公然わいせつ罪とは?犯罪の定義・法定刑や具体的な4つの行為を解説

公然わいせつ罪とは?犯罪の定義・法定刑や具体的な4つの行為を解説
弁護士 若林翔
2024年12月23日更新

「公然わいせつ罪とはどのような犯罪?」

「公然わいせつ罪はどのような場合に成立する?」

「公然わいせつ罪の法定刑はどのくらい?」

公然わいせつ罪とは、公園や路上、駅など不特定または多数の人が認識できる状況でわいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。

どのような行為をすると公然わいせつ罪が成立するのかについては、わいせつ性の概念が抽象的であるが故に、判断が難しいケースもあります。そこで、公然わいせつ罪の定義とともに具体的に公然わいせつ罪が成立し得るケースを把握して、自分が犯罪の当事者にならないように気を付けて行動することが大切です。

本記事では、

・公然わいせつ罪の構成要件

・公然わいせつ罪が成立し得る具体的な4つの行為

・公然わいせつ罪の法定刑

などについてわかりやすく解説します。

公然わいせつ罪は、逮捕率が33%、起訴率が56%の犯罪ですので、犯罪後何もせずにいると逮捕・起訴される可能性のある犯罪ですので、公然わいせつ事件を起こしてしまったときは、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

 

公然わいせつ罪とは

公然わいせつ罪とは、公園や路上、駅など不特定または多数の人が認識できる状況でわいせつな行為をした場合に成立する犯罪です(刑法174条)。

公然わいせつ罪の保護法益は、性秩序・健全な性風俗といった社会的法益になりますので、特定の被害者と観念することができません。そのため、周囲の人が公然とわいせつな行為をすることに同意していたとしても、社会的法益を侵害するため公然わいせつ罪が成立します。

令和5年版犯罪白書によると、令和4年における公然わいせつ罪での認知件数、検挙件数、検挙人員は、以下のようになっています。

認知件数検挙件数検挙人員
2387件1587件1319人

検挙率としては、約66%になりますので、3人に2人は公然わいせつ事件として立件されていることがわかります。

 

公然わいせつ罪の構成要件

公然わいせつ罪の構成要件は、

・公然性があること
・わいせつな行為をしたこと
・故意があること

の3つになります。以下では、3つの構成要件の詳しい内容について説明します。

要件内容具体例・ポイント
公然性があること不特定「または」多数の人が認識できる状態で行為を行うこと: 公園で下半身を露出(人がいなくても公然性あり)
判例: 少人数(2~5人)の前でも不特定性があれば公然性成立
ポイント: 認識可能性があれば成立
わいせつな行為をしたこと行為が性欲を不適切に刺激し、性的羞恥心を害し、道義観念に反すること該当例: 性器の露出、屋外での性行為
不該当例: 海岸での水着、祭りでのふんどし姿
ポイント: 社会一般の感覚で判断
故意があること自身の行為とその状況を認識していることが必要: 公園で性器を露出していることを認識して行動
ポイント: 行為や状況を認識していれば故意が成立
注意: 未遂の処罰規定はなし

公然性があること

公然性とは、不特定または多数の人が認識できる状態をいいます

不特定「かつ」多数ではなく、不特定「または」多数になりますので、不特定か多数のどちらかを満たせば公然性が認められます。たとえば、判例では、見物客から料金をとって性行為の実演を行う、いわゆる「のぞき」の事案で、見物客が2〜5人の比較的少人数の前で行われましたようなケースでも公然性を肯定しています(最高裁昭和30年6月10日判決)。

この事案では、実際にわいせつ行為を目撃したのは特定かつ少数の人であったものの、不特定または多数の人が認識し得る状態で行われたような場合には、公然性の要件を満たすと判断しています。

すなわち、実際に不特定または多数の人が認識したことまでは要求されませんので、認識する可能性があればこの要件を満たすといえます。

たとえば、公園で下半身を露出した際に、公園に誰もいなかったとしても、公園は通常不特定または多数の人の利用が予定されていますので、不特定または多数の人が認識する可能性があったといえ公然性を満たします。

また、友人を20人ほど集めて乱交パーティーをしたような場合には、「不特定」とはいえませんが、「多数」の人が認識できる状態といえますので、公然性を満たします。

公然性の判断は、非常に難しい要件になりますが、判例の判断を踏まえると、以下のような要素を満たす場合には、公然性の要件が満たされる可能性が高いでしょう。

・特定の人を対象としていても、数名を超える人数であった場合
・特定の人を対象としていても、人的関係が薄い
・少数であったとしても反復継続の意思がある
・一般人が見る可能性がある

