「パパ活で逮捕されるのはどのようなケース?」
「パパ活で逮捕されるきっかけとは?」
「パパ活による逮捕を回避するには何ができる?」
最近、パパ活に関連したトラブルが多発しており、世間の関心を集めています。特に、有名なのは「頂き女子りりちゃん」の事件でしょう。この事件ではパパ活をした男性から約1億5000万円をだまし取ったとして詐欺などの罪で逮捕・起訴されて有罪となりました。
また、パパ活では、金品を渡すことと引換えに性交等が行われることがありますが、パパ活の相手が未成年の女性だった場合には児童買春などの犯罪が成立し逮捕される可能性もあります。
このようにパパ活は、具体的な状況によっては犯罪が成立し逮捕される可能性もあります。違法なパパ活をしてしまったときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。
本記事では、
・パパ活で逮捕される4つのきっかけ ・パパ活で逮捕された場合に生じるリスク ・パパ活で逮捕を回避するための3つの方法 |
などについてわかりやすく解説します。
パパ活で逮捕されるとさまざまなリスクが生じますので、逮捕を回避するためにも早期に弁護士に依頼することが大切です。
目次
パパ活とは
パパ活とは、どのようなことを指す言葉なのでしょうか。以下では、パパ活の定義とパパ活による逮捕事例を説明します。
パパ活の定義
パパ活とは、若い女性が年上の男性から金品などの対価を受け取って、食事やデートをすることをいいます。食事やデートだけで終わることもあれば、そのままホテルに行き、性交等を行うこともあります。
以前は、「援助交際」と呼ばれていましたが、性行為を伴わない単なる食事やデートなども含めて「パパ活」と呼ばれるようになってきました。
パパ活での逮捕事例
金銭等の受け渡しがあったとしても男性が女性と食事やデートをすること自体は犯罪ではありません。しかし、相手が未成年者であったり、パパ活の具体的な態様によっては犯罪に該当し、逮捕される可能性があります。
パパ活での逮捕事例としては、以下のような事件があります。
【歌舞伎町・大久保公園周辺で「パパ活」の16歳少女との売春で53歳男逮捕】
東京・歌舞伎町の大久保公園周辺で16歳の高校生の少女に声をかけ、2万円を渡す約束をしてホテルでみだらな行為をしたとして、警視庁保安課は児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、東京都世田谷区赤堤の会社員、児玉充弘(あつひろ)容疑者(53)を逮捕した。「2万円を払い性交したが、18歳未満とは知らなかった」と容疑を一部否認している。
(引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/953f94fa7e509e72cbe373f34c662ac3cbffeca5)
【「パパ活」で知り合った小中学生2人に性的行為をしたとして36歳男逮捕】
「パパ活」で知り合った小学生と中学生の少女2人に性的な行為をしたなどとして、警視庁少年育成課は26日、東京都板橋区の無職、西田龍司容疑者(36)を不同意性交等容疑や児童買春・ポルノ禁止法違反(児童買春)の疑いなどで逮捕したと発表した。
逮捕容疑は2023年12月21日、いずれも12歳だった中学1年と小学6年の少女2人に金銭を支払う約束をし、渋谷区内のカラオケボックスで性的な行為をしたとしている。「2人の年齢は知らなかった」と容疑を否認しているという。
(引用:https://mainichi.jp/articles/20240926/k00/00m/040/186000c)
【「グリ下パパ活」で知り合った小中学生5人とのわいせつ行為で36歳男を逮捕】
大阪府内のホテルで1月、小学生と中学生の少女5人と、同時にわいせつな行為をしたなどとして、大阪府警は36歳の男を逮捕しました。男は少女らから、あだ名で「高額おじ」と呼ばれていました。
不同意性交等と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)の疑いで逮捕されたのは住居、職業ともに不詳の飯田明人容疑者(36)です。
飯田容疑者は1月中旬、大阪府内のホテルで小学生と中学生(11歳から14歳)の少女5人に対し、13歳未満または16歳未満だと知りながら現金計約20万円を渡し、同時にわいせつな行為をした疑いが持たれています。
