スカートは外から盗撮しても逮捕される?逮捕を回避する方法も解説!

スカートを盗撮すると逮捕される?
弁護士 若林翔
2024年08月30日更新

「スカートを盗撮したのがバレてしまった」

「スカートの中は盗撮してないけど逮捕される?」

「逮捕を防ぐにはどうすればいい?」

スカートを盗撮すると「撮影罪(盗撮罪)」や「迷惑防止条例違反」という犯罪に該当します。

スカートの中を盗撮した場合はもちろん、スカートを外から盗撮しても、犯罪が成立して逮捕される可能性があるのです。

女性は、盗撮に対して想像以上に敏感です。

加害者が気づいていないだけで、実は盗撮されたことに気づいているケースも珍しくはありません。

逮捕を防ぐには、弁護士に相談して、被害者と示談をするなどの行動が必要です。

本記事では、次の点について取り上げました。

・スカートを盗撮して成立する犯罪

・スカートの盗撮で逮捕されるケース

・逮捕を回避する方法

スカートを盗撮して逮捕されるのではないかと不安な方は、是非ご一読ください。

スカートを盗撮すると何罪で逮捕される?

スカートの盗撮は、状況によって成立する犯罪が異なります。

スカートの中を盗撮した場合は「撮影罪」が成立します。

一方で、スカートの上から盗撮した場合は「迷惑防止条例違反」に該当します。

いずれにしても、スカートの盗撮は犯罪行為であり、逮捕されるリスクがあります。

スカートを盗撮すると何罪になる?

「スカートの中」を盗撮すると撮影罪

スカートの中にカメラを向けて盗撮した場合は「撮影罪」に該当します。

撮影罪とは、他人の性的な部位や、身につけている下着を撮影すると成立する犯罪です。

スカートの中を盗撮することは、正に「撮影罪」の典型例です。

撮影罪で逮捕されると「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が処せられます。

さらに、スカートの中を撮影した画像を販売したり、インターネット上にアップしたりすると、より重い処罰を受けます。

(性的影像記録等提供罪、性的姿態等影像送信罪など)

「スカートの上」から盗撮すると迷惑防止条例違反

犯罪が成立するのは、スカートの中を盗撮した場合だけではありません。

「スカートの外からカメラを向けて盗撮した場合」も「迷惑防止条例違反」に該当します。

例えば、最近では次のようなケースで「迷惑防止条例違反」が成立しています。

・スカートを着用して前かがみになった女性に、後方からカメラを構えた行為で「迷惑防止条例違反」が成立。
最一小決令和4・12・5

スカートを服の上から撮影しただけでは、前述の「撮影罪」には該当しません。

しかし、各都道府県の迷惑防止条例によって、

「人を羞恥させて、不安を覚えさせるような卑わいな言動」

を行うことが禁止されています。

(※具体的な内容は、都道府県によって異なります)

