活をする女性に「危険が隠れていることを知ってほしい」と警鐘を鳴らす。 (西川正志)

再逮捕されたのは、東京都文京区本郷五、無職後藤武彦容疑者(49)=準強制性交などの罪で公判中。警視庁による逮捕は三回目。

捜査関係者によると、後藤容疑者は、ツイッターで知り合った女性に睡眠作用のある薬をのませて意識を失わせ、乱暴する手口を繰り返していたという。調べに、「ただで性行為がしたかった」と供述している。

「パパ活は、援助交際などと本質的には変わらない」と指摘するのは、青少年のインターネット利用に詳しい兵庫県立大の竹内和雄准教授。竹内准教授によると、パパ活という言葉は約四年前からネットを中心に広まった。性的な行為をせず、食事などに付き合う対価として男性が女性に金銭を支払うのが一般的だが、中には性的な行為に及ぶケースもあるという。

相手を見つける場は会員制交流サイト(SNS)が中心。ツイッターでは「優しいパパ募集します。十七歳。一時間五千円。食事など」という書き込みがあふれている。竹内准教授は「軽い響きと簡単に稼げる手軽さに加え、不特定多数とつながれるSNSが普及したことで高校生、大学生の間で急速に広がりつつある」と分析する。

捜査関係者によると、後藤容疑者もツイッターで女性とやりとりする際、金銭の援助と、性行為をしない約束をしてホテルなどに誘い出していた。しかし、実際は意識を失わせて乱暴し、その様子をスマートフォンで撮影していたという。

悩みを抱えた若い女性を支援するNPO法人「BONDプロジェクト」の橘ジュン代表は「SNSのやりとりだけでは相手がどんな男か分からず、約束が守られる保証はない。女の子自身が危険性を知るのはもちろんだが、パパ活を募る大人を規制する制度もつくる必要がある」と話す。

2020年3月21日 夕刊 東京新聞

弁護士からのコメント

今回のニュースは、「パパ活」の女性に睡眠作用のある薬をのませて意識を失わせる手口で乱暴したとして、強盗強制性交などの疑いで再逮捕されたというものです。

先日もパパ活で睡眠薬を飲ませてわいせつ行為をした疑いで逮捕された下記ニュースがありますので、よければご参照ください。

このようにパパ活においては、性犯罪・性被害はもちろんのこと様々な犯罪やトラブルに巻き込まれる危険が孕んでいます。

そもそも性犯罪をはじめとした犯罪を行おうとする人間は、被害者となるターゲットを探して行動しています。

そのターゲット探しで、近年よく用いられているのがツイッター(Twitter)をはじめとしたSNSです。

今回のニュースでも被害者となる女性と知り合ったきっかけはツイッターでした。

ツイッターが利用される理由としては、まずその利用者数が多いことが挙げられるでしょう。
犯罪を行う者からすれば、それだけターゲットがいるということになるからです。

また匿名登録かつ複数のアカウントを所持でき、簡単にアカウントも削除することが可能な点も挙げられるでしょう。
自らの素性がバレにくいことにくわえ、何か問題があれば当該アカウントを削除し、新たにアカウントを作成すればいいだけだからです。

パパ活で犯罪やトラブルに遭わない対策としては、素性のわからない者とコンタクトを取りあうこと自体が危険と認識し、行わないことです。

今回のニュースでもあったように、犯罪を行おうとする人間は甘い言葉や虚偽の約束をすることで誘い出し、いざ会った際には約束を反故にして犯罪を行うからです。

最後にパパ活で犯罪やトラブルに遭ったかもと思った際には、遠慮なく当事務所にご相談ください。

Bio

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。
男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。