(引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/5f756f96cd2cc7301b65fa0d37be2aacc2ab47b2)
【男性側】パパ活で逮捕される可能性のある6つのケース
男性側がパパ活により逮捕される可能性のあるケースとしては、以下の6つが挙げられます。
同意を得ないわいせつ行為|不同意わいせつ罪
パパ活の相手女性に対して、酔った勢いで抱きついたり、キスをするなどのわいせつな行為をすると不同意わいせつ罪で逮捕される可能性があります(刑法176条)。
ただし、被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、相手が同意していたとしても不同意わいせつ罪が成立しますので注意が必要です。
同意を得ない性行為|不同意性交等罪
パパ活では食事をして、そのままホテルに行き性交等をすることもあります。
このような対価を伴う性交等が行われてもお互い成人で同意の上で性交等に及んでいるのであれば、犯罪にはあたりません。しかし相手が食事やデートだけで終わると思っていたところ、無理やりホテルに連れ込まれて性交等に及んだようなケースでは、不同意性交等罪で逮捕される可能性があります(刑法177条)。
なお、被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、相手が同意していたとしても不同意性交等罪が成立しますので注意が必要です。
家出をした未成年者を自宅に匿う|未成年者誘拐罪
家出をした未成年者を自宅に匿ったり、高級ブランド品や高価な食事を与えることで相手を誘惑し車で連れまわすなどの行為をすると、未成年者誘拐罪で逮捕される可能性があります(刑法224条)。
未成年者の同意があったとしても、同罪が成立しますので注意が必要です。
未成年者との淫行|青少年健全育成条例違反
パパ活により性交等をした相手が18歳未満の未成年者であった場合、各都道府県が制定する青少年健全育成条例違反となりますので、同条例違反を理由に逮捕される可能性があります。
青少年健全育成条例では、淫行にあたって未成年者の同意の有無を条件とはしていませんので、未成年者の同意があったとしても条例違反となりますので注意が必要です。
下記に詳しく記載しておりますので、ご覧ください。
淫行条例とは?成立要件や処罰の対象外となる4つのケースを解説
未成年者に対価を渡して性行為|児童買春・児童ポルノ禁止法違反
パパ活により金品などの対価を渡して、18歳未満の未成年者と性交等をすると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反となり、児童買春で逮捕される可能性があります。
パパ活では、金品などの対価が伴いますので、性交等をした相手が18歳未満の未成年者であった場合は、主に児童買春の罪により逮捕されることになります。
こちらの記事にも詳細を記載しておりますので、併せてご覧ください。
児童ポルノ法とは?禁止行為や罰則、検挙数・逮捕率などの実態を解説
支配関係のある児童との淫行|児童福祉法違反
パパ活により性交等をした相手が18歳未満の女性であり、行為者と児童との間に一定の上限関係(例:教師と生徒など)がある場合には、児童福祉法違反で逮捕される可能性があります。
パパ活は犯罪?犯罪になり得る具体的な10のケースと発覚の経緯を解説
【女性側】パパ活で逮捕される可能性のある4つのケース
女性側がパパ活で逮捕される可能性のあるケースとしては、以下の4つが挙げられます。
相手の男性から金品を盗む|窃盗罪
パパ活の最中に男性の隙を見て、財布から現金を盗む、腕時計などを盗むなどの行為をすると窃盗罪で逮捕される可能性があります(刑法235条)。
食事をしてホテルに行き、男性がシャワーを浴びている間に男性の持ち物を盗んでその場から逃げ去る事案が多いです。
相手の男性から金品を騙し取る|詐欺罪
パパ活で女性が男性側に嘘をつきお金が必要だと信じ込ませて、多額の金銭を騙し取るなどの行為をすると詐欺罪で逮捕される可能性があります(刑法246条)。
パパ活による詐欺罪の事案で有名なのが、冒頭でも紹介した「頂き女子りりちゃん」の事件です。「頂き女子りりちゃん」の名前で活動し、男性3人から計約1億5000万円を騙し取ったとして詐欺などの罪で逮捕・起訴され、有罪となりました。
相手の男性を脅して金品を奪う|恐喝罪
