パパ活は犯罪?犯罪になり得る具体的な10のケースと発覚の経緯を解説

パパ活は犯罪?犯罪になり得る具体的な10のケースと発覚の経緯を解説
弁護士 若林翔
2024年11月17日更新

「最近、パパ活が流行っているようだけで犯罪ではないの?」

「どのような場合にパパ活が犯罪になる?」

「パパ活をした場合に弁護士に相談したほうがいい?」

パパ活とは、若い女性が年上の男性と食事やデートをする対価として、金銭を受け取ることをいいます。金銭等の対価を伴っていたとしても、食事やデートをするだけであれば基本的には犯罪にはなりません。しかし、未成年者の女性とデートをした後に性的な関係を持ってしまうと児童買春などの罪に問われる可能性があります。

また、パパ活により男性側だけでなく女性側も罪に問われるケースもあります。最近では「頂き女子りりちゃん」を名乗って恋愛詐欺マニュアルを販売し、自身も男性から約1億5000万円をだまし取ったとして詐欺などの罪で有罪となった事件もありました。

このようにパパ活は、男性側および女性側が罪に問われるケースもありますので注意が必要です。

本記事では、

・【男性側】パパ活で成立し得る6つの犯罪
・【女性側】パパ活で成立し得る4つの犯罪
・パパ活犯罪をしてしまったときに弁護士に相談すべき3つの理由

などについてわかりやすく解説します。

自分の行ったパパ活が犯罪に該当するか判断できないときは、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

パパ活は基本的には犯罪にはならない

パパ活とは、若い女性が年上の男性から金品などの対価を受け取って、食事やデートをすることをいいます。

近年では、マッチングアプリやSNSなどを利用してパパ活をしている女性も増えてきており、パパ活で生計を立てているケースもあるようです。

このようなパパ活は、女性側が18歳以上の成人であり、単に食事やデートをするだけであれば基本的には犯罪にはなりません。しかし、女性の年齢が18歳未満の未成年者であったり、パパ活で性交等を行うと後述するような犯罪が成立する可能性がありますので注意が必要です。

 

【男性側】パパ活で成立し得る6つの犯罪

犯罪になるパパ活

パパ活をした男性側に成立し得る犯罪としては、以下の6つが考えられます。

児童買春・児童ポルノ禁止法違反

パパ活の相手の女性が18歳未満の未成年者であり、金品などの対価と引換えに性交等をすると児童買春・児童ポルノ禁止法が規制する児童買春の罪が成立します。最近は、若年者においてパパ活が流行していますので、相手の年齢をしっかりと確認せずに性交等をしてしまうと児童買春として処罰される可能性がありますので注意が必要です。

このような児童買春をした場合、5年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます。

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児童ポルノ法とは?禁止行為や罰則、検挙数・逮捕率などの実態を解説

児童福祉法違反

児童福祉法では、18歳未満の児童に淫行をさせる行為を禁止しています。

そのため、パパ活により性交等をした相手が18歳未満の女性であった場合には、児童福祉法違反に問われる可能性があります。ただし、児童福祉法違反となるのは、行為者と児童との間に一定の上下関係(例:教師と生徒など)が必要になりますので、初対面の人同士では同法違反になることはありません。

なお、児童福祉法違反となった場合、10年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます(併科あり)。

青少年健全育成条例違反

青少年健全育成条例とは、青少年の保護と健全な育成を目的として、各都道府県が制定している条例です。

児童買春・児童ポルノ禁止法では、金品などの対価を渡して未成年者と性交等をすることを処罰対象にしていますが、青少年健全育成条例では、金品などの対価の供与がなかったとしても、未成年者と性交等をすれば処罰されます。また、相手の同意があったとしても青少年健全育成条例違反になりますので注意が必要です。

具体的な条例の内容や罰則は、都道府県によって異なり、たとえば東京都の場合だと「東京都青少年の健全な育成に関する条例」において、以下のように規定されています。

(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)
第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

同条例に違反した場合、2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

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淫行条例とは?成立要件や処罰の対象外となる4つのケースを解説 

未成年者誘拐罪

未成年者誘拐罪とは、18歳未満の未成年者を騙したり、誘惑したりして連れ去った場合に成立する犯罪です(刑法224条)。

パパ活でブランド品の購入、高価な食事をおごる、お小遣いをあげるなど未成年者の女性を誘惑して連れまわすと未成年者誘拐罪に問われる可能性があります。未成年者誘拐罪は、本人の同意があったとしても成立しますので注意が必要です。

未成年者誘拐罪が成立した場合、3月以上7年以下の懲役に処せられます。

不同意性交等罪

不同意性交等罪とは、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせ、またはそのような状態に乗じて性交等を行う犯罪です(刑法177条)。

