「公然わいせつ罪で後日逮捕される確率はどのくらい?」
「公然わいせつ罪で後日逮捕される可能性のあるケースとは?」
「公然わいせつ罪で後日逮捕を避ける方法はある?」
公然わいせつ罪というと公園や路上、商業施設などで下半身を露出するなどして、通報を受けて駆け付けた警察官により現行犯逮捕されるケースが一般的です。
しかし、防犯カメラなどの映像から犯人が特定されて後日逮捕に至るケースもあります。
そのため、公然わいせつ事件の現場から逃走して逃げ切れたと思っても、しばらくしてから警察官が自宅にやってきて後日逮捕になる可能性もありますので注意が必要です。このような後日逮捕を避けるには、被害者との示談や自首が有効ですので、早期に対応していくようにしましょう。
本記事では、
・公然わいせつ罪で逮捕される確率
・公然わいせつ罪で後日逮捕される可能性がある3つのケース
・公然わいせつ罪で後日逮捕を避けるためにできる3つのこと
などについてわかりやすく解説します。
後日逮捕されるかもしれないと不安になっている方は、刑事事件に強い弁護士のサポートにより逮捕を回避できる可能性もありますので、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
目次
公然わいせつ罪で後日逮捕される?逮捕率は約33%
2023年の検察統計によると、公然わいせつ罪(わいせつ物頒布等罪含む)で検挙された事件は1980件で、そのうち逮捕に至ったのは654件でした。このことから、公然わいせつ罪による逮捕率は約33%になります。これは、3人に1人が逮捕されているということがわかります。
逮捕には、現行犯逮捕と後日逮捕の2つが含まれていますが、公然わいせつ罪は、現行犯逮捕に至るケースが圧倒的に多いため、後日逮捕となるのは全体から見ると少数といえるでしょう。
それでも後日逮捕に至るケースは存在していますので、公然わいせつ事件の現場から逃げ切れたとしても、その後逮捕される可能性がありますので注意が必要です。
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公然わいせつ罪で後日逮捕された実際の事例
以下では、公然わいせつ罪で後日逮捕された実際の事例を紹介します。
店舗内で陰部を露出し自ら触った疑いで後日逮捕された事例
静岡県島田市の店舗内でわいせつな行為をしたとして、38歳の男が逮捕されました。
警察の調べでは、男は商品棚の間に立ってズボンのチャックを下ろし、男性器を露出させていたということです。男の行為を目撃した客の女性が店を通じて警察に通報しました。
警察が女性の証言や防犯カメラの映像などから男を逮捕しました。
会社員の男(38)を逮捕 静岡・島田市の店舗でわいせつな行為をした疑い(引用:静岡朝日テレビ)
公園で下半身を露出した疑いで後日逮捕された事例
島根県内の公園で下半身を露出したとして、公然わいせつ罪の疑いで松江市に住む55歳の男が逮捕されました。
警察によると女性から「松江市内の公園で下半身を露出した男がいた」との目撃情報があり、警察が現場に行くも男はすでに逃走していて、その後、付近の防犯カメラの映像を確認するなど所要の捜査の結果、男の容疑が固まったとして犯行から約3か月後に逮捕に至りました。
「公園で下半身を露出した男がいた」公園で下半身を露出した疑い…会社員の男(55)を逮捕 「そのようなことをした記憶はありません」と否認(引用:BSS山陰放送)
商業施設で小学生に対して下半身を露出した疑いで後日逮捕された事例
熊本市の商業施設で女児と男児に対して下半身を露出したとして、公然わいせつ罪の疑いで熊本市に住む20歳の男が逮捕されました。
警察によると、女児の1人が帰宅した後、母親に相談し、被害届を受けた警察が防犯カメラ映像などの捜査を進め、犯行から約2週間後に逮捕に至りました。
商業施設で小学生に対し「下半身露出」公然わいせつ容疑で逮捕の20歳男「位置を直すため」と否認 熊本
(引用:RKK熊本放送)
公然わいせつ罪で後日逮捕される可能性がある3つのケース
公然わいせつ罪で後日逮捕される可能性のあるケースとしては、以下の3つが挙げられます。
公園や路上で下半身を露出して逮捕されるケース
公然わいせつ罪で逮捕されるケースで圧倒的に多いのが、公園や路上、商業施設などで下半身を露出するケースです。
公園や路上、商業施設での犯行は、周囲に防犯カメラなどが設置されていることが多く、犯行現場から逃げ切ることができたとしても、その後、防犯カメラの映像などから特定されてると、後日逮捕になることがあります。