パパ活により性的な関係を持った相手に対して、「パパ活をしたことを家族にバラす」、「無理やり性行為をされたとして警察に被害届を出す」などと脅して、金銭を要求すると恐喝罪により逮捕される可能性があります(刑法249条)。
いわゆる「美人局」と呼ばれる事案がこれにあたります。
立ちんぼ行為|売春防止法違反
売春防止法では、売春の勧誘や周旋などを処罰対象としています。そのため、いわゆる「立ちんぼ」行為をして、街中で客引きなどをして売春をすると売春防止法違反となり、逮捕される可能性があります。
パパ活で逮捕される4つのきっかけ
パパ活で逮捕されるきっかけとしては、主に以下の4つが考えられます。
被害者からの被害届や告訴状の提出
パパ活で食事やデートだけで終わると思っていたにもかかわらず、無理やりわいせつな行為や性交等をすると不同意わいせつ罪や不同意性交等罪が成立します。
このような性被害にあった女性が警察に被害届や告訴状を提出することで、捜査機関による捜査が開始し、逮捕に至ることがあります。
被害者が未成年だと親の通報
パパ活の相手女性が未成年者である場合、その親がパパ活に気付いて警察に通報することがあります。パパ活によりもらった高価なブランド品などが見つかると、入手した経緯を問われて、本人がパパ活をしていたことを白状して、親にパパ活が発覚することが多いです。
通報を受けた警察では、被害者本人の供述やスマートフォンなどの解析によりパパ活相手を特定して、逮捕に至ります。
警察官による職務質問
近年では、未成年者による性犯罪が増加していますので、ホテル街などにおいては警察官が巡回してパトロールをしています。未成年者とホテルから出てくるところが警察官により目撃されてしまうと、警察官の職務質問によって児童買春などが発覚し逮捕に至ることがあります。
警察によるサイバーパトロール
近年、SNSやマッチングアプリを利用して違法なパパ活が行われる事案が増えてきており、警察でもサイバーパトロールによる監視を強化しています。
警察によるサイバーパトロールにより、違法なパパ活の疑いのあるメッセージのやり取りが確認されると、対象者を特定され、逮捕に至ることがあります。
パパ活で逮捕された場合に生じるリスク
パパ活で逮捕された場合、どのようなリスクが生じるのでしょうか。以下では、パパ活で逮捕された場合に生じるリスクを説明します。
長期間の身柄拘束
パパ活で逮捕されると、まずは最長72時間の身柄拘束を受けます。その後、逮捕から勾留に切り替わると、さらに最長20日間の身柄拘束を受けることになります。
このようにパパ活で逮捕されると、その後の勾留を合わせて最長で23日間にも及ぶ長期間の身柄拘束を受けなければなりません。身柄拘束中は外部と自由に連絡をとることができませんので、孤立した状況で精神的にも不安定な状態に置かれることになります。
社会生活への影響
会社員がパパ活で逮捕されると、身柄拘束中は出社することも、欠勤の連絡をすることもできませんので、身柄拘束が長期間に及ぶと無断欠勤を理由に解雇されるリスクがあります。
また、学生であればパパ活で逮捕されたことが知られると退学処分となるリスクもあります。
パパ活により逮捕された事案は、報道機関により実名報道されるケースも増えてきていますので、性犯罪者としてレッテルを貼られて生活しなければならず、社会生活にも多大な悪影響が生じてしまいます。
家族への影響
パパ活犯罪は、性犯罪の一種ですので、本人だけでなくその家族も肩身の狭い思いをすることになります。
近所の人からは、性犯罪者の家族であるという目で見られてしまいますので、これまでのような生活ができず、引っ越しや転校などを余儀なくされるケースもあります。パパ活犯罪は、自分だけではなく家族にも迷惑をかける行為であることをしっかりと自覚するようにしてください。
パパ活で逮捕された場合の流れ
パパ活で逮捕されると以下のような流れで刑事事件の手続きが進んでいきます。
逮捕
パパ活で逮捕されると警察署内の留置施設で身柄拘束をされて、警察官による取り調べを受けます。パパ活犯罪では、相手が18歳未満であると認識していたかどうかが主な争点になりますので、取り調べでもその点が重点的に聞かれることになります。
警察での逮捕には、48時間という時間制限がありますので、警察は、被疑者を逮捕したときから48時間以内に被疑者の身柄を検察官に送致しなければなりません。
検察官送致
被疑者の身柄の送致を受けた検察官は、被害者に対する取り調べを行い、送致から24時間以内に勾留請求をするかどうかの判断をしなければなりません。
