今回紹介させてもらうデリヘルでの風俗トラブルの内容は,相談者の男性がお気に入りのキャストがデリヘル店から罰金1000万を請求されたと聞き,かわいそうに思い肩代わりすると約束してしまった。
そんな金額を肩代わりする約束をしてしまったものだから,デリヘル店のマネージャーなどが必死に債権回収を行ってきてどうにもならなくなり当法律事務所に相談にきてくれたという事案。
もちろんそんなお金は支払う必要性がないため全額ブロックにて一件落着した。
目次
デリヘル店との恐喝トラブルの内容
そもそも,なぜ1000万円という大金を支払うことになってしまったのか。
当法律事務所では数多くの風俗トラブルを扱ってはいるが,それほどの高額請求はあまり目にしない。デリヘルなどの風俗店から罰金やルール違反という名目の下に金銭を要求される事例はままあるが,請求される相場としては大体100〜300万円いかないくらい。
そのほとんどが0円〜30万円程度で示談に持ち込めるような案件なのだが,今回は相場の3倍を上回る1000万円!!
事の発端としては,もともと相談者の男性が1人のデリヘル嬢を気に入ったことから始まる。
そのデリヘル嬢がかなりのお気に入りだったため,お店に相当な金額をつぎ込んでいたらしい。百万単位では収まらないような金額だ。
そんなにお店を利用してくれるくらいだから,お店としてもそんな太客は逃したかったはずだ。
そんなある日,男性とデリヘル嬢の間でトラブルが生じた。きっかけは些細な事だったらしいがどうしても許せなかったデリヘル嬢は男性をNG客としてお店に報告した。
お店としても経営面から見れば太客を逃すはずもない。しかし,そのキャストは頑なに譲らない。
そこで,お店はそのキャストにルール違反により1000万円の支払いを命じた。そのキャストも家庭内の事情によりもちろんそんな大金は払えなかった(というか一般人でそんな大金を払える人が日本にどれだけいるのだろうか。)。
男性は長年そのキャストと懇意にしておりNG指定されたとはいえ情は残っていた。
キャストがお店から高額な罰金を請求されたと聞いては男性は居ても立っても居られなかったらしく,「自分が代わりに支払います」と約束してしまったらしい。
相談者の男性はたしかに経営している会社の業績も良く,1000万円という金額の支払い能力でいえば十分にあることにはあった。
そうはいっても,キャストのために1000万円を支払ったとしてその先になにがあるのか,と考えた末に男性はやはりその1000万円を立て替えるのは思いとどまったらしい。
デリヘル店のマネージャーとしても,支払い能力と意思がある利用客から1000万円を回収できると見込んでいたものが流れてしまったのだから血眼になって債権回収に及んでくる。
もしその1000万円を回収できなかったらマネージャーの立場も危うくなってしまうのだろうか。
相談者の男性がお店側から詰められていた以上に,マネージャーが経営者から詰められていたのかもしれない。
そういった経緯から男性は,風俗トラブルを専門に扱う当法律事務所まで相談にきてくれた。
風俗トラブルといえば,本番トラブルと盗撮トラブルがその多数を占める中で,恐喝被害にあった方の恐喝ブロックの案件も数多く扱っている。
恐喝ブロック案件の特徴としては,本来支払う必要のないお金を支払う約束をさせられ,又は一方的に因縁を付けられて強引に支払わせてくるように迫ってくる行為を弁護士が介入してブロックするものだ。恐喝の程度によっては弁護士と警察で連携してブロックする手法をとることもある。
そもそもの話ではあるが,デリヘル店のHPに利用規約が小さく書いてあったりしただけで一方的に罰金を請求される謂れはないのだが,デリヘルなどの風俗を利用している男の負い目に付け込んであたかも支払って当然のように迫ってくるのが一般的な恐喝トラブルの流れだ。