スカートの上からカメラを向ける行為は、人を羞恥させて不安を覚えさせる行為です。

そのため、実際に下着を盗撮していなくても「迷惑防止条例違反」として処罰されるのです。

【タイミング別】スカートの盗撮で成立する犯罪

スカートの盗撮は、発覚したタイミングによって、適用される犯罪が異なります。

ここでは、スカートの盗撮の代表的なパターンを4つ挙げ、それぞれどのような犯罪が成立するのかを解説します。

タイミングによって、「迷惑防止条例違反」になるケースと「撮影罪」になるケースがあるので、それぞれ見ていきましょう。

スカートの盗撮で成立する犯罪

【スカートを下からのぞく】迷惑防止条例違反

スカートを下からのぞき込むことは、「迷惑防止条例違反」に該当します。

迷惑防止条例は、公共の場所における迷惑行為を禁止するための条例です。

具体的には「公共の場所において、他人に対し、卑わいな言動をすること」などが禁止されています。

【迷惑防止条例違反となる具体的なケース】

・エスカレーターや階段の下から、スカートをのぞく
・しゃがんでスカートの中をのぞきこむ

スカートを下からのぞき込む行為は、被害者を著しく不快にさせる行為であるため、迷惑防止条例違反として処罰の対象になります。

【スカートにカメラを向ける】迷惑防止条例違反または撮影罪の未遂

スカートにカメラを向けると、「迷惑防止条例違反」または「撮影罪の未遂」が成立します。

例えば、至近距離から下半身に向けてカメラを向けると、撮影していなくても犯罪になる可能性があるのです。

「迷惑防止条例違反」となるか「撮影罪の未遂」となるかは、それまでの状況によって異なります。

下着を盗撮する目的でカメラを向けて、途中で見つかった場合
 →撮影罪の未遂が成立

カメラを向けるという行為自体が、被害者に不快感を与える行為だった場合
 →迷惑防止条例違反が成立

スカートの中を撮影しようとしてカメラを向けたが、途中で見つかって撮影できなかったようなケースでは、「撮影罪の未遂」となる可能性が高いです。

一方で、カメラを向けるという行為が、被害者に不快感を与える行為であれば「迷惑防止条例違反」に該当します。

いずれにせよ、スカートにカメラを向けた時点で犯罪となるリスクがあります。

【服の上からスカートを盗撮する】迷惑防止条例違反

スカートを外から盗撮すると「迷惑防止条例違反」に該当します。

前述のとおり、迷惑防止条例違反では、「人を羞恥させて、不安を覚えさせるような卑わいな言動」に対して、罰則が設けられています。

盗撮が服の上(スカートの外)からであっても、被害者が羞恥したり、不安を覚える可能性が高いため、迷惑防止条例違反となるのです。

【スカートの下にカメラを入れて下着を盗撮する】撮影罪の既遂

スカートの下にカメラを入れて下着を盗撮すると、「撮影罪の既遂」に該当します。

「撮影罪」の法定刑は「3年以下の懲役または300万以下の罰金」です。

軽い気持ちで行ったとしても、スカートの中を盗撮すると、撮影罪として重く処罰される可能性があるのです。

スカートの盗撮は「現行犯逮捕」と「後日逮捕」の2種類がある

スカートの盗撮で逮捕される場合、2つのケースがあります。

スカートの盗撮で逮捕されるケース

現行犯で逮捕される場合

現行犯逮捕は、スカートを盗撮していた現場で捕まるケースです。

例えば、駅のエスカレーターでスカートの中を盗撮していたところを、店員や周囲の人に発見された場合などが該当します。

現行犯で逮捕されると、そのまま警察に連れて行かれて、取り調べを受けることになります。

盗撮に使用したカメラやスマートフォンは押収されて、盗撮の余罪が無いかが捜査されます。

※関連コラム

「盗撮で現行犯逮捕!?家族は何をすればいい?今すぐできる3つの行動」

後日逮捕される場合

後日逮捕は、盗撮の事実が後から発覚し、犯人が特定されて逮捕されるケースです。

例えば、盗撮の被害に遭った人が、後から警察に通報し、防犯カメラの映像などから犯人が特定された場合などが該当します。

「現行犯で逮捕されていないなら、スカートを盗撮したことは気づかれていないのでは?」