被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があるときは、裁判官に勾留請求を行います。
勾留・勾留延長
裁判官は、被告人質問を実施した上で、勾留を認めるかどうかの判断をします。勾留が許可されるとその時点から原則として10日間の身柄拘束が行われます。
また、勾留には延長制度がありますので、勾留延長も許可されるとさらに最長で10日間の身柄拘束が行われます。
起訴または不起訴
検察官は、勾留期間が満了するまでの間に、事件を起訴するか不起訴にするかの判断を行います。
起訴されれば刑事裁判により審理がなされ有罪・無罪および量刑が決められます。不起訴となればその時点で釈放され、前科が付くこともありません。
パパ活で逮捕を回避するための3つの方法
パパ活による逮捕を回避するためには、以下の3つの方法が考えられます。
被害者との示談
パパ活による逮捕を回避するもっとも効果的な方法は、被害者との示談を成立させることです。
捜査機関にパパ活による事件が発覚する前に、被害者と示談を成立させることができれば、刑事事件に発展するのを防ぐことができますので、逮捕・起訴されるリスクはほとんどありません。
また、パパ活による事件が捜査機関に発覚してしまった後でも、被害者との間で示談が成立すれば、示談が成立したことを重視して、逮捕や起訴を控える可能性が高くなります。
そのため、パパ活が犯罪に該当する場合には、早期に被害者との示談交渉に着手し、示談成立を目指すようにしましょう。
示談交渉に関して、より詳しく記載している記事もありますので、併せてご覧ください。
援助交際で逮捕を回避するなら早期に示談!示談金相場や弁護士の役割
自首
パパ活による逮捕を回避する方法として、自首も効果的です。
自首とは、捜査機関に事件や犯人が発覚する前に、自主的に犯罪事実の申告を行うことをいいます。警察が被疑者を逮捕するには、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由に加えて、「逃亡のおそれ」または「証拠隠滅のおそれ」のいずれかの事由が必要になります。
自首をすることで逃亡および証拠隠滅のおそれがないことを示せますので、逮捕を回避できる可能性が高くなります。
児童買春で自首するメリットとデメリット、自首の流れを弁護士が解説
弁護士に相談
パパ活による逮捕を回避するなら、被害者との示談や自首を自分だけで進める前にまずは弁護士に相談することをおすすめします。
パパ活による犯罪のほとんどは、未成年者を対象とした性犯罪になりますので、示談交渉は被害者本人でなく被害者の親との間で行わなければなりません。しかし、加害者に対して強い処罰感情を抱いている被害者の親を相手に加害者本人が示談交渉をするのは極めて困難といえます。弁護士であれば、加害者に代わって示談交渉を行うことができ、被害者側も弁護士が窓口になれば交渉に応じてくれる可能性が高くなります。
また、自首をする際にも弁護士が警察署に同行して、逮捕をしないよう強く要請することで逮捕を回避できる可能性が高くなります。
援助交際は犯罪!弁護士による5つのサポートと弁護士選びのポイント
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当事務所では、パパ活をはじめとした性犯罪の弁護を得意としていますので、加害者本人では示談交渉が難航するようなケースであっても、被害者側の処罰感情に配慮しながら適切に示談交渉を進めていくことができます。逮捕や起訴を回避するためのノウハウを熟知していますので、当事務所の経験豊富な弁護士にお任せいただければ、有利な処分獲得に向けて全力でサポートいたします。
当事務所への相談は、24時間365日受け付けており、初回相談料は無料で対応していますので、パパ活をしてしまった方は、お早めにご相談にお越しください。
まとめ
パパ活で対価を支払って食事やデートをするだけでは犯罪にはなりませんが、パパ活相手の女性が未成年者であったり、性行為を伴うパパ活をしたりすると犯罪が成立し、逮捕される可能性があります。
逮捕されると長期間の身柄拘束などの不利益が生じますので、そのようなリスクを少しでも軽減するためにも、早期に弁護士に相談するようにしましょう。
違法なパパ活をしてしまった方は、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。