最近では、防犯カメラの映像だけではなく、目撃者が撮影したスマートフォンの写真や動画なども犯人特定の証拠として利用されています。
インターネット上でわいせつ動画を配信して逮捕されるケース
インターネット上のライブチャットなどでわいせつな行為を配信した場合も公然わいせつ罪が成立します。たとえば、FC2ライブチャットなどで、モザイク処理をせずに自分の性器を露出したり、性行為の現場を配信する行為などが挙げられます。
警察では、サイバーパトロールによりインターネット上のわいせつ動画の取締りを行っていますので、違法なライブチャットの情報を掴んだ警察官により、投稿者が特定されて、後日逮捕になるケースがあります。
ハプニングバーやピンサロでの性行為により逮捕されるケース
ハプニングバーやピンサロにおいて、人に見える状態で性行為やわいせつな行為を行った場合には、公然わいせつ罪が成立します。実際に性行為を行った客だけではなく、場所を提供した経営者や従業員も公然わいせつ罪の幇助に問われる可能性があります。
ハプニングバーやピンサロでの公然わいせつ罪の事案は、内偵調査を進めた上で、店舗内を捜索差押するタイミングで現行犯逮捕に至るケースが多いですが、経営者や従業員に関しては、証拠を収集したタイミングで後日逮捕になることもあります。
公然わいせつ罪で後日逮捕された場合に生じるリスク
公然わいせつ罪で後日逮捕されると、以下のようなリスクが生じます。
実名報道により社会的信用の失墜
公然わいせつ罪で後日逮捕されたことが実名報道されてしまうと、周囲に犯罪行為が知られてしまいますので、これまで築いてきた社会的信用を大きく失墜することになります。
特に、公然わいせつ罪は、犯罪の性質上、反響が大きくなるケースもあり、インターネットで拡散され、長期間情報が残り続ける可能性が高いです。
周囲の人からは好奇の目で見られるなど、私生活にも影響が出てきますので、場合によって現在の居住地を離れなければならなくなるケースもあります。
職場を解雇されることによる日常生活への影響
公然わいせつ罪で後日逮捕されたことが職場に知られてしまうと、会社の信用を失墜したなどの理由で懲戒解雇になる可能性があります。また、後日逮捕されたことが会社にバレなかったとしても、長期間の身柄拘束により無断欠勤の状態が続けば解雇となるのは避けられません。
職場を解雇されてしまうと、収入源を失うことになりますので、その後の日常生活にも大きな影響が生じてしまいます。結婚して家族がいる場合には、離婚に至るリスクもあるでしょう。
前科が付くことによる職業や資格の制限
公然わいせつ罪により起訴または略式命令請求をされると、ほとんどのケースで有罪になり前科が付くことになります。公然わいせつ罪の量刑としては、罰金刑が多いですが、罰金刑も前科であることには変わりありません。
前科が付いてしまうと職業や資格に制限が生じることもありますので、今就いている仕事によっては、職業や資格制限により働けなくなるおそれもあります。
公然わいせつ罪で後日逮捕された後の流れ
公然わいせつ罪で後日逮捕された場合、以下のような流れでその後の刑事手続きが進んでいきます。
警察での取り調べ
公然わいせつ罪で後日逮捕されると警察署に連行され、警察署内の留置施設で身柄拘束されることになります。逮捕中は、弁護士以外の第三者との面会はできませんので、家族であっても面会はできません。
逮捕中は、警察官による取り調べを受け、話した内容が供述調書という書面にまとめられます。供述調書は、後日の裁判の証拠になる書類ですので、不利な供述内容が記載されないようしっかりと確認してから署名押印するようにしてください。
なお、逮捕には時間制限がありますので、警察は逮捕から48時間以内に被疑者の身柄を検察官に送致しなければなりません。
検察への送致
被疑者の身柄の送致を受けた検察官は、勾留請求をするか判断するために被疑者の取り調べを行います。取り調べの結果、引き続き身柄拘束をする必要があると判断すると、裁判官に対して、勾留請求を行います。
なお、検察官が勾留請求をする場合、送致から24時間以内に行わなければなりません。
勾留・勾留延長
勾留請求を受けた裁判官は、被疑者に対する勾留質問を実施した上で、勾留を許可するかどうかの判断を行います。
勾留が許可されると、そこから原則として10日間の身柄拘束となります。また、勾留は延長されることがありますので、勾留延長が認められるとさらに最大で10日間の身柄拘束となります。