このように考える人もいるかもしれません。

しかし、弁護士ドットコムが実施した調査によれば、女性の「44%」が「盗撮をされた」あるいは「盗撮されたのではないかと感じた」経験があると回答しています。

盗撮されたことがあると感じたことがある女性が44%

(出典:【自社調査】「盗撮された」感覚、女性の4割が経験 はびこる盗撮の実態を調査|弁護士ドットコム株式会社

つまり、騒ぎになっていないだけで、実は被害者がスカートを盗撮されたことに気づいているケースは想像以上に多いのです。

※関連コラム

「【半年〜1年後も】盗撮の後日逮捕はある!今できる回避策を解説」

スカートの盗撮で逮捕されるとどうなる?3つのリスク

スカートの盗撮で逮捕されると3つのリスクがあります。

スカートの盗撮で逮捕されるリスク

起訴されて前科が付く

1つ目のリスクは、起訴されて前科が付くことです。

スカートを盗撮して逮捕されると「撮影罪」や「迷惑防止条例違反」などの罪で起訴される可能性があります。

盗撮で起訴されると、99%の確率で有罪判決が下されます。

初犯であったとしても、過去の大量の盗撮データが見つかったりすると、懲役刑になるリスクがあるのです。

罰金になった場合も、前科が付いてしまい、次のような影響が生じます。

・会社を解雇されたり、懲戒免職になる
・退学処分になる
・履歴書の「賞罰欄」に書くことになる
・資格の取得制限を受ける
・海外への渡航制限を受ける
・家族や親戚の中で噂が広まる

起訴されて前科が付くことを防ぐには、速やかに弁護士への相談が必要です。

※関連記事

「盗撮で不起訴になるには?不起訴率や示談の重要性を弁護士が解説」

民事上も慰謝料を請求される

2つ目のリスクは、被害者から慰謝料を請求されることです。

盗撮で必要な金銭的負担は、「罰金」だけではありません。

被害者が受けた精神的ダメージを償うために、民事上も、慰謝料請求をされる可能性があるのです。

因みに、盗撮で被害者に支払う慰謝料の相場は「10万円から100万円程度」だとされています。

ただし、絶対的な基準ではなく、盗撮の内容や悪質性、被害感情の強さなどによって大きく変わってきます。

※盗撮の慰謝料や、民事裁判の流れはこちらの記事で詳しく解説しています。

「盗撮事件における民事訴訟の流れとは?慰謝料相場と時効について解説」

ニュースで報道される

盗撮は社会の関心が強いため、他の犯罪と比較しても、ニュースで報道されやすい事件です。

略式命令となるような軽微な盗撮事件であっても、多くの事件がニュースで報道されてしまいます。

・女性のスカート内盗撮で逮捕、罰金刑の仙台市職員を懲戒免職産経新聞

・列車で向かいに座っていた女性のスカート内を盗撮か 会社員の男(23)を逮捕(TBS NEWS DIG

・スカートの中を盗撮し略式命令 仙台市消防局の消防士が懲戒免職khb東日本放送

盗撮した人が、社会的信用の高い職業に付いていると、実名で報道されるケースもあります。

スカートの盗撮で逮捕されないためには、弁護士に依頼して示談することが必要

スカートの盗撮で逮捕されないためには、できる限り早く弁護士に相談して、示談を得ることが必要です。

なぜなら、被害者と示談することには、次のようなメリットがあるからです。

・盗撮の被害届を取り下げてもらえる
・当事者間でトラブルが解決したことで、警察の捜査が中断される
・検察官に「起訴する必要はない」と判断される可能性が高まる
・起訴されても、刑罰が軽くなりやすい
・示談金を支払うことで、民事裁判を起こされることも防げる

ただし、示談交渉は必ず弁護士に任せましょう。

被害者は、盗撮した人と二度と会いたくないと思っていることが通常です。

当事者同士で示談交渉を進めても、スムーズに示談を成立させることは難しいでしょう。

場合によっては、

・高額な示談金を要求される

・処罰感情を逆に悪化させてしまう

・示談が成立したはずなのに、蒸し返される

など、深刻なトラブルに発展してしまいます。

示談交渉は自分で行わず、最初から弁護士に依頼することが大切です。

被害者の連絡先が分からない場合はどうする?

