「弁護プラン: 風俗本番トラブル」について

風俗本番トラブルとは

当法律事務所には,年間数百件のデリヘル等の風俗店を利用した場合の客と風俗店とのトラブルの相談が寄せられます。その相談の中で圧倒的に多いのが,本番トラブル盗撮トラブルです。

本番トラルブの相談は,デリヘル,店舗型の風俗店のみならず,手コキ店やソフトな性感マッサージ店,いわゆるピンサロでの本番トラブルの相談もあります。

デリヘル等の風俗店では,本番行為,性行為は禁止されています。
風俗店が客からお金をもらって,女性キャストに本番をさせることは売春防止法により禁じられているからです。

風俗店の経営者としても,女性キャストが本番行為をしていた場合には,売春防止法違反で逮捕,起訴されるリスクを負うため,風俗店の規則上も本番行為を禁止しています。

以下で紹介するように,風俗店での本番トラブルには色々なケースがありますが,結果的に本番行為をしてしまい,風俗店とトラブルになってしまうと…

強制性交等罪(強姦罪)で逮捕されてしまう
法外な罰金・損害賠償を請求される
家族や職場に風俗店で本番強要をしたことバラされてしまう,またはバラすぞと脅される
お店と合意して罰金を払ったのに,後から女性キャストから請求される
女性キャストが妊娠したから損害賠償を払えと請求される

などのリスクがあります。

また,非常に悪質な風俗店のケースでは,風俗店の店員から暴行を受ける,暴行や脅迫により,ATMまで連れて行かれてお金を降ろさせられるなどの被害に遭ってしまったケースもありました。

ここからは,風俗での本番トラブルの類型,警察に逮捕されてしまうリスク,罰金・損害賠償・示談金の相場,風俗店の女性キャストが妊娠したと言ってきたケースなど,風俗店での本番トラブルでよくある相談について記載していきます。

風俗本番トラブルとは 本番トラブル類型

本番強要ケース

風俗店の客が、女性キャストの腕を押さえつけるなどの暴行や脅迫を用いて本番強要を行うケースです。

この場合は、強制性交等罪(強姦罪)が成立します。
強制性交等罪は刑法の改正により強姦罪から改正されたもので、5年以上の有期懲役と刑罰が重くなり、被害者の申告がなくても起訴ができる非親告罪となりました。

さらに、この本番強要の機会に行われた行為により被害者が怪我をしてしまった場合には、強制性交等致傷罪が成立します。
この場合には無期又は6年以上の懲役と非常に重い刑罰が定められています。

そして、この怪我、傷害には、キスマークや性病を移したことも含まれるという判例があります。

すなわち、強制性交等罪が成立するような本番強要が行われ、押さえつけた腕に痣ができたり、性病を移したりした場合には、強制性交等致傷罪として処罰されてしまう可能性があります。

本番について明確な合意があるケース

他方で風俗店の女性キャストが本番行為を同意していたにも関わらず、後からトラブルになるケースもあります。

客の方が女性キャストの許可なく中だしした、コンドームを外したなどで、女性キャストが怒ってしまい、本番行為自体の同意もしていないと後から言われてしまうケースの他、初めから罰金・損害賠償金・示談金といったお金目当てで本番行為に合意している当たり屋のような悪質なケースもあります。

風俗店と女性キャストがグルになっているケース、女性キャストが単独で行っているケースもあります。

このような悪質な当たり屋ケースでは、同じ風俗店の同じ女性キャストとの本番トラブルの相談が別の相談者から当法律事務所によせられることもあります。

ただし、このようなケースでも警察が捜査を開始してしまっていた事例もありましたので、合意があったから絶対に大丈夫というわけではないので、ご注意ください。

本番についての合意が争われるケース

この両者のケースの中間で、客としては合意があったと思っていたけれど、女性キャストは合意をしていなかったというケースがあります。

この本番行為、性交渉についての合意の有無という問題は、風俗店に限らず、一般の男女間の強制性交等済みの際にも問題となりますが、風俗店では素股行為が行われることが多いためか、この類型のトラブルはよく起こります。

このケースでは、男性客としては風俗店でのサービスの流れの中で女性キャストが気持ちよさそうにしていたとか、拒んでいなかったとか、口には出さないまでも合意していると思っていた。
他方で、女性キャストとしては、怖くて拒めなかったとか、ダメって言ったのにとか、そういった認識の違いでトラブルが生じます。

