「覚醒剤事件の時効はどのくらい?」
「覚醒剤事件は時効まで逃げ切れる?時効待ち以外にできることとは?」
「覚醒剤事件で時効前に逮捕されてしまったときはどうすればいい?」
覚醒剤取締法では、覚醒剤や覚醒剤原料の使用、所持、譲渡・譲受、輸出入、製造について規制していますので、これらの行為をすると刑事罰の対象になります。しかし、覚醒剤事件には、公訴時効が適用されますので、犯罪行為が終わったときから一定期間が経過すると、時効により処罰されなくなります。
ただし、覚醒剤は依存性の高い犯罪ですので、1回で終わることなくその後も罪を重ねることになりますので、時効まで逃げ切るのは困難です。実際には、時効成立前に逮捕されてしまうケースが多いため、執行猶予の獲得に向けて適切な対応を進めていくようにしましょう。
本記事では、
・覚醒剤取締法違反の類型ごとの時効期間 ・覚醒剤事件で時効まで逃げ切るのが困難な理由 ・覚醒剤事件で時効待ち以外にできること |
などのついてわかりやすく解説します。
時効前に覚醒剤で逮捕されてしまったときは、薬物犯罪に詳しい弁護士によるサポートが必要になりますので、すぐに弁護士に相談するようにしてください。
目次
覚醒剤取締法違反の罪には時効がある
公訴時効とは、犯罪行為から一定期間が経過すると検察官が公訴提起(起訴)できなくなる制度です。
覚醒剤事件にも公訴時効が適用されますので、犯罪行為が終わってから一定期間が経過すれば、覚醒剤取締法違反として処罰されることはありません。
覚醒剤取締法違反の類型ごとの時効期間

覚醒剤取締法では、覚醒剤や覚醒剤原料の使用、所持、譲渡・譲受、輸出入、製造について規制しており、それぞれ時効期間が異なっています。以下では、覚醒剤取締法違反の類型ごとの時効期間について説明します。
行為 | 時効期間 | |
使用 | 7年 | |
所持、譲渡・譲受 | 単純所持、譲渡・譲受 | 7年 |
営利目的 | 10年 | |
輸出入・製造 | 単純輸出入・製造 | 10年 |
営利目的 | 15年 |
覚醒剤の使用、所持、譲渡・譲受|7年
覚醒剤をみだりに使用、所持、譲渡・譲受した場合の時効期間は、7年です。
営利目的での覚醒剤の所持、譲渡・譲受|10年
営利目的で覚醒剤を所持、譲渡・譲受した場合、営利目的のない事案よりも法定刑が重くなっていますので、公訴時効期間も長くなります。具体的には、営利目的での覚醒剤の所持、譲渡・譲受の時効期間は、10年です。
覚醒剤の輸入・輸出、製造|10年
覚醒剤をみだりに輸入・輸出、製造した場合の時効期間は、10年です。
覚醒剤の輸出入、製造は、覚醒剤の使用、所持、譲渡・譲受よりも悪質性が高く、社会に与える危険性も高いことから、時効期間も長くなっています。
営利目的での覚醒剤の輸入、輸出、製造|15年
営利目的で覚醒剤を輸入・輸出、製造した場合、営利目的のない事案よりも法定刑が重くなっていますので、公訴時効期間も長くなります。具体的には、営利目的での覚醒剤の輸出入、製造の時効期間は、15年です。
覚醒剤事件では時効まで逃げ切るのは困難

覚醒剤取締法違反の罪には公訴時効が適用されますが、実際には覚醒剤事件で時効まで逃げ切るのは困難です。それには、以下のような理由があります。
時効前に犯罪を繰り返す傾向がある|再犯率69.2%
令和5年犯罪白書(253頁)では、覚醒剤取締法違反により検挙された20歳以上の同一罪名再犯者率がまとめられており、令和4年の覚醒剤取締法違反の再犯者率は69.2%となっています。刑法犯の起訴人員中に占める有前科者率が45.7%ですので、覚醒剤取締法違反の前科率が非常に高いことがわかります。
このように覚醒剤事件は、依存性の高い犯罪であることから、何度も犯罪を繰り返す傾向にあります。公訴時効は、犯罪が終わった時点から進行しますので、覚醒剤犯罪を繰り返していると、いつまで経っても時効にならず、その間に検挙されてしまう可能性があります。
このように、覚醒剤事件の再犯率の高さが時効まで逃げ切るのが困難だと言われる理由の一つになります。
薬物使用者は不審な言動から職務質問により検挙されやすい
覚醒剤事件が時効まで逃げ切るのが困難な理由の2つ目が薬物使用者は、不審な言動から職務質問されやすいという点が挙げられます。
覚醒剤を使用すると幻覚や妄想などの症状があらわれ、挙動不審になることから警察の職務質問の対象になりやすくなります。職務質問での受け答えがうまくできないと、薬物使用の疑いをかけられ、所持品検査により覚醒剤が見つかってしまったり、尿検査で覚醒剤の使用がバレてしまいます。
そのため、時効になる前に検挙されてしまうケースが多く、それが時効まで逃げ切ることが困難だと言われる理由です。
覚醒剤事件で時効待ち以外にできること