被害者の連絡先が分からない場合の対応は、「被害届が出ているケース」「被害届が出ていないケースで異なります。

被害届が出されている場合は、弁護士を通じて捜査機関に照会することができます。

加害者本人に教えてもらえることはありませんが、弁護士であれば、連絡先が開示されるケースも多いです。

被害届が出されていない場合は、被害者の連絡先を突き止めることは難しいです。

ただし、だからといって放置して良いわけではなく、次のような対応が考えられます。

・贖罪寄付などをして、反省の意思を示す
・弁護士に同行してもらい、警察に自首する

自首すると「厳重注意」で済む場合もありますが、逮捕される可能性もゼロではありません。

いずれにせよ自己判断することは危険です。

弁護士に相談して、事件の影響を防ぐために最善の方法を選択しましょう。

※関連コラム

「盗撮の示談金相場は10~100万円!適正な金額の早期解決法を紹介」

「盗撮がバレたら弁護士に依頼!メリットと盗撮に強い弁護士の探し方」

スカート内の盗撮が発覚!示談を成立させて不起訴になった解決事例

前述のとおり、スカートの盗撮で逮捕されないために最も効果的な方法は、弁護士に相談して被害者と示談することです。

ここでは、スカート内の盗撮が発覚し、弁護士が示談を成立させて不起訴になった実際の解決事例を紹介します。

スカートの盗撮の解決事例

事件の内容

① ご依頼者様が、エスカレーターにて女性のスカート内を盗撮。 

 ↓

② その様子を被害者の友人が発見。その場で警備員・警察を呼ばれてしまう。ご依頼者様は必死に謝罪したものの、被害者に許してもらうことはできず、そのまま警察へ連行。 

 ↓

③ その日のうちに解放はされたものの、撮影罪で刑事事件化。

弁護士の対応

・すぐに示談交渉を開始。しかし、被害者女性だけでなく、両親も激怒しており交渉は難航。
相手の様子やこれまでの経験から、お金の問題ではないと判断。

・ご依頼者に対して、贖罪寄付を提案。

・さらに、反省文も作成してもらう。(謝罪したいことや、今後2度としないように自分に制限をかけていることなどを記載)

・被害者の方にも、ご依頼者が真摯に反省しており、反省文を作成して贖罪寄付したことを、弁護士からお伝え。

最終的な結果

・反省文や贖罪寄付などを見て、被害者の方も当初の考えから心変わり。

・贖罪寄付も踏まえた金額で示談成立。

・検察官に示談が成立したことを伝え、不起訴処分を獲得。

盗撮事件では、被害者が激怒しており、示談交渉が難航するケースは珍しくありません。

しかし、ご依頼者様の反省の意思を粘り強く伝え、諦めずに交渉していくことで最終的に示談を成立させることができます。

盗撮事件の影響を最小限に防ぎ、日常生活を取り戻すことができるでしょう。

スカートの盗撮で悩んだらグラディアトル法律事務所へ

最後に、今回の記事のポイントを整理します。

【スカートの盗撮で成立する犯罪は「撮影罪」と「迷惑防止条例違反」】

「撮影罪」が成立するのは「スカートの中」を盗撮した場合
「迷惑防止条例違反」になるのは「スカートを服の上から」盗撮した場合

【スカートの盗撮が発覚したタイミングによっても異なる】

スカートを下から覗く→迷惑防止条例違反
スカートにカメラを向ける→迷惑防止条例違反または撮影罪の未遂
スカートを服の上から盗撮→迷惑防止条例違反
スカートの下にカメラを入れて下着を盗撮→撮影罪

【スカートの盗撮で逮捕されるリスクは3つ】

・起訴されて前科が付く
・慰謝料を請求される
・ニュースで報道される

スカートの盗撮で逮捕されないためには、被害者と示談をすることが大切です。

グラディアトル法律事務所では、これまでにも数多くの盗撮事件の相談を受けて、警察や検察と交渉を行ったり、被害者との示談を成立させる等の弁護活動を行ってきました。

勇気をもってご相談いただいたことで、事態が好転したご相談者様は数え切れません。

スカートの盗撮で悩んだら、盗撮事件に強いグラディアトル法律事務所へご相談ください。

LINEでの無料法律相談も受け付けているので、是非お気軽にご連絡ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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