パパ活での性交等は、通常はお互いの合意の上で行われますが、事案によっては無理やり性行為が行われることもあります。このような同意のない性行為については、不同意性交等罪が成立する可能性があります。

また、被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、被害者が同意していたとしても不同意性交等罪が成立しますので注意が必要です。

なお、不同意性交等罪が成立した場合、5年以上の有期拘禁刑に処せられます。

不同意わいせつ罪

不同意わいせつ罪とは、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせ、またはそのような状態に乗じてわいせつな行為をする犯罪です(刑法176条)。

パパ活でも相手の同意がない状態でわいせつな行為をすると不同意わいせつ罪に問われることがあります。

ただし、被害者の年齢が13歳未満の場合または13歳以上16歳未満で行為者が5歳以上年長である場合には、相手が同意していたとしても不同意わいせつ罪が成立しますので注意が必要です。

なお、不同意わいせつ罪が成立した場合、6月以上10年以下の拘禁刑に処せられます。

【女性側】パパ活で成立し得る4つの犯罪

パパ活をした女性側に成立し得る犯罪としては、以下の6つが考えられます。

分類内容刑罰
詐欺罪パパ活で女性が男性に嘘をつき、「奨学金の返済」「家族の医療費」「学費」などの理由で多額の金銭を騙し取った場合10年以下の懲役
窃盗罪食事中に男性が席を外した隙に財布から現金を抜き取る、またはホテルでシャワーを浴びている間に財布や腕時計などを盗んで逃げた場合10年以下の懲役または50万円以下の罰金
恐喝罪性的関係後に「パパ活を家族にバラす」「無理やり性行為をされたと届け出る」などと脅して金銭を要求した場合10年以下の懲役
売春防止法違反「立ちんぼ」行為として、街中で客引きして売春の勧誘や周旋を行った場合6月以下の懲役または1万円以下の罰金

詐欺罪

パパ活で女性が男性側に嘘をつきお金が必要だと信じ込ませて、多額の金銭を騙し取った場合は詐欺罪に問われる可能性があります(刑法246条)。たとえば、「奨学金の返済が苦しい」、「親が病気で高額な医療費がかかる」、「妹の学費を稼がなければならない」などと嘘を言って、男性側からお金を騙し取るケースが多いです。

なお、詐欺罪が成立すると10年以下の懲役に処せられます。

窃盗罪

パパ活で食事中に席を外した隙に、男性の財布から現金を抜き取る、ホテルでシャワーを浴び得ている間に財布や腕時計などを盗んで逃げ去った場合、窃盗罪に問われる可能性があります(刑法235条)。

なお、窃盗罪が成立すると10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。

恐喝罪

パパ活により性的な関係を持った相手に対して、「パパ活をしたことを家族にバラす」、「無理やり性行為をされたとして警察に被害届を出す」などと脅して、金銭を要求した場合、恐喝罪に問われる可能性があります(刑法249条)。

なお、恐喝罪が成立すると10年以下の懲役に処せられます。

売春防止法違反

売春防止法では、売春の勧誘や周旋などを処罰対象としています。そのため、いわゆる「立ちんぼ」行為をして、街中で客引きなどをして売春をすると売春防止法が規制する勧誘罪に問われる可能性があります。

なお、勧誘罪が成立すると6月以下の懲役または1万円以下の罰金に処せられます。

パパ活が犯罪として検挙される4つのきっかけ

パパ活が犯罪として検挙されるきっかけには、主に以下の4つが考えられます。

パパ活が犯罪として検挙される4つのきっかけ

被害者からの被害届や告訴状の提出

食事やデートだけの約束でパパ活をしたにもかかわらず、無理やり性的な行為をされてしまったようなケースでは、被害者の女性から警察に被害届や告訴状が提出されることがあります。

被害者から性被害の申告があれば警察も捜査に動き出しますので、捜査の結果、性犯罪として逮捕に至ることもあります。

被害者が未成年だと親の通報

パパ活により多額の現金をもらっていると、金銭感覚が麻痺してしまい分不相応な買い物をしてしまうケースが多いです。同居する家族が被害者本人の部屋を掃除している際に、ブランド品や高価な貴金属などを発見すると、どのような経緯で手に入れたか問いただしますので、言い訳ができなくなるとパパ活をしていたことを白状することがあります。

パパ活による性被害に巻き込まれた子どもの親は、加害者に対して強い処罰感情を抱いていますので、違法なパパ活が判明すると警察に通報して、検挙されてしまいます。

警察官による職務質問

パパ活をしている女性は、他にも複数人の男性とパパ活をしていることがあり、深夜にホテル街などを男性と歩いているところを警察官に見つかり職務質問を受けることがあります。