覚醒剤事件で時効待ち以外にできることとしては、以下のようなものが挙げられます。
覚醒剤との関係を断ち切る
覚醒剤との関係を断ち切らなければ、いつまで経っても時効を迎えることはできません。そのため、まずは覚醒剤との関係を断ち切ることが大切です。
覚醒剤との関係を断ち切ることは、時効という面でも必要な要素になりますが、ご自身の健康面でも重要な意味を持ちます。覚醒剤は、使用を続けると幻覚や妄想などの症状があらわれ、身も心もボロボロの状態になってしまいます。長く使用し続ければ、それだけやめるのが難しい状態になりますので、できる限り早めに覚醒剤との関係を断ち切るようにしましょう。
薬物治療専門のクリニックを受診する
覚醒剤との関係を断ち切るのは自分の意思だけでは難しいこともあります。そのようなときは、薬物治療専門のクリニックを受診することも有効な方法です。
薬物依存症の治療には、薬物療法や心理社会的治療などがあり一定の効果が認められていますので、それにより薬物との関係を断ち切ることが期待できます。薬物依存症は、心の病気や性格の問題だと誤解されがちですが、脳の疾患ですので、専門の医療機関で治療を受けることが大切です。
覚醒剤事件で逮捕・起訴されてしまったときの対処法

覚醒剤事件で時効前に逮捕・起訴されてしまったときは、以下のような対処法をとる必要があります。
早期に弁護士に依頼して面会を実施する
覚醒剤事件でご家族が逮捕されてしまったときは、すぐに弁護士に相談・依頼して、本人との面会を実施すべきです。
警察に逮捕された被疑者は、警察官による取り調べを受け、供述内容が調書にまとめられます。警察官の取り調べは、被疑者から自白を引き出すために厳しい追及がなされますので、精神的に追い込まれて不利な自白をしてしまうリスクがあります。また、警察官の巧みな誘導に乗ってしまい、自分の認識とは異なる内容の調書が作成されてしまうこともあります。
このような事態を回避するには、早期に専門家である弁護士との面会を実施する必要があります。弁護士は、被疑者との面会で取り調べに対するアドバイスをすることができますので、不利な調書をとられてしまうリスクを軽減できます。また、不当な取り調べがなされているときは捜査機関に抗議をすることで、そのような状況は改善されるでしょう。
逮捕中に面会できるのは弁護士に限られますので、不利な調書がとられてしまう前に早めに面会を実施してもらいましょう。
起訴後は保釈請求を行う
覚醒剤事件で起訴された後は、保釈請求をすることで一時的に身柄を解放してもらえる可能性があります。
弁護士に依頼すれば、起訴前から保釈請求の準備を行い、起訴と同時に保釈請求をすることで、迅速な身柄解放の実現が可能になります。身柄拘束期間が長くなればなるほど、被告人の心身の負担が大きくなりますので、早期の保釈請求が重要です。
覚醒剤の治療・更生プログラムに参加、専門の病院で入院・治療を行う
覚醒剤事件で起訴されると、ほとんどの事件で有罪になりますので、執行猶予が付くかどうかが重要なポイントになります。
覚醒剤事件は再犯率の高い犯罪ですので、執行猶予を獲得するには、再犯の可能性が低いということを裁判官に示さなければなりません。それには、覚醒剤の治療・更生プログラムに参加する、専門の病院で入院・治療を行うことが有効な手段となります。
自らの意思でこのような再犯防止に向けた対策に取り組んでいるということを示せれば、裁判官の納得も得やすく、執行猶予を獲得できる可能性が高くなります。
再犯防止の環境整備
覚醒剤事件の再犯を防止するためには、再犯防止の環境を整備することも重要です。
たとえば、覚醒剤の売人との連絡手段を破棄する、友人関係を見直すために遠方に引っ越す、家族などの信頼できる人に監督してもらうなどの方法が考えられます。
特に、家族が監督者になってくれるようであれば、法廷で今後の監督について具体的に証言してもらうことで、裁判官に再犯防止の環境が整っていることを示すことができます。
贖罪寄付
贖罪寄付とは、刑事事件を起こした人が弁護士会や被害者支援団体などに寄付をすることをいいます。
大麻犯罪は、被害者の存在しない犯罪ですので、被害者との示談により罪を軽くすることはできません。しかし、贖罪寄付をすることで刑事事件を起こしたことに対する反省の気持ちを示せますので、刑事裁判では一定程度有利な事情として考慮してもらうことができます。
覚醒剤事件は時効待ちではなくグラディアトル法律事務所に相談を

覚醒剤取締法違反の罪に対しては、公訴時効が適用されますが、覚醒剤事件の性質上、時効前に事件が発覚してしまうケースが多いです。家族が覚醒剤事件で逮捕されてしまったときは、薬物犯罪に詳しい弁護士のサポートが必要になりますので、すぐにグラディアトル法律事務所までご連絡ください。
当事務所では、覚醒剤事件のような薬物犯罪の弁護に関する豊富な経験と実績がありますので、逮捕・起訴された場合の対処法を熟知しています。早期にご依頼いただければ、効果的な弁護活動により執行猶予の可能性を高めることができます。また、保釈請求の手続きにも慣れていますので、起訴後は早期に身柄解放に向けた手続きに着手することも可能です。
当事務所では刑事事件に関してスピード対応を心がけていますので、最短で即日対応が可能です。身柄拘束されている場合には、すぐに警察署に駆けつけて面会を実施しますので、一刻も早く当事務所までご相談ください。
さらに、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。初回法律相談を無料で対応していますので、横領事件に関する相談をご希望の方は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
覚醒剤取締法違反の罪を犯しても、一定期間が経過すれば時効により処罰されなくなります。しかし、覚醒剤事件は、時効前に事件が発覚して、逮捕・起訴されてしまうケースも多いため、そのような場合はすぐに弁護士に相談するようにしてください。
覚醒剤事件でご家族が逮捕されてしまったときは、経験と実績豊富なグラディアトル法律事務所までお気軽にご相談ください。