わいせつな行為をしたこと

わいせつな行為とは、判例によって「いたずらに性欲を興奮または刺激せしめ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」と定義されています。

これだけではよくわからないかもしれませんが、簡単にいえば、行為者の主観ではなく社会一般の感覚によってわいせつ性が判断されるということです。

具体的にどのような行為をすれば「わいせつな行為」に該当するのかについて明確な定義はありませんが、性器を露出するような行為は、わいせつな行為に該当するといえます。

他方、性器の露出や屋外での性行為のような露骨なケース以外では、わいせつ性を満たすかが微妙な事案も少なくありません。

・ファッションで腹や背中を大きく露出する
・見せブラ、見せパンなど下着を見せることを前提とした服装
・露出面積の大きな服装をしたコスプレイヤー
・海岸沿いを水着姿で歩く
・お祭りでふんどしのみ着用して街中を歩く

このようなケースでは、基本的には公然わいせつ罪には問われないと考えられます。たしかにわいせつ性の高い恰好といえますが、時や場所を踏まえると社会一般に許容されているといえるからです。

ただし、海岸ではなく街中を水着姿で出歩くような行為になると、社会的に許容されているとまでは言い難いため、公然わいせつ罪で検挙されてしまう可能性も否定できません。同様に、以下のような行為についてもわいせつ性が認められる可能性があります。

・電車内でスカートをたくし上げて下着を露出する行為
・公園内で女性が胸を露出して自撮りする行為

故意があること

公然わいせつ罪が成立するためには、行為者に故意があることが必要です。

行為者が自身の行為(性器の露出など)とその客観的状況(公園、路上など)を認識していれば、わいせつな行為だと認識していなかったとしても公然わいせつ罪の故意が認められます。

なお、公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をすることで直ちに既遂になりますので、未遂を処罰する規定は存在しません。

公然わいせつ罪が成立し得る具体的な6つの行為

公然わいせつ罪が成立し得る具体的な6つの行為

以下では、公然わいせつ罪が成立し得る代表的な6つの行為を紹介します。

公園や路上で性器を露出する

公園や路上などの公共の場所で性器を露出する行為は、公然わいせつ罪の典型的な行為類型になります。

このようなケースでは、目撃者により通報がなされて駆けつけた警察官によって現行犯逮捕されるケースが多いです。また、その場を逃げ切れたとしても、周囲の防犯カメラの解析により犯人が特定され、後日逮捕になるケースもあります。

乱交パーティーに参加して性行為をする

乱交パーティーに参加して性行為をすることも、具体的な状況によっては公然わいせつ罪に問われる可能性があります。

たとえば、友人5、6人でホテルの一室において乱交パーティーを開催したとしても、公然性の要件を満たさないため、公然わいせつ罪は成立しないでしょう。しかし、インターネットで募集した面識のない者同士が複数集まって乱交パーティーを開催すれば、公然性が認められ、公然わいせつ罪に問われる可能性があります。

ハプニングバーで性行為をする

ハプニングバーとは、性的にいろいろな趣味を持った男女が集まり客同士で突発的行為を楽しむ、バーの体裁をとった日本の風俗をいいます。

ハプニングバーには、不特定多数の人が集まりますのでそのような場所で性行為をすれば、公然わいせつ罪が成立します。性行為をした客が公然わいせつ罪に問われるのはもちろんのこと、その場所を提供したハプニングバーの経営者や従業員も公然わいせつ罪の幇助罪に問われることになります。

「ハプニングバーでは利用客も公然わいせつ罪で逮捕されるのか!?」

ピンサロでのわいせつな行為

ピンサロでのわいせつな行為も状況によっては公然わいせつ罪に問われる可能性があります。

たとえば、壁の無いボックス席において周りから見えるような状態で、女性キャストも客も全裸で性的なサービスを受けていたという事案であれば、公然性を満たしますので公然わいせつ罪が成立します。

なお、ハプニングバーと同様にピンサロでのわいせつな行為も客だけでなく経営者や従業員も罪に問われる可能性があります。

「違法なピンクサロンの摘発で客も逮捕!【公然わいせつ罪・風営法違反】」

ストリップショーで陰部を露出する

ストリップ劇場でダンサーの女性が陰部を露出してストリップショーをする行為も公然わいせつ罪が成立します。

実際の事例でも、ダンサーの女性が約60人の客の前で陰部を露出し、スタッフがライトで照らした上で客に撮影させていたという事案で、ストリップ劇場の経営者らが公然わいせつ罪で逮捕されたというものがあります。