法律知識なんか普段使わない普通の人であれば,そんな請求をされれば怖くなって支払ってしまうことも現実として非常に多い。それを弁護士が代理人として相手からの請求に対して「壁」になることで金額を極限(または0円)まで減らせるようにする。
恐喝トラブルの弁護士相談
恐喝トラブルはお店を利用したあとで請求されることが通常なため,その被害は夜遅くに発生することが多い。そこで,当法律事務所では深夜に発生したトラブルでも対応できるよう24時間電話対応を行っている。
弁護士との相談は原則予約制ではあるのだが,緊急性が高いと判断されれば即時に弁護士との面談も可能となっている。
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相談者から電話をもらった弁護士はさっそく電話にて面談を実施する。
男性とキャストの関係からお店とのこれまでのトラブルの有無,恐喝トラブルにまで至った経緯を慎重に聴取していく。
あらかた電話で内容を聞き終わった弁護士は,請求金額は他の事例に比して高額だけれども全額ブロックできそうな案件だと見込んだ。
そして,依頼後の流れやリスクなど一通り説明する。
もともと相談者の男性は,電話で話す限りでは気が強く物怖じしないタイプでもあったため,まだお店から電話がくるだけの状況であれば自分で解決できそうだと思い,弁護士への依頼はしなかった。
もちろん依頼につながらなかった場合でも相談料などは発生しないため,風俗トラブルに巻き込まれてしまったら気軽に電話をかけてきてほしい。
1週間後,男性から再度の電話がきた。
内容としては,とうとうデリヘル店のマネージャーが自宅にきてしまったらしく,その際に警察を呼んでもその前に逃げられてしまいこれ以上は自分でどうすることもできないと感じて電話してきてくれたようだった。
家族のいる自宅に押しかけられたとあっては,弁護士の見解としても男性は非常に危険な状態にあったといえる。
風俗店はその特性上,反社会的勢力が糸を引いて経営しているケースも少なくなく,風俗トラブルが発生したさいには実行部隊が出てきてしまう可能性も十分にある。
そういったリスクから男性を守るためにも,早く弁護士を付けて相手方との交渉を任せた方が良いと提案した。
物怖じしないように見えた男性も,この1週間でだいぶ精神的にやられてしまったらしくその場で委任契約が成立した。
恐喝トラブルの交渉内容
男性から依頼を受けた弁護士は,もうこれ以上デリヘル店の関係者を男性に近寄らせないようにすぐに電話をかける。
電話に出たのは自宅に押しかけてきた人物とは違う責任者らしき者だった。
弁護士の見立どおり,やはり男性の自宅に行ったのは実行部隊だったのだろう。それにしてもやり方が強引すぎる。
まずは,1000万円を男性に請求した経緯を確認する。この点に両者で齟齬があっては進む話も進まない。
一通り相手方の主張を聞いて男性と認識が共通している点・共通していない点を明確にする。
今回のケースでいえば,先に説明した恐喝トラブルの内容とそう異なる点はなかった。
相手の主張を確認した弁護士は,あらためて相談者に接触しないことと,1000万円の内1円足りとも支払う意思がないことも伝えた。
恐喝トラブルのような事例では,法律に興味のない普通の人がその請求を拒否するよりも,法律を扱うプロでもある弁護士が間に入って支払う根拠がないことを論理的に説明する方が風俗店側も納得しやすい。
というかそもそもの話ではあるが,風俗店も合法に経営するには警察に届出をする必要があるため,弁護士や警察にはあまり関わりたくないのが本音なのだ。
1000万円について男性が支払う意思がないことを聞いたデリヘル店の責任者は,また検討して追って連絡するとのみ弁護士に伝えて電話を切った。
電話が終わってすぐに交渉の経緯を男性に報告する。なんとか請求をブロックできそうですと。
それから3ヶ月経ってもお店から連絡はきていないし,男性の方にも連絡はいってない。
もちろん自宅にだって押しかけられていない。
こうして,男性は平穏な日常を取り戻した。