不同意性交等罪|弁護士が自首に同行し逮捕を避け不起訴になった事例

弁護士 若林翔
2024年04月07日更新

犯罪を犯してしまった場合には、事前に弁護士同行のもと、自首をすることにより、刑を軽くしたり、逮捕される可能性を下げたりすることができます。

今回は、16歳未満の女性と援助交際をしてしまい、不同意性交等罪での逮捕を避けるため、弁護士が同行して自首をして、その結果、逮捕を避け、不起訴処分となった事例について、解説をします。

 

事件の概要|援助交際相手は13歳・不同意性交等罪に該当

今回のご依頼者は東京都在住の40代既婚男性。

ご依頼者様は、出会い系アプリで自称13歳の女性と仲良くなり、DMで連絡をとっていました。

しばらく連絡をとり続けていたところ、相手の女性から実際に会ってみたいと連絡が。ご依頼者様が了承し、ふたりは会う約束をします。

待ち合わせに現れた女性は、女性の言う通り13歳に見えました。

ご依頼者様は、相手は16歳未満かもしれないということを認識しながらも、ホテルへ行くことを提案します。

女性も同意してくれたのでふたりでラブホテルへ行き、肉体関係を持ってしまいました。

このとき女性が嫌がっていなかったので、ご依頼者様は同意の上だと思っていました。

その後も、ご依頼者様は女性と変わらず連絡を取り合います。

女性は肉体関係を持ったことを責めるような様子も特にありませんでした。

ところがある日突然、女性の態度が一変し、被害届を出すと言われてしまいます。

被害届を出さないように説得しますが、女性が応じてくれる様子はありませんでした。

ご依頼者様は被害届を出される前に自首をしたいと考え、刑事事件に強い弊所にご相談くださりました。

 

弁護士による自首同行

まず弁護士はご依頼者様のご相談を受け、弁護士同行で自首に行かれることを勧めました。

13歳(16歳・性交同意年齢未満)の場合、たとえ相手が了承していても不同意性交等罪は成立します。

(不同意性交等)

第百七十七条 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。

3 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

引用 刑法第百七十七条

不同意性交等罪の詳細は、以下の記事もご参照ください。

不同意性交等罪の成立要件と冤罪を避けるための証拠6選を弁護士が解説

 

自首をするにあたって弁護士から警察へ連絡し、手続が円滑に進むようにお手伝いをしました。そして自首当日は警察まで同行しました。

無事に自首として受理されましたが、ご依頼者様が逮捕されることはありませんでした。

た後も、弁護士はご依頼者様とこまめに連絡をとり、今後の動きやその他困りごとのご相談を受けました。

弁護士は法的知識を使った手続き面のサポートだけでなく、ご依頼者様の疑問点に答えて不安を解消していただくことで精神面のサポートもします。

ご依頼者様は、ご家族や職場の方に事件のことがバレてしまうことは避けたいと強く希望されました。

そこで、弁護士が警察にその旨を説明し、万が一ご家族などに連絡をする場合、先にご依頼者様に連絡をしてもらうことに。

警察の捜査が進んでいきますが、被害者の方が事件化を望まれなかったため、不起訴処分となりました。

その結果、逮捕などなく事件は終結しました。

ご家族や職場の方に事件のことがバレることもありませんでした。

 

解決のポイントと不同意性交等罪での自首の効果

捜査機関に犯罪が発覚する前に自首をすることで、その刑が減軽されることがあります。

(自首等)

第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。

引用 刑法第四十二条

そのため、もし事件を起こしてしまった場合、事件が発覚する前に警察へ行って自首として受理してもらうことが重要となります。

また、自首をすることにより、逃亡や罪証隠滅の可能性が低いとして、逮捕される可能性を下げることができます。

 

もちろん弁護士をつけずに自首をすることは可能です。

ですが、自首の方法がわからなかったり、警察へ行きそのまま逮捕されて帰れないのではないかなど様々な不安があるかと思います。

せっかく自首をしたとしても、パニックに陥って証拠を消してしまったり、嘘をついてしまったりと対応を誤ってしまうかもしれません。

証拠隠滅や逃亡のおそれがあるとみなされると、身柄を拘束されてしまうなど、ご自身に不利になってしまうことも考えられます。

今回の事件では、ご依頼者様がすぐに弁護士にご相談されたので、弁護士が迅速に適切な対応をサポートすることができました。

その結果、自首が受理されることができたのです。

もし何か事件を起こしてしまった場合、被害届を出されていなかったり、逮捕されていない状況であっても、早期に弁護士に相談することが大切です。

今回のように何か事件を起こしてしまった場合、お早めに弊所弁護士にご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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