「西日本最大級」のストリップ劇場で公然わいせつ容疑、経営者ら男女10人逮捕…客60人にも事情聞く(引用:読売新聞オンライン)

インターネットでわいせつ行為をライブ配信する

インターネットを利用したライブ配信で、性器を露出したり、性行為をしているところを流すなどの行為をすると公然わいせつ罪に問われる可能性があります。

ライブ配信も不特定または多数の人が閲覧できるものになりますので、インターネットを介した方法によっても公然わいせつ罪が成立します。

公然わいせつ罪の法定刑

公然わいせつ罪の法定刑

公然わいせつ罪の法定刑としては、以下の4種類が定められています。公然わいせつ罪で有罪になると、以下の4種類の中からいずれかの刑罰が科されます。

・6月以下の懲役
・30万円以下の罰金
・拘留
・科料

拘留とは、1日以上30日未満の期間、刑事施設において身柄を拘束され、自由を奪われる刑罰です。

科料とは、1000円以上1万円未満の金銭の納付を命じられる刑罰です。

刑罰の重さは、懲役>罰金>拘留>科料の順になります。

公然わいせつ罪を犯してしまったときはすぐに弁護士に相談を

公然わいせつ罪を犯してしまった場合はすぐに弁護士に相談することをおすすめします。

公然わいせつ罪を犯してしまったときはすぐに弁護士に相談を

被害者(目撃者)との示談

公然わいせつ罪は、性秩序・健全な性風俗という社会的法益が保護法益になりますので、特定の被害者というものを観念することができません。しかし、公然わいせつ事件の現場を目撃した人は、見たくないものを見せられたことで精神的苦痛を被っていますので、目撃者を被害者とみなして示談をすることは可能です。

ただし、目撃者は、行為者に対して強い嫌悪感を抱いていますので、直接連絡をしようとしても拒否されてしまうケースが多いです。スムーズに示談交渉を進めるためにも、被害者との示談交渉は弁護士に依頼すべきです。

早期に示談を成立させることができれば、公然わいせつ罪での逮捕を回避し、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなります。

 

警察への自首

公然わいせつ事件が捜査機関にまだ発覚していないなら、警察への自首も検討すべきです。

自首をすることによって刑の任意的な減軽という法的効果が生じますが、それだけでなく反省の態度を示すことができますので、逮捕を回避し、不起訴処分を獲得できる可能性を高めることができます。

弁護士に依頼すれば自首のタイミングをアドバイスしてもらうことができ、実際に自首をする際にも警察署に同行してもらえます。

 

専門の医療機関での治療

公然とわいせつ行為をするのが癖になっている方は、自分の意思ではやめられない可能性がありますので、専門の医療機関を受診することをおすすめします。

性的な依存症を治療によって改善することができれば、今後同様の犯罪行為をするリスクを減少することができます。これにより再犯の可能性がないことを示せますので、不起訴処分を獲得できる可能性が高くなるでしょう。

公然わいせつ罪を犯してしまったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

公然わいせつ罪を犯してしまったときはすぐにグラディアトル法律事務所に相談を

公然わいせつ罪は、逮捕率が33%、起訴率が56%の犯罪ですので、犯罪後何もせずにいると逮捕・起訴される可能性があります。逮捕・起訴によるリスクを回避・軽減するためには、刑事事件に強い弁護士によるサポートが不可欠となりますので、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

グラディアトル法律事務所では、公然わいせつ事件の弁護に関する豊富な経験と実績がありますので、逮捕や起訴を回避するためのさまざまなノウハウを有しています。事案に応じて適切な弁護活動を行うことで、公然わいせつ事件による不利益を最小限に抑えることができます。刑事事件は担当する弁護士の経験や実績によって結果が大きく左右されますので、少しでも有利な処分を希望するなら実績と経験豊富な当事務所にお任せください。

当事務所では、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。また、初回法律相談を無料で対応していますので、まずは相談だけでも結構です。刑事事件は、スピード勝負と言われるように迅速な対応が重要になりますので、少しでも早く弁護活動に着手するためにもまずは当事務所までお問い合わせください。

 

まとめ

公然わいせつ罪は、公然とわいせつな行為をすることによって成立する犯罪です。比較的軽い犯罪といえますが、逮捕・起訴される可能性も十分にありますので、公然わいせつ事件を起こしてしまったときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

公然わいせつ事件の弁護は、実績豊富なグラディアトル法律事務所にお任せください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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