不同意わいせつ事件で被害届が提出された!逮捕回避のための対処法

不同意わいせつ事件で被害届が提出された!逮捕回避のための対処法
弁護士 若林翔
2024年12月23日更新

「不同意わいせつ事件で被害届を提出されたらどうなるの?」

「不同意わいせつの被害者から被害届を出すと言われている」

「被害届を提出されたらどのように対応したらいい?」

相手の同意なくわいせつな行為をしてしまうと、被害者から被害届を提出される可能性があります。

被害届は、警察が不同意わいせつ事件の捜査を開始する端緒となりますので、被害届が提出されてしまったときは、早期に示談を成立させることが重要です。

被害届を提出された状態で何もしなければ、逮捕や起訴される可能性も十分にありますので、迅速に対応を進めていきましょう。

本記事では、

・不同意わいせつ事件で被害届が出されたらどうなる?

・不同意わいせつ罪で被害届を出されたときの対処法

・不同意わいせつ罪の被害届に関するよくある質問

などについてわかりやすく解説します。

不同意わいせつ事件の被害者との示談交渉には、性犯罪に強い弁護士によるサポートが必要になりますので、自分で対応するのではなくまずは弁護士に相談することをおすすめします。

不同意わいせつ事件で被害届が出されたらどうなる?

不同意わいせつ事件で被害届が出されたらどうなる?

不同意わいせつ事件で被害届が出されたらどうなるのでしょうか。以下では、被害届を提出する意味について説明します。

被害届の提出により警察の捜査が開始する

被害届を提出すると犯罪被害の事実が警察に伝わりますので、警察が捜査を開始するきっかけになります。

ただし、被害届には捜査の開始を義務付ける法的効果まではありませんので、被害届の提出を受けて捜査を開始するかどうかは、捜査機関の判断に委ねられています。

なお、令和5年度版犯罪白書によると、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)の検挙数は、以下のようになっています。

認知件数検挙件数検挙率
4708件4062件86.28%

このように不同意わいせつ罪は、捜査機関に犯罪として認知されると約86%もの事件が検挙されていますので、被害届の提出をきっかけに捜査が開始される可能性が高いといえるでしょう。

捜査の結果によっては逮捕される

警察による捜査の結果、罪を犯した疑いがあり、逃亡または証拠隠滅のおそれがある場合には、不同意わいせつ罪で逮捕される可能性があります。

逮捕には、現行犯逮捕と後日逮捕がありますが、被害届の提出をきっかけとして行われるのは、後日逮捕になります。後日逮捕は、逮捕状を持った警察官が自宅にやってきてその場で逮捕になるケースが多いですが、警察署への任意出頭を求められ、取り調べ後に逮捕となるケースもあります。

いずれにしても、逮捕・勾留されてしまうと最大23日間身柄を拘束されますので、大きな不利益が生じてしまいます。

なお、2023年の検察統計によると、不同意わいせつ罪で検挙された事件は4505件あり、そのうち、逮捕された事件は2656件でした。不同意わいせつ罪の逮捕率は約59%ですので、検挙された事件の半数以上が逮捕に至っていることがわかります。

こちらの関連記事もご覧ください。

不同意わいせつ罪の逮捕率は約59%!逮捕のリスクや回避方法を解説

起訴されると刑事罰が科される

不同意わいせつ罪による捜査が終了すると、検察官が起訴または不起訴の判断を行います。

不同意わいせつ罪の法定刑には、罰金刑がありませんので、起訴されれば必ず正式裁判となり、裁判の結果有罪になれば刑事罰が科されてしまいます。

日本の刑事司法では、起訴されると99%以上の割合で有罪になりますので、ほぼ確実に前科が付いてしまいます。

なお、2023年の検察統計によると不同意わいせつ罪と旧強制わいせつ罪の起訴・不起訴の件数は、以下のようになっています。

【不同意わいせつ罪】

・起訴……339件

・不起訴……500件

【強制わいせつ罪】

・起訴……906件

・不起訴……2048件

起訴率としては、不同意わいせつ罪が約40%、強制わいせつ罪が約31%となっています。

こちらの記事も併せてご覧ください。

不同意わいせつ罪の不起訴率は約60%!不起訴獲得のポイントを解説 

不同意わいせつ罪は非親告罪だが被害届は重視される!

不同意わいせつ罪は、親告罪ではありませんので、被害者による被害届の提出や告訴がなかったとしても、起訴される可能性があります。

旧強制わいせつ罪は、もともと被害者の告訴がなければ起訴することができない親告罪とされていましたが、2017年の刑法改正により非親告罪へと改められました。不同意わいせつ罪もこのような流れを汲んでいますので、旧強制わいせつ罪と同様に非親告罪となっています。

そうすると、被害者との示談は意味がないようにも思えますが、検察官が不同意わいせつ罪の起訴または不起訴の判断をする際には、被害者の意向を確認するという運用がなされています。

すなわち、実務上、被害者の意思や被害届が重視されているのです!