この場合、風俗店では、本番行為が禁止されていますので、合意自体はなかったと認定されてしまうリスクがあります。

風俗で本番をしたら逮捕されるのか

まず、ズバリ結論から言うと、風俗で本番行為をして逮捕されてしまった例はあります。

上述した暴行脅迫を用いた本番強要のケースはもちろんですが、明確な合意があったケースでも、後から風俗店の女性キャストが警察に被害届を出しに行って捜査が開始されてしまったケースがあります。

逮捕されて、実名報道されてしまい、勤務先を懲役解雇されてしまったケースもあります。

本番行為の合意があるケースよりも、本番強要のケースの方が、警察に逮捕されてしまうリスクは高いでしょう。風俗店や女性キャストの本気度も高いでしょうし、病院での診断書などの証拠の確保をしている可能性も高まるからです。

他方で、近年、女性側の証言の他にほとんど客観証拠がないような強姦事件で、無罪判決が出ております。その影響もあり、警察等の捜査機関も逮捕に慎重になっている傾向にあります。

また、風俗店という性質上からか、店の経営者や女性キャストが警察に行っても被害が受理されない場合があります。このような理由から、風俗店で本番行為をしたからといって警察に逮捕されてしまう可能性が高いとまでは言えないでしょう。しかし、実際に逮捕されてしまっている事例もありますので、その点は安易に考えず、弁護士に相談をしておくのがよいでしょう。

仮に、警察が動き出していたとしても、弁護士が代理人として相手方の風俗店や警察と交渉する事により、逮捕リスクを減らすことができるからです。

さらに、強制性交等罪で逮捕・起訴されてしまった場合には、5年以上の懲役という重い罪となる。

実際に、執行猶予がつかずに実刑となっているケースも多い。

強制性交等罪の量刑や実刑・執行猶予については以下の記事も参照して欲しい。

https://criminal-case.gladiator.jp/風俗本番強要は強制性交等罪で逮捕・実刑も!?/

本番行為と示談書、合意書

では、本番行為をしてしまった方が、風俗店やその女性キャストに対して、罰金、損害賠償金、示談金を支払う場合、示談書や合意書といった書面を交わした方がよいのでしょうか。

お金を払って解決するのであれば、必ず、示談書や合意書といった書面を交わすべきです。
なぜなら、風俗店とのトラブルで、時々見かけるものとして、示談金、損害賠償金を支払ったにも関わらず、後から請求されてしまう事例があるからです。

女性キャストに示談金を払ったのに、後になって風俗店から電話が来て、お金を請求された。風俗店の男性スタッフに罰金を請求されて払ったのに、後から、本番行為をした女性キャストが弁護士をつけて損害賠償を請求してきた。
風俗店の男性スタッフに罰金を請求されて払ったのに、後から警察から電話がきた。

このような事例が実際におこっていますので、お金を払う際には、風俗店と女性キャストとしっかりと示談書・合意書を交わして後々の請求をされないようにする必要があります。

本番強要などの風俗トラブルでの示談のメリットと示談書を作成すべき理由・示談書に書くべき条項については、以下の記事をご参照ください。

https://criminal-case.gladiator.jp/?p=195

 

風俗店で本番したときの罰金・示談金の相場は?

店舗型の風俗店の待合室に貼ってある「本番行為 罰金100万円」などの貼り紙を見たことのある人も多いのではないでしょうか。

当法律事務所に寄せられる相談でも、風俗で本番をして罰金を請求されている
警察に行かれたくなければ示談金を払え

など、本番行為と罰金のトラブルは非常に多いです。

では、この罰金とはなんでしょうか?
法律用語では、「罰金」は、刑事罰のうちの一つです。刑事罰を科すかどうかの判断は裁判所に委ねられていますので、風俗店が罰金をとることはできません。

風俗店から請求される罰金は、法律上は損害賠償請求です。
強制性交等罪といての性質をもつこともあります。

では、法律上、風俗店や風俗店で働く女性キャストから罰金、損害賠償金を請求された場合、払わなければいけないのでしょうか。

まず、本番強要をしてしまったケースについてみると、本番強要行為は、強制性交等罪に該当する違法行為です。これは、民事上の不法行為に該当します。そのため、これにより生じた損害を賠償する義務を負います。