すなわち、逮捕から起算すると合計で23日間にも及ぶ身柄拘束を受ける可能性があるということです。
起訴・不起訴の決定
検察官は、勾留期間が満了するまでの間に起訴または不起訴の判断を行います。
起訴されてしまうとほとんどのケースで有罪になってしまいますので、前科を避けるのは困難です。他方、不起訴処分になればその時点で釈放となり、前科が付くこともありません。
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公然わいせつ罪で後日逮捕を避けるためにできる3つのこと
公然わいせつ罪で後日逮捕されるのを避けるには、以下の3つの方法が考えられます。
被害者との示談
公然わいせつ罪は、性秩序・健全な性風俗といった社会的法益を保護法益にしていますので、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪のような特定の被害者を観念することはできません。
しかし、公然わいせつ事件の現場を目撃した人は、見たくないものを見せられたことで精神的苦痛を被っていますので、そのような目撃者を被害者とみなして示談をすることができます。
捜査機関に事件が発覚する前に示談できれば事件化を回避することができますし、発覚後であっても早期に示談をまとめることができれば、逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして、後日逮捕を回避できる可能性が高くなります。
下記の記事でも示談について詳しく記載していますのでご覧ください。
公然わいせつで罪の示談をする4つのメリットと示談以外にできること
警察への自首
後日逮捕を回避するなら警察への自首も有効な手段となります。
自首をすることで逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを示せますので、逮捕の要件を満たさなくなることで後日逮捕を回避できる可能性があります。特に、公然わいせつ罪は、比較的軽微な犯罪ですので、自首をすることで逮捕を回避できる可能性が高まるといえるでしょう。
ただし、自首は、捜査機関が犯人および犯罪事実を把握する前に行わなければなりませんので、タイミングによっては自首が成立しない可能性もあります。
弁護士に相談
後日逮捕を回避する手段には被害者との示談や自首がありますが、自分で対応する前にまずは弁護士に相談することをおすすめします。
公然わいせつ事件の目撃者は、行為者に対して、強い嫌悪感を抱いていますので、行為者が直接連絡をしようとしても拒否されるケースがほとんどです。このようなケースでは、弁護士が代わりに交渉をすることでスムーズに示談交渉を進められる可能性があります。
また、警察に自首する際にも弁護士が同行することで逮捕を回避できる可能性をより高めることができます。
後日逮捕を回避するには、刑事事件に強い弁護士のサポートが不可欠となりますので、早めに弁護士に相談するようにしましょう。
公然わいせつ罪で後日逮捕が心配な方はグラディアトル法律事務所にご相談を
公然わいせつ罪というと現行犯逮捕のイメージが強いですが、防犯カメラの映像などから特定されれば後日逮捕の可能性も十分にあります。犯行現場から逃げ切れたとしても、そのまま何もしなければ逮捕のリスクは依然として残ったままですので、早めに弁護士に相談して対応してもらうことが大切です。
グラディアトル法律事務所では、公然わいせつ事件の弁護に関する豊富な経験と実績がありますので、後日逮捕を回避するためのノウハウを熟知しています。状況に応じて適切な手段を選択して、後日逮捕を回避できるよう全力でサポートいたしますので、まずは当事務所までご相談ください。
当事務所では、相談は24時間365日受け付けておりますので、早朝・夜間や土日祝日であっても関係なく対応可能です。また、初回法律相談を無料で対応していますので、まずは相談だけでも結構です。刑事事件は、スピード勝負と言われるように迅速な対応が重要になりますので、少しでも早く弁護活動に着手するためにもまずは当事務所までお問い合わせください。
まとめ
公然わいせつ罪は、現行犯逮捕になるケースが多いため、その場から逃げ切れたことで安心している方もいるかもしれません。しかし、防犯カメラの映像などから犯人が特定されれば、後日逮捕に至る可能性も十分にありますので、犯行後はすぐに弁護士に相談して、今後の対応を検討してくことが大切です。
公然わいせつ事件を起こしてしまったという方は、すぐにグラディアトル法律事務所にご相談ください。