ニュース内容
マッチングアプリで勧誘した女性のわいせつ動画を販売したとして、警視庁保安課は6日、東京都渋谷区渋谷、無職、○○○○容疑者(34)をわいせつ電磁的記録等送信頒布容疑で逮捕したと発表した。○○容疑者は約200人の動画を撮影し、約3500万円の収入を得ていたとみられる。
毎日新聞2020年2月6日 12時51分
○○容疑者はマッチングアプリで、若い女性と食事などをする見返りに援助をする「パパ活」を装って接触し、言葉巧みにわいせつ動画の撮影に誘導していた。
「お金が好きな方、体の関係が大丈夫な方、詳細についてはラインIDをいただけたら連絡します」。警視庁によると、○○容疑者はこのようなメッセージを、マッチングアプリで200~300人の女性に一斉に送信し、返信があった女性に対し「スマートフォンで撮ったムービーを試しに1000円で売ったら、最初の1カ月で300万円、7カ月で900万円近く売れました」「撮影は1回1時間で、顔は一切映りません。報酬は売り上げの半分」とわいせつ動画の撮影を持ちかけていた。
渋る女性には「本人は特定されません」「怪しい仕事や風俗のスカウトではありませんので安心してください」と警戒心を与えないように丁寧な文言で説得していたという。
しかし実際は、撮影当日や翌日に女性の顔が分かる動画を配信。女性には「出品動画の一部が児童ポルノに当たるとしてアカウントが規制されています。ご迷惑をおかけしてすみません」「出せませんでした」と告げ、報酬を渡していなかった。撮影に応じた女性の中には、「学費を払うためだった」と話している学生もいるという。
被害に遭った女性の相談を受けたNPOからの通報を受け、警視庁保安課が捜査していた。同課は職業安定法違反(有害業務の紹介)容疑でも調べる方針。
弁護士からのコメント
今回のニュースは、マッチングアプリでパパ活を装って、勧誘した女性のわいせつ動画を販売したとしてわいせつ電磁的記録等送信頒布の疑いで逮捕されたというものです。
まず犯罪者がターゲットを探すために、今回のニュースにあるようマッチングアプリやマッチングサイト、SNSなどインターネットが利用されていることが最近の主流です。
犯罪者側からすれば、理由としてそもそも候補となるターゲットが多数いることが挙げられます。
また実際に会ったり電話したりで勧誘等するより、時間や労力が節約できることもいえます。
さらに実際に会うまでに自らの素性がバレにくく、犯罪を行いやすいということも挙げられます。
そして詐欺師をはじめ、何かしらの犯罪行為を行おうとする者は虚偽の情報で自らを装ったり、被害者を騙したりすることは常套手段といえます。
今回のケースでいえば、パパ活を装い、本人が特定されることはなく高額の報酬を支払うと騙してわいせつ動画を撮影したにもかかわらず、顔が出された本人が特定可能な動画を配信し、結果報酬も支払われていません。
このように犯罪者は、当初からターゲットを選別した上で、そのターゲットが乗ってきそうな虚偽の情報を伝えて騙すことで犯罪行為を行います。
パパ活を含め男女のトラブルや犯罪に遭わない対策としては、たとえ甘い言葉で魅力的な内容だったとしても、素性のわからない者からの誘いや何の証拠や確約もない勧誘には手を出さないことです。
特に今回のケースのようにネット上でわいせつ動画が配信されてしまうと、被疑者以外の第三者によってコピーや拡散されることが多々あります。
そうなると完全にネット上から消去することはほぼ不可能と言わざるを得ず、取り返しのつかないことになってしまいます。
最後にパパ活はもちろんのこと、男女間でトラブルや犯罪に遭ったと思った際には遠慮なく当事務所にご相談ください。