これは、以下のような法務省から検察への通達からも明らかです。

第3 留意事項
1 強姦罪等の非親告罪化について
性犯罪については、もとより、被害者のプライバシー等の保護が特に重要であり、事件の処分等に当たっても被害者の心情に配慮することが必要であることは、強姦罪等を非親告罪化した後も変わるものではない。
したがって、本法施行後においても、引き続き、事件の処分に当たって被害者の意思を丁寧に確認するなど被害者の心情に適切に配慮する必要があることに留意されたい。

このように非親告罪である不同意わいせつ罪でも被害者との示談が重要な要素となりますので、早期に被害者との示談交渉に着手するようにしましょう。

下記の関連記事も併せてご覧ください。

不同意わいせつ罪は親告罪ではない!刑事処分への影響と示談の重要性 

不同意わいせつ罪で被害届を出されたときの対処法

不同意わいせつ罪で被害届を出されたときの対処法

不同意わいせつ罪で被害届を提出されてしまったときはどのように対処すればよいのでしょうか。以下では、被害者から被害届を出されたときの対処法を説明します。

被害者と示談をする

被害者から「被害届を提出する」または「被害届を提出した」と言われたときは、すぐに被害者との示談交渉を行うようにしましょう。

被害者との示談交渉をせずに放置していると、警察により逮捕され、その後起訴されてしまうリスクが高くなります。逮捕されると長期間の身柄拘束という不利益が生じ、職場の解雇や学校の退学などの処分を受ける可能性があります。また、検察官により起訴されてしまうと、前科が付いてしまい事案によっては執行猶予の付かない実刑判決になる可能性もあります。

このようなリスクを回避または最小限に抑えるためにも、早期に被害者との示談を成立させることが重要です。

関連記事:

不同意わいせつ罪の示談金相場は?示談交渉の流れと弁護士の必要性

弁護士に相談する

不同意わいせつ罪のような性犯罪の被害者は、加害者に対して強い処罰感情や恐怖心を抱いていますので、加害者自身で示談交渉をしようとしても困難なケースも少なくありません。

迅速に示談を成立させるためには、刑事事件に強い弁護士によるサポートが必要になりますので、被害届を出されてしまったときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。

弁護士であれば、被害者の連絡先がわからないような事案でも捜査機関を通じて、被害者と連絡をとることができます。また、被害者としても直接加害者本人と話をしなくて済みますので、示談交渉に応じてくれる可能性が高くなります。

このように不同意わいせつ事件の示談交渉では、弁護士のサポートが必要になりますので、早期の相談が重要です。

弁護士のサポートについては下記の記事にも詳しく記載がありますので、ご覧ください。

不同意わいせつに強い弁護士の見極め方と弁護活動のポイントを解説 

不同意わいせつ罪の被害届に関するよくある質問

不同意わいせつ罪の被害届に関するよくある質問

以下では、不同意わいせつ罪の被害届に関するよくある質問とその回答を紹介します。

被害届が提出されているかどうか確かめる方法は?

被害届が提出されているかどうかを確かめる方法はありません。

警察に問い合わせたとしても、捜査上の秘密を理由に回答してもらうことはできないでしょう。そのため、警察から任意出頭の要請や逮捕のために自宅に警察官がやってきた段階で初めて被害届の提出を知ることになります。

被害届には提出期限はある?

被害届には提出期限はありません。

ただし、犯罪には公訴時効がありますので、公訴時効が経過してしまうと検察官が事件を起訴することができなくなります。不同意わいせつ罪の公訴時効は、犯罪行為が終わったときから12年と定めらえていますので、事件から12年が経過するまでは被害届が提出される可能性があると考えておきましょう。

事項については下記の記事に特に詳しい記載をしていますので、目を通してみてください。

不同意わいせつ罪の時効は12年!時効待ち以外にできる3つのこと

被害届の取り下げに期限はある?

被害届の取下げには期限はありません。

ただし、被害届を取り下げてもらう目的は、逮捕や起訴を回避することにありますので、警察による逮捕前または検察官による起訴処分前のタイミングで被害届を取り下げてもらうようにしましょう。

不同意わいせつ事件の弁護はグラディアトル法律事務所にお任せください

不同意わいせつ事件の弁護はグラディアトル法律事務所にお任せください

不同意わいせつ事件を起こしてしまった方は、すぐにグラディアトル法律事務所までご相談ください。

不同意わいせつ事件についての豊富な実績と経験

不同意わいせつ事件は、担当する弁護士の経験や実績によって、結果が左右されることもありますので、不同意わいせつ事件を起こしてしまったときは、経験や実績豊富な弁護士に依頼することが重要なポイントになります。

当事務所では、不同意わいせつ事件をはじめとした性犯罪に関する豊富な実績と経験がありますので、どうぞ安心してお任せください。

複数弁護士在籍の強みを活かした迅速な対応

当事務所には、複数の弁護士が在籍していますので、ご依頼があればすぐに弁護活動に着手できる体制を整えています。早ければ即日対応も可能ですので、不同意わいせつ事件を起こしてしまった方は、一刻も早く当事務所までご相談ください。

また、事務所内では、知識や経験などを弁護士同士で共有していますので、誰に依頼してもハイレベルなリーガルサービスの提供が受けられます。

早朝・夜間や土日祝日でも相談受付

当事務所では、24時間365日相談を受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく、お気軽にご連絡ください。

また、初回法律相談料を無料で対応しています。まずは相談だけでも結構ですので不同意わいせつ事件を起こしてしまったときはすぐに当事務所までご連絡ください。刑事事件は、スピード勝負と言われるように迅速な対応が重要です。少しでも早く弁護活動に着手するためにも早期の相談をおすすめします。

まとめ

不同意わいせつ事件の被害者から被害届が提出されると、警察による捜査が始まり、事案によっては逮捕・起訴される可能性があります。そのようなリスクを回避または最小限に抑えるには、専門家である弁護士のサポートが不可欠です。

早期に弁護士に相談をすれば被害者との示談により逮捕や起訴を回避できる可能性がありますので、まずは実績と経験豊富なグラディアトル法律事務所までご相談ください。

弁護士 若林翔

弁護士法人グラディアトル法律事務所代表弁護士。 東京弁護士会所属(登録番号:50133) 男女トラブルや詐欺、消費者被害、誹謗中傷など多岐にわたる分野を手掛けるとともに、顧問弁護士として風俗やキャバクラ、ホストクラブなど、ナイトビジネスの健全化に助力している。

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