他方で、本番行為について明確な合意があるようなケースでは、合意による性行為となりますので、不法行為に該当する可能性は低いでしょう。

ただ、前述したように風俗店では本番行為、売春行為が禁じられています。
そのため、多くの風俗店では、利用規則や利用規約によって、本番禁止しており、その規約に違反し場合には、罰金・損害賠償金を支払ってくださいというルールを設定しております。風俗店を利用した客がこのルールに同意して利用していると判断されるような場合には、風俗店利用契約上の債務不履行としての損害賠償義務を負う場合があります。

このように、風俗店で本番行為をしてしまった場合には、その損害を賠償する義務が生じる可能性があります。

では、その損害賠償の金額の相場はいくらなんでしょうか?

こういってしまっては見も蓋もないかもしれませんが、相場はないと考えざるを得ないでしょう。なぜなら、その本番行為の態様、女性キャストの被害の程度、風俗店の損害の程度、風俗店や女性キャストの被害感情の大小、本番行為をしてしまった客のお金に対する考え方等で金額が大きく異なってきてしまうからです。

嫌がる女性キャストを無理やり押さえつけて力づくで本番行為をした場合と、女性キャストに本番代金を追加で1万円払って本番行為をするいわゆる円盤の場合では、その金額が大きくことなってくるのは想像に難くないでしょう。

また、その本番行為によって、女性キャストの心身に与える障害の程度や、その被害感情の程度によって、女性キャストがいくらで納得できるかが変わってきます。

風俗店側も同じで、例えば稼ぎの良いNO1の女性キャストがその客の本番行為で被害を受けてお店を辞めてしまった場合や、避妊具をつけずに本番行為をして性病検査等の結果が出るまで出勤できなかった場合の損害と、合意のもとで避妊具をつけて本番行為をしてその後も当該キャストが出勤している場合には損害の大きさが違うでしょう。

また、本番行為をした客側の考え方として、大きなお金を払ってでも早く解決したいと考える人なのか、できる限り安く済ませたいと考える人なのかによって示談といて合意できる金額は変わってきます。

このように、具体的な状況によって、損害賠償の金額として適切な金額は変わってきますので、不安に思われる方は、弁護士に具体的な情報を伝えて相談してみるとよいでしょう。

妊娠トラブル・美人局

妊娠に関するトラブルも多く寄せられます。

通常の男女関係での妊娠トラブルもありますが、出会い系サイトやSNSで知り合った男女による妊娠トラブル・風俗店やキャバクラなどの夜の店で出会った男女による妊娠トラブルの相談が多い印象です。

妊娠に関するトラブルとしては、女性が本当に妊娠している場合と、妊娠していると偽って損害賠償金を騙し取ろうとする美人局の場合とがあります。

性交渉を持った女性が本当に妊娠していた場合、しっかりと対応する必要があります。

女性が妊娠をして、中絶せずに出産をした場合、その子供があなたの子供であれば、認知をして養育費を支払う義務を負う可能性が高いです。

この場合、女性から認知を求める調停や訴訟を起こされ、DNA鑑定が行われ、その結果、父であることが判明した場合には、認知請求が認められます。

その上で、あなたと当該女性の収入などから養育費が算定されて、その支払い義務が生じる可能性があります。

性交渉を持った女性が人工妊娠中絶をした場合には、その費用の請求や、休業損害、慰謝料等の損害賠償請求をされる可能性があります。

中絶した胎児のDNAを使用してDNA鑑定を要求される場合もあります。

他方で、妊娠していないにも関わらず、妊娠をしたと言って損害賠償を請求してくる美人局のケースもあります。

胎児のエコー写真の画像や、病院の診断書を送りつけてくる巧妙な場合もあります。

性交渉をした女性が妊娠をしたと言ってきた場合には、その事実を確かめる為に、しっかりと名前や日付の入った証拠書類を確認すべきでしょう。また一緒に病院へ行くなどしてその事実を確かめてもいいかもしれません。

ご自身で対応が難しい場合には、弁護士に依頼をして代理人として交渉をしてもらうのもよいでしょう。

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