お互いに成人であれば犯罪にはなりませんので、すぐに解放されますが、女性が未成年者だと補導されてしまいます。警察官から話を聞かれた際にパパ活をしていたことを話してしまうと、スマートフォンの履歴などからパパ活相手が特定されて検挙に至る可能性があります。

警察によるサイバーパトロール

マッチングアプリやSNSなどを介して違法なパパ活が行われるケースが多いことから、警察ではサイバーパトロールにより、インターネット上での違法なメッセージのやり取りを監視しています。

犯罪に該当し得るようなパパ活のメッセージのやり取りが見つかると、そこから検挙に至るケースもあります。

パパ活で逮捕の可能性がある10のケースと逮捕回避の対処法を解説

パパ活犯罪をしてしまったときに弁護士に相談すべき3つの理由

以下のような理由からパパ活犯罪をしてしまったときは、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

パパ活で犯罪をしてしまったときに弁護士に相談すべき3つの理由

自首に同行してもらえる

パパ活が犯罪に該当する場合、捜査機関に違法なパパ活が発覚すると逮捕される可能性も十分にあります。パパ活で逮捕されてしまうと、長期間の身柄拘束により職場を解雇されるなどのリスクが高くなりますので、まずは逮捕を回避することが重要になります。

捜査機関にパパ活犯罪が発覚する前であれば、自首をすることにより、逮捕のリスクを軽減することができます。弁護士に依頼すれば警察署への自首に弁護士が同行して、捜査機関に対して逮捕をしないよう強く要請しますので、一人で自首をするよりも逮捕のリスクをさらに軽減できます。

また、弁護士が同行することである程度の身元保証があると判断されますので、逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして逮捕を回避できる可能性が高くなります。

被害者との示談交渉を任せられる

パパ活犯罪による逮捕・起訴を回避するには、被害者との示談が重要になります。

もっとも、パパ活が犯罪になるケースでは、被害者が未成年者であることが多く、示談交渉の相手は、被害者本人ではなく被害者の親になります。被害者の親は、自分の子どもを性犯罪に巻き込んだ加害者に対して、強い処罰感情を有していますので、簡単には示談に応じてくれず、示談交渉が難航するケースが多いです。

加害者本人から連絡しても無視されたり、拒否されたりするケースであっても弁護士が代理人として対応することで相手も応じてくれる可能性があります。性犯罪では加害者本人では、示談交渉を行うのは困難ですので、早期に弁護士に依頼して示談交渉に着手してもらいましょう。

下記の記事も示談交渉に関して詳しく書いておりますのでお読みください。

援助交際で逮捕を回避するなら早期に示談!示談金相場や弁護士の役割

取り調べに対するアドバイスをしてもらえる

パパ活犯罪の多くは、相手が18歳未満の未成年者であることを認識していなければ、故意がなく犯罪自体が成立しません。パパ活に至った経緯などから相手が未成年者であるとの認識を持つことが不可能であるといえる場合には、故意がなかったと否認することで不起訴処分を獲得できる可能性があります。

ただし、否認事件になると警察官から厳しい取り調べを受けることになりますので、適切に対応するには専門家である弁護士のアドバイスが不可欠です。警察官の誘導に乗って不利な供述をしてしまうと取り返しのつかない事態になりますので、早期に弁護士と面会してアドバイスしてもらうようにしましょう。

18歳未満だと知らなくても犯罪になる?不起訴になり得る4つのケース

パパ活犯罪をしたときはグラディアトル法律事務所にご相談を

「パパ活」というと犯罪というイメージがある方もいるかもしれませんが、デートや食事をするだけのパパ活であれば基本的には犯罪にはなりません。

しかし、女性が18歳未満の未成年者であったり、パパ活において性交等を伴う場合には、具体的な状況次第で犯罪になる可能性もあります。「パパ活をした相手が未成年者だった」という場合は、一度弁護士に相談して、犯罪になるかどうかを判断してもらうとよいでしょう。

グラディアトル法律事務所では、パパ活犯罪などの性犯罪の弁護を得意としていますので、犯罪に該当するかどうかを正確に判断し、状況に応じて適切な弁護活動を行うことができます。逮捕や起訴を回避するためのノウハウを熟知していますので、少しでも有利な処分を獲得したいという方は、まずは当事務所までご相談ください。

当事務所では、24時間365日相談を受け付けており、初回相談料無料で対応しています。

まとめ

パパ活は、基本的には犯罪にはなりませんが、具体的な状況によっては男性側および女性側が罪に問われる可能性があります。

特に、男性側に成立し得る犯罪は、性犯罪になりますので、捜査機関に発覚すると厳しい処分を受ける可能性も否定できません。捜査機関に発覚する前であれば、被害者との示談により刑事事件に発展する前に解決することも可能ですので、違法なパパ活をしてしまったときはすぐにグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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